シルバー・ブレット   作:ダイコンハム・レンコーン

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アニメ版を見ながら書いたので描写や言葉はアニメ版基準になりましたが、アニメ1話の時間軸に突入しました、ある程度原作沿いになると思いますが、オリキャラが結構出てくる事になると思います、特にオリ主がイニシエーターになったら(行き当たりばったり)
思い付きから始めたので四苦八苦しながら書いておりますが、出来るだけ原作を尊重しながら書き進めたいと思います。
特に、ボロボロになりながら死中に活を求める様な戦闘シーンが好きなので、オリ主もそうして行きたい……!後原作キャラの一人称や口調など、至らぬ点がありましたら誤字報告お願いします。


失敗の中にある糸

────2031年 東京エリア

 

 ……遥々内地の何でも置いてあると言うホームセンターとやらに土や植木、種を買いに来た俺とピーは、街中でやや悪目立ちしていた。

 人目を避ける為、開店直後のホームセンターに行く為に結構な早朝から出てきたが、都市部という事もあり、人が多い。

 

 それら市民の視線の先にはつぎはぎのローブを着て茶色の杖を携えた人影、中身はと言えば……

 

「ピー? これで本当に大丈夫なのか? いくら他に手は無いとは言え、ピーまで付いてくる必要はなかったんだ、リーダーを失った組織はすぐに立ち行かなくなるぞ」

 

「……これはわたしが認めた話だけど、皆に許してもらったわけじゃない、だから、認めたわたしが行かなきゃダメなんだぞ、そこは誰にも譲れないし譲らない、責任はわたしが持つぞ」

 

 

 

「……ありがとう、付き合ってくれて」

 

「ふっふっふ、お互い様だぞ?」

 

 下には俺、その上にはピーがそのまま俺の肩に立っている、全体の重心は尻尾で調整し、上の彼女の足はは羽と角をガムテープで固定してある。他にも、バランスを保つ為の杖代わりにガムテープを巻いた黒い杭を使っている。

 

 ……一見すると杖をついた老人に見える為、声をどうにかする必要があったが、ピーはどうやら"声真似"が達者であり、間近で聞く俺ですらよく聞こうとしなければ間違えてしまう程、その老人の声真似は堂に入っていた。

 

 

 俺はローブの下に開けた小さな覗き穴から街並みを見渡していた、歩く為ではあるが、東京という街の眺めにそれを忘れかける時も何度かあった。

 

 遥か頭上にそびえ立つ摩天楼はかのバベルの塔を想起させるそれは、思わず畏怖すら感じてしまう程であった。街中を駆ける車の色鮮やかさに目を奪われたり、街行く人は皆思い思いの服を着て外出を楽しんでいる様子に足を止める事もあった。

 

 ……俺が死んだのは戦争が終わって5年後、もしかすればこの光景は、俺の都合の良い夢幻かとも思ったが、その裏にある呪われた子供たち、ガストレアという過酷な現実が間違いなく都合の良い幻想の類でない事を証明する。

 

 俺が死んだ後の世界なのか、それとも別の世界なのか、それは結局分かってはいない、ただ、この世界は紛れもない現実だ。

 

 ならば、生き足掻いてみせよう、そう心に言伝し、再び歩き出す。

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

「こ……れが、ホームセンター!」

 

「……わたしも初めて中を見たぞ」

 

 幸いにもホームセンターにドレスコードは無く、すんなりと入れた。

 

 しかし、初めて見たホームセンターは宝の山の様に見えた。

 

「お、おぉ! これは一体何だ、教えてくれ!」

「これはだな、羽無し旋風機だ、羽が無いのに風が吹く、不思議な奴だぞ」

 

「これは? これは何なんだ?」

「これはお掃除ロボットだぞ、家に置いておくだけで勝手に掃除してくれるんだぞ」

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

「このプロペラを四つ備えた機械は?」

「ドローンだぞ……自由に空を飛ぶぞ……」

 

「これは! この水を高速で発射する装置は!」

「高圧洗浄機、水出す奴だぞ……」

「ぉぉぉぉおッ! 素晴らしい!」

 

