シルバー・ブレット   作:ダイコンハム・レンコーン

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……もういっそ蛭子親子を出してしまおうかとすら考える程に話が進まなかったので、一周して開き直り、がっつりオリ主とオリキャラを使って行きました、最早世界設定以外ブラブレ要素が無いぞ!無いぞ!


明日に向かって

 初めて握った銃の名前は、コルト・シングル・アクション・アーミーだった。

 

 この銃の通称は「ピースメーカー(平和の創造者)」、皮肉も良いところだ。

 

 邪魔者を排他して平和を築こうとも、それは腐り掛けのリンゴから腐った部分を取り除いただけに過ぎない。

 

 じきにまた、腐敗は始まる。

 

ガストレア

 

呪われた子供たち

 

 それらを排し、仮初の平和を掴んだとすれば、次はきっとこの存在を排そうとするだろう。

 

人間

 

 過ちを繰り返す前に、暗い熱狂を前に、彼らは足を止めねばならない、もう一度、周りを見渡さねばならない。

 

 何故必要としたのか、何故そこにいるのか、何故……そうせざるを得なかったのか。

 

 ……心の中に潜む暗鬼を、撃ち抜かねばならない。

 

 俺はやがて、この世界で、諦めかけていた夢に、また挑む決意をしたのだ。

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

 ……目を覚ませば、子供たちが肉の絨毯さながらに地面にコロコロ転がっていた。

 

「〜ふぉお、もう食べられない〜」

「蹴らないでぇ〜」

「尻尾のステーキぃ、むにゃむにゃ」

 

 何故か背筋に悪寒が走る様な寝言が聞こえたが、今は無視しよう、子供とは未知が形になって歩いている様なものであるから、理解が困難を極める時もままある。

 

 身に付けていた武器の類がどこにあるか確認すると、子供たちから離れた場所にあるロッカーに全て納められていた。

 

 ……まだ暗い。

 

 窓枠しか残っていない窓から、港の方を眺めてみる。

 

 柔らかな黄色が、水面に溶け込み、街から放たれる鮮烈な光に連なり、光のグラデーションを映し出す。

 海、と言うものはあまり経験が無い、新鮮な体験であった。

 そして、街の方を眺めていると、次の瞬間、火の手が上がった。

 

「なっ……!」

 

 更に背後からは揺らぎ、急ぎ振り向く。

 

 

「起きたのか、バンカ……ん? 何かあったのか?」

 

 そこには、多少着崩れ、昼とは違い、ややアダルトとも言える雰囲気を纏ったピーが居た。

 

「……ピーか、いや、街の方で火の手が上がっていてな、どうしたのかと」

 

「たぶんだけと、それはただの火事か……ガストレア騒ぎじゃないか?」

 

 脳裏にあの大蜘蛛が()ぎる。

 

「ガスト……レア? 何だ、それは?」

 

 …………態度とは裏腹に、得られた情報がひとりでに頭の中で結びつけられていく。

 

 ピーは俺のいる窓際に並び立ち、乗り出した彼女の身体が窓枠の半分を占拠する。

 

「バンカは知らなかったのか? ……ガストレアってのはだな……うーんと、簡単に言えば、人を襲う()()()だぞ」

 

「…………なるほど」

 

「他にも知らない事があるなら、ピー様が教えてやるぞ!」

 

 尊大な態度を取りつつ、柔和さを持った立ち振る舞い、張った胸に握り拳をポンと置いた目の前の彼女は、弱冠10歳の姿でありながら、その気遣いは大人の様でもあった。

 

「なら、まず、ちょっとした歴史から教えてもらおうかな」

 

「うぐっ……いきなり難しい所がきたぞ……」

 

「……私は、何も知らないからね、全く、本当に」

 

 

 

「……昔、ここは、日本って、呼ばれてたらしいんだぞ」

 

「日本、だと?」

 

「それで、丁度今から10年まえの、……2021年だったっけ、その年に、"ガストレア大戦"ってのが起きたらしいぞ、わたしはその時、産まれたんだぞ!」

 

「……と言う事は、今は2031年……」

 

