白銀の討ち手   作:主(ぬし)

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キュレネー「螺勢キュレネーの!!」
ヘリべ「なんでも質問箱~!!」

ヘリべ「みなさん、こんにちはー!」
キュレネー「今回は、私とヘリべが、『白銀の討ち手』について詳しく解説していくよ~!」
ヘリべ「わあ、キュレネーさん、とっても親切!」
キュレネー「うふふ、そんなに褒めても何も出ないぞぉ!」


キャラクター設定

“白銀の討ち手”サユ

 

 身長141センチ 体重38キロ

 元・坂井悠二。シャナと共にあることを選び、家族や友人を零時迷子を巡る被害から遠ざけるために故郷である御崎市を離れて旅を続けていたが、シュドナイ率いる『仮装舞踏会(パル・マスケ)』の追跡軍の前に力尽き、消滅する。その際、シャナの放った強力な炎弾(=エネルギーの塊)を浴びたことによってその能力を起動・暴走させた『零時迷子』が爆発。その破片が魂に突き刺さり、そのまま紅世と現界の狭間に落ち込んでしまう。そこに偶然通りかかった紅世の王“贋作師”テイレシアスと契約を結び、彼に新しい身体を贋作してもらい、フレイムヘイズとなる。

 その後、破片と化した『零時迷子』の効果によって意図せず過去の御崎市に逆行し、その時間において強力な紅世の王と戦闘を繰り広げ、“白銀の討ち手”として覚醒する(この戦闘の折、共戦した“弔詞の詠み手”マージョリー・ドーと親しくなる。サユという名前もマージョリーが命名した)。

 元の時間に帰り、再びシャナと会うことを切に願うが、そのためには過去の坂井悠二から『零時迷子』を奪うしかないことをテイレシアスから伝えられ、断念。死を覚悟して過去の坂井悠二とシャナに戦いを挑み、自分と同じ結末を辿らないように鍛えあげる道を選択する。この戦闘で一度は死にかけるが、坂井悠二の機転によって一命をとりとめ、全てを告白。『零時迷子』を使う以外の方法を模索するために、マージョリーが拠点とする佐藤啓太の家に下宿させてもらったり、特別な宝具の噂を頼りに世界各地を飛び回ったりしている。

 とっくに肉体は滅び、存在の力の器もないトーチ(しかもほとんど消滅しかけの状態)だったため、テイレシアスが新しい肉体を贋作して与えている。この身体を作る際、テイレシアスが「強い人間の姿を思い浮かべろ」と言ったためにシャナを思い浮かべた結果、新しい肉体はシャナを模倣したものとなっている。そのため、サユにもシャナの格闘センスや五感・嗜好のクセなどが受け継がれている(メロンパンに無意識に反応するetc……)。シャナには一歩及ばないが、彼女を師として教えを叩き込まれたため、常人の比ではない格闘能力を有している。

 元がトーチであり、しかも前述したように肉体が贋作物であるため、並のフレイムヘイズよりも存在の力の限界保有能力が低いというウィークポイントを持っている。また、贋作に特化した紅世の王と契約したため、普通のフレイムヘイズなら簡単に習得できる自在法の習得ができない、または非常に困難となっている(『浄化の炎』、『達意の言』といった基礎的な自在法が使えない)。

 一人称は「ボク」。性格は温厚であり、かつ鈍感。元が男だったため、自分に向けられる男からの思惟には察しが悪い。人格も男のままなため、内面と外面にギャップが生じており、それに無防備な仕草が合わさって不思議な魅力を醸し出している。しかし、有事の際は自らの特殊能力とシャナとの旅で培った戦闘経験を存分に活かし、類まれなる戦闘能力を発揮する。また、自分が存在の力を喰われてトーチとなった過去により、紅世の者による人喰いを何より嫌い、防ごうとする傾向がある。大半のフレイムヘイズは復讐を動機としていることを踏まえると、フレイムヘイズとしてはイリーガルな存在と言える。

 

<特殊能力>

 

