仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の六十一 雷撃と若獅子の器!!の巻

 

「グッ!?グォォォ…!!」 

 

電気を取り込み続けているスティラコサウルスが突如苦しみ出す。そして鼻先の角やフリルのトゲから凄まじい電撃が放出され始める。

 

 

「グォォォォォォォン!!」

 

スティラコサウルスが叫ぶと全身から電撃が周囲に撒き散らされ、辺りを見境なく破壊していった。そして、電撃を放出し終えるとスティラコサウルスは凄まじいスピードで走り去っていった。

 

「あの様子…」

 

俺はスティラコサウルスの様子のおかしさに違和感を感じた。電気を取り込んでいたスティラコサウルスは途中から突然苦しみ出した…あの様子はまるで…

 

「もしからしたら…ごめんみんな、俺はあいつを追いかける!!」

 

「え?ちょっとりゅーくん?」

 

スティラコサウルスの異変に気が付いた俺は急いでスティラコサウルスを追いかけることにした。

 

「はやくあいつを追いかけないと…!!」

 

 

 

「竜司…一体どうしたんだ…?」

 

何かに気づいてスティラコサウルスを追いかけだした竜司を目で追いながらドライグは1人呟いた。

 

   

 

 

  

『そうか…それほどの能力を有していたか…』

 

「はい…」

 

竜司がいなくなった後、飛鳥たちは霧夜先生にスティラコサウルスについて報告をしていた。

 

『竜司は今どうしている?』

 

「竜司さんは逃げた恐竜を追いかけて行きました。何かに気づいたみたいでしたが…」

 

「気づいた?一体何に…」

 

その時、竜司からの通信が入る

 

『霧夜先生、俺です!!』

 

『竜司か…何かに気づいたと聞いたが…』

 

『はい、おそらくスティラコサウルスは…』

 

   

 

 

 

 

「くそがぁっ!!」

 

一方廃工場では、ティタノボアスカルが怒りに身を任せて壁を殴り破壊していた。

 

「仕方ありません、リューマはもちろんあの新しい仮面ライダーもかなりの使い手、スティラコサウルスの力を完全に取り込んでない状態ではいくら貴方でも2人がかりでこられたら危険です。」

 

「殺す!!次に会ったら今度こそ…」

 

「それなら良い方法がありますよ。」

 

「あ?」

 

イライラを抑えられないティタノボアスカルにモノクルの男はニヤリと笑った。

 

「私の見立てでは、あのスティラコサウルス…うまく誘導すれば楽に力を取り込むことができます。」

 

「本当か、どうすりゃいい!?」

 

「くくく…まずは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「グォォォォォ!!」

 

リューマやドライグ、ティタノボアスカルから逃げ出したスティラコサウルスは森の中で全身から電撃を放出して周りの木々を破壊していった。その表情はとても苦しそうで激しく息を切らしている。

 

「見つけた…」

 

「グルゥッ!!」

 

するとそこへ竜司が現れる。突如現れた竜司にスティラコサウルスは再び警戒し身構える。

 

「ま、まってくれ!!お前を傷つけるつもりはないんだ!!」

 

しかし竜司はドライバーにも手を伸ばさず両手をあげてゆっくりと歩をすすめる。

 

「さっきはごめん!!」

 

「グオッ!?」

 

そしてスティラコサウルスにむかって全力で頭を下げた。突然の謝罪にスティラコサウルスも驚きを隠せなかった。

 

「急に追いかけられてびっくりしたよな?俺さ…お前ら恐竜が大好きで、お前がこの街にいるって聞いてさ、興奮して自分を抑えられなかった。でもお前からすればいい迷惑だったよな。だからごめん、ちゃんと謝りたかったんだ」

 

「グルゥ…」

 

すると竜司は背中に背負ったカバンから大量の植物や野菜、果物などを取り出した。

 

「だからこれ!!お前が気に入りそうな草や野菜、果物を手当たり次第買ってきた!!これで仲直りしよう!!」

 

