Fate/whitenight 怪物と兵器と人類史と   作:(´・ω・)

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前書き手抜きまてりあーる
おまけより分量は少ないけどゆるーいせつめいであーる

今回はこの方

謎のパッパ(個人的に結構なおっさんだと思ってたら意外と若かった)マリスビリーの娘

キボウノハナは咲かない咲かせない、やるなら俺が咲かせたい。

オルガマリー・アニムスフィア

なんか初対面で居眠りするとかいうピンポイント過ぎるのが嫌いな人
なんか身の丈余る責務課された人
幸薄最高

リ ヨ ぐ だ 子 の 被 害 者

魔術師としては良いらしい、具体的なのは事件簿マテリアルにあるらしい(まだ買ってない)

虚数持ちの知人がいるらしいな、列車見てないからしらねえ、てかエルメロイは単品じゃねえのかよ。
死んで無かったレイシフト適性とマスター適性を手に入れたぞ!
木っ端微塵に死んだから聖杯で蘇生できたぞ!
死亡バグとはたまげたなぁ


始めは何となくで生かしたけど凍結野郎をボコるガンメタキャラだぞ
ラスボスが慢心しないぞ!(まぁ、うん、慢心ラスボスだと数話で着いちゃうからね)


1話 邪竜百年戦争オルレアン

少し心もとない設備。

無数に置いてあるものを出来る限りの組み合わせ簡易的な工房にする。

 

といっても、何かを作るほどの素材があるわけでもない・・・。

 

「・・・せめて魔力保存の道具ぐらいは欲しかったな、どれもこれも糞雑魚魔術礼装じゃあないか・・・ただ量産性とパイプとしての性能は上々・・・・要らんわ・・・これアトラス製か?いやだなぁ、あそこ質は格別だけど格別すぎて別ベクトル何だよなぁ・・・・明らかにこれ戦闘機能しかねえものを無理矢理支援機能を加えただけだろ、どうせ『最強の量産性と戦闘能力を持つ魔術礼装』とでも謳って作ったんだろ・・・こんなゴミで何ができる、まだライダーのマスターの魔術礼装の方が八倍は強かったし機能性もあったよ、所詮組織か・・・・」

 

なんだかんだ雑に文句を垂れ流しながら無数の魔術礼装を引き裂いたり元に戻したりして自分に合ったいつものとは言えないけどまぁ、特殊機能を省いたいつもの頑丈な魔術礼装に作り替える。

 

「・・・ブレードとランチャー機能ねえとまじでこれジェットエンジンを無理矢理つけて無理矢理空飛べる魔力流せば硬いだけの魔術礼装だな・・・なんならジェット機能も雑・・・あぁ・・素材がない」

 

「そんなマスターに朗報だよ」

「どったのドゥ」

「特異点さ、今準備・・・を・・・ハハッ」

 

まぁ笑うか。

 

「笑うなよ、結構頑張ったんだよ」

「飛ぶことしかできないものでかい?」

「うっせえ、魔術世界では飛ぶことって結構難しいんだぞ・・・あれ、あのマスター達全員普通に飛んでたな、実は簡単?」

「どうだろうね」

 

適当にナイフを服に隠しすぐに観測室に向かう。

 

「・・・・わーお」

 

人員こそそう多くないし

施設だってまだ壊れている方が多い。

 

だが、誰一人とて『絶望』を押さえ込んで無理をしている連中だ。

ただ一人、別の世界を見ている『男』を除いて。

 

 

「遅いわ・・・三秒の遅刻よ」

「三秒かぁ、これは手厳しい」

「その見透かしたような顔で言うことかしら」

 

 

軽く所長と言い合ってそっとモニターに写された映像を確認する。

 

「これからあなたには『第一特異点』呼称を『オルレアン』、つまりフランスの特異点に行って貰うわ、時代は大体ジャンヌ・ダルクが魔女裁判で死んだときよ」

「百年戦争・・・かぁ」

 

観光は無理そうな雰囲気しかしねぇ。

 

 

