仮面ライダーリューマ   作:クロバット一世

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其の六十八 爆炎の超恐竜!!の巻

「見つけたぞ!!」

 

都内のとある市街地、完全武装した悪忍達が彼を取り囲んだ。

 

「炎佐ァァァ!!今度こそテメェを倒して俺が次の選抜メンバーになってやらぁぁ!!」

 

「はぁ…またかよ…」

 

「この人たち…炎佐くんを狙ってるの?」

 

「まあな…ちょっと離れてろ」

 

香澄との買い出し中にこんな目にあった炎佐は、悪忍達のリーダー格の叫びにため息を吐き、香澄を離れさせて集団の中央に歩く。

 

「へへへ…蛇邪のカリスマとまで呼ばれていたお前が女と仲良く買い物とはなぁ…ずいぶん落ちぶれたもんだな」

 

「数を揃えなきゃ俺1人相手にできないお前らよりはマシだよ」

 

ニヤリと笑いながらそう言う炎佐に男達は怒りで血管が浮き出る。

 

「うるせぇ!!テメェの命運もここまでだ!!野郎どもやっちまえ!!」

 

「「「「「「おお〜っ!!」」」」」」

 

「炎佐くん、今日は炎佐くんの大好きなアジフライだから出来れば早めに…」

 

「…さっさと終わらすか」

 

 

 

 

 

「い…痛ぇ…」

 

それからわずか数分後、そこには全員返り討ちにあった悪忍達が地面に倒れていた。

 

「さて…さっさと帰るか」

 

「うん」

 

 

 

 

「けけけ…油断してる今がチャンス…あの女を人質にとれば流石の炎佐も…」

 

荷物を拾って歩き始める炎佐と香澄を影から隠れていた悪忍がゆっくりと近づいていく。

 

「見たところ全く戦いの心得が無い小娘…捕えちまえばこっちのもの…」

 

 

 

 

「…そこだな」

 

「ぶへぇっ!!」

 

しかしそれを見抜いていた炎佐は近くに落ちていた石を拾って悪忍へと目一杯投げた。

 

「ったく…そんなんで隠れたつもりかよ…バレバレだっつーの」

 

「炎佐くん…私を守って…!!/////」

 

自分を守ってくれた炎佐に香澄は顔を赤く染めてにやけそうな顔を必死で抑えていた。

 

「ったく…それもこれもあいつが変な噂を蛇邪の奴らに広めたから…」

 

「あっ!!炎佐さん、買い物ですか!?お久しぶりです!!」

 

するとそこへ理吉が買い物袋をぶら下げてこっちへと歩いてきた。

笑顔で近づいてくる理吉に、炎佐は怒りが込み上げてきた。

 

「よぉ、理吉ぃ…なんかふざけた噂を蛇邪に広めてるようだなぁ!!」

 

「え?ちょ…炎佐さん!?待ってお願い許してぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「ちょっと炎佐くん!?どうしたの落ち着いてぇ!?」

 

その後、町に理吉の悲鳴が響き渡った。

 

 

 

 

 

秘立蛇邪学園

 

「痛た…炎佐さんやっぱり強いなぁ…」

 

蛇邪に戻った理吉は授業の手裏剣の投擲訓練をしていた。

 

「でもやっぱり炎佐さん強いなぁ…俺もいつかあの人みたいな最強の忍に…」

 

「こら理吉ぃ!!さっさと投げんか馬鹿者!!」

 

考え事ばかりしていつまでも手裏剣を投げない理吉に教官が怒鳴りつけた。

 

「うわっ!!すみません…えい!!」

 

怒鳴られて慌てた理吉が手裏剣を勢いよく投げる。

しかしその手裏剣は地面に落ちてた石に跳ね返り教官の頭を掠める。

 

「あ…」

 

「………………。」

 

沈黙が辺りを包み込む。掠めた頭から血が少し流れ教官の血管が浮き出る。

 

「………よいしょ」

 