 

 あらゆる道具が所狭しと並べられているのを見た俺の心の中の少年が暴れ出しそうになるのを抑えるのに必死だった。俺の鋼の精神力を評価したい所だ。

 

 ちなみに、1階から5階まで見回ったが、特に高圧洗浄機、と呼ばれていた物がお気に入りだ。文字は相変わらず読めなかったのでピーに翻訳してもらったが。

 

 買い物も特段大きなトラブル無く完遂し、俺は大きな袋2つをほくほく顔で店を後にした。

 

「ふぅ……とても良い、ホームセンターは良い所だな、少なくともそんじょそこらの博物館を見るよりも価値がある、入場料を取っても良いのではないか?」

 

「いや……それじゃあ商売にならないんじゃないか? それに……いつもより何倍も疲れた気がするぞ……主にバンカのせいで」

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

 買い物を終えた俺達は元来た道を辿り、根城へと戻ろうとしていた。

 

 帰るまでが買い物、より一層気を引き締めながら歩く。

 

 だが……妙に人が少ないな、遠くでサイレンの音も聞こえる。何かあったのだろうか? 

 

 そこで住宅地の辻に差し掛かった所、家の影から揺らぎを感じ、足を止める。

 

「なぁ、そこのあんた、道を聞きたいんだが……」

 

「ん、なんだ? 困りごとか?」

 

「いや待て、貴方は……」

 

 声に釣り上げられるように現れたのは…………血みどろのシャツを来た恰幅の良い男性だった。

 

「ッ! まさか、その傷……」

 

 ピーの方が答えに辿り着いたようだが、俺にも異常は理解出来ていた。

 

 明らかな多量の出血。

 シャツに刻まれた傷と血の流れ方から恐らくは彼の血だろう。

 

 しかし……確かな足取り。

 これは彼の容態に対し、明らかに矛盾している。おまけに瞳の揺らめきはなく、意識がある程度はっきりしているのは彼の淀み無い言葉の節々から明らかであった。

 

「……何が、あったんだ? いや、"何に"襲われたんだ?」

 

 すると次の瞬間、男が頭を抱え、蹲ったのだ。

 先程まで見られなかった身体の震え、そこには明らかな怯懦が存在していた。

 

「あぁ、ぁあ! そうだ! ベランダに居た時、上からガストレアが降ってきて襲われて……それで、死にたくなくて必死に逃げて……」

 

 

 

「……手遅れ、だぞ」

 

「……ぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

 

 蹲った男は、目を真っ赤に煌めかせ、まるでサナギの様に、そのまま背中を蠢動させたかと思えば。

 

 

 

バシュ! 

 

 

 

 水風船の様に破裂した彼の体から、質量を無視するかの様な極太の危険色を纏った肉柱が4対、飛び出したのだ。

 

 ……ガストレアに襲われた人間はガストレアに……なるほど、"感染"する訳だ。しかし、生まれながらに感染した筈の子供たちが即座にガストレアになっている訳ではないと言う事はつまり、彼女らは、このガストレアウイルスに対し、"耐性"の様な物を持っているのだろう。

 

 目の前で刻一刻と膨らみ始めた大蜘蛛。

 

「逃げッ?!」

 

 ピーが逃げるべきだと判断したであろう瞬間、俺は左へ大きくステップを踏み、その巨大な口から放たれた銀の粘り気のある糸を回避する。

 

 

 やはり、前の物とサイズは違うが、能力は一緒だ、ならば、"狩れる"。

 

 

 ここは住宅地、こいつを放置すればより被害が広まる。やるならば、迅速に。

 

「ピー、荷物を持って根城まで逃げてくれ」

 

「置いていける訳ない! ここは一緒に逃げるべきだぞ!」

 

「いやダメだ、今、誰かに危害を加えるガストレア(化け物)を、みすみす見逃せるものか」

 

 

「……でも!」

 

 

「大丈夫だ、絶対に戻る、必ず帰る」

 

