仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の六十五 香澄に出来ること!!の巻

「ぐっ…!!」

 

「こいつら…強い…!!並のスカルより余程厄介だぞ!!」

 

ディノポネラスカルと戦闘を繰り広げるオルグとガルーダは相手の予想外の強さに驚きを隠さずにいた。ディノポネラスカルの戦闘力は極めて高く、さらに2体による連携攻撃も凄まじい為思わず翻弄されてしまう。

 

「仮面ライダー…排除」

 

「仮面ライダー…排除」

 

2体のディノポネラスカルは手に持った大鎌を振るうと再びオルグとガルーダへと攻撃を仕掛けてきた。

 

「くそっ…ただのアントスカルと侮れないな!!」

 

「こっちも本気でいくぞっ!!」

 

ディノポネラスカルの激しい猛攻に対し、オルグは盾でガードしつつ片手剣で斬りかかり、ガルーダは背中にプテラノドンの羽をはやしながら飛行しプテラアローによる矢の連射を繰り出した。

 

「敵の攻撃…接近」

 

「即刻…回避」

 

しかしディノポネラスカルも2人の攻撃に即座に反応すると素早い動きで軽々と回避してしまった。

 

「仮面ライダー…殲滅」

 

「仮面ライダー…殲滅」

 

するとディノポネラスカルは巨大な鎌を合わせると同時に振り回し巨大な斬撃を2人へと放った。

 

「っ!!まずい避けろ!!」

 

「くそっ!!」

 

敵の攻撃に咄嗟に2人が回避すると、2人がいた場所に巨大な斬撃跡が生じた。その破壊力に2人は仮面越しに冷や汗をかいてしまう。

 

「アイツら…大丈夫か…!?」

 

「こっちもなんとかしないと…!!」

 

 

 

 

「委員長ぉぉぉぉぉぉ!!」

 

香澄へと迫り来るバタフライスカルの口吻にガリューの絶叫が響く

 

「……っ!!」

 

香澄も避けることすら出来ず、思わず目をつぶってしまい固まってしまった。

 

「…あれ?」

 

しかし、いつまで経っても何も起こらずゆっくり目を開くと、目の前に装甲が先ほどよりも少なくなっているガリューが自分を守るように立っていた。

 

「炎佐…くん…」

 

「怪我はないか委員長!?」

 

「う…うん…私は…っ!?炎佐くん!!その手…!!」

 

振り向きながら尋ねるガリューに香澄が頷くと、ガリューの手にバタフライスカルの口吻が突き刺さり、赤い血が流れていた。

 

「ちっ!!まだそんなに動けたのかよ!!」

 

ガリューの予想外の動きにバタフライスカルは苛立ちながら口吻を引き抜くと羽を羽ばたかせて飛び立った。

 

「次こそはその『花』をいただくから覚悟しておけよ!!」

 

 

 

 

 

「あ?なんだよもう撤退すんのかよ」

 

立ち去っていくバタフライスカルを見るとエラスモテリウムスカルは少し残念そうに金棒をしまい臨戦態勢を解いた。

 

「あばよリューマ、また遊んでやるからな」

 

そう言って立ち去っていくエラスモテリウムスカルにリューマは変身を解除すると疲れから崩れ落ちた。

 

「はぁ…はぁ…手強い奴だった…!!っ炎佐たちは…!?」

 

 

 

 

 

 

「撤退…命令」

 

「即時…退却」

 

エラスモテリウムスカルが撤退した直後、2体のディノポネラスカルが撤退しだした。

 

「はぁ…はぁ…結局…倒せなかった。」

 

「手強い奴だった…!!」

 

予想外の強さのディノポネラスカルに大きなダメージを負った。オルグとガルーダは変身を解除した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いようにやられちまったな…」

 

スカルたちが撤退したあと、竜司たちは傷だらけの体で反省会をしていた。それぞれが相手のスカルに良いようにやられてしまい逃げられてしまった。その不甲斐なさを実感していた。

 

「あの新しい親衛隊…パワーも頑丈さも今までのスカルと桁違いだった…」

 

「俺たちが戦ったアントスカルもだよ、想像以上に手強かった…単純な戦闘力なら通常スカル以上だ」

 