竜司は植物や野菜をスティラコサウルスに近づけるが、警戒しているのかなかなか口に入れようとしない

 

「やっぱりダメか…」

 

俺は少し凹んだ。しかし、スティラコサウルスはふと鼻をヒクヒクさせるとリンゴに興味を示し始めた。

 

「お、それが食べたいのか?良いぞ、ほら」

 

「グオッ!!」

 

「うわぁっ!?」

 

俺がリンゴを手に取って差し出そうとするとスティラコサウルスは鼻先の角で俺を軽く突き飛ばして転がったリンゴを頬張りだしてあっという間にペロリと平らげてしまった。

 

「グォォォォォォォン!!」

 

するとスティラコサウルスはリンゴの芯を鼻先で転がしながら俺に向かって吠え出した。

 

「なに?『もっとよこせ』って?わかったわかった。すぐ買ってくるよ」

 

俺はスティラコサウルスに急かされながら町に戻ると籠いっぱいのリンゴを持ってスティラコサウルスのところへと戻る。するとスティラコサウルスは待ってましたと言わんばかりにリンゴを頬張り出した。

 

「ははっ、気に入ってくれてよかった」

 

俺は安心しながら自分もリンゴを手にとって食べようとした。

 

「グォォォォォ!!」

 

「ぶへぇっ!?」

 

しかし、スティラコサウルスは俺がリンゴを手に取るのを見ると即座に頭突きで俺を突き飛ばし、俺の手から零れ落ちたリンゴを咥えた。

 

「なんだよ、俺が自分の金で買ってきたんだから1個くらいいいだろ!?」

 

「グルゥ!!」

 

俺は文句を言うがスティラコサウルスは知らんと言わんばかりにそっぽを向いた。

 

「はいはい、わかったよ」

 

その様子に俺はため息を吐きながら残っている他の果物を手に取って食べることにした。それを確認するとスティラコサウルスは満足そうにリンゴを頬張り始めた。

 

「りゅーく〜ん」

 

するとそこへ飛鳥たちが霧夜先生への報告を終えてやってきた。

 

「竜司さん、恐竜の様子はどうですか?」

 

「うん、今は落ち着いてる。しばらくはこの森で寛がせたほうがいいと思う」

 

スティラコサウルスの様子を見ながら尋ねる斑鳩先輩に俺はそう答えた。

 

「どうしてりゅーくん?」

 

「うん…多分こいつ…」

 

 

 

 

「おーおーおーおー、呑気にピクニックとは余裕じゃねえかよ。仮面ライダーさん?」

 

「っ!!お前は…!!」

 

「グルゥッ!?」

 

その時、木々を掻き分けながら殺意を滲み出してティタノボアスカルが現れた。俺たちとスティラコサウルスは突然の敵に慌てて身構える。

 

「スティラコサウルス、お前は逃げるんだ!!こいつの狙いは…」

 

「おっとそうは行くかよ!!」

 

俺はスティラコサウルスを逃がそうとするが、ティタノボアスカルはそれをさせまいと腹部の口から大量の電撃を放つ。

 

「グォッ…グォォォォォ!!」

 

放たれた電撃はスティラコサウルスへとどんどん溜まって行き、スティラコサウルスは再び苦しそうに悶え始めた。

 

「グギャァァァァァァ!!」

 

瞬間、スティラコサウルスの苦しそうな絶叫と共に全身から凄まじい雷撃が放出した。

 

「大丈夫かスティラコ!?」

 

「グォォォォォォォン!!」

 

俺がスティラコサウルスに駆け寄ろうとするがスティラコサウルスは我を忘れて苦しそうに暴れ回り、市街地の方へと走り出してしまった。

 

「っ!!ダメだスティラコ!!そっちに行ったら…!!」

 

慌てて止める俺だが我を忘れたスティラコサウルスは暴れながら走り去ってしまった。

 

「お前ら…スティラコを暴走させる気か!!」

 

「どういうことりゅーくん!?」

 

俺の言葉に反応した飛鳥が慌てて問いただす。

 

「スティラコの奴は…自分の電撃を取り込む能力を制御出来なくなってるんだ!!恐竜時代や300年前と違って現代には電気がそこらじゅうにある…だから必要以上の電気を意図せず取り込んでしまって暴走しちゃってるんだ!!」

 

だからこの森の中で落ち着くまで休ませようとしたのに…このままじゃまた暴走して街に大きな被害を出してしまう…それに下手したらスティラコも…!!

