Fate/whitenight 怪物と兵器と人類史と 作:(´・ω・)
できなかった理由?察せよ時間足りなかった。
キュィィィィン
といつものレイシフト音がし、肉体が跳ぶ。
流石に今回は上空落下はなく、取り敢えず安心する。
「先輩!!お怪我は?」
「大丈夫、何もなかったよ」
少し、身の回りを確認しても特に問題はなく、万全状態だ。
「藤丸君、今回の特異点■■■■■■■■■■■■▽▽▽▽▽▽⑤■■■■■■●●●●●●■●■●」
「ドクター?ドクター!!!」
突然通信が不安定になり始めそしてぱったり途絶えてしまった。
こんな状況だろうとまずは...突然足元がぐらつきその場に倒れ込む
「先p...うぐぁっ...あぁっ」
「マシュ!!」
その場からすぐに離れようとマシュの手を握り、匍匐前進をするようにゆっくりとそして速く這いずって逃げる。
「......」
男がいた、この異常な空間を我が物顔で動く男がいた。
助かった、この中を動けるのはきっと凄いサーヴァントだ。
そう思い、残りわずかな声を使い、助けを願った。
「......全く、イシュタル様は...まぁ、職務怠慢の一つぐらい良いか......いいぜ、数十秒生きた『その意志』に免じて解除してやる」
そう言うと男は周辺のある呪文のような言葉を唱えるとすぐに魔力の濃度...というものが下がり、呼吸ができるようになる。
「はぁ...はぁ......貴方は?」
「『ハインリヒ・ラムシュトース』、少し遠くにある...いや、すまんここ地球だから金星は遠いな、まぁ、そこにあるイシュタル神殿のちょっとした使いさ......あんた、ここら辺の出じゃないだろ、話ぐらい良いぞ」
金星
この特異点は金星まで形成したのか?
取り敢えずマシュを気の影で寝かせ
話を聞く。
「......名前を聞く限りサーヴァントではないようですがあの魔力は」
「あぁ、あれ、産まれてからずっと持っていただけだ...」
はじめから
恐怖を感じざる得なかった。
あの魔力は『ティアマト』とためを張るぐらい強い、生存本能が告げる。
この男は危険だと。
「......坊主、その意志ずっと強く持てよ......この『特異点』はそうでなければ生きていけない、いや、サーヴァントが無意味なんだ、一部を除き...な」
急にハインリヒさんは察したかのように喋りだし、手を握る
「立てるか?この世界には敵となる生き物はいない、『一部を除く全ての生命体が皆奴隷だ』獣を含めてな」
「なら、マシュも」
「......しょうがないなぁ...もしもの時な自分だけでも逃げろよ、命あっての物種だ」
二人でマシュをささえながらゆっくりと歩き出す。
街道に出た頃には様々な服装の人達が行き交い、皆が口々に『イシュタル』という、名前を言った。
「今宵、イシュタル様に捧げられる120人の男は幸せだな、あぁ、わしももう少し若ければ」
老人は少し羨ましそうに言ってはどこかに消え
またある子供は
「今日、俺の兄ちゃんはイシュタル様に抱かれるんだぁ、いいよなぁ」
「スゲー幸運じゃねーか毎日百万単位で居るのに」
そして、都市部に入ると別の名前も聞こえ出した。
「『ドゥムジ様』最近、イシュタル様と一緒にいるのを見かけないがどうしたのだろうか」
「きっとあれよあれ『反神連合』の掃討戦よ」
「あぁ、あのイシュタル様を理解し、受け入れられないい連中か...」
「ほーんと、早く鉄槌が下ってほしいわ」
恐らく、話に聞く『反神連合』こそが特異点を修復するきっかけなのだろう。
「よし、ここの宿『シドゥリ』は数少ない反神連合の集結拠点だ、地下には霊脈もある、それと変に警戒するな」
「できませんよ、なぜあなたが」
「......当然だな...はっきり言うとイシュタル様の気紛れさ、相当お熱なのさ」
「......つまり、時間が過ぎれば」
「そうだ、一発でゲームオーバー...よく身を振れよ、おーい!!今神殿かーい?」
「え、いえ、只今...きゃうっ」
盛大にこけた。
それはもう派手に、書類があれば綺麗に散らかっていたことだろう。
「あぁっもう、部屋貰うぞ」
「あ、はい、わかりました」
つれられるがままに部屋の一室に入る。
「さて、ここからは知らん、まぁ気が向いたらくるわ」
そういってそのまままた街中に消える彼を見送った後、取り敢えずマシュが起きるまで部屋の中でゆっくりしておくことにした。
ジグラット
「......おや、ずいぶん遅いお帰りで『ドゥムジ』様」
「はぁ、楽しみやがって『ドゥムジ』」