「アントスカルだからといって油断して良いようにやられてしまうなんて…全く不甲斐ないことこの上ないよ…」

 

満月と蒼良も自分の不甲斐なさに頭を抱え、大きなため息を吐いた。

 

「炎佐の方は手の怪我は大丈夫か?」

 

「ああ、大した怪我じゃねえよ」

 

バタフライスカルの口吻に貫かれた炎佐の手は、香澄によって丁寧に介抱されたあとで、包帯が丁寧に巻かれていた。

 

「噂には聞いてたけど…なかなか良い娘じゃないか、炎佐くんの彼女さん」

 

「おい…誰だそんな噂流しやがったの…」

 

「理吉くんが蛇邪で炎佐組のみんなに噂してたよ」

 

「あの野郎…今度会ったらぶちのめす…!!」

 

蒼良は教えてもらった情報に炎佐は顔に青筋を立てた。

 

「それにしても、さっきはなかなか厳しかったね」

 

「…ふん」

 

 

 

 

 

 

 

『炎佐くん…大丈夫…?』

 

『なんて事ねえよ。こんな傷、忍の世界じゃ日常茶飯事だ。』

 

それは、炎佐が香澄に傷を介抱してもらってた時のこと

 

『ごめん炎佐くん…私を守ったせいで…』

 

『そうだな』

 

『…っ!!』

 

即答する炎佐に香澄は強張ってしまった。

 

『これで分かったろ?お前が任務について来ても足手纏いなんだよ。分かったらもうついてくんな』

 

そう言うと炎佐は自分で腕に包帯を巻き香澄に背を向ける。

 

『ハッキリ言ってな…邪魔なんだよ』

 

『ごめん…!!』

 

香澄は弱々しく立ち上がると俯きながら走り去ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「あの子の熱意は本物だったよ?少しはそれに報いてやっても良かったんじゃない?」

 

「頑張れば解決するほど悪忍は甘くねえんだよ。テメェは俺より分かってるだろ?」

 

冷たく突っぱねる炎佐に蒼良は苦笑いを浮かべる。

 

「ごめんごめん、僕も彼女がいたからさ…他人事に思えないんだよ」

 

「だから彼女じゃねえし」

 

 

 

 

 

 

  

 

「やっと見つけた。香澄ちゃん」

 

「春花ちゃん…」

 

屋上でうずくまっていた香澄を見つけると春花は声をかける。顔を上げた香澄は目に涙を溢れさせており赤く腫れていた。

 

「炎佐にこってり絞られたみたいね、まぁ気にしなくて良いわよ。炎佐も少し言い過ぎだけど本気で邪魔だなんて思ってる訳ないわ、貴方が心配だったから心を鬼にして言ってるのよ」

 

「ううん…そんなことないよ…だって本当なんだもん…!!」

 

慰めようとする春花だが、香澄はさらに涙を溢れさせた。

 

「少しは役に立てると思ったの…!!戦うことは出来なくても…中学の頃から見ていたから…炎佐くんのために出来ることがきっとあるんだって…」

 

「炎佐のこと、本当に好きなのね」

 

「当たり前だよ!!中学の頃から…卒業してからもずっと想ってたんだもん!!炎佐くんのこと考えるだけで胸が熱くなって…好きで好きで…どうにかなっちゃうくらいなんだもん!!」

 

「おおっ…」

 

泣きながら想像以上に想いを打ち明ける香澄に春花は思わずたじろいでしまう

 

「でも私じゃ炎佐くんと一緒に戦えない…サポートしようとしたら逆に炎佐くんの足を引っ張っちゃう…私…炎佐くんと一緒に戦える春花ちゃんや焔ちゃんたちに嫉妬してる…最低だよ…!!」

 

溢れる涙を止めることができず泣き続ける香澄の隣に春花は突然座る。

 

「私ね…料理が死ぬほど苦手なの」

 

「え?」

 

突然の告白にキョトンとする香澄に春花は続ける

 

「初めて料理を作った時、あまりの不味さに日影がぶちぎれた程なのよ?『なんじゃこれはぁぁ!!』って。」

 

「あの日影ちゃんが?」

 

「そ、だからそれ以来、炎佐に『お前は二度と料理を作るな』って怒られちゃったわ」

 