理吉はカバンから取り出した絆創膏をぺたりと貼る。

 

    

 

 

 

 

 

 

「理吉ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

「すみませぇぇぇぇぇぇん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜やっと補修おわったぁ…」

 

あの後、堪忍袋の尾が切れた教官に補修で徹底的にしごかれた理吉は疲労のあまり机に突っ伏した。

 

「ん?誰の声かと思えば理吉か、その様子だと相変わらず教官を困らせてるようだな」

 

そんな自分に長い金髪をたなびかせて自信のある眼でこちらを見つめながら1人の少女がやってきた。

 

「総司…なんか用?」

 

彼女の名は総司、この秘立蛇邪学園の忍学生で自分と同じ1年だ。入学当時から何かと縁があり、時折こうして話をする仲なのだが…

 

「いや何、どうやら疲れているようだったからな…この私の美しさを眼に焼き付け、癒してやろうと思ったのだ。どうだ?小躍りするほど嬉しいだろう?」

 

「はいはい、ありがとう総司さん、相変わらずそうで嬉しいですよ」

 

見ての通り、彼女はものすごいナルシストなのである。実力は高く、この蛇邪学園でも次期選抜メンバー候補になるほどなのだが、いつもこんなふうに自分の美しさと強さをこれ見よがしに自慢する。さらに自分がナルシストだという自覚もないので本当めんどくさい。

 

「そうかそうか、そんなに嬉しいか。まぁ当然だろうな、美しい私の美貌をこんなにも間近で見ることができたんだ。お前が今どれほど幸せなのかを想像するのは造作もないな」

 

「はいはいほんとにうれしーですよ」

 

「ふふふ、そんなに褒めなくても良いんだぞ理吉。私を見れて幸せになれるのは当たり前のことなんだからな♪」

 

同級生ということも踏まえても何かと俺に話しかけてきて自慢話をしてくる。適当に聞き流しても構わず俺に関わってくるのが本当に疑問である。

 

「そうだ理吉、お前に特別に良いことを教えてやろう。今日は私が直々にお前を鍛えてやろうと…」

 

prrrrr

 

「ん?ちょっとごめんね」

 

電話が鳴ったので俺は何かを話そうとした総司を制しながら画面を確認すると電話に耳を当てる。

 

「もしもし紫さん、どうしましたか?」

 

『あの…理吉くん…今日は…』

 

「ええ、わかってますよ。授業ももう終わりましたし今からそちらに行きます」

 

『うん……待ってる……/////』

 

電話の相手は紫さんだった。どうやら今日の約束の確認だったようだ。俺が今から向かうことを告げると嬉しそうな声が聞こえてきた。

 

「ごめん総司、俺この後約束あるからもう行くよ」

 

「あ、おい理吉…!!」

 

カバンを持って走り去っていく理吉に声をかけるが理吉は聞こえなかったのかそのまま走り去ってしまった。

 

「ふっ…私のあまりの美しさに近くにいるのもやっとだったんだな…きっとそうだ…」

 

 

 

 

 

 

 

都内のショッピングモール

 

「ん?いたいた、おーい理吉、紫〜!!」

 

「お久しぶりです竜司さん、待ちましたか?」

 

「竜司くん…久しぶり…」

 

この日、俺は親友である理吉と紫と大型ショッピングモールに遊びに来ていた。紫はいつも部屋に引き篭もって生活しているらしく彼女の姉である忌夢に外に連れ出して欲しいと理吉が頼みこまれたらしい。そこで同じく紫の親友となっている俺も一緒になって3人で外に遊びにいくことになったのだ。

 

「うう…やっぱり人が多い…部屋に戻りたい…」

 

「大丈夫ですよ紫さん、俺たちがついてますから」

 

べべたんをぎゅっと抱きしめる紫に理吉が優しくそう言う

 

「最初は人があまりいないところから行こうか、どこにする?」

 

「そうですね…やっぱり…」

 

 

 

 

 

 

映画館

 

「なるほど、確かにここなら良いかもね」

 