 

「ははっ、暴走したスティラコサウルスは体内の電気を制御出来ずいずれ爆発する…その時放たれるエネルギーを取り込めば俺は最強の存在になることが出来るぜ。」

 

「ふざけるな!!そんなことさせるか!!」

 

俺はティタノボアスカルへと殴りかかるが拳は躱されてティタノボアスカルは両手を器用に伸ばして木の上に飛び乗った。

 

「もうお前の相手をする必要はねえ!!お前はそいつらと遊んでろ!!」

 

ティタノボアスカルが叫ぶと木々の後ろから無数のアーミーアントスカルが現れて俺たちに襲いかかってきた。

 

「待ちやがれこの!!」

 

「ギギィッ!!」

 

ティタノボアスカルを攻撃しようとする俺だが、アーミーアントスカルたちに阻まれてしまった。

 

「こいつはおまけだ!!」

 

さらにティタノボアスカルは懐から黒い卵を取り出すとそれを握りつぶす。すると黒い泥が吹き出してそこからバイソンスカルが現れた。

 

「それは…あの研究員は倒されたのに…!!」

 

俺は想定外の敵に驚きを隠せなかった。

 

 

 

 

「すでにデータは我々親衛隊が回収していたんですよ。くくく、実験は成功のようですね」

 

驚く竜司を木の後ろから見ながらモノクルの男は笑みを浮かべていた。

 

 

 

「それじゃあばよ!!せいぜいそいつらと遊んで俺が進化するのを待ってるんだな!!」

 

ティタノボアは勝ち誇ったかの様にそう言うと木々を移動しながらスティラコサウルスの逃げた方向へと去っていった。

 

「ま、待て!!」

 

慌てて止めようとするがアーミーアントスカルやバイソンスカルに阻まれて追いかけることが出来ない

 

「グルァァァァァ!!」

 

「くそっ…このままじゃ…!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

その時、襲いかかってきたバイソンスカルを飛鳥が柳緑花紅で防いだ。

 

「りゅーくん!!ここは私たちに任せて!!」

 

「竜司さんはスティラコサウルスを!!」

 

「みんな…ありがとう!!」

 

俺はみんなに礼を言ってティタノボアスカルを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

「グォォォォォ!!グォォォォォン!!」

 

「ほらほらぁ!!もっと電撃を取り込みなぁ!!」

 

市街地に逃げたスティラコサウルスの必死の抵抗もお構いなくティタノボアスカルはスティラコサウルスへと電気をどんどん流し込んでいく。さらに周囲の電柱や機械などからも電気がスティラコサウルスへと入り込んで行き、身体中から電撃が溢れ出していく。

 

「うわぁっ!!なんだ一体!?」

 

「にげろぉ!!」

 

街の人々も辺りに降り注ぐ凄まじい電撃から一斉に逃げていく

 

「グルゥッ!!グゥゥゥゥッ!!」

 

その時、スティラコサウルスからさらに凄まじい電撃が溢れ出てスティラコサウルスは苦しみ出した。

 

「お!!ようやくか!!さあスティラコサウルス!!俺の力の糧となって死ねぇ!!」

 

「させるかぁっ!!」

 

さらに電撃を注入しようとするティタノボアスカルだが、そこへ竜司が飛び出してきてティタノボアスカルを蹴り飛ばした。

 

「っ!!テメェ…もう追いついたのか…!!」

 

