問題児と時空間の支配者が異世界から来るそうですよ?   作:ただのふわにゃん

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内容は少しずつ変わっていきます。


YES!ウサギが呼びました!
手紙には御注意を


四月某日、つい先日TVで開花を宣言された桜の木は煽られるかのように次々に花を開き、その鮮やかな桃色の花は青空との対比は万人の心を掴むものであった。

「くあっ………こんな真っ昼間から人の眠気を誘うなんて、春の陽気は罪深いやつだな」

そんな事を桜の下で微睡ながら、桃色のポニーテールの少年、二宮蘭丸(にのみやらんまる)は欠伸とともに呟いた。頭上の桜とよく似た桃色のポニーテールが風に揺れる。初めに断っておくが彼は男、男である。大事なことなので二回言った。

「………にしても暇だな。高校卒業してからいろいろ遊び倒したが、春休み長すぎじゃないか?」

高校を卒業して来週にはイギリスの大学への入学が決まっていた蘭丸は、いろいろと遊び倒していたがいよいよやることが無くなりコンビニでどら焼きとお茶を買って桜が咲き並ぶ河川敷で一人花見と洒落込んでいたところであった。

「あぁ………並行世界とかパラレルワールドとかがあるなら面白そうなんだろうがな………つっても俺じゃあ並行世界に干渉できない(・・・・・・・・・・)しな」

ハハッと笑いながらどら焼きを食べ終わると蘭丸は立ち上がり軽く背伸びを………

「危なーい‼︎」

しようとした時に何処からか、蘭丸に向けてこえをかけられている。声のした方を振り向くと、野球のユニフォームを着た、蘭丸の見たところ中学生くらいの少年と野球ボールが蘭丸の方向へと飛んできていたのだった。

ボール方角は確実に蘭丸に直撃する角度であった。

(ったくここまで予知通りに進むのは面倒過ぎるが………)

「仕方ない………なぁ」

面倒臭そうにに自分に向かってくるボールを眺めていた蘭丸はパチンと指を鳴らした。するとボールは蘭丸の頭に当たる寸前の所で止まっていたのだった。

蘭丸は少し右に避けると再び指を鳴らした。するとボールは再び動き出し、土手に直撃した。バウンドしたボールを蘭丸はキャッチして野球少年に投げ返した。

「すいません!大丈夫でしたか⁉︎」

「いんや、気にしなくていい。当たってないからな」

そう言うと野球少年は帽子を取り一礼し戻っていった。蘭丸はその後ろ姿を眺めていた。

(まったく、楽しそうにやるな。俺も草野球でも………ってなんだありゃ?)

その場を後にしようとした蘭丸の頭上から一枚の便箋が落ちてきた。蘭丸はそれを手に取った。そこには『二宮蘭丸殿へ』と書かれていた。

「俺宛?なんだ何処の誰だ?宛名も書いてないし………遡って見てみるか」

蘭丸はその封書に触れると目を閉じて瞑想する。手紙が蘭丸の手に入るまでの過程を遡って見ているのである。所謂残留思念であるがしかし、

「………どう言う事だ?この手紙の情報途中から出てこない………」

蘭丸の頭上から何処となく現れたところまで遡れだがそれ以降は見ることが出来なかった。

(どんなものにも作られる過程があるはずだが………いや、意図的に隠されてる感じだな………)

その封書は送り主を特定できないような細工がされていた。しかも相当な高次元の力で。怪しさMAXであった。

「開けてみるしかないか………ったく面白そうなことに………」

笑みを浮かべた蘭丸はそれがどの様にして届けられたのかは考えるのをやめて中身を確認することにした。

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。そのを才能(ギフト)試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの"箱庭"に来られたし』

「は?ギフト?箱庭?一体なんのこと…」

その瞬間、蘭丸は世界から姿を消した。

 

 

 

 

(どうしてこうなった…)