「おっと、これは失礼、ではおふざけに私をtouchしますか?」
「お前なんで触ると色々なもの吐き出すんだ?......まぁいい」
ドゥムジを連れ近くのバーに入る。
「全く、貴様と言う奴は我がこうでなくてはエレシュキガルにボロ雑巾にされていたぞ」
「でしょうね、それで、いい加減馴染みましたか?Myheartとかの黄金の王の霊基は」
「イシュタルめ...最悪の気分だ、ラムだせラム」
「Ohではだすとしましょう」
「おいばかやめろ、ナニ出してやがる」
「ご注文は『ラム』ですので、えぇ、私、『sheep』ですので、ooh、流石に財宝の絨毯爆撃は受けたまっておりません」
「全く、普通に出さぬか雑種」
グラスに出されたラムを一気に飲み、ゆっくりとグラスを置き、蔵から一本のナイフを手に取る。
「...なぁ、ドゥムジ......我は誰だった?」
「それはあの少年といた、貴方が最も分かっていることでは?『ハインリヒ・ラムシュトース』」
「見ていたか」
「えぇ、丁度風俗帰りで」
「ちと、腹立ってきたぞ雑種、おい」
「きっとお酒のせいでしょう」
「流石に無理がある、後、いつその金色羊から戻る?」
「えぇ、もうすぐ頼んでいた嬢が来るので」
「......呆れた、じゃあイシュタルが来たときに起こしてくれ、少し寝る」
「goodnight、私を数えながらお眠りください」
「たわけ」
???
日が登り
ついに決戦を迎える。
「今ここに神を討「そうか、ではな雑種。その意志、冥界で使うがいい、義姉は喜ぶだろうよ」きさっ」
ウルク
「うっ......先輩?」
「おはよう、マシュ」
「おはようございます、先輩」
まだ響くのか少し覇気がないマシュ。
取り敢えずそのまま寝かせておき、部屋にあったナイフで貰っておいたリンゴの皮を剥き、食べさせる。
「取り敢えず一面の危機は脱したと言うことでしょうか」
「いや、多分だけどそこまで呑気にはしてられないよ」
「っ!ではすぐにっ!!」
「その感じじゃまだ無理そうだね...」
「ごめんなさい、先輩」
別に泣くとの事でもない。
涙を払い、席を立つ。
「少し見てくるよ、マシュ」
「いえ、私もついていきます!!」
「...そう、無理はしないでね」
街中に出るとそこはもう人だらけであった。
そして少し気になる話題も飛び出した。
「今朝反神連合の拠点が潰れたそうよ、今日公開処刑らしいの、見に行かないかしら?」
「いいわね、どこでやるのかしら」
「いつものコロッセオよ、見物ね、下劣な有機生物の死に様は」
「えぇ、えぇ本当に」
コロッセオ。
時間はない。
だが、もし上手く行けばチャンスなのでは。
そう思い、すぐ街の案内所に走り、コロッセオを探す。
「よぉ、坊主、ここに来ると思ったぜ」
「ハインリヒさん...」
「先輩?この方は」
「敵だ」
「おっとまて、確かに俺は敵だが今日は味方だ、流石に犬死には見てられないからな」
「......」
恐らくこれは本心だ、だがどこかすれ違っている気がする。
だが、行かないといけない、知らないと勝つ以前の問題だ
「えぇ、今は信じます」
「good、ついてこい、特等席だ」
そう言われ、馬車にのって数十分、コロッセオの観客席についた。
場所は丁度センター。
そして、場所によっては騒ぎを起こしても逃げられるように扉の近くだった。
「では、俺はこれからは敵だ、精々挑め...いや、観察しろ、むやみな突撃は犠牲を増やすだけだ」
そういってまたフラりと消える。
そこから十分後。
あっと言うまに人は集い、騒ぎ始める。
「さぁさぁさぁ!!!!集いましたかなイシュタル様を信奉するウルクの諸君、このコロッセオのひいてはこの神都ウルクの支配人、ハインリヒ・ラムシュトースが進行させてもらおうか」
彼が舞台に上がり、その背後にある黄金の席に座る。
それに呼応するように会場は盛り上がり少しずつその熱が人の理性を溶かしているのが分かる。
「さて、それでは始めましょうか」
そう言い出すと下の方からぞろぞろと死にかけの男達が歩き始める。
全員武器を持ち、鎧を持つ。
そしてなぜか石造りの階段が現れそれが彼の前に繋がる。
まるで殺せと言わないばかりに。
「さて、では、始めようか晩餐もすんだことだしな」
そういって最後の階段が繋がった瞬間、男達は一直線に走り出す。
しかし。
誰も彼もが走っているはずのに行き着くことがない。
いや『ある程度走った瞬間後ろで立っている』
ボウガンから放たれる矢も途中で消え
ただ憎しみ一つで動いているせいで気付いていない。