映画なら暗いし動く必要もない、ここなら紫も入りやすいだろう

 

「うん…暗いし落ち着く…大丈夫そう」

 

「それはよかった、じゃあ早速チケットを買いますか」

 

「紫、どの映画観る?紫が選んで良いよ」

 

「えっと…それじゃあ…」

 

 

 

 

 

 

半蔵学院

 

「りゅーくん…」

 

「竜司さん…」

 

竜司が理吉、紫と映画に入ったその頃、飛鳥と斑鳩が暗い眼をしながら『柳緑花紅』と『飛燕』を研いでいた。

 

「またなのりゅーくん?また女の子と一緒なの?」

 

「竜司さん…貴方って人は…本当に貴方って人は…!!」

 

2人は静かに、そして確実に怒り(殺意)を込めながら得物を研ぐ。そんな2人に霧夜をはじめとした仲間たちは恐怖で何も言えずにいた。

 

 

 

 

 

 

「いや〜面白かった!!紫の選んだアニメ映画大当たりだったよ!!」

 

「展開が読めなくてハラハラしました…!!」

 

「うん…あのアニメはいつも部屋で観ていたから…劇場版も間違いないと思った…」

 

紫が選んだ映画は予想以上に面白くて俺たちも心から楽しむことが出来た。紫も映画を観てだいぶ慣れてきたのか先ほどよりも笑顔になっている。

 

「あ…」

 

すると紫が近くのゲームコーナーに目をやった。そこには『シノビファイター5』と大きく書かれている。

 

「そうだった…このゲーム確か今日入るんだっけ…」

 

紫もこのシリーズのゲームをやってるのだろう。じっとゲーム台から目を離さない

 

「そう言えば蛇邪でもこのゲーム流行ってたっけ」

 

「やってみる?今なら空いてるみたいだし」

 

「うん…やってみたい…」

 

俺が聞いてみると紫は嬉しそうに笑った。そうして俺たちはゲーム台へと向かった。

 

「それじゃあ対戦してみるか。最初は誰と誰がやる?」

 

「竜司さんと紫さんがどうぞ、俺は次でいいです」

 

「ありがとう…じゃあやろう竜司くん…」

 

紫はやる気充分らしくすでに着席してウキウキしていた。

 

「よっしゃ、手加減しないからな」

 

「望むところ…!!」

 

俺も席に座り、キャラクターを選ぶといよいよ対戦がスタートする。

 

「お互い準備はいいですね?では…ファイッ!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つ…強い…」

 

「ま…参りました…」

 

「やったね…べべたん…」

 

結果は紫の一人勝ち、俺と理吉が交互に戦ったが紫に1勝するどころか体力ゲージを半分も削れなかった。

 

「すごいな紫、俺たち全く歯が立たなかったよ…」

 

「よかったら…2人にもやり方教えてあげる…」

 

「本当ですか!?ぜひお願いします!!」

 

そこからは紫指導のもと、俺たちはメキメキと腕を上げていった。

 

 

 

 

 

「いや〜楽しかったな!!」

 

「紫さんはどうでした?」

 

「すごく…楽しかった…2人とも…今日はありがとう…」

 

ひと段落した俺たちはフードコートで軽食を食べてていた。紫も最初に比べて肩の力が抜けた良い表情になっており、俺たちも嬉しくなった。

その時、ふと理吉が訪ねてきた。

 

「竜司さん、そう言えば最近善忍の方にすごく強い仮面ライダーが現れたって聞いたんですけど…どんな奴でしたか?」

 

ドライグ…突然現れた仮面ライダー…時には俺たちを襲い、時には俺たちを助ける謎の仮面ライダー…

 

「ああ…俺も正体はよく分からないんだけど…多分、良い奴だと思う」

 

最初はスティラコの力を無理やり奪おうとしてきたけど、ケルベロスやサラマンダー、ギガノトサウルスに襲われた時も、あいつには助けられた。あいつはきっと信頼できる奴だ。少なくとも、俺にはそう思えた。

