シルバー・ブレット   作:ダイコンハム・レンコーン

5 / 15
まさかの展開でした(制御不能)
今回は結構会話だらけです、更に、原作キャラが出ますが、結構口調が不安です、怖いです、ユルシテ、ユルシテ。

……呪われた子供たちは何故健康で美麗な女の子に生まれてくるのでしょうか?


首輪付き

 俺が初めて銃を手に取ったのは五歳の頃だった。

 

 始めはよく肩を外していたが、八歳になる頃には十全に獲物として扱える様になっていた。

 

 十歳になる頃には、聖水、塩、それ以外にも銀の剣や、杭、更にはダイナマイトまで使う様になっていた。そうなったのにも理由はある。

 

 ……狩人として大事な事は幾つかあるが、その中から二つ、"適応力"と"応用力"。道具を十全に扱う為の適応力、十全に扱えてもマニュアル通りでは成長が無い、だからこそ応用力も必要だと、若い頃の俺はそう解釈していた。

 

 そうして、俺はその訓練と狩りに明け暮れた。

 

 ……若い頃の俺の前に、武器と化け物があれば、迷いなく武器を化け物に振るっていただろう。積み上げた物を無にしたくなくて。

 

 今は違う、それは滅びの突撃に他ならないからだ。それは、積み上げた物を"可能性"として、"燃料"として使うのではなく、己の"枷"として自分を縛り上げている事に他ならないからだ。

 

 武器は結局のところ、道具でしかない。

 

 化け物は結局のところ、地球という枠組みの中に組み込まれた一生命でしかない。

 

 大事なのは、"状況を理解"するという適応力と、"どうやって"道具を使うのかと言う応用力だ、武器も化け物も、まずそこを通してから見ないといけない。

 

 何故、武器を使う? 何故、化け物を殺す? 思考を停止させるな。

 

 何故、子供たちは生まれた? 何故、ガストレアは出現した? 常識で止まるな、非常識でも良い、積み上げた物の可能性を、燃料を燃やし尽くして、突き抜けろ。

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

 ……俺は今、冷たい冷たい留置所で絶対零度の視線を浴びせられている所だ、おまけに留置所は"子供用"、いや、別に遊具が置いてある訳じゃない、"呪われた子供用"の留置所なのだから。

 

 何故留置所に居るかと言うと、入る前に採血されたのだが、採血の結果が出るまでは事情聴取出来ないと言われたのだ、どうやらガストレアになる確率が高いか低いか、それを調べる為の時間なので、流石に待つべきだと判断したが。後、俺が持っていた"彼ら"の装備品を調べる為の時間でもあるらしい。

 

 しかも、厳重にも、鉄格子の前に網状の電気柵が張られている、クラゲの因子でもあればどうにかなるのだろうか、おかげでマトモに動けず、隙間から見える景色に代わり映えも無く、一分入っただけで飽きが来た。

 

 そう言えば、俺が警察署に来た時、入り口に立つ警官が多田島君に敬礼していたのだが、多田島刑事の後ろをついて行く俺を見たその警官が、俺の事を親の仇でも見るような目で睨んできたのだ、レストランのウェイターなら即座に厨房のブラシ係行きだ。もしかすれば、本当に仇の血が入っているのかもしれないが。

 

「笑えんジョークだ…………あぁ、そこの警官君、話をしようじゃないか、君だって、牢屋の中にいる少女を監視して退屈しない程歪んだ性癖は持っていないだろう?」

 

「何だ貴様は! 大人しくしていろ!」

 

「仕事に真面目に取り組むのも良いが、たまには息抜きをしても良いだろう?」

 

「……赤目風情が、調子に乗っていられるのも今の内だぞ!」

 

「赤目、それはひょっとして"子供たち"の差別的表現かい? それともいちいち呪われた子供たちと言うのが面倒だから短縮したのかい?」

 

「…………」

 

「おぉ、そんな! 無視をしないでくれ! 喋らない看守の居る牢獄なんてツマミの無いビール、いや、アルコールの入っていないビールと同じじゃないか!」

 

「…………何故子供の癖にビールで例えた!?」

 

「おぉ、予想以上のツッコミだ、君と私でコメディアンにでもならないか? きっと東京のスターダムに駆け上がれるぞ、コンビ名はどうする?」

 

「誰がなるものか!」

 

 

 

 よし、こちらのペースへ持って行けた。

 