いや、あれにはもう半分理性を感じない。
人を見てきたからわかる。
そして、察した。
「マシュ、少し呼吸できる?」
「い、いえ、できません......それどころか少し」
「だろうね、多分これは宝具かそれに近いものだ、恐らく、擬似的な『狂化』の付与だよこれは...心をしっかりしてないと危険だ......」
この世界では力はいらない。
寧ろ重要なのは心。
よくわかる。
そして、見えた。
あの人達は死ぬ、どれだけ強くても、この世界、いやあの男の世界では無価値。
「誰一人とて、乗り越えられぬか...いい加減覚めたわ雑種が......失せるがいい」
門が開き、一つの剣が現れる。
忘れるわけもない。
そう、メソポタミアの特異点で見た、唯一無二の王の剣。
「先輩流石にあれは」
「......見捨てよう、マシュ」
「そんな!!先輩どおして!!まだ」
「無理だ、今回ばかりは全て、寧ろ感謝する必要がある......この特異点は生半可な覚悟では潰される、時に非情に、時に大胆にその見極めができないと、すぐに死ぬ」
紅い風が吹き荒れる。
そんなものをお構いなしとただ突き進み続ける人達。
「......全く、どうしようもないな」
その振り下ろされた一撃は闘技場に直撃する瞬間打ち消され、空が曇る。
皆が空を見上げる。
そこには
とても巨大な黄金の舟があった。
無数の宝石の装飾
黄金の船体
目を疑うような数の艦砲。
「全く、ハインリヒは......趣味悪い殺しは止めなさい、折角の奴隷なのに勿体無いじゃない」
天から降臨する女神
いや、そんな生易しい者じゃない。
見るだけで
ただその甘い声を聴くだけで
溶かされる
理性も
感情も
倫理観も
毒のように蝕み
世界を書き換えるような。
「ッ!!」
そのまま持ってきたナイフを手に突き刺す。
痛みで少しでも理性を保つ。
「......ハァ...ハァ......痛みは...ある」
すぐに辺りを見渡す、異常だ。
ただ、女神が降りただけだ。
ただ、その姿を見せるだけで人々の世界にはあの女神しか映っていなかった。
それは闘技場にいる人も含めて。
いや、それどころじゃない。
隠しきれないほどの嫉妬、殺意...悪意という悪意がこの世界を飲み込む。
「......そうか、なら勝手にしろ、我はもう覚めきった」
「どれもこれも粒揃い...これは私の責任ね...でも知らない......さぁ、私を讃え、すがり、敬愛する信奉者達、このまだ私を理解できない存在を『排除』しなさい♪」
それと同時に観客全てがまるで飢えた獣のように男たちに食らいつく。
それどころか一部の人達は仲間割れすら始めさっきよりも過激にその獲物を振るう。
もうどこにも理性はなく、ただ狂気と闘争に飲まれ虚ろな目をした者達がただその衝動を撒き散らかす地獄になり果てた。
「......マシュ」
「......」
完全にミスだ。
もう、マシュ駄目だ。
「帰るよ、マシュ」
最後に希望を掛ける。
「はい......帰りましょう、先輩」
すぐにその場を離れる。
無人の街道。
ある程度進むと急に天候が変わり雨が降り始める。
「...」
絶望とはこういうことか?
目の前に女神はいた。
「なるほどね、大体察したわ......だから逃がさないわ、『カルデア』」
周囲に魔方陣のようなものが現れ、発射体制を整える。
「私のウルクを壊さない、それさえ守れば生かしてあげるわ」
「......断る!!」
「でしょうね、私だって彼が手に入らないからこんなことをしたもの、無理なものを無理矢理叶えて、それのせいで自分達が死ぬなら嫌でしょうね、でもね、彼みたいに心の強い貴方に言うわ、『お隣はどうかしら』?」
「!!」
咄嗟にマシュとの距離を取る。
そして入れ違いに自分の居たところに盾が突き刺さる。
「......マシュ」
「何故です?何故避けるのですか先輩!!ただ先輩は受け入れれば幸せなのですよ!!もう世界を救って、もうすぐカルデアの審査ですが、きっと録な結果になりません!!ですから!!」
「...あら、こちらは......意志より愛が勝りましたか......ふふっ、こんなショー、興味深いじゃない」
逃げて意味があるのだろうか。
いや、逃げるしかない。
「言ったろ、ここでは力は意味無いって」
終わった。
気がつけば後ろに男の影があった。
もうすでに門を展開し、その数恐らく千
「先輩、もう終わりです、受け入れましょう、止めましょう、もう、溺れてしまいましょう」
溺れる?