 ……どうやら俺は、未来に来てしまった様だ。

 

 俺が生まれた年は1885年、死んだのは、確か1950年だ。つまり俺はそこから更に81年後の世界に来てしまったと、そう言う事らしい。

 

 頭を抱えたくなったが、狩人として、ある種の理不尽に対する耐性がついていたのが不幸中の幸いだった。

 

 しかし、精神年齢が65歳の幼女とは、流石にこちらとしては来るものがある。

 

「そのガストレア大戦の後、あのでっかいやつが出来たんだって」

 

「……材質……いや、何で出来てるのか、分かるかな」

 

「確か、バンカが持ってた杖と一緒のやつで出来てるはずだぞ?」

 

 ……やはり、化け物に対する特効を持った素材なのは確からしい。

 

「あの黒い金属を、ガストレアが嫌うならば、何故此処は廃墟だらけなんだ? あの壁があるなら、ここも安全なんじゃないのか?」

 

「たしかに、嫌いらしいんだけど、絶対入ってこない訳じゃないんだ。だから、ここを含めた"外側に近い区域"を"外周区"って、呼んでるんだ、危ないから」

 

「…………なら、何故君たちはここに居るんだ?」

 

 その瞬間、彼女の顔がくしゃりと歪んだのがはっきり分かった、そうなるとある程度予想して投げかけた問いだが、予想よりも遥かに重い何かがあるようだ。

 

「……わたし達が、"呪われた子供たち"だから」

 

 呪われた、と言う言葉を聞いた瞬間、呪術的な代物かと思ったが、どうやら違うらしい。

 

「わたし達は……ちょっとだけ、"ガストレア(化け物)"なんだってさ、ちょっとだけ」

 

 暗いトーンへと変わった声、隣の彼女を見ると、目が赤く輝いていた。

 

「すまない」

 

「何であやまる必要があるのさ?」

 

「……そうだな」

 

「あ、そうだ! 新入りになったからには仕事してもらうからな! 早く寝て早く起きなきゃいけないんだぞ! だぞ! だから早く寝ろ!」

 

 先程の非礼を詫びる代わりに、敬礼を交え、彼女に向けて呟いた。

 

「…… Yes, Ma'am」

 

「ん? 今何て……」

 

 俺は先に肉の絨毯へ戻り、隙間を探して眠りに着いた。……子供たちに足蹴にされつつも。

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

 朝、目に染みる暖かな日差しを受け、俺たちは物を漁りに出た。

 

 ……経験はある、死体の中に入った指輪を探し出して欲しいという様な依頼でモルグに乗り込んで漁りに漁った苦い記憶を思い出した。

 

 これの救いはまだただのゴミを漁っているだけと言う精神的なハードルの低さだ。

 

 幾つか使えそうなスクラップや、アルミなどの再利用可能な資源を集め、それを買い取る業者に売り払うとピーから教えられたが、こういった光景は戦場跡でも見られた光景だ。兵士の遺品をかき集め、売り払う、何をするかはすぐ把握出来た。

 

 人を殺さないだけ遥かに善良だ、恐らく、呪われた子供たちが、あのガストレアと言う化け物の力の一端を行使出来るならば、素手であっても十全に只人ならば殺し尽くせるだろう。

 

 それをしないのはそこまで追い詰められていないからか、それとも、端からそんな考えが無いからか、後者であれば、善良さが報われないとしか言いようがない、それこそ、神に見放されたとでも言える程に。

 

 

 そんな事を考えながらも、他の子供たちと一緒にゴミ拾いに精を出していると、後ろから声をかけられた。

 

 ……犬のような耳をピョコンと立てながら。

 

「わ〜いっぱ〜い!」

 

「えっと、君は?」

 

「わたし? わたしはね、ライカだよ〜?」

 

 何とも言えない不思議なオーラを纏う藍色の髪の少女がゴミ袋を覗き込んでいた、彼女の肩には既に満杯のゴミ袋が2つ、背負われている。

 

「その量、どうやって……」

 

「えへへ〜わたしは、ワンちゃんの"いんし"をもってるから〜はながすっごくいいんだよ〜」

 