現在蘭丸は遥か高い上空に来ていた。そして同時に落下。

彼らが見たものは地平線と世界の果てを彷彿させる断崖絶壁。

そう、完全無欠の異世界だった。

 

 

箱庭二一〇五三八〇外門居住区画、第三六〇工房………

「上手く呼び出せたかな、黒ウサギ」

「ですねぇ。ジン坊ちゃん」

黒ウサギと呼ばれる、ウサ耳を着けている少女とジン坊ちゃんと呼ばれるダボダボのローブを来た少年はそれぞれ違う表情を浮かべていた。

「何から何まで任せて悪いけど…彼らの迎えをお願いできる?」

「承りましたのですよ!」

「本当に彼らの来訪は、僕らのコミュニティを救ってくれるのかな…」

ジンは不安な表情で黒ウサギに問う。

「さあ。ですが主催者曰く彼らは…

 

 

 

 

 

人類最高峰のギフトの保持者だと」

 

黒ウサギとジンがそんな話をしている時に彼らは落下中であった。

「「「ど、何処だ⁈此処」」」

突然のことに蘭丸以外の三人もそれぞれ個人差はあれど、驚きを述べていた。

(下は湖か………俺は大丈夫だが普通の人なら下手しなくても死ぬな)

落下中のさなか、蘭丸は現状の把握をしていた。

(他にも三人いるな、見た感じ空を飛べそうにもなさそうだしな…)

蘭丸は他の三人を見て空中を飛翔したり浮遊したりできないと考える。

「……仕方ない…むん!」

蘭丸が三人に向けて集中を高める。そうすると三人の体は空中で止まった。

「え⁈」

「こりゃあ…」

「どうなってるの?」

三人は自分が空中で体が止まってる事に驚きを隠せないでいた。

三人はおそらくだろうと思われる落下中の少年を見ていた。

そう…落下中である。

「ふう…なんとか間に合っ…ぶぶっ⁉︎」

他の三人に気を取られすぎた蘭丸、自分の身の心配をすっかり忘れていてそのまま大きな水柱を立てた。

「「「あ…」」」

『ぎにゃああああああああ‼︎お、お嬢おおおおおおおお‼︎』

彼が水に落ちたのを境に他の三人と一匹ももそれぞれ水に落ちた。

 

 

「し、信じられないわ!いきなり呼びたしといた挙句、空に放り出すなんて」

福を絞りながら不満をこぼす、お嬢様風の少女。

「右に同じだクソッタレ。下手すりゃその場でゲームオーバーだぜコレ!これなら石の中に呼び出された方が親切だ!」

金髪の学ラン姿の少年も同じ様に文句を言っている。

「いえ、石の中に呼び出されたら動けないでしょう?」

「俺は問題ない」

「そう…身勝手ね」

 互いにフン、と鼻を鳴らし不満げに服を絞る。三毛猫を抱き抱えている少女は辺りを見回し

「此処…何処だろう」

「さあな、世界の果てっぽいのが見えたし、何処ぞの大亀の背中なんじゃねえの?」

四人は少し黙った後に金髪の少年が見回しながら話し始めた。

「一応確認しておくが、お前らにもあの変な手紙が?」

「ええ。それと、そのお前って呼び方訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後気をつけて、そしてそこの猫を抱えている貴女は?」

「…春日部耀。以下同文」

お嬢様風の少女、久遠飛鳥の呼ばれ方に不満があるのか少しムッとした顔で簡潔に自己紹介を済ませるとまた猫の方を向く。

「そう、よろしく春日部さん。そしてそこの野蛮で凶暴そうな貴方は?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪、快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用量と用法を守った上で適正な態度で接してくれよ、お嬢様」

金髪の少年、逆廻十六夜は飛鳥に明らかに喧嘩を売る様な物言いであった。

「そう、取り扱い説明書を用意してくれたら、考えてあげてもいいわ十六夜君」

「ヤハハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しておけよ」

流石はお嬢様と言ったところだろうか、十六夜の言葉を簡単に受け流した。しかし互いに火花を散らしていた。

 