驚く香澄の表情に春花は嬉しそうに笑う

 

「だからあんなに美味しいご飯を作れる貴方が来た時、私…嫉妬しちゃったのよ?」

 

「私に?」

 

「そ、だから私たち…お揃いね」

 

「春花ちゃん…」

 

気づけば、香澄の目から涙は止まっていた。それを見て春花は優しく香澄へと話す

 

「私たちに出来なくて貴方に出来ることもあるのよ?だから、あんまり自分を責めたらダメ♪」

 

「うん…!!ありがとう春花ちゃん…おかげで元気出た!!」

 

涙を拭って笑顔を見せる香澄に、春花は聞こえないくらいの静かな声で呟いた。

 

 

「それにしても、あの娘のことになると彼があんなに感情的になるなんて…ちょっと妬けるわね」

 

 

 

 

 

「それじゃあお前はこれまで通り女を襲えば良い、そうすれば仮面ライダー共は必ず現れるからな。そしたらまた俺がお前を助けてやるぜ」

 

「ああ、そうしてくれると助かるよ。特にあの女…今まで啜ってきた『花』の中でも特上品だ。絶対にあの美しさを手に入れてやるよ」

 

暗い路地裏でエラスモテリウムスカルとバタフライスカルは再び襲撃計画を進めていた。

 

「お前らもしっかり働けよ、鍵くらいは手に入れとかねえと天の奴が五月蝿いからな」

 

「任務…承知」

 

「必ず…遂行」

 

エラスモテリウムスカルの言葉に2体のディノポネラスカルは静かに頷く

 

「ちっ…陛下護衛用に作られたって聞いたけど…機械みたいな喋り方で気味が悪いぜ」

 

そんなディノポネラスカルにエラスモテリウムスカルは顔を顰めて呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「まもなくライブ本番です!!皆さん慌てず列になってお進みください」

 

いよいよライブ本番、竜司たちはそれぞれの位置でライブステージを監視していた。

 

「こちら竜司、こっちは動き無し」

 

『こっちも異常なし、蒼良の方は?』

 

『僕のところも、やっぱり炎佐たちの予想は当たりみたいだ』

 

「だってよ炎佐」

 

「…あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブの準備が進んでいる中、香澄が廊下を歩いている。そんな彼女に一つの影がゆっくりゆっくり近づく。

 

「見つけた…最高の『花』…!!」

 

影は手に持ったピンク色のスカルキーを握りしめると素早く飛びかかろうとした。

 

「かかったな」

 

「がっ!?」

 

その時、死角から炎佐が現れて影へと飛び蹴りを放ち、影はその衝撃で吹き飛んだ。

 

「な、なんで…!!」

 

「貴方の行動は炎佐に監視されてたのよ」

 

すると香澄だと思われた少女が黒いカツラを外すと、それは変装した春花であった。そして炎佐の元へと竜司たちも駆けつけてくる。

 

「春花からお前が委員長に異常な視線を向けてたことを聞いてな、まさかアイドルの方じゃなくてあんただったとはな」

 

影が起き上がると、それはアイドルであるツバキのマネージャーの葉蛾であった。

 

「マネージャーがアイドルのファンを襲うなんて、驚いたぜ」

 

「ふふ…あんたには分からないでしょうね…老いの恐ろしさが…」

 

葉蛾は豹変した形相を浮かべると恨めしそうに話し出す。

 

「私もかつてはタレントとして名を馳せていた…だけどかつて私を彩ってきた美貌も…老いによってどんどん失われていく…美しさを失うのは…私にとっては地獄なの…!!でも、これさえあれば私は永遠に美しくなれるのよ…あはっあはははは!!」

 

『バタフライ!!』

 

狂ったように笑い出した葉蛾はバタフライスカルキーを取り出すと首筋に現れた鍵穴に挿しこみ回してバタフライスカルへと変身した。

 

「お前ら、さっさとこいつを片付けるぞ!!」

 

「もちろん!!」

 

「これ以上、女の子たちを傷つけさせない!!」

 

「同感だ!!」

 

『超絶スピノ』

 

『超絶ティラノ!!』

 

『トリケラ!!』

 

『プテラ!!』

 

「「「「変身!!」」」」

 