「これ以上…あいつを好き勝手させない!!変身!!」

 

『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』

 

俺は超絶キーを起動してカグラドライバーに挿しこみ回して、仮面ライダーリューマ超絶へと変身し、ティタノボアスカルを殴りつける。しかしティタノボアスカルは俺の拳の一撃を耐え切ると両腕を伸ばして襲いかかった。

 

「馬鹿が!!親衛隊舐めんじゃねえ!!俺たちは陛下から直接スカルキーを与えられた選りすぐりの精鋭部隊だ!!今までお前が倒してきた並のスカル共とは格が違えんだよ!!」

 

「そっちこそ…俺を舐めるなぁ!!」

 

俺はワイルドブラスターをバスターモードにしてティタノボアスカルを斬りつける。ティタノボアスカルは大蛇の姿をした強靭な腕を器用に動かしてガードし、腹部の口から電撃を放出して反撃する。

 

「くそっ…このままじゃスティラコが…!!」

 

俺はなかなか決定打を与えることができずに焦り始めてきた。

 

その時、突如斬撃が俺たちに襲いかかった。

 

「なんだっ!?」

 

俺が斬撃の放たれた方向を向くとディノカリバーを手に持った仮面ライダードライグがこちらに斬撃を放っていた。

 

「テメェ…また来やがったのか…!!鬱陶しい奴だな本当によぉ!!」

 

憤るティタノボアスカルを一瞥するとドライグはすぐに苦しむスティラコサウルスに先ほどの機械の鍵を向けてエネルギーを吸収しだした。

 

「まさかテメェ!!爆発する前にスティラコの生命エネルギーを全て奪うつもりか!!」

 

ティタノボアスカルの言葉に俺は驚愕する。体内の電撃どころか生命エネルギーまで奪われたらスティラコサウルスが死んでしまう。

 

 

 

 

 

 

『そうだ神威、もはやこうなってしまってはやむを得ん。爆発して街に被害が出る前にスティラコの能力だけでも回収して処分せよ』

 

「はい、富嶽様」

 

通信越しに命令する富嶽に対し神威はただ静かにそう返事した。

 

 

 

 

 

「ふざけやがって…俺の邪魔すんなぁ!!」

 

ティタノボアスカルは憤りながら俺を無視してドライグへと攻撃を開始する。対するドライグもディノカリバーでティタノボアスカルの攻撃をガードした。

 

『プレシオ!!』

 

さらに腕に取り付けてあるブレスレット型のアイテムに腰につけてある機械の鍵を挿し込み回した。

 

『アームズ!!プレシオ!!』

 

するとドライグの手にプレシオスピアが握られてティタノボアスカルへと斬りつける。対するティタノボアスカルも電撃と両腕を駆使してドライグへと反撃していた。

 

「勝手に…盛り上がってんじゃねえ!!」

 

「なっ!?ぐおっ!!」

 

俺はワイルドブラスターを強く握りしめると超絶命駆モードへと変身して、一気に間合いを詰めるとティタノボアスカルを目一杯蹴り飛ばして吹き飛ばした。

 

「お前も…これ以上スティラコを苦しめんじゃねえ!!」

 

「ぐっ…!!」

 

俺がドライグに斬りつけるとドライグはプレシオスピアでガードしたが俺の方がパワーが上らしく徐々に俺が優勢となる。

 

「これ以上スティラコには…指一本触れさせねぇ!!」

 

そしてとうとう俺が押し勝ち、プレシオキーを斬り裂いた。さらにそのはずみでドライグの腕に装着されてたブレスレット型のアイテムが外れて地面に落ちた。

 

『必殺の術!!超絶!!』

 

「超絶必殺忍法!!激竜ダイナソーバスター!!」

 

『ガォォォォォン!!』

 

俺はさらにワイルドブラスターに超絶キーを挿し込み回して巨大な斬撃を放ち、ドライグを吹き飛ばす。ドライグはなんとか立ち上がるもダメージが大きかったのかふらつきながら立ち去っていった。