「…………あぁ分かった! 必ず帰って来い! 絶対に絶対だぞ! お前が居ないと誰も畑作れないんだからな!」

 

 彼女はガムテープを引きちぎり、杖とローブを脱ぎ捨て走り去っていく、しかし、律儀に待つ程大蜘蛛は暇ではなかった様で、民家の外周を囲む石垣を優に超える体躯でありながら、そこからは想像も出来ない程の瞬発力でなぎ払いが放たれる。

 

「……疾いな」

 

 何とか子供たちの力を使う事で回避し、やっとそこに初めて均衡が生まれた。

 

 

 この辻に残るは俺とガストレアのみ。お互いに睨み合い、次の手を出したのは俺だった。

 

 

 

 まず俺は無用の長物と化した大人用のローブを大蜘蛛の面へと投げつける。

 

 短くしたベルトポーチに吊り下げられた光沢が露わになる。"もしも"の為に持っていたシングルアクションアーミー(SAA)だ。自身が想定していた"もしも"とはかけ離れた事態だが、都合が良い。

 

 腰から右手で引き抜き、撃鉄の上に左手を添え、前と同じように前足二本を狙い撃つ。

 

 しかし……破断出来るかと思えた足はサイズの違いからかまだ繋がったままだ。

 

 あの大きさで、しかも穴の空いた足で自重を支えられると言う事はつまり、かなりの密度の筋肉、骨を有していると言う事だ、殴られればひとたまりもない。ならばと杖代わりにしていた杭を左手で握り、距離を詰めるが……

 

 

 

 ……それは、次の瞬間、大蜘蛛は宙を舞っていた。

 

「あの巨体で……だと」

 

 笑う様に口を開いた上空の大蜘蛛は、次の瞬間、こちらに浴びせる様に糸を吐いた。

 

 咄嗟に身を退こうとするが、足が動かない。よく見れば……足が地面に埋まっていた。

 

 俺はまだこの世界で僅かしか、子供たちとしての力を使っていなかった、それ故に、大蜘蛛の懐に飛び込む為に力強く踏み込んだ足が地面を貫くなど、想定していなかった。

 

 この一瞬、されど一瞬により、俺は身体中を粘着質の糸に拘束されてしまった。

 

 重力に従い、上空数ヤードの高さから数千ポンドはあろうかと言う質量爆弾が今、この数フィート、数百ポンド程の我が身に降りかかろうとしている。

 

 

「……まだ手はある」

 

 

 俺は何とか右手に握るSAAを空に向け、杖で撃鉄を下ろし、奴のちぎれかけの足を目掛けて更に2発、撃ち抜いた。空中で大量の毛に覆われた足を切り離されたにより体勢を崩した大蜘蛛の身体は俺の身体を逸れ、落下した。

 

 

 しかし、糸は予想以上に粘り強く、まだ剥がせない。

 

 ……ならば仕方あるまい。

 

 糸が硬く結びついた服を、靴を脱ぐ。脱ぎやすいワンピースとスニーカータイプであった事が幸いし、直ぐに生まれたままの姿になりながら拘束を解き、素早く後退する事が出来た。

 

 

 

 足を失った大蜘蛛はその瞳に、()を映していた。

 

 

 

 頭の片隅で、人間からも、ガストレアからもはみ出した存在、それこそが呪われた子供たちなのではないか、と言う考えが過るが……

 

 

「モデルスパイダー、ステージⅠを確認! これより交戦に入る!」

 

 

 次の瞬間、大蜘蛛がこちらとは反対の方へ振り返る。

 

 

バン! 

 

バン! 

 

バン! 