『『武装!!ワイルド!!一心一体最強バディ!!超絶!!超絶!!超絶にスゲー!!ダ・イ・ナ・ソー忍・者!!ワイルド!!』』

 

『竜装!!トリケラ!!』

 

『竜装!!プテラ!!』

 

炎佐たちはそれぞれのキーを起動して仮面ライダーへと変身した。

 

「ひゃはっ!!お願いしまーす!!」

 

「よっしゃ待ってたぜ!!」

 

その瞬間、壁をぶち破って筋肉質の大男の撃が現れる。

 

「また会ったなリューマァァァ!!今度こそテメェの息の根止めてやるぜ!!」

 

『エラスモテリウム!!』

 

撃が銀色のエラスモテリウムスカルキーを起動すると筋肉質な腕に出来た鍵穴に挿しこみ回してエラスモテリウムスカルへと変身した。

 

「おらっ!!お前らも行ってこい!!リューマじゃねえ仮面ライダーはお前らに任せるぞ!!」

 

「仮面ライダー…確認」

 

「標的…抹殺」

 

さらにエラスモテリウムスカルの声と共に2体のディノポネラスカルも現れてオルグとガルーダへと襲いかかった。

 

「リューマ!!事前の打ち合わせ通りにそいつはお前に任せた!!」

 

「こっちは僕たちに任せろ!!」

 

「わかった…頼んだぞ!!」

 

オルグとガルーダは俺にそう告げると、それぞれの武器を手にディノポネラスカルと戦闘を開始した。そしてリューマも目の前に立ちはだかるエラスモテリウムスカルを見つめるとワイルドブラスターを手に握り身構える。

 

「やっぱりテメェの眼は良いなぁ…揺るがねえ強い意志ってやつか?そいつが溢れ出てくる…そんなテメェをぶっ壊せると思うと…堪らねえぜ!!」

 

エラスモテリウムスカルはリューマの眼に歓喜すると巨大な金棒を取り出して勢いよく振り回した

 

「さぁ…始めようぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「シャウ…」

 

「ごめんねモサちゃん」

 

リューマたちが戦っている中、香澄はバタフライスカルの謎の攻撃で弱っているモササウルスを抱き抱えながら立ち上がる。

 

「色々考えたけど…やっぱりダメだった。今も炎佐くんたちが頑張って戦っているのに…何もしないなんて出来ない。」

 

その眼は真っ直ぐと炎佐たちがいる方を見つめており、迷いが全くなかった。

 

「シャウ!!シャウシャウ!!」

 

そんな香澄の覚悟を察したのか、モササウルスはヒレを叩きながら鳴いた。

 

「ありがとうモサちゃん…いこう!!」

 

 

 

 

 

「ふっ!!」

 

「はあっ!!」

 

「ぐうっ!?」

 

「がはっ!?」

 

オルグたちとディノポネラスカルたちの闘いは、両者一歩も譲らない激闘となっていた。ディノポネラスカルたちの大鎌による斬撃をオルグが盾で防ぎ、ガルーダが背後から矢を連射し反撃するが、対するディノポネラスカルも矢を薙ぎ払い防いでいく。

 

「仮面ライダー…抹殺」

 

「標的…抹殺」

 

「はぁ…はぁ…やっぱり強いな…」

 

「そうだね…だけど…」

 

止まることなく絶えず攻撃を仕掛けてくるディノポネラスカルの猛攻はじわりじわりと2人の体力を奪っていく。しかし2人の眼には闘志が消えていなかった。

 

「こんなところで…こんな奴らに…」

 

「負けるわけには…いかないな!!」

 

その瞬間、オルグとガルーダは凄まじいスピードでディノポネラスカルたちに接近するとトプスパーダとプテラアローで斬りつけて吹き飛ばした。

 

「ぐっ…戦闘力…上昇…!!」

 

「上昇理由…不明…!!」

 

予想外の攻撃にディノポネラスカルたちは動揺し、その隙に2人はさらに追撃を開始する

 

「俺たちは一分一秒の間に成長していくんだ」

 

「お前らみたいなただ強いだけの奴らなんかに…いつまでもやられてると思うな!!」

 

 

 

 

 

 

「おらぁっ!!」

 