「そして、その前段階として・・・いえ、本来の形に沿わすために、貴方にはマシュと契約をしてもらいます、その『カルデアを逆供給でオーバーロード』させれるぐらい膨大な魔力生成能力ならマシュ一人どうにでもなるでしょう」

「うーん、やだなぁ、ランサーって結構重いよ・・・現状七割ふんだくられているんだよ、俺、戦闘時はもっと重いだろうなぁ」

「・・・・」ツンツン

 

『ナニカキガカリナノカイ』

 

黙って空気を呼んでくれたランサーにそっとアイサインを送る。

すると解ってくれたのか急にざるな芝居を始めた。

 

「そうだね、僕も今回は慣れない状況での召喚だ、無駄にコストを裂くのも問題だと思うよ」

「たしかに・・・そうだけど・・・これは聖杯戦争ではないのよ、いくら貴方でも」

 

意外と心配性なのだろうか、善悪は興味ないけどこういうのはやっぱり好感を持てる。

ただまぁ、自分で手一杯の癖に無駄に抱え込むのはうざったらしいから本音でも言う。

 

「寧ろ緩いですね、はっきりいって『この程度』でしょうが、こーんな不意打ちでしか勝算のねえ連中のどこに恐れろと、これならまだイシュタルとの殺し合いしていた昔の方がきつわマヌケェ、マリーはどっと構えて立っていれば良いさ、あぁ、宣言してやろう、この俺が神も居ない戦いに負けるわけがないであろう、とな」

 

「そう、そこまで自信があるのならやってみなさいよ、あとマリーはやめなさい」

 

「よし乗った、じゃあ他全部よろしく」

 

手を握り少しだけ魔力を流す。

契約は始めはコストがかかるからこうでもしないと現場指揮官に倒れられても困る。

 

「・・・ちょ、ちょっと、あつっ」

「あぁ、すまない、じゃあ大冒険を始めますか」

 

そっと握っていた手を離し映像を見る。

 

「ねぇ、貴方、名前は何て言うの、未だに誰も聞いてないのだけど」

 

 

とんでもない質問が来た。

名前?

覚えてないよ

少なくとも

俺と言う男はあの時死んだ

名前のない怪物でしかない

 

あぁ、そうだな。

雑に名前をつけるか。

 

 

「俺の名前か?藤丸」

 

 

 

 

「『藤丸 立香』、元魔術師だ」

 

「そう、藤丸ね・・・無事に帰ってきなさい」

「心配は無用さ、マリー・・・」

 

 

なんか所長が言っていたけど気にせずカプセル?的なものにはいる。

 

 

そして

 

 

また、一瞬だけ世界が歪み、気がついたら長閑な平原にいた。

 

「・・・・ドゥ、あの城探知」

「うーん、黒だねぇ」

「先輩、とり「ランサー!!あの城吹き飛ばせ!!」先輩!?」

 

マシュを抱えて少し距離をとり魔力を流す。

正直、ロボだったらかっこよかったのだろうな。

 

あぁ、あれがライダーだったらなぁ。

 

 

ランサーの口から巨大なビームが発射され、城に着弾する。

射ちきった瞬間巨大な爆発と衝撃が周囲に広がりここにまで巨大な衝撃波が周囲の大地を吹き飛ばしながら突っ込んできた。

 

「てへっ」(^_-)

「てへっじゃねえ!!そこまでしろとはいってねえよ!!礼装起動・・・間に合うな」

 

「宝具展開します・・・・きゃっ」

 

「そりゃそうだ、無理すんな」

 

吹っ飛んで打ち上げられたマシュをキャッチし、浮遊する。

 

「うわーお、流石、神々に造られただけはあるね、いやぁー、オーダー開始数分で特異点修復は恐れ入ったよ、ってことで聖杯を回収して色々準備を整えたら即座に帰ってきたまえ諸君」

 

「いや、あの、これでいいのでしょうか」

「うーん、まぁ、時間は限られてるしぃ、やり過ぎなければいいと私は思うなぁ」

 