 “白銀の討ち手”はテイレシアスの能力の一部を使うことが出来る。一度目にした宝具や武具を存在の力を消費して再現できる。また、強化したり能力を付随することもできる(その結果、能力の一部が制限されることもある。例を上げれば、トリガーハッピーの威力を強化した際、対フレイムヘイズ用の特殊能力が失われている)。強力な宝具になればなるほど、強化をすればするほど、多くの存在の力を消費する。宝具でない通常の武具を贋作する場合は消費を抑えられる。ただし、攻撃力や特殊能力は宝具に到底及ばない。

 贋作した宝具は常に存在の力を消費しながら形状・能力を保っているため、その宝具特有の特殊能力を使用したり、力の供給がカットされてしばらく放置されると自然消滅してしまう。サユの保有する以上の存在の力を注ぎ込まなければ再現できないもの、あまりに複雑精緻な構造をしたもの、または規模が大きすぎるものは贋作することが出来ないという欠点を持つ。

 余談だが、もしも最高クラスの宝具を同時に複数贋作できるレベルに至ったとしても、その限界数は最大9つまでという制限がある。これはテイレシアスの限界と合致している。

 

 

 

 ‡ ‡ ‡

 

 

 

“贋作師”テイレシアス

 

 人間と紅世の者が生み出す奇跡の産物である宝具に魅せられて、その贋作を創ることを至上の喜びとする若い紅世の王。シャナのコキュートスに似たペンダント型の神器に意志のみを表出させる(シャナの姿をモデルにした影響)。その正体は白銀に燃える巨大な九尾の狐である。

 3000年ほど前に紅世に生まれた時から、すでに『己の存在の力を消費してモノの贋作を創る』という特殊能力を有していた。そのため、戦うことよりも気に入った宝具を贋作することの方にベクトルが向き、今ではライフワークとなっている。あくまで贋作を創ること自体が目的のために、創った後の贋作には興味がなくなる。放置された贋作が悪用されることを危険視したアラストールに一度雷とゲンコツを落とされたことがある。それが原因で、アラストールとは仲があまりよくない。例えるなら『口うるさく恐ろしい体育教師』のように思っている。

 性格はマイペースかつ気分屋な自由人。冷静沈着でもなければ豪放磊落でもない。しかし、偏屈者の表皮の下に他者への深い配慮も隠し持っている。贋作を作ることに罪の意識などまったく感じておらず、趣味に生きることを何より尊ぶ。宝具を創ることのできる人間という種族を認めており、それ故に人喰いを良しとしない。しかし、人の存在の力を喰わないために現界に降りても存在の力がすぐに不足して長く滞在することができず、長年フレイムヘイズと契約することを念願していた(契約すれば長期間現界に滞在することができる)。世界のバランスを護るという使命はオマケ程度にしか認識しておらず、人食いは自分の趣味の妨げになるという消極的な理由でフレイムヘイズ側に属している。

 最近契約したサユのことをいたく気に入っており、大抵の場合はサユの意志を尊重するなどもはや愛娘の如く可愛がっている節がある。ちなみに、彼が自らの称号に“炎髪灼眼の討ち手”と同じ“討ち手”を使っているのは、アラストールへのこれ見よがしの当て付けのためである。

 実は“髄の楼閣”ガヴィダと交友があり、意見の衝突は多々あれど何だかんだで仲が良かった。唯一の友人だったガヴィダが消滅した後は、ほとんどを紅世に引き篭って過ごしていた。基本、ぼっちなのだ。

 

<特殊能力>

 

 フレイムヘイズ“白銀の討ち手”に付与される能力とは違い、テイレシアスが創った贋作は存在の力の供給がカットされても自然消滅はしない。また、フレイムヘイズでは手に余る巨大・精密な宝具も再現が可能である。自身の存在の力の塊であるため贋作に自由に手を加えることができるが、当人はしたがらない。最高ランクの宝具を贋作する場合、同時に創ることが出来る限界数は最大9つまでという生まれながらの制限がある。

 

 

<元ネタ>

 

 名前の由来はギリシャ神話に登場する元祖TSキャラのテイレシアース。蛇の交尾を偶然目撃してしまい、「その時不思議なことが起こった!」というノリで女体化してしまった不幸な人物。世界広しといえどこのような奇天烈な経験をした人間は彼(彼女?)だけだろう。

 

 

 

 ‡ ‡ ‡

 

 

 

“螺勢”キュレネー

 