 

「そうですか、きっと竜司さんが言うんなら間違いないと思いますよ」

 

「うん…私も…そう思う…」

 

俺の言葉に理吉と紫は頷き、俺は自分の考えが間違ってないと思うと嬉しくなった。

 

「でも理吉、どうしたんだ?急にそんなこと聞いて…」

 

「あっ!!それなんですけど、悪忍でもまた新しい仮面ライダーが誕生するみたいなんですよ」

 

「仮面ライダー?」

 

突然理吉が発した衝撃発言に俺はポカンとした。

 

「最近、悪忍(うち)のナワバリにある火山地帯で新しいキョウリュウキーが発見されたんです。そいつを捕獲するのに頭領が精鋭部隊を率いて向かったんですが七日七晩掛かった程の強さだったみたいなんですよ。」

 

「そんな強い恐竜が…」

 

頭領…前に霧夜先生が教えてくれたことがある。悪忍たちは俺たち善忍のような最高幹部ではなく、頭領と呼ばれる存在がトップに君臨していると、そのトップ率いる精鋭部隊がそれほど苦戦する恐竜となると、その力は計り知れない。

 

「それで、その恐竜の能力をベースに新しいライダーシステムを作って、その適合者を今度蛇邪で探すことになったんですよ。」

 

「理吉…」

 

「理吉くん……」

 

「ん?」

 

前にもおんなじような事があった。

 

その時も思った。

 

「多分それ俺に言っちゃダメな奴だと思う」

 

「あ…しまったぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

「お願いします竜司さん!!このことはどうか内密に…!!」

 

「竜司くん…私からも…お願い…」

 

「わかってるよ、内緒にするから安心して」

 

慌てる理吉と紫に俺がそう言うと2人は安心したようにホッとした。

 

「でも仮面ライダーかぁ…もしかしたら理吉が変身するかもね」

 

「え?」

 

俺の発した言葉に理吉がポカンとした。

 

「俺が仮面ライダー?やだなぁ竜司さん、冗談はやめてくださいよ」

 

「いや…本気で言ってるんだけど…」

 

「俺じゃあ仮面ライダーなんて慣れませんよ…落ちこぼれの俺に竜司さんみたいな適性があるなんて…」

 

「だって理吉、ティラノキー使えるじゃん」

 

ラビットスカルに紫が襲われた時も、メガロドンスカルの時も、理吉はティラノキーの力を使って俺を助けてくれた。

 

「俺は理吉が仮面ライダーになってくれたら心強いんだけどなぁ…」

 

「私も…理吉くんなら仮面ライダーになれると思う…」

 

俺の言葉に賛同するように紫も頷く。

 

「2人とも…」

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺たちは解散しそれぞれ帰路についた。

 

そして俺が半蔵学院に帰ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

般若の形相の2人に追い回された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「新しい仮面ライダーだぁ?」

 

「ええ…悪忍どもが開発に成功したらしく…現在資格者を探しているようです。」

 

廃ビルの屋上で天と撃が話していた。

 

「撃、貴方には蛇邪学園を強襲し新しいライダーシステムを破壊してください」

 

「よっしゃあ!!俺の出番か!!だったら手加減しねぇ!!全力でぶっ壊してやるぜ!!」

 

今まで行動を制限させられていた撃は嬉しそうに笑みを浮かべながら雄叫びを上げた。

 

 

 

 

 

 

 

「俺が仮面ライダーかぁ…」

 

翌日、蛇邪学園では理吉が昨日のことを思い返しながら歩いていた。あの時は冗談だと思っていたが、真剣に自分が仮面ライダーになれると思っている竜司のことを思い出すとその気になってくる。

 

「変身っ!!へへっ…なんちゃって」

 

何だか嬉しくなった理吉は、その気になって変身ポーズを1人でし始めた。

 

「何をしてるんだい理吉くん」

 

「うわぁっ!?」

 

何度も変身ポーズをしていると、背後から蒼良と雅緋が声をかけてきた。

 