ゆっくりと凪ぎ払われた大地に足をつける。

空の光輪は消え失せ、真っ青な空

 

なんか竜っぽいのが飛んでいるのが気がかり

 

 

あ、これ竜か

 

「ランサー・・・あの竜っぽいの全部落とせる?」

「あぁ、まあまあな数が残っているようだね、それよりマスター・・・あれに乗ってみたいと思わないかい?」

「おめー騎乗・・・おいまさか」

 

事態をなーんとなく察したため全力で城の跡地にマシュを運ぶ。

 

なんか後ろから鎖で竜を引っ張ってきたランサーから目を向けずにまっすぐと何もない大地を駆ける。

 

「僕に勝てるとでも本気で思っているのかい?」

「うっせえばか、そんなのお断りだ!馬でいいだろ!!」

「いいじゃないか、竜種なんてそうそうだよ」

 

道中の木を盾にしつつひたすら逃げる。

流石に竜はまずい。

 

 

「・・・おのれぇ、おのれぇ」

「よしよし、それじゃあ行こうか」

 

かてねぇ

 

「あ、あの、先輩・・・」

「ん?あぁ、城まで飛ぶから、そのあとパリの町があると思うからそこで集合しよう」

 

鎖でできた手綱を引っ張って一気に空に駆け上がる。

風が気持ちよくほどほどの高さにすると少し荒れてはいるが綺麗な眺めではあった。

 

「・・・流石に三人乗りはむりぽぉ」

 

明らかな重量オーバーなのか軌道が明らかにふらついていた。

 

「よし、マシュ、今から城まで投げるから頑張って着地しろ」

「先輩!?」

 

 

手綱を離し、マシュを掴んでぶん投げる。

射角、速度は充分でまっすぐ飛んでいって、綺麗に城跡の壁に着弾を確認した。

 

「・・・さてと、ランサー、どこにいくんだ?」

「そうだねぇ、あそことかどうだい」

 

そういいながら西の方に指を指していた。

大西洋だっけか

 

「海か、何年ぶりだろうな」

 

そう呟いてそこに向かう。

 

ある程度近づいてきたら着陸し、竜を適当な大木に繋ぎ止める。

 

「・・・静かだなぁ」

「・・・ペロッ・・・・げぇっ」><

「海水は飲めねえよ」

 

足元にいた小蟹を眺めながらのんびりとくつろぐ。

次の世界はどこだろうか、どこでもいいか

 

やはり冒険とはいえないな、まぁ、竜種にまたがって空の旅は良いが

 

「・・・おや、なんか倒れてる」

 

砂浜をのんびりと歩いているとなんか城の方から飛んできたのだろうか。

ばかでかいクレーターの中心に誰かが倒れていた。

 

なんか黒いし、旗も持ってるしサーヴァントだろうか

 

「・・・うーん、死んでる、というか脱け殻だこれ、中身がねえ」

 

背中に手を当てそこら辺をまさぐって見るけどやっぱり何一つ感じられなかった。

生命には多かれ少なかれエネルギーがある、それが全くないってのも不思議だ

ただ、傷が一つもない辺り、誰かに大切にされていたのだろうか。

あんな破壊力の爆発に耐える魔術か。

 

 

「・・・」

 

なにもでなかった。

言葉にはできない

とても綺麗

 

 

あぁ、そして、とても悲しいな。

 

「貴様の人生は実に悲しいものだったな・・・成し得ることなく終わる、それは苦しいだろう」

 

そっと胸に手を当て魔力を流し込む

別に無意味ではあるが

せめて、消滅だけはさせてやりたい。

 

「Au revoir」

 

少しずつ光がのぼって行く彼女を後目にそっと立ち去る。

 

 

「あ、マスター、どこに行ってたのだい、急に消えるから驚いたじゃないか」

「うっせえ、てゆーかなんだこのアホみたいな数の焼き魚は」

「暇だったから引っ張って来たんだよ、あぁそれと、あのキャスター・・・ダヴィンチからだけど『聖杯は回収した、あと三日程度で第二の特異点観測が終わるから早くパリに集合して帰ってきてねー☆』だってさ」