「い、因子?」

 

「あ、えっとね〜"いんし"っていうのはね〜あかいめのこたちがみんなもってるもので、たとえば、イルカさんのいんしをもってると、あたまがすっごくよくなるんだって〜」

 

 ……なるほど、因子、それによって呪われた子供たち同士でも発揮できる力が変わってくるのか。

 

「バンカおねえちゃんは"つの"があるから〜うしさんかな〜? それとも、"はね"があるから〜とりさんかな〜? あ、"しっぽ"があるから〜もしかして〜とかげさんかな〜?」

 

 因子の影響は外見にも現れる、と言う事か、しかし、ピーはそこまで目立った部位はなかったな、何の因子だろうか。

 

 強化された鋭敏な聴覚が、ピーの呼び声を捉える。

 

「休憩の時間だぞ〜! 全員集合〜!」

 

 ……おっと、もうそろそろ集合時間か。

 

「ライカ、そろそろ戻ろう、皆が待ってる」

 

「うん! いこいこ〜」

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

 根城にて、俺とピーも含めて17人の子供が一堂に会し、缶詰やパンの耳といった食事を楽しげに食べている。空腹は最高のスパイスだかソースだかと言うが、何より、誰かと一緒に食べる食事と言うのが最高の調味料なのかもしれない、かくいう俺も、こんな体験は久しぶりだったのだ、年甲斐もなく笑ってしまいそうになる程には。

 

「おいしいね〜!」

 

 口に食べかすをたんまり付けたライカがこちらに微笑む。犬食いでもしたのかと疑いたくなったが、まずは手元にあったタオルを手に取り。

 

「ほら、口元に色々ついてるから、じっとするんだ」

 

「むぐぐ〜くすぐったい〜」

 

 俺は、兄弟も居なかったし、伴侶を持たず、子供も居なかった、が、もし居たのなら、こんな光景もあったのだろうか。

 

 ……昼飯の時間を終え、また数時間ゴミ拾いをして、今日の仕事は終わった。

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

 皆が寝静まる夜、昨日の様にピーと二人窓際に並び、言葉を交わす。

 

「今日は何を教えて欲しいんだ?」

 

「呪われた子供たちについて、教えて欲しい、知ってる事全部」

 

「……分かった、その代わり、明日も頑張って働くんだぞ? 『働かざるもの食うべからず』って言うしな」

 

 ……流石にこの子供たちを率いているだけあり、リーダーとしての強かさも持っている様だ。

 

「外で話をするぞ」

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

 崩れかけの波止場に腰掛け、暫くの沈黙が続いていた。波の音が二人の間に流れる中、話を切り出したのは俺だった。

 

「……呪われた子供たちがガストレアの力に並ぶ力を使えるのは分かった、なら、その子供たちはどうやって産まれたんだ?」

 

「ガストレア大戦の話を前にしただろ? その時、わたし達は、お母さんのお腹の中で、ガストレアウイルスって言うのにかかって産まれて来たらしいんだ。そうして産まれた子供は皆女の子になるんだぞ、ふしぎな話だろ?」

 

 ウイルス……晩年、そんな言葉を聞いた事がある気がする、確か、病気にまつわる用語だった筈だ。

 ……母体に病気が感染し、奇形児が産まれると言うのは聞いた事がある、しかし、特異な能力を齎すと言うのは聞いた覚えがない。

 どちらかと言えば、怪物が人の子を孕み、特殊な力を持って生まれてくると言った事件の方が多かった。

 が、概ね、生まれた子は化け物と扱われた訳だが。他の狩人がどうだったかは知らないが、俺は少なくともこういった依頼には手を出していない。

 生まれる種が固定化されると言うのも、怪物と人との間に生まれた存在には良く見られた事例だ。

 

「そのガストレアウイルスに感染した母親から生まれたのが、私達、呪われた子供たち、か」

 

「……そう、それで、ガストレアの力を持ってるわたし達を見て、普通の人は」

 

「……差別したという事か、こんな所に追いやる程に」

 