「す、すみません!!何でもないですよ…ははは…」

 

「まぁ良い、もうすぐ適正検査が始まる。早く行くぞ」

 

「すみません!!今行きます!!」

 

呆れながらも歩き出す雅緋に理吉は慌てながら着いていく。

 

 

 

 

 

 

 

「ったく…何で抜忍の俺が蛇邪に行かなきゃいけねえんだ…」

 

そんな理吉たちを物陰から炎佐が覗いていた。

 

「まったくだよ、一応追われてる身だってわかってる?」

 

「うおっ!?」

 

炎佐がふと気づくと呆れた顔の蒼良が真横の壁に寄りかかっていた。

 

「何だお前か…仲介人のジジイに依頼されたんだよ。今度新しく出来たライダーシステムが敵に破壊されないように護衛しろってよ。委員長のおかげで纏まった金が入るようになったとは言え生活が苦しいことに変わりはねぇからな…引き受けた」

 

「大変だね君も……」

 

「やめろ!!憐れむなぁ!!」

 

炎佐の話を聞いた蒼良はハンカチで涙を拭い出し、それに炎佐は起こった。

 

「まぁ僕がいるから多分大丈夫だと思うけど…何かあったら頼らせてもらうよ」

 

「おう…」

 

 

 

 

 

 

「そうか、炎佐の奴も学園に来たか」

 

椅子に座りながら報告を聞いた鬼炎はニヤリと笑みを浮かべた。

 

「それと…スカルがドライバーを破壊しようと動いているようです。如何いたしましょう?」

 

鬼炎にそう問いかけるのは蛇邪学園の学園長である雅緋の父親だった。学園長を務めながらなお前線で活躍している現役最強と言われる忍だ。

 

「生徒に危険が及んだり余程のことがない限りは動かなくて良い、適合者を見つける良い機会だ。」

 

「はっ」

 

「それと、スカル討伐を確実にするためにリューマとオルグの変身者の少年たちにも情報を流しておきました…」

 

鈴音が告げた竜司と満月の存在を聞き、鬼炎はさらに笑った。

 

「はっ、そりゃ良い。力と力が引き合えば適合者発見に近づきそうだ。」

 

 

 

   

 

 

 

「これよりライダーシステムの適正検査を行う!!各自順番に検査を行うように!!」

 

整列した俺たちに教官が大きな声で適性検査の開始を告げる。俺たちの視線の先には真っ赤な恐竜を模したドライバーとメタルブラックにオレンジとマグマを彷彿させるキョウリュウキーが置いてあった。

 

「あれが…新しいライダーシステム…」

 

それを見ていた理吉はドライバーの放つ輝きから目が離せない。火山のような力強さを見せながらもどこか引き込まれるような美しさに惹かれていた。

 

「何だろう…この感覚…」

 

 

 

 

その瞬間、壁が轟音と共に勢いよく破壊された。

 

「な、何!?」

 

理吉が思わず音のした方を振り向くと、瓦礫と共に瞬殺されたMK5や反炎佐連合の主力たちが倒れていた。

 

「あいつら…一体どうして…!?」

 

「へっ、どいつもこいつも歯応えがねぇ…やっぱり仮面ライダーじゃなきゃつまらねえな」

 

すると、土煙と共に全身筋骨隆々の体に毛皮を纏い、巨大な角を生やしたエラスモテリウムスカルが金棒を振り回しながら現れた。

 

「おいあれって…」

 

「噂の怪人…!!」

 

「お前たち!!すぐに担任の教官の指示に従って避難するんだ!!」

 

突如現れたエラスモテリウムスカルに動揺する生徒たちに教官たちは慌てて指示を出し、生徒たちが避難する時間を稼ぐためにエラスモテリウムスカルを取り囲んだ。

 

「雑魚はすっこんでろ!!」

 

「ぐわぁぁぁぁ!?」

 

しかしエラスモテリウムスカルは金棒を振り回すと飛びかかる教官たちを一蹴した。

 