「なぜそっちなんだよ」

「マスターが周辺に魔力を撒きまくって通信妨害をしているからじゃないか」

「知らないよ、昔からこうなんだから」

 

焼き魚を食べながら出立の準備を済ませる。

 

「おや、そこにキミもひとつどうだい?できたてで美味しいよ」

 

そっと後ろを振り返ると

 

さっき消えたはずの彼女がふらふらとおぼつかない足であるいていた。

 

奇跡だろうか意思だろうか

あるいは両方か。

 

 

サーヴァントの身であったはずなのに今はまるでゾンビだ。

 

「・・・聞こえてないなあれ」

「うーん、えいっ」

 

鎖で足を引っ張ってこっちに飛ばしてきた。

いやおかしい

 

「わふっ」

 

「大丈夫ですかお嬢さん」

「あ、あの、いえ、大丈夫です」

 

「・・・焼き魚いるかい?」

「えと、その」

「お金なんて要らないよ、ただの観光客だからね、だからお食べ」

「ありがとうございます」

 

生気がまるでない彼女にも押し売りのように売り付けるランサー。

それを半分疑いながらも食べる彼女が少しだけ可愛かった

 

「・・・かわいい」

「えっ」

「!?」

 

「いや、なんでも」

「フフッフハハハ・・・確かに小動物みたいで良いけどマスターにそんな感情があるんだ」

「なし、いまのなし」

「わからないなぁ」

「とぼけるなぁ!」

 

とりあえず何十匹もあった焼き魚を全部食べた後もう縛り付けていた竜をランサーが引っ張ってくる。

 

「・・・・」

「そういえばお嬢さんはどちらまで?」

「私・・・いかなきゃ」

「その方角はオルレアンですよ・・・今あそこは吹き飛んで跡形もないのでパリまで送りましょうか?」

「・・・大丈夫です・・私は一人で・・・あっ」

 

失った記憶を取り戻しかけて脳にダメージでもあるのかふらつく彼女の手を握り有無を言わさず竜に乗る。

 

「ランサー・・・こいつ借りるよ、まぁ、走ってこい」

「ちょっ」

 

なにも聞かずさっさと飛んでいく。

 

「さーてと・・・パリまで約一分、『覚悟』できてます?」

「・・・」

 

なぜ知っている、というような顔だった。

まぁ、オルレアンから吹っ飛んできたヤツがなんでもないわけはないよな。

 

「黙っていていいですよ、霊基は直すどころか一時的な強化を掛けておいたのでまぁ三時間程度なら戦闘は可能です」

 

彼女からしたら訳も分からないか。

明らかな『敵』が手助けするんだ。

 

「別に貴女が私を敵と思っていても知っていても私は貴女の味方であり傍観者ですよ、貴女が貴女ならね、『ジャンヌ・ダルク』」

「・・・」

「正解でした?ッハハ、これはますます良いな、じゃあ、レッツゴー」

 

最後に彼女の手を自分の頬に当て熱を感じた後落っことす。

どっちが勝とうがもう遅いな。

だが、ここで決着しねえと終われないよな。

 

なぁ『ジャンヌ・ダルク』であり、彼女でない者よ。

その瞳の炎はとても美しかった。

その魂はとても綺麗だった。

 

「満足かい?満足なら僕を回収してほしいな」

「飛んでこいよ」

「いいじゃないか」

 

肩に引っ付いていた礼装の一部がランサーに変化しちっちゃい人形になった。

 

「あーはいはい、回収すればいいんでしょはいはい」

 

大地を見下ろし周囲を確認しながら何回も旋回を繰り返して手を降っていたランサーを見つけ一気に突っ込む。

 

「たっちあんどごー」

「ごー」

 

地表ギリギリまで高度を落とし、ランサーの腕を掴んだ瞬間一気に急上昇、パリへ向かう。

 