「捨てられて、追いかけられて、逃げられて。わたし達が、たくさんの人を殺したガストレアと同じウイルスを持ってるからって……」

 

 なるほど、話が見えて来た。

 

「……私は、それと同じ事を知っている」

 

「……え?」

 

 

 

「昔、国同士の争いがあった、大きな争いが。その争いによって色んな人が傷ついた。ピー、その後、どうなったと思う?」

 

 

「えっ? えーっと、傷つけられた人が怒った?」

 

「そう、傷つけられた人達は怒った訳だ、相手の国が許せないってね、当然、その目は、その国に住んでいる人にも向けられた」

 

「それで、ど、どうなったんだ?」

 

「お互いに激しく差別したんだよ、相手の国に住んでる人が自分の国に居たら追い払って、閉じ込めて、そして……殺して……これを、人とガストレア、そして子供たちとの関係に当て嵌めれば……」

 

 ピーの顔は真っ青になっていた、夜の藍よりも青く。恐らく、彼女もそこまでの経験はしていないのだろう、それを考えれば、ここに居る子供たちは幾分か幸運なのかもしれない。

 

「そうして生まれた連鎖は止まらない、きっと、どちらかが滅ぶまで……でも、そうはならなかったんだよ、結局、私が知る限り、人は滅ばなかった。二度の大戦を経ても尚、ね」

 

「……ど、どうして、どうしてなんだ?」

 

「銀の弾丸って、知っているかい?」

 

「……聞いた事あるぞ、何だったかは分からないけど」

 

「銀の弾丸と言うのはね、魔物を一撃で撃ち抜く、魔法の様な弾さ」

 

「魔物?」

 

「魔物……まぁ、化け物みたいなものだよ、これは形のあるものも居れば形のないものも居るんだ、当然、心の中にも」

 

「心の、なか?」

 

「一人一人の心の中には化け物が居るんだ、だから、そいつと、どうにか向き合っていかなくちゃならない、でも、本当にどうしようもなくその化け物が暴れ出した時、その化け物を打ち倒すのが銀の弾丸さ、まぁ、私個人の考えだけどね」

 

 俺は横で尻尾を指人形の様にバタバタ動かし、指でピストルの形を作り、『バン!』と銃声を口で再現し、バタンと尻尾を倒す。

 

「その銀の弾丸はどこにあるんだ?」

 

 

「……分からない、結局、私も分からずじまいだった」

 

 

「ほ、本当に分からないのか?」

 

「……分かる事はある。例えば、銀の弾丸は誰にだってなれる、とか」

 

「本当なのか!」

 

「少なくとも、勇敢な人々が銀の弾丸として、心の化け物に立ち向かったのは知っている」

 

 かつて、俺の心の化け物を、撃ち抜いてくれた友人を俺は知っている。

 

「……でも、わたし達がそんな事……」

 

「そう、難しい、結局、それでどうにかならなかったからその戦いは二度も起きたんだ。でも……」

 

 話している内にどんどんこの世界とあの世界が結びついていく。

 

 ガストレア"大戦"によって産まれた呪われた子供たち。同じくこちらの世界"大戦"の際に産まれた子供たちを知ってる、人の死に集る穢れに呼ばれた化け物を狩るため、俺は戦時中も各国を渡り歩いた。そうして知った事も数えきれない程にある。

 

 例えば……レーベンスボルン、ドイツの収容所に対し、特定の血を増やす為の施設。

 そうして増やす為にともうけられた子は、戦後、親の世代の戦争犯罪を理由に差別されたと聞く。

 

 自身の生まれという当人にはどうしようもない理由で差別と迫害を受ける構図、また、どちらも戦争の際の憎しみが絡んでいるというのも同じだ。

 当然ながら、これ以外にも同じ様な差別、迫害を何度も見てきた。表の世界でも、裏の世界でも。まったく、この世はどうかしている。

 

 

 

 

 

 だが、だからこそ、夢を見たいのではないか。本当の平和などと言う、甘い夢を。

 

 

 

 

 