「ひゃははっ!!こいつが例のライダーシステムってやつか…ただ壊すのもつまらねえが…やらねえと後がうるせえからな…」

 

エラスモテリウムスカルはそう言いながらドライバーとキョウリュウキーを掴もうと手を伸ばす。

 

「これに手を出すなぁ!!」

 

その瞬間、理吉は居ても立っても居られず、ドライバーとキーを守ろうと覆い被さった。

 

「何だテメェ…?お前みたいな雑魚はお呼びじゃねえんだよ!!」

 

理吉を見て失望したように苛立ったエラスモテリウムスカルは力任せに金棒を振り回す。その攻撃を回避できないと感じた理吉は思わず目を瞑った。

 

「何やってんだ馬鹿!!」

 

しかし、その一撃を突然現れたガリュー超絶が受け止めて、即座にエラスモテリウムスカル目掛けて超至近距離からでワイルドブラスター・キャノンモードで連射した。

 

「炎佐さん…」

 

「ったく、簡単に諦めんじゃ…」

 

しかしその瞬間、爆炎から勢いよくエラスモテリウムスカルが現れて金棒を振り回してきた。

 

「なにっ!?」

 

「ひゃっはぁ!!」

 

不意の一撃はガリュー超絶のカグラドライバーへと炸裂し、ガリュー超絶は変身が解けて吹き飛ばされてしまった。そして倒れる炎佐を見るとカグラドライバーには大きなビビが出来、超絶スピノキーが地面に落ちていた。

 

「おっ…!?思わぬ収穫じゃねえか…!!」

 

それに気づいたエラスモテリウムスカルは超絶スピノキーを拾い上げると大きく口を開いて飲み込んでしまった。そしてその瞬間、全身から凄まじい炎が溢れ出るとエラスモテリウムスカルの金棒が熱で溶けて、禍々しい炎に包まれた巨大な戦斧へと変形する。さらに全身は炎のような真っ赤な体へと変貌し先ほどを遥かに上回る力であることは明白だった。

 

「すげえ…力が溢れてくる。今なら誰も俺を止められねえ!!」

 

「そんな…何だよあの力は…!!」

 

起き上がった炎佐はエラスモテリウムスカルが発する凄まじい熱量に驚きを隠せなかった。

 

「急いで来てみれば…とんでもないことになってるみたいだな」

 

「あれは…今までの親衛隊がやってたのと同じだ…!!でも、明らかに他の奴らより強い!!」

 

「出遅れた自分を殴りたくなってきたよ…!!」

 

その時、息を切らしながら駆けつけたガルーダ、リューマ超絶へと変身した俺、オルグが強化されたエラスモテリウムスカルを目の当たりにして出遅れたことに苛立ちを露わにした。

 

「早速残りの仮面ライダー共がお出ましか、パワーアップした俺の力を見せてやるぜ!!」

 

俺たちを見つけたエラスモテリウムスカルはニヤリと笑うと手に持った戦斧を振り回すと巨体からは信じられないスピードで接近する。

 

「なに!?」

 

「遅ぇよテメェら!!」

 

「「「うわぁっ!?」」」

 

恐るべきスピードで接近したエラスモテリウムスカルに反応できなかった俺たちに戦斧の一撃が炸裂し、3人はその勢いで吹き飛ばされてしまった。

 

「くそっ!!気を引き締めろ!!こいつの強さは尋常じゃない!!最初から全力でいくぞ!!」

 

「「わかった!!」」

 

俺の指示に2人が頷くと、俺とオルグがエラスモテリウムスカルへと急接近しワイルドブラスター・バスターモードと大剣モードのトプスパーダで斬りかかる。パワーファイター2人の剣撃に咄嗟に受け止めた流石のエラスモテリウムスカルも動きが止まる。

 

「ふっ!!」

 