一方、リューマも超絶命駆モードとなってエラスモテリウムスカル相手に両者譲らない戦いを繰り広げていた。防御力を捨てた代わりに得た攻撃力でエラスモテリウムスカルの頑丈な体に少しずつだが確実にダメージを与えていく

 

「ははっ!!良いねぇ…こういうバトルを楽しみにしてたんだよ!!やっぱりテメェは…最高だなぁ!!」

 

しかしエラスモテリウムスカルは全身傷だらけになりながらもその攻撃は全く止むことなく、むしろさらに苛烈さを増していく

 

「このままじゃ埒が開かない…だったら!!」

 

『スティラコ!!』

 

「グォン!!」

 

『ユナイト!!スティラコ!!』

 

リューマはスティラコキーを起動してダイノコネクターへと挿しこみ回し、仮面ライダーリューマ超絶命駆モード・スティラコユナイトへと姿を変えた。

 

「そいつがティタノボアを倒した恐竜の力か…俺のこの鋼の肉体にも通じるか…試してみなぁ!!」

 

リューマの新しい姿を見たエラスモテリウムスカルは金棒を振り回して嬉々として突撃した。対するリューマはワイルドブラスターに電気を纏わせてエラスモテリウムスカルの体を斬りつけた。

 

「ぐおっ!?こ、この痛みは…!!」

 

「こうすれば自慢の筋肉の鎧も形無しだな!!」

 

いかに頑丈なこいつの肉体でも、傷口から直接流れてくる電撃によるダメージまでは防げない。これならこいつに確実にダメージを与えることができると予想したリューマだったが見事的中した。

 

「俺たち仮面ライダーの力…全力で見せてやるぜ!!」

 

『グォッ!!』

 

『ギャウッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「春花!!」

 

「ええっ!!」

 

「ちいっ!!」

 

一方、ガリューと春花はコンビネーションを駆使してバタフライスカルを追い詰めていた。春花が爆薬が入った試験管を投げて動きを制限したところにワイルドブラスターによるガリューの連射は確実にバタフライスカルにダメージを与えていき、戦況はどんどん優勢になっていく

 

「もうお前に勝ち目はねえ!!観念して倒されな!!」

 

「冗談じゃねぇ!!この力を今更手放せるわけねえだろ!!」

 

バタフライスカルは狂気に満ちた声でそう叫ぶ。すでにスカルキーの毒素で精神を蝕まれ正気を失っているのだろう。

 

「そうか…わかった」

 

ガリューは超絶キーを取り出すとワイルドブラスターに挿しこもうとした。

 

「ぐっ…!!」

 

すると突然体が痺れていき動けなくなってしまう。

 

「ひゃはっ、さっきあれだけ私の技を喰らったんだ…そこにさらに上乗せすればもう指一本動かせないだろ?」

 

ガリューが気づけばバタフライスカルは羽を俺たちに気づかれないように羽ばたかせていた。その間に周囲に先ほどガリューの動きを封じた技を使っていたのだ。

 

「炎佐!!ぐっ…!!」

 

慌てて駆け寄ろうとする春花だが、彼女も体が痺れて動きが止まってしまった。

 

「そっちの女もなかなかお目にかかれないレベルの『花』だからな、私の美しさの糧にさせてもらうよ!!ひゃはははは!!」

 

 

 

 

 

「炎佐くん…春花ちゃん…!!」

 

ガリューたちが追い詰められてる様子を、香澄は隠れながら見ていた。

 

「このままじゃ2人が…一体どうしたら…!!」

 

2人を今すぐにでも助けたい、しかし自分ではスカルと戦うことは出来ない、またさっきみたいに彼の足を引っ張りたくない…

 

「ん?」

 

するとふと香澄はあることに気づいた。照明に照らされて何かがキラキラと光っている。それはバタフライスカルの羽からどんどん放出されていた。

 

「あれって…鱗粉…そうか!!」

 

香澄はそれを見て気がついた。スカルの能力が猛毒の鱗粉によるものだと

 

「それなら…!!」

 

何かを思いついた香澄は、地面に落ちている春花の試験管を見つめた。

 

 

 

 

 

「くそっ…体が…思うように動かねえ…」

 