「・・・馴染む・・・実に馴染む、こうやって冒険しているだけでもどんどん体の重りがなくなって魔力が溢れ出すな・・・」

「それでもまだ20%ぐらいじゃないか」

「・・・まぁ、うん、昔と比べるとうん、弱いね、今の俺じゃああのマスターどもには勝てんよ、あのときだってほぼ運とメタ張りまくっただけだしな」

 

どこからとってきたのかわからんフランスパンを食べながら燃えるパリを見下ろす。

 

 

パリは今燃えている

 

「・・・そろそろかな」

 

下の広場に飛び降り燃える街に着地する。

周囲には逃げ惑う住民や焼け焦げた死体がそこらに存在し一種の地獄絵図であった。

別にどうでもいい。

とはいえ、目的の品は無かった。

やっぱり時計塔によらないといけないのだろうか。

 

「はぁ、まーだ勝負がついてないのか・・・まぁ良いけどさ、燃え尽きる一瞬まで戦って探すといい」

 

倒れてあった椅子に座り机に寝そべる。

 

目線の先には白と黒の聖女がギロチン台の下で旗を使い何十回も殴り合いをしていた。

周辺には串刺しにされた騎士や戦士、聖人だろうか・・・・。

 

マシュもまた、足の一部が吹き飛んで倒れていた。

 

「あの馬鹿・・・実践経験無いのに踏ん張っちゃって・・・・ランサー、足と一緒に回収してきて、回復と接合するから」

「・・・ずいぶん気に入っているね、あの程度なのに」

「馬鹿言え、あいつの足元を見てみろ」

 

そういって指を盾に指す。

そこだけ不自然に剥がれた筋があり、そこから無数の杭だろうか、なんか出てた。

 

「大方、宝具の疑似展開でもしてみせたのだろ」

「だからさ、できてあの程度なのに一体何がそこまで気にさせるのかい?」

「なにも知らねえ奴に世界を見せたいと思った、それだけだよ・・・」

「ふふっ、どうぞ」

 

そっと差し出された足とマシュを近くに置き、出来るだけおかしくならないように引っ付け、一気に足を接合する。もちろん麻酔も無しにやるなんて馬鹿げてるさ。

膨大な魔力とはそれだけで便利なものだ。

 

「ほいっと起きろ」

 

傷口に手を当てなんとか治癒魔術を秒間で無詠唱で掛けまくって無理矢理治す。

 

「ッ!?先輩!?」

「どうだい、治癒魔法なんて苦手だからあれかもだけど、まぁ大半の事は魔力溶かしまくればなんとかゆうずうきくっしょ」

「いいえ、これならまだまだ戦えます」

 

あ、だめだこれ。

 

「まぁ、聖杯は回収したんだろ、座っとけ」

「ですがまだ「座れ」・・・できません」

 

まぁそうだよなぁ

今尚苦しんでいる人間はいる

いくら終わると行ってもあの戦いはまだ続く。

 

「あれは今のお前じゃ無理だ、経験ではなく、能力の差を経験で埋めれていないんだよ」

「ですがこのままでは」

 

マシュの口にフランスパンを突っ込みジャムを塗る

 

「まぁ、それ食え、よし食ったな、うん、まずな、無理しすぎだ、はじめは無理せずサーヴァントの戦いを見て学習しろ、戦いは視ることからが始まりだ、技術なんて後から追い付くさ、力なんざいくらでも持ってこれるさ、だがな『経験』は手に入らねぇよ、だから視て経験を積め、でなきゃ死ぬ、いや俺は一回死んだわ」

 

壊れかけのティーカップに入っていた紅茶に近くにあった溶けかけの角砂糖をいれスプーンんを突っ込んでくるくると回す。

 

「まぁなんだ、戦いはな死なないことが一番だよ、死んだらなにもできないからな、冥界下りでもできるのならいいが」

 

溶けきった紅茶を飲もうとすると横から一本の旗が突き刺さり粉々に砕け散った。

どうやら勝負はついたようだ。

 

 