 4000年前以上前に紅世に生を受けた、灰色の炎を持つ紅世の王。灰色の衣を幾重にも纏った白人の美女の姿をしている。遠く離れた場所から獲物をいたぶり殺すことのできる「弓矢」に陶酔しており、弓を使わせれば数ある紅世の王においても彼女の右にでる者はいない。また、紅世生粋のリョナラーでもあり、特に少女のフレイムヘイズを苦しめ殺すことが趣味のスーパーサディストでもある。特定の勢力に属すのではなく、傭兵として名高い“壊刃”サブラクのようにフリーランスで活動している。

 その能力は「分身」だが、彼女のそれは桁が違う。存在の力があればあるだけ己の分身を作ることができるため、上限は存在しない。“白銀の討ち手“”弔詞の詠み手”との交戦の際には数千もの分身を作っていた。遠距離からの圧倒的な物量攻撃を得意とし、狙撃の腕も非常に秀でている。その手で幾多ものフレイムヘイズたちの命を刈り取った。

 近代で五指とまではいかなくとも十指には入る実力を備えているため、彼女を味方に引き入れたいと思う者は多いが、少女のフレイムヘイズを見つけると作戦そっちのけで勝手にそちらに傾倒してしまうので肝心な時に頼りにならないと不評も多い。逆に、少女のフレイムヘイズを餌に使うと簡単に協力するため扱いやすいという好評もある。

 人間を脅して作らせた攻撃宝具『カイニス』を愛用している。蔦が絡み合ってできたような黒色の弓の形をしており、存在の力を矢状に収束させ、指向性を持たせて射出できる。また、キュレネーの分身に合わせて宝具も分裂するという特性も持っている。

 前述したように非常に強大な紅世の王ではあったが、相手に合わせて武器と戦い方をオールマイティに選択できる“白銀の討ち手”とは相性が悪かった。また、“白銀の討ち手”が選択した宝具は偶然にもキュレネーが心から忌み嫌う拳銃の形状をしていたため、普段の冷静さを欠いてしまったのも大きな敗因となった。

 

 

<元ネタ>

 

 元ネタの方のテイレシアースさんが蛇の交尾を目撃した山の名前「キュレネー(またはキタイロン)」と、紀元前4世紀に設立された極端な肉体快楽主義哲学の学派「キュレネ派」が元ネタ。容姿はfate stay nightのキャスターさんがモデル。でも耳は尖ってない。

 宝具の元ネタは、こちらもギリシャ神話のTSキャラ「カイニス」さん。元は女性として生を受けたが、神々の恩寵により男性カイネイウスへと性転換され、そのまま一生を遂げた。息を引き取った瞬間、彼は元の女性の姿に戻ったという。それを目撃した家族友人はとても驚いたに違いない。

 

 

 

 ‡ ‡ ‡

 

  

 

「風雲」ヘリベ

 

 シャナと悠二を襲撃した紅世の王。浅黒い肌と彫りの深い容姿という中東人種に通ずる美青年の容姿をしている。炎の色は不明。“愛染自”ソラトや“愛染他”ティリエルのように若い紅世の王。多くの燐子を従え、自らも俊敏性と頭脳の優秀性に富んでいた。本文中では呆気なく討滅されてしまったが、高度な意思を持った燐子を数多く生み出したり、高度な戦術を用いていたことを考えれば、彼がそれなりに有能な紅世の王だったことが伺える。しかし、シャナを引き止めるはずであったキュレネーが間違って“白銀の討ち手”を引き止めたこと、獲物としか見ていなかった坂井悠二(ミステス)が実はヘリベを越える戦術家であったことが災いし、ものの数分で『贄殿遮那』のサビにされてしまった。

 作者が鼻くそほじりながら考えたためほとんど設定らしい設定もないくらいの噛ませ犬キャラクターだったが、ヴィルヘルミナに坂井悠二の有用性を知らしめた点については役立ったと言える。もちろん元ネタなんてない。語ることもない。可哀想。




キュレネー「ァ゛ア゛アォ゛オエ゛エ゛エ゛エ゛!!裏゛声゛キッツ!!キッッッツ!!無理!!アタシにこのコーナーは無理!!!」
ヘリベ「ぅううぉっぷ!やばい吐きそう、ぅ゛う゛オロロロロロロロロ」

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