 俺に狩りを教えてくれた師匠の教えだ。

 

『いいか? 化け物を狩ると言うのは、獣を狩るのとは訳が違う、時に知性と知性がぶつかり合う時も当然ある、狩りとは名ばかりの戦いだ。だからこそ、危機的状況においては、饒舌になれ。頭を働かせ続ける為にな』

 

 悪戯クソジジイの名を欲しいままにした晩年の俺のスキルだ、この頃の俺を友人が見れば『変わったな』と笑ってくれていただろうか。

 

 

 

「……とまぁ、冗談はここまでにしておいて、本題に入ろう。……君は何故、呪われた子供たちを恨む?」

 

「……何故、分かった風な口を聞く?」

 

「いや、この警察署に入る前に警官に散々睨まれてね、君も同じ目をしてたよ……そう言えば、女性は男性が胸元を見ているのが視線で分かってしまうらしいね、それと同じ……」

 

「貴様はいちいち余計な事を挟まねば気がすまないのか! …………確かに、俺は貴様ら赤目に憎しみがある事を否定はしない……」

 

「それは、子供たちがガストレアウイルスを持っているからかい?」

 

「…………あぁ、そうさ、俺は両親も、妹もガストレアに殺された、住む家も無くした。ガストレアが、憎い……ガストレアの全てが! なのに、何故子供たちが"モノリス"の中にいる事を許されているのか、訳が分からない!」

 

 モノリス……あの巨大な黒鉄の塔の事か。多分あれもバラニウム製だろう。

 

「……なるほど、確かにそれは恨み言の一つも言いたくなるな、でも、どれだけ君が呪詛を放った所で、子供たちは居なくならないさ」

 

「何故、そう言い切れる? 子供たちがガストレアへの武器になるからか?」

 

「それもあるけど……やっぱり、"健康的"で、"可愛くて"、"綺麗だから"じゃないかね」

 

「……は?」

 

「私が今まで見てきた"子供たち"は皆、美形だった、ストリートチルドレンを始めとした悪環境の子供たちと言うと、栄養失調なんかを起こして全体的に体のバランスを物理的に崩すものだが、皆健康体だ、ガストレアウイルスには、恐らく、身体を健康に保つ働きもあるようだ…………これが知れ渡れば世の女性の内1割弱ぐらいは賭けでガストレアウイルスを取り込むかも知れないな」

 

「……何を馬鹿な事を」

 

「健康も美しさも可愛さも、それ程に必要とされているって事だ、いつの世も。だからこそ、健康で美しく可愛い"子供たち"は必要とされる」

 

 俺が生まれてから死ぬまで、人と疫病の戦いは終わらなかった、終身までの健康と美しさは、人類全体の夢と言ってもいいだろう。

 

「だが、奴らは化け物同然だ、そんな事あり得る筈が……」

 

「いや、あり得るさ、化け物だと分かっていても、美しい、ただそれだけでも愛される事もある……サキュバス、ドリアード、セイレーン……古くから語られるそれらは皆美しいが、化け物としての側面も持っていた、同じ様なものなんじゃないのかね」

 

 もしかすれば健康で、美しく、可愛く育つのは……ガストレアウイルスの生存戦略なのかもしれない……だとすれば、情欲の対象になりやすい女性になって生まれてくると言う理由にも納得が行く……人間は、種の繁栄の為に、性欲を生まれながら持っているのだから。

 

「……まるで他人事の様な語りだな」

 

「偶々さ、客観視できる立場にいて、それをそのまま語っただけさ。とにかく、子供たちは居なくならない、だから君はその感情にどうにか折り合いをつけるべきなんじゃないか?」

 

「……くそっ、こんな"子供"に説教されるなど……」

 

「おや、私の事を子供と呼んだかい?」

 

「……言い間違えただけだ!」

 

「おう、随分と話し込んでる様だな……」

 

 この低く威圧感のある声は……

 

「たっ、多田島警部! 何か問題でも?!」

 

「……事情聴取だ、浸食率も問題無いから牢から出して話をする事になった」

 

「はっ、了解しました!」

 

 警官が電撃柵のスイッチを落とし、扉を開かれる。

 あの強面の彼だ、監視の彼の素顔もよく見える、いや、彼も幸が薄そうな顔だな、明日にでも警察官をクビになっても驚かないぞ。

 

「……ありがとう、楽しい話だったよ」

 

「……貴様と話す事などない!」

 