「お疲れさま、自分殺し・・・・いや、本物殺しの感想はどうだい贋作、あぁそうだ、これからフランスを滅ぼすのかい?個人的には走りきってほしいな、うん」

 

壁に刺さった旗を引き抜き、投げ返す。

 

「・・・無視はひどいなぁ、確かに今さら虐殺しても意味無いよ、うん。でもさ、せっかく手に入れちまった命だ、やることぱっーとやってから好きにしたら良いさ、どうせこんな世界だ、多少の無茶も許されよう」

 

今にも立ちはだかりそうなマシュを抑え、もうなぜ動いているのかも知らないし、本人もわかってない彼女を見続ける。

パリの街を抜けただただオルレアンを目指すだけ。

正直気になった。

 

あれに意味があるのか?

 

「先輩・・・本当にこれでよかったのでしょうか」

「いいさ、あれを否定してなんになる、ただ倒してなんになる、あれほどの存在なら地獄の底でも生き続けよう、それこそ地獄だ、何もないのに生きるのは辛いだろうよ、物事はな、常に悪と言う存在を倒せばいいわけではない、だが、必ず救う必要もない。あれはそういうのだと思うね・・・先に帰還しろ、俺は欲しいもの取ってから帰るから」

「わかりました、この特異点は残り十分で消滅するので急いでくださいね」

「あぁはいはい、取り敢えず次の特異点ではまともな実践経験積めよ」

 

 

光に包まれ消えるマシュを見送った後そっと席を立って指をならす。

 

「ランサー、地中にはあったか?」

「ぷはっ・・・あぁ、まだ宝石が残ってたよ」

 

街道をぶち抜いて来たランサーが服(?)裏から取り出した大量の宝石をポケットに入れる。

 

「ローマとロンドンはあったか」

「・・・流石にそこまでこの特異点は生成されてなかったよ、所詮魔力リソースさ、あの程度の聖杯と術者じゃあこれが限界さ、むしろあの糞女神の生成範囲がおかしかっただけさ」

 

ちぃ、と舌打ちつつも宝石に投影魔術の刻印と魔力を差しつつ、回路の具合を確認する。

 

「・・・まだ、大丈夫か、アインツベルンの旧式技術が・・・・・めんどくさいことしやがって」

 

魔術回路を収束し整理を済ませ礼装の設定を済ませる。

 

「取り敢えず十分ってことならもうひと潜り行けるけど必要かい?」

「いらね、フランスの聖遺物なんざ大半が塵だろ、それよりあいつ・・・欲しいなぁ」

「まぁ、あれだけ強力な霊基ならきっとどこかで残っているはずさ、僕もこの特異な状況は完全に把握しきれていないからね、絶対ではないけど保証はするよ」

「・・・そうか、しゃあねえな、矢と杖の素材はひと通り揃った、弩砲はランサーが出せばいいし、いい加減効率悪い宝石魔術なんてやめたいよ」

「ハハハ、確かに決め手ではあるけど普段使いは嫌だね、だからマスターも魔術を勉強すればいいじゃないか、大抵の事はいつもの刻印トラップとかでしているんだし、折角の才能が台無しだよ」

「ばっかおまえ、あんなアホ臭いこと誰がするか、たかだか火を吹けるとか笑わせるなよ、隕石落としたり全魔術を弾く結界とか時間停止とか人外相手に即席で効く分けねえじゃん」

 

 

崩れ行く世界を眺めながら帰還を始める。

あのときと同じように一瞬だけ世界が歪みはしたがまた、あのときのように元の世界に戻っていた。

 

 

「ふぅ・・・オーダーコンプリート・・・半日足らずか・・・・まぁいいさ、フランスなんざろくなものがなかったしな、やっぱアルビオンとかローマの地下宝物庫、あとはモスクワ聖堂かじゃねえとろくなもんねえか」

 

周囲の職員は休憩なのか眠っていて唯一働いているのは医者だったはずのロマニだけだった。

 