咄嗟に周囲を見る。
橋だ。
もしこの激流に流されれば......。
やるしかない。
「あぁ、そうだね、マシュ......だから武器を置いて」
「ありがとうございます、先輩、これからごはっ」
鳩尾。
殺すつもりで殴る。
死んではほしくないが冷徹にいかないともうどうしようもないところまで来てしまった。
「あら」
「逃がすか雑種!!!」
橋から飛び降りると同時にその千の剣の砲撃で周囲の瓦礫が降り注ぐ。
だが、流れに乗ることはできた、だから後はこのまま下流まで。
意識が途絶え掛ける。
だが、決して希望を捨てずに流される。
「フハハッハそうかそうか、そういうことか、だが残念だな雑種」
終わった。
いや、終わらせない。
たとえ激流に捕らわれ、空から武器が降り注ごうが、負けない。
負けられない。
「ではな、貴様の豪運に免じて最上級の財宝をくれてやる」
無数の刃の雨に撃たれながらゆっくりと流されつつ沈む。
一撃一撃が致命傷でもうどうしようもない。
爆風全身が焼け、飛んでくる刃に臓器を貫かれる。
だが、ここで死ぬことは許されない。
そうやって途絶える一瞬まで諦めずそのまま沈んだ。
「うわ、なにこの血、流石に死んだわよね」
「いや、生きているな...これで死ぬなら苦労しない......全く、まぁいいだろう、帰るぞイシュタル」
「そうね、ドゥムジ......いえ、ハインリヒ」
「ハインリヒ?誰の名前だ?」
「何でもないわ、帰りましょ......」
その日の夜。
何もかもが終わり、そして、朝を迎えた。
私は何か大切なものを見失った気分だった。
この甘く蕩ける世界で何かを失った。
でももう、そんな事も失いそうだ。
「......ミスマシュ、どうかしましたか?」
気が覚めると私は金色のよくわからない羊さんといた、ただ、自分が本当は何者かも分からないので行き宛もなく今はこの人の家であるバーで働いている。
「...いえ」
「ずいぶんとseriousな問題のようですね、ですがゆっくりと考えましょう、早急な解決ほど危険なものもありません」
今あるのはただ、この盾をイシュタル様にのみ使う。
それしか残っていませんでした。
マアンナのある一室
そこではもう悲惨なほど杯や石板が砕け、その中央で一人の少女がただ、泣いていた。
「はぁ、またかイシュタル」
「......ごめんなさい、騒がせたかしら」
「いや、構わないさ、きっと俺の事でだろ......過去は気にしない、もうやめてくれ」
「......ドゥムジ」
「まぁいいじゃないか、明るい話をしよう...そうだイシュタル、例の『女神召喚』あれはどうした?」
「...あぁ、あれ?えぇ、実は最終段階まで来たわ、後は───」
波の音が聞こえる。
呼吸が浅く短い。
全身の筋肉が動かない。
でも、死んではいない。
「うぅ......あぁっ...」
力一杯叫ぼうとする。
声にならない声をあげ
ありもしない力を引き出そうと。
「まだ、負けていない、まだ、終わりじゃない......」
理由はわからないが声が出た
生を望む
まだ、進める、まだ戦える。
狂った運転手の乗った車のように力任せに歩き、木を噛み砕く。
やはりおかしい。
なぜ大木を噛み砕けた?
なぜここまで力が出る。
全身が穴まみれでもはや流れる血もないのに動き、酸素も運ばれないのに思考が回る。
「ああああああああああああ!!!!」
叫び怒り、その感情の赴くままに大地を殴る。
その拳は地面にヒビを入れ、割る。
「......ひとまず、完全復活おめでとう、カルデアのマスター、そして、その顔は理解したな?」
笑いがこぼれる。
あぁこれだ、これこそだ、といえる。
「あぁそうだ、この特異点の聖杯の効果でな、『それ相応の意志』さえあれば『神』や『サーヴァント』程度なら誰でも倒せるのだ、そして貴様は今、再起した理解した、ならば後は時間と己の許す限り強さと決意を固め、ウルクへ来るといい......」
「なぜ、助けたのですか?ハインリヒさん」
「助けた?あぁ、それは俺がもう自分が何者かも分からなくなったからだ、誰でもいいから終止符をうってほしい、それださ......あぁそうだ、貴様の全力でマシュは半分死んだ状態だったぞ...ただまぁ、アイツも固いものだ...普通にサーヴァントが即死するぐらいの攻撃を耐えやがった......見所あるぜ、お前ら.........もし俺が何者かわかったら手ぇ貸してやるよ、じゃあな」
それを最後に空を飛んで姿が消えてしまった。
どうしよ、色々変な流れになって一話で終わらねぇよこれ