「……なんだ……その、随分仲良くなったみたいだな」

 

「ええ、そうですねぇ」

「そんな事ありません!」

 

「……くふっ……」

 

 堪えかねたのか、多田島君は口元に握り拳を当てながら首を反転させた。

 

「あ、今笑った、笑いましたね多田島君」

 

「君!? 警部に君とはなんだ貴様は!」

 

「あぁ、もうとっとと事情聴取に行くぞ!」

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

「あらかじめ言っておくぞ、この取調室内の様子は録画されている。……お前が持っていたプロモーター、イニシエーターのIDカードの照合が取れた、所有していた武器もだ、いいか、正直に答えろ、どうやってそれらを手に入れた?」

 

 こじんまりとした一つの窓付きの部屋、片隅には机でペンを走らせる書記が待機し、部屋のど真ん中の机では、俺と多田島君が対面に座っていた、電気ランプが隣にあるが、意味はあるのだろうか。

 

「その質問に答える前に……まず、プロモーターとイニシエーターとは、なんでしょうか?」

 

 彼は呆れた様に頭を掻きながら、前のめりになりつつ話す体制を整えた。

 

「……"プロモーター"も"イニシエーター"も、"民警"……つまり民間警備会社に所属する存在だ、民警の特徴としては、許可と認定を得る事で銃器、刀剣の装備が許可され、また、ガストレアに対し特異な効力を発揮するバラニウム製装備を使用する事が出来る位だな、プロモーターってのは民警の中でイニシエーターと"ペア"を組み、ガストレアと戦う存在だ、呪われた子供たちを除けば、ほぼ全ての人間になれる権利はある。逆にイニシエーターは呪われた子供たちのみだ、呪われた子供たちの中でもガストレアと戦う事を選んだ存在だ。ある程度の社会的地位を確保出来ると言うメリットもある」

 

「……なるほど……」

 

「これらプロモーターとイニシエーターとのペアを登録したり、イニシエーターとプロモーターをマッチングさせるのが"国際イニシエーター監督機構"頭文字を取って"IISO"だ、世界中に20万組以上いるペアのランキング付けも行なっている。因みにIDカードに載っていたペアのランキングは3万位代だ」

 

 20万組、つまり40万人以上のデータを管理出来る様になっているのか、今のコンピューターは。

 

「……20万? 凄まじい桁ですね、……それらを管理出来るほどコンピューターも進歩したのでしょうね」

 

「? ……まぁ、そうだが。質問には答えた、今度はそっちの番だぞ」

 

 体勢を崩した彼は背中を椅子に預けて軽く背を伸ばす。

 

 その動作が一段落した所を見計らい、ゆっくりと語り出した。

 

「……私は、既に息絶えた彼らの死体から、武器とカードを手に入れたんです」

 

「既に? どこで死んでいたんだ?」

 

「モノリスの外です」

 

 書記がペンをからりと落とす。

 

「なら、お前は未踏査領域から来たってのか?」

 

「……今から話す事は全て本当です、証明する事は出来ませんが」

 

 そこで俺は全ての経緯を話した、過去の記憶については存在しないと言う記憶喪失者と言う体で。偽名についてもすんなり受け入れてもらえた、まぁ当然だろう、戸籍が無いんだから、記憶喪失で仮の名前を付けたと言う言い訳も通る。

 

「……丸裸で記憶を失った状態……そこから心中した死体から武器を取り、モデルスパイダーのガストレアを倒してから東京エリアにやって来た……って事だな、言いたいのは」

 

「はい、これで全部です」

 

「……未踏査領域に死体があるなら、それを証明する手立てはないな、確かに、信じがたい話だが……否定できないのも確かだ、銃のバレル、杭に着いていた血痕からお互いのDNAが検出された、古くなったガストレアの血痕も確認できた、確かに矛盾しない……が」

 

「他に罪はある、と言う事でしょう?」

 

「……そうだ、窃盗罪、無免許で銃を発砲した銃刀法違反……殺人罪は証拠不十分で不起訴だろうが、この二件についてはどうなるか分からん、執行猶予付きか、それとも、牢屋行きか」

 

「随分と含みのある言い方ですね?」

 

「……実は、前々から、この東京エリアであるテストが行われる事になっているんだ」

 

「テスト? 試験でもするのですか?」

 

「警察と言う組織の中で、プロモーターとイニシエーターを一組、特別に運用すると言うテストだ。……しかしこれには問題があり、今まで試行される事はなかった」

 