「ファーストオーダー・・・そちらもずいぶん大変でしたでしょ」

「あぁ、何回かテストはしたけどその想定値を余裕で越える藤丸君の魔力量には驚いたよ」

「まぁバイタルとかの確認だけで十分ですよ、それで所長はいずこに?」

「さっき君が帰ってくる傾向を確認したから自分の部屋に帰ったさ」

「そうですか・・・・それじゃあ」

 

そういって部屋を出ようとするとロマニは一言「待って」と言った。

少し振り替えって「何ですか」と、答えると彼は少しだけ間を置いて答え出した。

それは

『藤丸 立香という人間は先日の事故で死亡している』だった。

 

「・・・・ふふっ・・・ははっ・・・これはとんだ誤算だ・・・あぁ、君に見破られるか『ロマニ・アーキマンという偽名の名前の魔術師』さん・・・お互い、秘密は大切に・・ですよ」

 

顔だけ笑いそっと彼を目を見る。

彼の目は震えてはいたがそれでも勇気を振り絞ってかしっかりとこちらを捉えていた。

 

「・・・とはいえ、お互い腹が読め過ぎないのは困る、アーキマン、貴様は過去にヨーロッパ全土で起きた謎の人間爆死の事件を知っているか」

「あぁ、あれは悲惨な事故だったね、唐突に街一つの人間が吹き飛んで場所によっては血で川を染めたらしいとか、でもあれは怪奇現象じゃあ」

「違うな、あれはいわば特異点と似た者だ・・・実はあそこで聖杯戦争があった、俺の持ってる聖杯はそれそのもさ・・・つまりなんだ、深くはまた他の機会だがあれは聖杯戦争の被害さ、もし俺が誰か調べたいならその怪奇事件の生存者と死亡者と行方不明者を徹底的に探すといい」

「聖杯戦争だって!?そんなもの僕の知っている限り、いや、記録のなかじゃ冬木の一回だけだ、そんなヨーロッパ全土・・・・特異点・・・・」

「そうだよ、普通はおかしいよな、じゃあな『ロマン』」

 

雑にハッタリをかましてその場を去る。

扉がしまり、廊下に出た瞬間息を吸う。

 

 

「・・・流石にバレるかと思ったがまぁいいか」

 

施設内は消灯時間なのかいように暗く、静けさを保ったままだった。

取り敢えず外の薄い明かりが当たる窓辺に座り体を当てる。

 

どれだけこの聖杯戦争があの時と比べ簡単でも常に全力をだし続けてなおかつ余裕を気取るのは難しい。

魔力の一部を回復に当て休憩をしているとランサーが隣に座ってきた

 

「さてと、マスター、第一特異点を・・・って、随分と疲れているね」

「うるせえよ、おめえが全力でゲロビ射つからだろうが・・・流石に七十本程度オーバヒートしてるな・・・冷却するまでには第二特異点も観測されているだろうな」

「そうだね、じゃあ質問を変えよう」

「なんだよ、質問を変えるって」

 

「簡単な質問だよ、イシュタルをボコボコにしたいかい?」

「勿論、あいつのせいで勝った後のことの処理に追われたんだしな」

「あぁ、それはよかった、あの糞女神、その気になれば今からでもこれそうだからね」

 

これる?消えたはずじゃ

 

「実はこのカルデアの召喚システムを調べていたんだけど一瞬だけ彼女に見られてね、僕を仲介してマスターに何かしてないかを心配していただけさ」

「そうか、それは怖いな、まぁなんとかなるさ」

 

 

向かいのソファに座り直し背を壁に当てる。

ソファから見るとちょうど月光がランサーを半分照らし、少しだけ神々しかった。

 

「取り敢えず寝るかい?休憩なら僕が部屋まで運ぶけど」

「要らないさ、ただそこにいてくれ、あの時みたいに、こう眺め合いながらたまに話し合って作戦を練ってたときみたいによ・・・」

「わかったよ、そういうのなら僕はここにいよう、次の戦いまでゆっくりしようマスター」




おまけまてりあーる

Master藤丸 立香(?)
前作のifルートというなの続編主人公(生存者)
前作マスター勢と比べると大体5番目程度のマスター、幸運ランクが高いからなんとか生き残れた枠、決して無敵のバサーエルキドゥじゃない・・・・はず