 

「よしっ…次は…!!」

 

「グォォォォォ!!」

 

俺が視線を変えるとそこには電撃が暴走して苦しむスティラコがいた。

 

「待ってろスティラコ!!今助けるからな…!!」

 

「グォォォォォォォン!!」

 

しかしスティラコサウルスは俺を見るや否や敵意を向けながら電撃を放って威嚇する。先ほどまでティタノボアスカルやドライグに攻撃されたことで俺たちへの警戒心が増してしまったのだろう。

 

「落ち着け!!もうお前を苦しめる奴はいないから!!」

 

俺はスティラコを止めようとゆっくりと近づく

 

「グォォォォォ!!グォォォォォン!!」

 

「くっ…!!」

 

対してスティラコサウルスは俺を迎え撃とうと鼻先の角を向けて突進を仕掛けてきた。俺はなんとか受け止めるが命駆モードの全身にモロに電撃が流れその痛みに思わず声を漏らしてしまう。

 

「大丈夫だ!!俺はお前を傷つけない!!絶対に!!」

 

「グオッ!?」

 

俺の言葉に反応したのかスティラコサウルスは驚いた様子でこちらを見つめる。

 

「俺は…お前と友達になりたいんだ」

 

その言葉が届いたのか、スティラコサウルスは暴れるのをやめて大人しくなっていった。

 

「待ってろよ、お前を必ず助けてやる…ぐっ!!ぐぁぁぁ…!!」

 

俺はそう言ってワイルドブラスターを掲げると、スティラコサウルスの電撃がワイルドブラスターの先端に集まってきた。

 

 

 

 

「まさかあいつ…!!ワイルドブラスターを避雷針代わりにスティラコサウルスの溜まった電気を地面に流すつもりか!?」

 

その様子を隠れて見ていた神威は竜司の狙いに驚愕する。今のスティラコサウルスには小さな街一つ吹き飛ばす程の電気が込められている。そんな膨大なエネルギーを一身に受ければ無事じゃ済まないはずである。

 

 

 

 

「安心しろスティラコ…!!お前は…絶対に俺が助ける!!」

 

「グォ…」

 

しかし竜司は倒れない、自分が助けると誓ったスティラコサウルスを決して諦めない

 

「いっけえぇぇぇぇぇ!!」

 

そして竜司は刀身に電気が集まったのを確認すると目一杯地面へと突き刺して電気を放出した。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…これで…どうだ…?」

 

俺がスティラコの方を見るとスティラコは暴走状態が解けたようでふらつきながらもこちらを見つめている。

 

「へへっ…無事でよかった…」

 

 

 

「ちっ、せっかく暴走させたのに余計なことまでしてんじゃねえよ」

 

するとそこへ苛立った様子でティタノボアスカルがこちらに近づいてきた。

 

「まあいい、テメェはもうボロボロ、ここでお前を倒してまたこいつを暴走させればいいだけのことだ」

 

「くっ…!!」

 

俺も立ち上がり迎え撃とうとするが全身のダメージで思う様に動けない

 

「さっさとくたばりな!!」

 

ティタノボアスカルは俺に向かって両腕の大蛇を伸ばし襲いかかってくる。俺はダメージが大きくて回避が間に合わない。

 

 

 

 

「グォォォォォ!!」

 

その時、スティラコが俺の前に立ってティタノボアスカルの両腕を弾き飛ばした。

 

「スティラコ…お前…!!」

 

「グオッ!!」

 

俺が驚くとスティラコは俺を見ながら頷いて鳴いた。

 

「お前…ははっ、ありがとな」

 

「グォッ!!」

 

俺がお礼を言うとスティラコは得意気に鳴いた。

 

 

 

 

「スティラコサウルスが竜司を守った…彼の心の広さが、スティラコサウルスの心に届いたというのか…!!」

 

神威は想定外のことと、竜司という少年の凄さに驚きを隠せなかった。

 