「……警察内での子供たちに対する風当たり、ですか?」

 

「鋭いな……確かにそれもある、後、十年前のガストレア大戦の際に産まれた呪われた子供たちは、どれだけ最年長であっても十歳だ、組織に入るには精神が未熟過ぎた」

 

「……なるほど、舐めた態度を取る私が適任だと……」

 

「"既に試験は始まっていた"と言ったらどうする?」

 

「警察って中々趣味が悪いですね……まさか、電気柵と子供嫌いの監視でストレス耐性でも測っていたんですか?」

 

「……頼れる仲間が居ない孤立した状況下における精神強度、これは他のイニシエーターには見られない、かなり安定した数値が取れた。イニシエーターとは基本的に子供だ、誰かに依存しなければならない存在であるのは仕方ない事だと考えられていた、しかし、そんな時にお前が来た、これを上層部は見逃さなかった」

 

 後ろの書記が焦り出したが彼は構わず話を続けた。

 

「これが成功すれば、警察にもバラニウムの利用が可能になるかもしれない、失敗した所で致命的なダメージを負う事はない、正に奴らにとっちゃ恵の雨だったって事だ、全く、ロクでもない時に捕まっちまったな、お前」

 

「……まったく、今から扉蹴飛ばしてトップをぶん殴りたい気分ですよ」

 

「そう言う所が評価されちまう所なんだよ」

 

「なら泣きましょうか? 牢獄に閉じ込められ傷物になりましたとヒステリックを起こせば」

「やめてやれ……で、何が言いたいかと言えば、これは司法取引"もどき"だ、ハイと言えば罪を帳消し、戸籍は用意され給料も振り込まれる、自由は保証されるし、ペアとしてのランキングにも載る訳だ、つまり"機密情報へのアクセス権"も成果次第では入手可能だ。イイエと言えば」

 

「脅しになりそうだからそれ以上言わなくても良いですよ……ハイと言えば、そうすれば、自由に外を出歩けると言う事ですか?」

 

「あぁ、俺が保証する」

 

「もっとお偉いさんに保証して欲しい所ですが……」

 

「オイ……そうだ、後もう一つ言う事があったな」

 

「……?」

 

「そこは察しがつかないのか? いや、発信器を取り付けられるって話だよ、とびきり目立つ、な」

 

「発信器?」

 

「簡単に言えば今どこにいるか分かるって奴だ、民警なら問題起こせば民警潰せば良いが、こちとら警察だ、面子の問題もある、一目見て警察のイニシエーターだと分かる事と、問題を起こした時にすぐ駆けつける為、後は首輪を着けると言うアピールだ、呪われた子供を管理出来ている事を内外に示すって言う考えらしい」

 

「なら私がそうなった暁には、品行方正を極めた、可憐なる淑女として立ち振る舞わなければならないと」

 

「そこまでとは言わねぇが、まぁ、身の振り方には気を付ける必要があるな」

 

 ……ピーと会えば、どうなるか。ロクでもない噂が立ちそうだな……手紙でも出すか? しかし私には字の読み書きが出来ない。

 

「……警察のイニシエーターになれば、文字を習えますかね?」

 

「あぁ、その位の事は話を通しておく」

 

「……なら、私は脅しに屈するとしましょう」

 

「……録画されてるって言ったよな?」

 

「私記憶喪失なので何言ってるか分かりませんね」

 

「数分前の記憶を忘れる奴があるか」

 

「で、これで契約成立ですか?」

 

「いや、代筆で契約書を書いてもらう事になるが……まぁ、これからよろしく頼むぞ、"イニシエーター"」

 

 話が終わると、彼は右手を差し出した。

 

「……あぁ、なるほどなるほど……それでは、よろしく頼みますよ、"プロモーター"君?」

 

 気持ち強めに、大きな掌を小さな両手で握り込む。

 

「改めて自己紹介だ、俺は多田島茂徳だ、好きに呼べ」

 

「私の名前はアイゼン・バンカー、名前の意味は砂地のアイゼン、つまる所、無用の長物って意味さ。出来ることなら仕事する必要が無いことを祈るよ」

 

「それについては俺も同感だ、警察の仕事なんて無い方が良いに違いない」

 

「では……茂徳君、縮めてしげとくん。早速首輪を着けて腹を見せようじゃないか」

 