持ち前の全魔術師をぶっちぎりで超越した魔力保存量と質と反則めいた自己回復速度によって本来はイリヤクラスでも使おうとすれば即死するエルキドゥ(バーサーカー)を使役するぞ。
またアインツベルンの最強厨肉体改造によって無限に魔術回路が増え続け、実質全盛期が随時更新状態。
また、能力のピークは定期的なのは存在せず、『最高にハイってヤツ状態』がピーク、つまり気分。

一応無限増殖の魔術回路はゴミみたいなものだがあったら嬉しい程度。
軽く比較するなら

士郎27 凛メイン40 サブ30とすると

メイン100万+α サブ無限
最高にハイ状態で メイン二倍に増加プラスで全魔術を無詠唱最大火力で使用可能
とかいうキチガイぶり
はっきり言うと根源組と地球以外勝てるのか?カーズするしかなくない?(カーズしても帰ってきてたわコイツ)
因みに+αの部分は無限に増えすぎた増殖サブ魔術回路を数万本単位でまとめて自分の元々あったメインの魔術回路に合わせて適合させた分。
自己回復速度もなにもしなけりゃ三十分でヘラクレスのストックを全快させれる程度に頭おかしい、むしろこいつが強さで下から数える方が早い過去作がおかしすぎる

とはいえバサドゥを使役するのにリソースの大半を投げ捨てているため実質使えるのは
3万の魔術回路と無限のサブ回路のみである
ただし今回はランサーによる低燃費化で余裕ができたためもう少し多い

ここまで多いと当たらないけど起源弾が炸裂したところで数千本は残ってそうだ

魔術回路 
量EX  質EX 編成/異常(自動生成による複雑化と■■■■■■■)

魔術属性 アベレージ・ワン(なお敵がインチキすぎて使っていないため実質無意味)
特性 強化 転換  

使用魔術 

宝石魔術 使用用途は遠坂 凛とほぼ一緒、しかし平均的な出力は比べ物にならほどこちらが上、また、下記の投影魔術やアベレージ・ワンの特性をいかし、ちょっとしたトラップやゲートオブバビロン擬きによる絨毯爆撃の攻撃の主になる

投影魔術 ブラウニーみたいな糞チートじゃないけど得意分野の強化で普通に使える品になる、主に攻撃の弾を作るだけの用途で使用

強化 ただの強化・・・・だけどこれが十八番、その持ち前の化け物クラスの魔力と自作の礼装を組み合わせるとサーヴァントでいう筋力、耐久、敏捷がAランクからA+++相当とかいうはっきりいってインチキめいた倍率の強化を可能とし投影によって作られた武器を強化し、直撃すれば『ヘラクレスを二回殺せる』武器をポンと産み出せ、時間をかけてじっくり作ると余程の防御系の出来れば無敵系の宝具なり耐性がないと対大陸宝具のA+ランク相当のキチガイ武器の投擲が飛んでくるようになる(なお、大半の投影品は耐えきれずに爆破するため最高にハイじゃないとき以外は基本良くても対城クラス程度)
また、独自に編み出したタイマー式や関知式の自動刻印との合わせ技で宝石から百の武器を投影してそれを同時に強化で補強して射出するという攻撃方法を生み出した。


自動刻印  彼が独自で研究し、生み出した唯一の魔術。
内容はいたって簡単、壁や宝石に魔術刻印や発動の式を張り付けて時間差で起動したり、通りがかったり、使用者の合図で発動する魔術を行使する魔術代行的なもの。

壁や地面だとマナが安定せず少しず消耗し最終的には消滅するので基本的には刻印をずっと残せる巨大な宝石やちょっとした聖遺物などである。(ただの魔術刻印貼り付けとか言ってはいけない)


治癒  ただの治癒、ホイミも百万回掛ければベホマだ。


また■■■■■■■■■■■■■であるため
■■■■の適性も保有している

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