 

 

 三発の爆裂音が鼓膜を揺らし、次の瞬間、大蜘蛛は紫色の血を傷口から吐き出していた。

 

「何しやがる!」

 

「ガストレアに通常の弾は効果ねぇんだよ! 興奮させるだけだ!」

 

 壮年からやや年を経た様な男の声、そして若い青年の様な声が響いた後、さらに二発の爆裂音が続く様に迸った。それに合わせ、大蜘蛛の大柄の身体も悲鳴と共に揺れ動いた。

 

「効いている………………黒い弾丸、……バラニウム!」

 

 低い男の声が銃声の合間を抜け、俺の鼓膜を叩く。

 

「あぁ、ガストレアの再生を阻害する金属だ!」

 

 揉めているのかいないのか、どっちつかずのまま、彼らの会話が続く。

 

「こいつはステージⅠ単因子、ハエトリグモのガストレアだ!」

 

 更に五発の爆裂音が響くと、唐突にその音の連なりは途切れてしまった。

 

「……弾切れか」

 

 それはそうだ、彼らの興味深い話に耳を傾けている場合ではなかった。彼らの弾切れを察し、大蜘蛛のケツに向け残りの二発、弾倉全てを撃ち尽くした。ベルトポーチは服と一緒に糸に捕らえられたまま、なのでこれ以上は撃てない。

 

「……まさか、そっちにも同業者が居るのか!」

 

 日本の車両に合わせて作られたのであろう狭い狭い住宅地の道では、大蜘蛛程の図体であっても、視界を塞ぐには十分だったようだ。

 

 しかし、器用に身体を反転させた大蜘蛛は今度はこちらへ向け、攻撃しようとする。

 

「……傷が再生していない、やっぱりバラニウム弾か!」

 

 今度は彼らが大蜘蛛のケツを眺めている様だ。益体もない事を考えながら、杖を構えると、今度は俺の背後から穢れのない、無垢な声が聞こえてきた。

 

 

「はぁぁぁあッ!」

 

 

 力強い叫びと共に放たれた少女の蹴りは、切れ味鋭く大蜘蛛が振り上げた残りの前足を破断してみせた。

 

 間違いなく、彼女も呪われた子供たちだと確信を抱きながらも、両手に携えた杖を大蜘蛛の下顎から上顎にかけて貫通させ、ボルトを締め上げる様に左側へ締め上げる。

 

 

「ふんぬぅぅぅぅ、オラッ!」

 

 

 "あの時"よりも何倍もの力をかけ、"あの時"の様に首を寸断する。紫色の体液が身体からドクドクと溢れ出していた。

 実績のある殺し方と言うのにはあやかりたいものだ。

 

 巨体が斃れ、一先ずの静謐が訪れ、まず先に動いたのは彼らだった。

 

 大蜘蛛を回り込み、やって来た男二人がこちらを目にするやいなや、

 

 

「「何で裸なんだ!?」」

 

 

 驚く程ぴったりと重なった声に、思わず笑ってしまう。

 

「いや、すまない、確かに破廉恥だったな」

 

 すっかり乾いていた糸を砕き、服を着る。服はピーがくれたが、流石に下着まではなかったので、下は何も履いていない。……と言うか今まで自分が女だと言う自覚すらまともに無かった事に気付いた。

 

 顔を真っ赤にしてあたふたする青年と、無言で背中を見せる大男、人生経験の差を感じる構図だ。

 

「蓮太郎! 妾を置いていっただけでなく、他の女の子に何をうつつを抜かしておるのだ! 妾と誓い合った永遠の愛はどうしたのだ!」

 

「いや誓ってねぇからな……」

 

 と思えば次には黒いスーツの青年はオレンジ色の髪の少女に抱きつかれていた。忙しいものだ。

 

 そんな二人へ二つの視線、俺と厳つい顔の男、二人の視線だ。その視線に気付いたのか、少女はこちらへ顔だけ向けつつ口を開いた。

 

「ふふん、妾は蓮太郎の"イニシエーター"もとい、相棒、藍原延珠(あいはらえんじゅ)だ!」

 

「……しっかし、トドメを刺したのはお前なんだよな……報酬ゼロ……木更さんにドヤされるよなぁ」

 

 ズドンと肩を落とす青年、何とも不幸そうと言うか何というか、幸が薄い顔をしている。いや、そこまで思い詰める事なのか? 俺も時と場合によっては狩りの成果が無かった事も多かったが、雑草を食って凌いでたぞ。

 

「雑草を食えば良い」

 

「流石にそこまで極限状態じゃないからな?」

 