動きが止まったその一瞬を逃すことなくガルーダのプテラアローによる精密な連射がエラスモテリウムスカルの体に炸裂しエラスモテリウムスカルはさらに後退する。さらに俺とオルグはさらに猛攻を繰り返し反撃の隙を与えない。

 

「今だ!!」

 

『必殺の術!!超絶!!』

 

『必殺の術!!』

 

そして大振りの一撃が炸裂しエラスモテリウムスカルが大きくたじろいだその瞬間、2人は必殺忍法を発動する。

 

「「合体超絶必殺忍法!!超絶ダイノクロススラッシュ!!」」

 

ワイルドブラスター・バスターモードとトプスパーダから交差して放たれた巨大な斬撃がエラスモテリウムスカルの胴体へと炸裂した。

 

「やったか…?」

 

激しい連続攻撃が炸裂し爆炎で様子がわからない俺たちは炎の中を伺う

 

 

 

 

「離れろ2人とも!!まだ倒れてない!!」

 

その時、プテラの超視力で炎の中を覗いていたガルーダが叫ぶ。それに気づいて慌てて後ろに回避すると勢いよく戦斧が振り回されて炎が吹き飛んだ。

 

「やるじゃねえか、この力を手に入れてなかったら危なかったかもしれねえ」

 

そこには傷だらけになりながらもピンピンしているエラスモテリウムスカルが笑みを浮かべて立っていた。

 

「やばいな…想像以上に強い…!!」

 

 

 

 

 

 

「俺を忘れるな!!」

 

その時、スピノアクスを手に勢いよく炎佐がエラスモテリウムスカルに飛びかかり斬りつけた。しかし、その一撃は軽々と受け止められ炎佐は空中で止まってしまう。

 

「もうテメェは興味ねえ、とっとと失せろ!!」

 

「がっ!?」

 

エラスモテリウムスカルは鬱陶しそうに叫ぶと炎佐を殴り吹き飛ばしてしまう。

 

「変身できねえお前なんか相手じゃねえんだよ!!」

 

エラスモテリウムスカルは倒れる炎佐に戦斧を振り下ろそうとした。

 

「やめろーーーーーーー!!」

 

それを止めようと理吉はドライバーとキーを抱きしめながら走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、ドライバーが突然輝き、凄まじい炎が放出された。

 

「ぐおっ!?何だこれ…熱っ!?」

 

そのあまりの熱に全身が炎で覆われているはずのエラスモテリウムスカルが思わずたじろいでしまった。

 

「すごい…この力なら…!!」

 

理吉はドライバーとキーを見つめると意を決したように炎佐の方を向いた。

 

「炎佐さん!!これを使ってください!!」

 

「ありがとよ!!」

 

『ヴォルカノドライバー!!』

 

理吉はドライバーとキーを炎佐へと投げ渡し、それを受け取った炎佐はドライバーを腰に装着した。

 

『マグマゴルゴ!!』

 

炎佐がマグマゴルゴキーを起動すると、地面からマグマが噴出し炎のゴルゴサウルスが現れる

 

「変身!!」

 

炎佐は叫びと共に勢いよくキーを回した。炎が炎佐を包み込みどんどん形を成していく。

 

しかしその瞬間、異変が起きた

 

「ぐっ…ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

炎佐は全身を覆う熱に耐えられなくなり苦しみ出し、ヴォルカノドライバーは外れて全身火傷を負った炎佐が気を失って倒れた。

 

「炎佐さん!?大丈夫ですか!?しっかりしてください!!炎佐さん!!炎佐さん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドライバーが炎佐を拒んだ…?奴も適合者だったはずだ…!?」

 

その様子を離れた場所から見ていた鬼炎は驚きを隠せずにいた。

 

「もしかしたら…より自分に適した人間をゴルゴサウルスが選んだのかもしれません」

 

「なに…まさか…!!」

 

凛の言葉に鬼炎はある場所に視線を向ける。

 

 

 

 

「そんな…俺が…俺がドライバーを渡したから…炎佐さんが…!!」

 

そこには自責の念に震える理吉が座り込んで震えていた。

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