目の前のスカルの能力が毒の類であることはわかっていた。その発動条件を見極めるために春花との連携を駆使していたのだが、思った以上に先ほどの毒が体を蝕んでおり集中力が切れていたところを狙われてしまった。

 

「ひゃはっ、そろそろトドメを刺してやるよ…死になあっ!!」

 

「くそっ…!!」

 

迫り来る口吻にガリューは躱すことが出来ず貫かれそうになった。

 

 

 

 

 

 

「いっけぇぇ!!」

 

その時、香澄が飛び出してバタフライスカルへと春花の試験管を投げつけた。

 

「おっと!!」

 

しかし、バタフライスカルはその攻撃を軽々と躱し、試験管はバタフライスカルの頭上で爆発した。

 

「ひゃはっそんな事しなくても…構ってやるから安心し…!?」

 

バタフライスカルが香澄に標的を変え襲い掛かろうとした瞬間、突如頭上から大量の水が降り注いだ。

 

「やった!!」

 

「しまった…そうか…こいつその為に…!!」

 

バタフライスカルが見上げると、天井のスプリンクラーから大量の水が放たれていた。先ほどの攻撃はバタフライスカルではなく、スプリンクラーを作動させて空気中の鱗粉を洗い流す為だったのだ。

 

「体が動く…鱗粉が洗い流されたのか…」

 

「お前…くそっ…!!」

 

バタフライスカルが声に反応して振り返ると、毒が消えた事で動けるようになったガリューが立ち上がっていた。

 

「ありがとな委員長…おかげで助かった」

 

「炎佐くん…!!」

 

「あとは俺に任せろ、春花…委員長を頼んだ」

 

「ええ。香澄ちゃん、あとは彼に任せましょ」

 

「う、うん…!!」

 

ガリューからの言葉に香澄は涙が溢れた。そんな彼女にガリューは優しく告げる。そしてガリューの指示に従い、春花は香澄を連れて離れた。

 

「炎佐くん!!その…頑張って!!」

 

「…ああ」

 

その際、香澄からの応援の言葉を聞き、ガリューは仮面の下で嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

「さーて、さっきはよくも俺をいたぶってくれたな…100倍にして返してやるよ…モササウルス!!」

 

「シャア!!」

 

ガリューの声を聞き、水を浴びて回復したモササウルスが姿をキーに変えてガリューの手のひらに収まる。

 

『モササウルス!!』

 

ガリューはモササウルスキーを起動してダイノコネクターの鍵穴に挿しこみ回した。

 

「竜司に出来たんだ、俺にも…はあっ!!」

 

『ユナイト!!モササウルス!!』

 

モササウルスが引き寄せられ、ガリューが力を解放すると、ボディの装甲が弾け肩にモササウルスを模した装甲があり、身の丈程もあるスピノアクスを背負った形態、仮面ライダーガリュー超絶命駆モード・モササウルスユナイトへと変身した。

 

「仮面ライダーガリュー超絶命駆モード・モササウルスユナイト…いざ、舞い殉じる!!…長いな」

 

「くそっ!!鱗粉だけが私の能力じゃねえぞ!!」

 

鱗粉を封じられて焦ったバタフライスカルは羽を羽ばたかせると持ち前の起動力を駆使して周囲を飛び回りガリューを翻弄しようとする。

 

「遅えよ!!」

 

「ぐわぁっ!!」

 

しかし水で濡れて重くなった羽では思うように速く飛ぶことが出来ず、先ほどとは打って変わって簡単に見切られる。バタフライスカルは慌てて回避しようとするが、巨大なスピノアクスで斬り裂かれた。

 

「くそっ!!羽が濡れてなきゃ…あの『花』が余計な事しなきゃこんな奴に…!!」

 

「そうだな、油断したせいで俺はやられてたかもしれねえ…お前を追い詰めたのは…他でもねえあいつの手柄だ!!」

 

「ぎゃあっ!!」

 

さらにガリューは動きの鈍いバタフライスカルの背後に回ると、羽をスピノアクスで真っ二つに斬り裂いた。

 

「本当に…大した奴だよあいつは!!」

 

『必殺の術!!超絶!!』

 

ガリューがカグラドライバーを叩き回すと、スピノアクスはさらに巨大化し、刀身に水流を纏い巨大な渦を作り出す。そしてガリューは飛び上がりバタフライスカルの頭上からスピノアクスを振り下ろした。