「次は、絶対に避けられる、人は、過ちを繰り返す生き物だけれど、ふとした拍子に過ちに気付く生き物でもある、一人だけじゃ無理だ、皆が銀の弾丸になれば、きっと、そのきっかけを、差別と言う歪み、化け物を撃ち抜ける筈さ」

 

「……そっか、誰かが、じゃなくて、皆が、銀の弾丸になれば……」

 

 しかし、これはあくまで理想だ。

 

 確かに、呪われた子供たちがこの様な境遇を受けているのは差別した人間達と、その差別を見過ごしている世間の影響もあるだろう、しかし、落ちた子供たちがストリートチルドレンやギャングになってしまえば、更に子供たちの立場は悪くなるばかりだ。

 

 例え、そこに身を落とした原因が世間にあってもだ。

 

 ある人間が周りからの拒絶でヤケクソになったり、道を踏み外したりして、更に評判を落としてしまう、と言う風に。

 

 子供たちを救うには、差別を減らす為に世間の意識改革、更に、落ちてしまった子供たちや、細々と生きる子供たちへの意識改革と支援を同時に行わなければならない。

 

 並大抵ではない、だから、とりあえず俺は今、この子供たちの心の化け物を撃ち抜く銀の弾丸になろう、世間の中に居る化け物を撃ち抜く銀の弾丸に後を繋ぐ為に。

 

 

 

「今日の昼ごはん、どこから取ってきたんだい?」

 

「……!」

 

「…………言えないんだね?」

 

「……仕方ない、そうじゃないか! 仕方ないんだ! 誰も! 誰も助けてくれなかった! だから自分で頑張らないといけなかったんだ!」

 

「確かにそうだ、その通りだ、なんの知識も与えられず、ひたすらに追い詰められた君達は、確かに"被害者"だ。だが、そのまま行けば……いつか"加害者"だ」

 

「ッ……! なら、どうすれば良いんだよ!」

 

 立ち上がる彼女、たった数秒が何分にも感じられる程の深い沈黙。

 

 

 

「自給自足で……畑を作ろう」

 

「は、畑?」

 

 気の抜けた声が波間にこだまする。

 

「自分で物を作れる様になれば、もう手を汚す必要もなくなる」

 

「そりゃそうだけど……そんな知識、わたし達には無いし……」

 

「安心してくれ、大体の事は私が知っている。……お金は、どれくらい持っているんだ?」

 

「……もしもの為に、結構蓄えてはいるが……」

 

「流石リーダーだ。そのいくらかを貸してくれないか? 返す時は結果で返す」

 

「……むぅぅぅん! 分かった! バンカ、お前を信じる!」

 

「よし、兵は神速を貴ぶと言うやつだ、明日、買い物に行こう」

 

「……ってまさか、"内地"の方に行くのか?」

 

「内地?」

 

「外周区より中心に近い所だぞ、人が多い、だから危険な買い物になるぞ」

 

「……確かに、人が多ければ、その分子供たちへの差別に遭遇しやすくなる、とすると、この姿では間違いなく一瞬でバレてしまうな……」

 

「そうだぞ、その見た目をどうにかしないと……特に角と尻尾はまずいぞ」

 

「だが、他の者を出すわけにも……」

 

「あ、そうだ! わたしにいい考えがあるぞ!」

 

「どんな秘策だ?」

 

 こちらの耳に口を近付けると、他に誰がいる訳でもなしにひそひそ話の様にこちらに伝える。

 

「ごにょごにょ……ごにょごにょ」

 

「いや……本当に大丈夫なのか、それは?」

 

 聞けば自信満々にサムズアップ、もう既にやる気しかないようだ、心強いのやら不安なのやら……ともかく、『内地で買い物大作戦』を前に、作戦会議を済ませた俺達は、明日に備えて眠るのであった。

 

 

 

 ……他の子供たちに足蹴にされながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次はやっとこさ内地に行けるぞ!やっとこさ原作キャラ出せそうな所だぞ!
そしてどう原作キャラを出すか・絡ませるか、夢想家チックなオリ主をどう曇らせるかなど、色々考えながらゆっくり更新して行きたいと思います。
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