「…ここは彼に任せて良いな」

 

そう確信すると神威は人知れずその場を後にするのであった。

 

 

 

 

 

「調子に乗りやがって…いくらスティラコサウルスを手懐けたってお前もそいつもボロボロ…親衛隊である俺には勝てねえよ!!」

 

「そんなの…やってみなきゃわからねえだろ」

 

殺意むき出しでこちらに近づいてくるティタノボアスカルに俺は身構える。確かに俺もスティラコもボロボロだ…だけどだからと言って負けるつもりはない

 

「ん…?」

 

ふと俺は足元にあるブレスレット型のアイテムに気がついた

 

「これって…」

 

それはドライグが使っていたアイテムだった。ドライグはこれで恐竜の能力を自在に使っていた。

 

「もしかしてこれって…!!」

 

俺はもしやと思ってそれを自分の左手に取り付ける。

 

『ダイノコネクター!!』

 

「着けられた!!」

 

俺はブレスレット型のアイテム、『ダイノコネクター』の鍵穴を見てさらに確信する。こいつは俺でも使えると

 

「スティラコ!!俺と一緒に戦ってくれ!!」

 

「グォォォォォォォン!!」

 

俺の言葉に答える様にスティラコは雄叫びと共に光り輝いて鍵の姿となって俺の手に収まった。

 

「なんだと!?」

 

信じられない光景にティタノボアスカルが驚きの声をあげる

 

「俺たちの力…お前に見せてやる!!」

 

『スティラコ!!』

 

俺はスティラコキーを起動してダイノコネクターの鍵穴に挿し込み回す。

 

『ユナイト!!スティラコ!!』

 

するとスティラコの力が俺の右手に集まるとスティラコサウルスの頭を模したガントレットへと変形して俺の右手に装着された。

 

「よっしゃ!!いくぞスティラコ!!」

 

『グォォォォォ!!』

 

俺の言葉に返答する様にスティラコが雄叫びをあげた。

 

「ちっ…今更スティラコサウルスの力が使える様になったって…お前らの力はたかが知れてらぁ!!」

 

ティタノボアスカルは想定外のことに驚きながらも両腕の大蛇を伸ばして俺を拘束しようと襲いかかる。

 

「ふっ!!」

 

「なっ!?ぐぉぉっ!?」

 

しかし俺はティタノボアスカルの想定を凌駕するスピードで接近して右手のスティラコサウルスのガントレットで殴り飛ばした。

 

「電気の力で身体能力を活性化…すごい、ティラノの能力にスティラコサウルスの能力を掛け合わせることができるなんて…!!」

 

『ガウッガウガウッ!!』

 

『グォォォォォ!!』

 

驚く俺にティラノとスティラコは得意そうに雄叫びを上げた。

 

「くそがぁ…!!俺を舐めんな!!」

 

起き上がったティタノボアスカルは接近してきた俺の拳を再びガードすると腹部の巨大な口を開いて俺のエネルギーを吸い取り始めた。

 

「テメェがどんな能力を手に入れようが、お前のエネルギーを根こそぎ吸い取っちまえば終わりだ!!」

 

ティタノボアスカルによって俺からエネルギーがどんどん吸い取られていく。しかし俺に焦りは全く無い、スティラコの力を俺は信じているからだ。

 

「ぐっ!?ぐぉぉぉぉぉ!?ば、馬鹿な…吸いきれねえ!!こんなエネルギーがこいつのどこから湧いてくるってんだぁ!?」

 

「俺たちは1人じゃねえ。俺とティラノ、スティラコが力を合わせたことで何百倍にもなってんだ…お前1人で食いきれる量じゃないんだよ!!」

 

 

ぶつかり合い、理解し合い、力を合わせる。そうすれば力は何倍、いや、何百倍、何億倍にも膨れ上がる!!