 

『超絶必殺忍法!!超絶大瀑布!!』

 

「くそぉぉぉぉぉ!!」

 

巨大な水流を纏った渾身の一撃はバタフライスカルへと直撃しバタフライスカルを一撃で粉砕した。煙が晴れると力尽き倒れる葉蛾と粉々に砕けたスカルキーが落ちていた。

 

 

 

 

 

「仮面ライダー…抹殺」

 

「任務…遂行」

 

「その技は…」

 

「もう僕たちには効かない!!」

 

『『必殺の術!!』』

 

一方ディノポネラスカルはオルグとガルーダを倒す為に大鎌を同時に振り下ろし巨大な斬撃を放つ。しかしそれを見越していたオルグとガルーダはそれぞれの必殺忍法を合わせる。

 

「「合体必殺忍法!!合体竜射法・スターライトストライク!!」」

 

トプスパーダからの斬撃とプテラアローから放たれる矢は一つになり巨大な矢と化してディノポネラスカルの斬撃とぶつかり合う。そして斬撃を打ち破った矢は2体のディノポネラスカルを貫き爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

「これで決める!!」

 

『必殺の術!!超絶!!』

 

リューマはカグラドライバーを叩き、腕に付いたスティラコサウルスの装甲の角に電気を纏わせる。

 

「必殺忍法!!超絶100億ボルトスパイラル!!」

 

リューマのスティラコサウルスの角が高速回転し、その勢いを利用して急接近し、それを迎え撃つ為にエラスモテリウムスカルは金棒を振り回すが、金棒はリューマの突進によって弾かれて炸裂した。

 

「ぐっ…!!うぉぉぉぉぉ!!」

 

それに対してエラスモテリウムスカルも突進を止めようと力を解放し、両腕で殴りつけることで、互いの衝撃がぶつかり合い巨大な爆発が発生した。

 

「うわあっ!!」

 

爆発の衝撃によりリューマは吹き飛ばされ、煙が晴れると満身創痍のエラスモテリウムスカルが立っていた。

 

「はぁ…はぁ…今のは…やばかった…!!」

 

「くそっ…あれでも倒れないのかよ…!!」

 

想像以上のタフネスを誇るエラスモテリウムスカルにリューマは驚愕の声を漏らした。

 

「くそっ…今日はここまでだな。あばよリューマ、次こそは俺がぶっ飛ばしてやるぜ」

 

エラスモテリウムスカルは傷ついた体を押さえながら黒いゲートを作り出すとそこから撤退してしまった。

 

「あーちくしょー…俺だけ取り逃したのかよ…」

 

エラスモテリウムスカルを取り逃してしまったリューマは悔しそうに寝っ転がった。

 

 

 

 

 

 

 

「葉蛾さんがファンのみんなを!?そんな……!!」

 

戦いが終わったあと、控え室では忍関係の警察から事情を聞いたアイドルのツバキが驚き、頭を抱えていた。

 

「どうやらあのアイドルは完全にシロだったみたい」

 

「あのスカルが効率よく女性を襲えるように隠れ蓑として利用されてたってわけか…気の毒に」

 

竜司たちは青ざめた顔で事情聴取を受けているツバキを隠れた場所から見ていた。しかしそこには炎佐の姿が無い

 

「ところで炎佐の奴…香澄ちゃんと仲直り出来たのかな…」

 

「炎佐の奴、結構キツめだったからな…」

 

「ああ、さっきちょっと見てきたけど…問題なさそうだよ?」

 

心配そうにする竜司と満月に蒼良は笑いながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……悪かった、さっきはキツイこと言って」

 

「そ、そんなことないよ!!炎佐くんの足を引っ張っちゃったのは事実だし…」

 

謝る炎佐に対し、戦いの傷の処置をしながら香澄は慌ててそう言った。

 

「実際あのスカルとの戦闘…お前のサポートのおかげで助かった。」

 

「そっか…////役に立てたなら良かった」

 

炎佐の礼を聞き、香澄は嬉しそうに顔を赤く染めて喜んだ。

 