 蓮太郎に抱きついていた延珠が思い出した様に言葉を発す。

 

「そうだ、もやし! 蓮太郎! タイムセールの時間だ!」

 

「あっ! 不味い……急がないと間に合わない!」

 

 青年と少女は急ぎ走り出した。

 

「おい、どうしたんだ?」

 

「タイムセールでもやしが一袋6円なんだよ!」

 

 そう言い残し、二人は去っていった。……何故あそこまで気迫迫る顔をしていたのだろうか。タイムセールとは一体。

 

 

「……それでは私もこれで」

 

「待ちな、嬢ちゃん」

 

「……何でしょうか」

 

「アンタはイニシエーターか?」

 

 ……不味いな、イニシエーターとは何だ、分からない。

 

「そう言う貴方はどなたですか?」

 

「質問を質問で返すなっての……俺は刑事だ、多田島茂徳(ただじましげとく)、警視庁捜査一課所属」

 

 ……よりによって警察組織の人間か……尚更この獲物を晒したのは不味いな。

 

「で? プロモーターはどこだ? 報酬を渡す必要がある、早く教えてくれ」

 

 また新しい言葉が出てきた……プロモーター、イニシエーターと関係があるのか。

 どうする、逃げるか、いや、逃げれば怪しまれるし、最悪追われたら根城がバレる可能性もある。

 

 ……俺だけでどうにか出来る方法は無いのだろうか。

 

 多田島刑事の強面の顔がより一層険しさを増す。

 

「……まさか、無免許か?」

 

 あぁ、成る程……銃は免許制と来たか、こりゃ傑作だ、無免許のガキが街中で銃をぶっ放したって事か……言い逃れ出来んな、下手に逃げれば、ピー達まで一緒に一緒にしょっ引かれる可能性もある……まぁ、狩人には諦めも肝心だ。

 

「お手上げですね……そう、私は許可なしに銃をぶっ放した犯罪者です、どうぞ、逮捕してください」

 

「随分素直だな…………仲間でも居るのか?」

 

 鋭い眼光が俺の姿を貫く、が、同情や憐憫も混じってるのが分かる、彼は少なくとも、ただ呪われた子供たちを排斥する側の人間ではない。彼は異端なのだろうか。

 

「いいえ、今日が年貢の納め時かと。悪事を成した者を神は見ているものでしょう?」

 

「はぁ……お前の態度に免じてそれ以上の追及は避けてやるが、無免許の筈のお前がどんな経緯でバラニウム製の武器を手に入れたのか、それには答えてもらうぞ。さぁ、署まで同行してもらおうか、まずは事情聴取だ」

 

「……ところで……」

 

「あぁ?」

 

「プロモーターと、イニシエーターとは、何なのでしょうか?」

 

「あぁ……それも向こうで話してやる」

 

 サイレンが近付いて来る。

 

 白黒のボディに真っ赤なランプ、あれが警察の車両か、この世界の車に乗ってみたかったのは確かだが、まさか初乗車が連行される時だとは思っていなかったが。

 

 

 

 パトカーと呼ばれている車に運ばれている途中、袋を片手に歩いていた蓮太郎達が見えたので手錠のかけられた手を振っておいた。袋を落とし彼らは唖然としていたが、その姿が少々愉快であった。

 

 …………我ながら、妙な所が悪戯な子供の感性に戻ってしまったようだ。

 

 いや、冗談はそこまでにして、目的は他にある。俺よりも彼らの方が当然、この世界について深い知識を有している筈だ、つまり。

 

 ……多田島君と、蓮太郎君に藍原君。

 

 ……直感が囁いたのだ、彼らとの繋がりを作るべきだと。

 

 窓の外に流れる東京の街並みを目に焼き付けている俺を乗せて、パトカーは走り続けた。




某地球防衛ゲームをやっているとぴょんぴょん跳ねる蜘蛛に殺意が湧いてきます(インフェルノ)

後、そのゲームのイメージをそのまま持って来た為、空中で足が千切れてバランスを崩すと言うシーンが出来たのは内緒。
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