 

「トドメだ!!」

 

『必殺の術!!超絶!!』

 

俺がカグラドライバーを叩くと俺の足に凄まじい電撃が集まり光り輝く。

 

「超絶必殺忍法!!激竜100億ボルトキック!!」

 

俺は飛び上がりティタノボアスカルの腹部の口へとめがけて電撃のキックを繰り出した。キックから放たれた電撃はティタノボアスカルの口へと吸い込まれていくが、吸いきれずティタノボアスカルの体から電撃が漏れていく

 

「バカな…俺の体が…持たないぃぃぃぃぃ!!」

 

そして吸収限界を超えた瞬間、断末魔と共にティタノボアスカルは爆散した。

 

「くそ…そんな…親衛隊の1人である…俺様がぁ…!!」

 

煙が晴れると粉々に砕けた銀色のスカルキーと共に恰幅のいい男が倒れていた。

 

「りゅーくん!!」

 

するとそこへ飛鳥たちが合流する。どうやらアントスカルたちを見事撃破した様だ。

 

「見ていたよりゅーくん!!スティラコサウルスと一緒にあんなにすごい力を出すなんて…」

 

「あんなに手強かったスカルを…お見事です!!」

 

「やっぱりお前はすごいな竜司!!」

 

「流石だな」

 

「びっくりだよ!!」

 

「俺だけの実力じゃないよ。こいつの…スティラコの力があったからだよ」

 

『グォ!!』

 

俺の言葉にスティラコサウルスが得意げに声を上げる。俺はそれを見て改めてスティラコに言う。これから共に戦う、頼れる仲間に

 

「これからもよろしくな!!スティラコ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…!!」

 

とある一室にて、神威は呻き声を上げて跪く。その額には赤い血が流れ、足元には投げつけられたと思われる血のついた灰皿が落ちていた。

 

「それでスティラコサウルスのキーをリューマに渡してのこのこと帰ってきたのか?馬鹿者が…失望させおって」

 

その視線の先には幻滅した顔で睨みつける富嶽がそこにいた。

 

「ふん、結局手に入ったのはスティラコの力の一部だけか…これだけでは他のデジキョウリュウキー程度の力しか手に入らん」

 

富嶽は手に持ったデジキョウリュウキーを部下に渡すと神威に近づき髪を持ち上げて睨みつける。

 

「いいか?お前は儂がこれまで作った失敗作共の中からようやく出来た儂の後継なんだ。あまり儂を失望させないでくれ」

 

「…わかりました」

 

「ふん、もういい退がれ」

 

「…はい」

 

富嶽に命じられて部屋を出た神威は額の血を抑えながら立ち去る。

 

「…くそっ」

 

その口からは悔しさと怒りが漏れ出していた。

 

 

 

 

 

 

 

半蔵学院教室

 

「グォォォォォォォン!!」

 

「だーもう!!今日は今食べたので最後!!食べ過ぎだよお前はぁ!!」

 

俺と小さい姿のスティラコが喧嘩してた。

 

「グォォォォォ!!」

 

「痛い!!痛たたたた!!噛みつくなって!!」

 

あれから本部でキーの調整をしたことでスティラコは無闇に電気を吸収しなくて済むようになり、改めて俺たちの仲間になったのだが、わがまま言い放題で買ったばかりの箱いっぱいのリンゴを1日で平らげようとした為、俺に止められてた。

 

「やれやれ、手のかかる仲間が出来たな」

 

そんな俺たちを霧夜先生が見つめながらため息を吐く。

 

「全く…我儘いうからにはこれからも一緒に戦ってくれよ」

 

「グォン!!」

 

スティラコはまるで「任せろ」と言わんばかりに得意げな様子でそう鳴いて再び箱の中のリンゴを食べようとする。

 

「だから食い過ぎ!!このリンゴ高かったんだぞ!!せめて一週間かけて食べろ!!」

 

「グォォォォォ!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!電撃で抗議するなぁぁ!!」

 

リンゴを食べさせてもらえない腹いせにスティラコは俺に電撃を浴びせ俺の断末魔が教室に響き渡った。

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