「まぁ…あれだ…お前の力が必要な時がこれからもあると思うし…お前の覚悟もよくわかった…」

 

「炎佐くん?」

 

首を傾げる香澄に炎佐は小恥ずかしそうに告げた。

 

「だから…とりあえず…認めてやるよ…炎佐紅蓮隊メンバーに…」

 

「…っ!!炎佐くん…ありがとう!!」

 

炎佐の言葉に香澄は目に涙を浮かべて目一杯の笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!報酬こんだけかよ!?」

 

仲介人に任務達成の報告をした炎佐だが、案の定少なくなった報酬に怒りの声を上げた。

 

「お前や他の仮面ライダーが壊した建物や備品、その他諸々の仲介料を考えりゃこんなもんだろ?文句あるなら修繕費を見せてやるよ」

 

「ぐっ…!!」

 

ニヤリと笑いながら請求書と契約書を見せる仲介人に炎佐は何も言い返せなくなる。

 

「ちょっと見せて炎佐くん」

 

しかし、ふと何かに気づいた香澄は仲介人から請求書を受け取るとじっくりと内容を確認する。

 

「ふふっ…おじいさん、これでは話になりませんよ?」

 

「あ?」

 

笑みを浮かべた香澄に仲介人がキョトンとすると香澄はスマホの電卓を使って計算し、その計算を見せる。

 

「請求書に出ている窓ガラスの請求金額、明らかに相場より高いです。あの会場に使われてる備品ではこんな金額にはなりませんよ」

 

「ぐっ…」

 

「それに仲介料のパーセンテージも桁が高すぎますし、契約内容も炎佐くんたちには必要ない内容分も請求されてますよね?」

 

「うぎぎ…」

 

「ここで斡旋されてる仕事の中には今回のような炎佐じゃなきゃ出来ない仕事もあります。でしたら炎佐くんとの雇用関係は大切になさった方が良いですよ?」

 

グイグイと押し寄せる香澄の指摘に仲介人は冷や汗をかきながら押されていく

 

「わかった…だったらこの額でどうだ?」

 

「ダメです。最低でもこの額です。」

 

「も、もう一声…」

 

「これなら即決で良いですよ?」

 

「お、おお…」

 

そこからは完全に香澄のペースとなり、その様子に炎佐は目を丸くした。

 

「くそ…わかったよ…あんたの勝ちだ…」

 

「ありがとうございます!!今後とも良い関係を築きましょう!!」

 

そしてとうとう仲介人は項垂れ香澄は受け取ったお札をしっかり一枚一枚確認しながらお礼を言った。

 

「それじゃあ帰ろ炎佐くん♪」

 

「あ、ああ…助かった…」

 

あまりの光景に炎佐は静かに呟いた。

 

「……交渉は今後あいつに任せよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーくそっ…大した女だよあいつ。この俺を交渉で負かすとは…!!」

 

香澄が帰ったあと、仲介人はため息混じりに呟いた。

 

「交渉の達人が加わったことで、炎佐紅蓮隊はこれからさらに力を増します。そうすれば必ずや貴方様の期待どうりの成長を見せるはずです。」

 

その時、背後から炎佐紅蓮隊の元教師である凛が現れる。

 

「そうだな、あいつらが成長してくれりゃ悪忍のこれからは安泰だ。他のうるさい連中も、俺自ら監視してるとなりゃ黙るだろうしな。」

 

「そうしていただけると私も安心です…鬼炎(きえん)頭領」

 

鬼炎と呼ばれた仲介人こと悪忍たちのトップである頭領はニヤリと笑う。これから先、自分の後を継ぐだろう若き悪忍の成長を喜びながら

 

「ところで、うちの方で新しいドライバーが完成したから、また候補者を探しておけ。プテラアローの時より入念にな」

 

「はっ」

 

鬼炎の命に凛は頭を下げ、その場を去る。凛が立ち去った後、鬼炎はニヤリと笑いながら呟いた。

 

「さあて、富嶽のカスも何やら企んでるみたいだし、新しく作ったあの暴れん坊を使いこなす奴は出てくるかな?」

 

 

 

 

その頃、とある場所で真っ赤な恐竜を模したドライバーとメタルブラックにオレンジとマグマを彷彿させるキョウリュウキーが光り輝いた。

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