ヨクバリスの王に俺はなる!   作:社畜だったきなこ餅

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メインで書いてる方が難産したので、ノリと勢いで書けるヨクバリスを更新します。
今更だけど、過去に捏造設定ありです。


リスの屑作戦

 

 

 ワイルドエリアの木の実を成らせる木が幾つも立ち並ぶエリア。

 別名というか俺命名、ヨクバリスの楽園であり俺が居を構えている巣の近くで、今日もまた俺は褐色肌で紫色の髪をした短パンショタに絡まれていた。

 

 

「見つけたぞヨクバリス!今度こそ捕まえてやるからな!」

 

『腕は良し、だが俺を捕えるには君はまだ、未熟!』

 

 

 紫ショタが繰り出してきたリザードが、唸り声を上げながら俺を睨みつけてくる。

 コヤツにとって俺は、主人であるダンデに幾度も苦渋を味合わせた上に自身を何度も痛めつけた存在だからな、そりゃ不倶戴天の怨敵にもなるって話だ。

 

 

「いけリザード!『きりさく』だ!」

 

『なるほど思い切りが良い、だが目の良さが命取りだ!』

 

 

 我が急所を的確に捉えんとするリザードの攻撃を、敢えて前に出る事で当たり所を調整しながら受け止める。

 どこを狙うのか、その目が如実に語っていたぞルーキー!

 

 くっそ痛いのは確かだが、中々にタフなこのボディ。早々当たり負けはせん! だけどカイリキーの『かわらわり』は勘弁な!

 

 

『お返しだ!』

 

『ぐわぁぁぁぁぁ?!』

 

「くっ、さすが新たなワイルドエリアの主だな!」

 

 

 ほぼ密着状態となった俺とリザード、そこから短い脚を踏み込みながら相手の脇腹めがけ、猛烈な『カウンター』を叩きつける。

 結果、リザードはくの字に折れ曲がりながら吹き飛び、戦闘不能寸前にまで痛めつけられている。

 

 

『お前に俺は倒せん、何故なら俺は……義によって立っているからな!』

 

『な、何を……?!』

 

 

 太々しく短い腕を組み、ニヤリと笑ってリザードへ語り掛ける。義とかそんなんは特になくノリと勢いによる発言であった。

 だがリザードの視線は俺の背後へと向けられている、あ、そういえば最近拾ってきた。双子のドラメシヤを逃がすのが間に合ってなかったか。

 

 その結果リザードは戦意喪失したのか、膝をついて項垂れた。なんかゴメン。

 

 

「無理させてごめんな、相棒……だけどヨクバリス!俺は何度だってお前に挑戦してみせるぜ!」

 

 

 何故なら俺は、チャンピオンになる男だからな!とカッコイイポーズを決めた紫ショタは、リザードをモンスターボールに戻すと自転車に跨り颯爽と駆け抜けていった。

 いやぁ、熱血青春してるなぁ少年。頑張れよ応援してるぞ。俺は手伝う気ないけど。

 

 願わくば俺の勧誘諦めて素直に、安定した方向で戦力拡充してくれ。

 なんて思ってたら、また翌日も来やがったよ畜生。

 

 

「行け!リザード! 『こわいかお』だ!」

 

『なるほど、機動力を封じる目算か……だが元々俺は鈍足!故に効果はないと思え!』

 

 

 思った以上に怖い顔をしてきたリザードの眼光と顔面にびびり、若干膝をガクガク言わせつつ空へと飛びあがり。

 リザードの頭上から『のしかかり』を炸裂させる、炸裂する瞬間リザードがそんなのありかよって顔してたのが若干申し訳ない。

 

 

「すまんリザード!俺の勉強不足だった!」

 

『最近ここらは物騒だから、気を付けて帰れよー』

 

 

 目をぐるぐる回しダウンしたリザードをモンスターボールに戻し、ポケモンに謝罪しながら自転車をこいでく紫ショタを手を振って見送る。

 はてさて、子供達の為に木の実集めてこねーとなー。

 

 なんかこう、チラホラと変な恰好した戦闘員じみた連中がうろついてるんだよな、目的はさっぱりわからんし理解する気もないが気味が悪くてしょうがない。

 

 

「居たぞ!ヨクバリスだ!」

 

「捕まえれば俺達も出世間違いなしだぜ!」

 

 

 言ってる側からこのざまだよ!

 何おまえら、ロケット団リスペクトなのその恰好?!