「妙な言い方をするな、妙な言い方を!」

 

 

 

 ✳︎

 

 

 

 部屋は移り、ガラスケースに入ったバラニウム製の首輪が保管されたエリアに俺としげとくんが立っていた。

 

「これが首輪か、頑丈な作り……無理に外せば周りに警報でも発するんですか?」

 

「緊急信号が発信される、他にも機能はいくつかあり、常に首輪を着けた対象のバイタルや浸食率を計測する事も出来るらしい」

 

「……ガストレアになりそうになったら首輪が爆発したりしませんよね?」

 

「…………」

 

「いや否定しないんですか?」

 

 次の瞬間、膝を立て、目線を合わせて彼が真っ直ぐに、言い放つ。

 

「そうなったら、俺を恨んでくれ」

 

 ……彼はその強面通りの真面目さの様だ、まったく、これではこちらがふざけ倒す役ににならねばならないだろう。少なくとも、彼よりは長く生きているのだから、気長に、支えていくとするか。

 

「真面目過ぎですね、ここは乗っかって謝罪の一つ位してこっちが突っ込む所ですよ? ……そうですね、今朝会った蓮太郎君と藍原君位のベストペア目指しましょう!」

 

「ベストか? ありゃあどっちかと言えば押し掛け女房にタジタジの夫みたいなものだろうが」

 

「さ、世間話もここまでに、貴方が、私に首輪を着けてください」

 

「俺がか?」

 

「自分で着けるのは味気ないですから、それに、恨んでくれと言うなら恨む口実を下さいよ」

 

 少し躊躇いつつも、ガラスケースを開いた彼は、展開した首輪を手に取り、こちらへと歩いてくる。

 

「……お願いします」

 

「あぁ、分かった」

 

 膝立ちの強面の男、対して角に羽に尻尾の生えた少女、ファンタジー小説でも見たことの無い組み合わせだ。さぁ、契りを交わそう。

 

 ゆっくりと、首輪は丁寧に取り付けられた。首筋に触れた彼の手が妙にくすぐったかった。

 

「……こう言う時、やっぱり言いたいセリフがありますよね」

 

「何だ……?」

 

「責任取ってください!」

 

「そんな関係じゃないだろ? なんだ、まさかあの里見蓮太郎のイニシエーターに影響されたか?」

 

 彼は里見蓮太郎と言うのか……なるほどなるほど。

 

 首に感じる重みに手を添える、首輪自体はバラニウム製だが、裏には柔らかい素材が使われており、付けごごちは素晴らしい、もう少し厳つさが減ればちゃんとした装飾品になるだろうか。

 

 何とも言えない雰囲気に包まれた室内に唐突に電子音が流れる。

 彼が上着のポケットから二つ折りの何かを取り出す。

 

「……誰からの電話だ?」

 

 ……そうか、あれが携帯という物か、是非とも使ってみたいものだ。

 

「……何? そんな事を急に言われてもだな……あぁ、分かった」

 

「何の連絡ですか?」

 

「明日、東京エリア内の民警、その社長とトッププロモーターやイニシエーターが集まる会議があるんだと」

 

「……参加しろと?」

 

「話が早くて助かるな」

 

「明日から早速仕事ですか……字の勉強をしたかったのですが」

 

「……明日の準備の為に、今日は帰るぞ」

 

「帰る? 帰るってどこにですか?」

 

「俺の家だが? お前はまだ一文無し、だから俺が保護者兼プロモーターとして面倒を見るという事になっている」

 

「え? え? ぇえぇえ?」

 

「それと……明日からのお前の肩書は警視庁対ガストレア課所属、アイゼン・バンカー警部補だ」

 

 神秘に満ち溢れていた俺の世界以上の不思議がこの世にはあるようで、逮捕されたと思えばその日の内に警察官になるなんて訳の分からない事が起きるのは、この世界に祝福を受けているのか……それとも……




……警視庁に対ガストレア課なんて突拍子もない物が出来てしまいました、民警として活躍する話は多くても、警察として活躍する話が少なかったのと、やっぱり行き当たりばったりもあり、こう言う展開になりました、これも精神年齢持ち越したオリ主って奴のせいなんだ。と言うかこの話のほとんどがぽんと思いついた独自設定やら独自解釈を盛り込んだ混沌とした仕上がりなので、次回から自重して行きます。
このまま行くと多田島おじさんがダイハードみたいな事になりそう……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。