「それとそこの奇妙な髪色の貴方は?」

飛鳥はジャケットを絞りながら湖を観察していた蘭丸に声をかけた。

「奇妙って………まあ初めてじゃないが………俺は二宮蘭丸、よろしく、飛鳥さん」

「そう…よろしく」

飛鳥は初対面でいきなり名前を覚えられたことに少し驚くがすぐに落ち着きを取り戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**

 

(うわあなんだか問題児ばかりですねえ)

黒ウサギは物陰から四人を眺めていた。

心からケラケラと笑う逆廻十六夜

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

我関せずと無関心を続ける春日部耀

何処からともなく出したお茶を飲んで地面に寛いでいる二宮蘭丸

彼らが協力するとは到底思えなかった黒ウサギは静かにため息をした。

「んで呼び出されたのはいいけど、なんで誰もいないんだ?そろそろ説明役が出て来てもいい頃だろうが」

「そうね、説明なしじゃ動き用がないものね」

「…この状況で落ち着きすぎているのもどうかと思う」

「その言葉そっくりそのまま君に返すよ」

(ごもっともです‼︎もう少し慌ててくれないと黒ウサギが出辛いではありませんか)

黒ウサギはこっそりとツッコミを入れた。少しでも慌ててくれていた方が黒ウサギとしても出ていきやすかったが、落ち着きすぎていてしかも召喚方法がアレだった為、鬱憤も溜まっている。黒ウサギは完全に出るタイミングを失っていたのだ。

(悩んでいても仕方ないデス。これ以上不満が噴出する前にお腹を括りますか)

「仕方がねえ。こうなったらそこに隠れてる奴にでも聞くか」

覚悟を決めて出ようとした、黒ウサギは心臓を掴まれた様にビクッと驚いて再び木に隠れた。

「あら、貴方も気づいていたの?」

「当然、かくれんぼじゃ負けなしだぜ。そこの猫を抱えた奴も、本気に茶を飲んでる奴も気づいてるんだろ」

「…風上に立たれたら嫌でもわかる」

「普通に見えるさ」

「へえ?お前ら面白いな」

どんどん四人の機嫌は悪くなり、空気も悪くなっている。そんな殺気を向けられた黒ウサギはオドオドとしながらそーっと顔を出した。

「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたらうれしいでございますヨ?」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「どの口が言ってんだ?」

「あっは、取り付くシマも無いですね♪」

黒ウサギはバンザーイ、降参のポーズをとっていた。

(どうやら肝っ玉と勝ち気だけは及第点ですね。この状況でNOと言えるとは…扱いずらいのが難点ですね)

黒ウサギが冷静に四人を値踏みをしていると、黒ウサギの後ろを耀がとって

「えい」

「ふぎゃ⁉︎」

思いっきり耳を引っ張った。

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますがいきなり黒ウサギの素敵耳を引っこ抜きにかかるとはどの様な了見ですか?」

「好奇心の為せる技」

「自由すぎるのにも程があります‼︎」

黒ウサギは耀から離れるが

「へえ、このウサ耳本物なのか」

右耳を十六夜が

「じゃあ私も」

左耳を飛鳥が

「ちょ、ちょっと」

黒ウサギは涙目で蘭丸を見る。

すると黒ウサギは十六夜と飛鳥のところから消えて、黒ウサギは蘭丸のいたところにいた。

「あ、ありがとうござ…ひゃん⁉︎」

黒ウサギが感謝を述べようとしたら蘭丸は黒ウサギの耳を撫でていた。

「おお、このウサ耳凄い触り心地いいな」

蘭丸は目を爛々とさせながら黒ウサギの耳を撫でる。

「あは…ちょ、ちょっと……」

黒ウサギの壊れた様な笑い声は森に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
取り敢えず一話書けました。リメイク前を参考にしながら少しずつ書いていきます。どうぞよろしく
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