 

 

『だらっしゃぁぁぁぁ!』

 

『『ぬわーーーー!?』』

 

 

 襲い掛かって来た戦闘員チックな連中が同時に繰り出してきた、マッスグマとレパルダスを『ばかぢから』でまとめて跳ね飛ばす。

 コレ使った後は力が抜ける感覚がしてあまり好きじゃないが、この手の連中相手にはこの手に限るからしょうがない。

 

 まぁ、本来はコレ単体相手に使うべきなのを無理やり複数に北の大地の紅いサイクロンよろしく、ぐるぐる回ってラリアット気味に尻尾叩きつけてるから威力減衰してるんだけどな!

 

 

「くっ、やはり一筋縄ではいかんか!」

 

「撤退するぞ!」

 

 

 なんでお前らポケモン一匹だけなんだよ、もっと用意してから来いよ。いや来られると困るの俺だけど。

 まったく、木の実を集めないといかんというのに……。

 

 

「いたぞ!あのヨクバリスだ!」

 

「捕まえたらジムチャレンジも楽になるぞー!」

 

 

 あーーーーもう!お前らバラバラに来るんじゃないよ!いっそまとめて列になってこい!転がって轢き潰してやるから!!

 

 

 

 

 

 

 

『むにゃ、いかん、寝てたか』

 

 

 寝返りを打った勢いで木から落ち、ぼよよんと地面ではねたところで目が覚めた。

 もうアレから十年かそこらは経ったか、いやぁ時が過ぎるのは早いもんだ。

 

 

『お父様、いい加減細い木の枝の上で寝るのはおやめください』

 

『大丈夫大丈夫、ほれこの通り無傷だからな』

 

 

 まったくもう、と溜息を吐くのは巣立った後も度々様子を見に来るドラパルトの女の子である。

 そう言えばこの娘の兄にあたる子は、色々あった末に紫ショタについていくことを選んだんだよな。

 

 

『お前の兄さんは元気にしてると良いんだけどなぁ』

 

『この前様子を見に行ったら元気にしてましたよ、お父様に会いたがってましたわ』

 

『そうかそうか、なんなら今度俺が会いに行くのも良いかもなぁ、アイツが驚く顔が見れそうだ』

 

 

 あの後も宣言通り紫ショタ……現在のチャンピオンは何度も俺に挑んでは負け、再起し戦略を練り鍛え直しては挑むと言うのを繰り返してきた。

 ただ、ある日……アイツが挑んでくる前に、その中で悪質なトレーナーが隠れようとしてたこの娘の兄の、当時ドラメシヤだった子を人質ならぬポケ質にして俺を従えようとしてきた事件があったのだが。

 

 なんとそこでアイツが颯爽とトレーナーに勝負を挑み、見事に叩きのめした上にドラメシヤを救出してくれたのだ。

 いやぁ、アイツは間違いなく強くなるなうん、なんて当時は訳知り顔で頷いたものだが本当にチャンピオンになったって聞いた時はたまげたわ。

 

 

『お父様、その前にお客様ですわ』

 

『んー? おー、アイツから来たか、チャンピオンってのにフットワーク軽いなアイツも』

 

 

 かつての紫ショタ、そして現チャンピオンが力強い足取りで、俺の巣に近付いてくるのをドラパルトの言葉で気付く。

 その顔にはチャンピオンとしてというより、ぎらついた挑戦者じみた獰猛な笑みを浮かべていた。

 

 そう言えば、アイツと最後に戦ったのはいつだっけか?

 

 

『ああそうだ、ナントカ団を一緒に叩き潰した後、やつらのアジトの前で決着を着けたっきりだったな』

 

『あの時はお父様も闘いの後気を失ったのですから、生きた心地がしませんでしたわ』

 

 

 無理しないで下さいましね?などと念押ししてくる娘分に手をヒラヒラ振って善処すると伝え。

 俺もまた、のっしのっしと短い脚で大地を踏みしめながらチャンピオン……ダンデの前へと躍り出る。

 

 ナントカ団を潰すべく共闘した理由?

 なんか思い出すのもアホらしい理由で、俺が保護してた子供達を攫ったから怒りの鉄槌を下しただけさ。

 

 

「久しぶりだなヨクバリス、ちょっとばかり手合わせ願うぜ」

 

『今度こそ、勝つ!』

 

『主従揃って良いツラしてんなぁ、お前ら』

 

 

 スタイリッシュにダンデがボールを投げ、中から現れたのは彼奴の相棒であるリザードン。

 その目には闘志がぎらついており、尻尾の炎もまた決意を示しているのか激しく燃え上がっている。

 

 まぁ、俺自身もこいつらとのバトルはそこらへんのトレーナーやポケモン相手にするのと違って、心が激しく燃え上がるから嫌いじゃないしな。

 いいぜ…………かかってこいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 




ダンデさんって、絶対前作主人公的な立ち位置で何か悪さした団を叩き潰してると思うんだ。
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