気ままにのんびり思うがままに   作:reira

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大人

ユイと2人で密会した次の日の朝。

 

とつぜんこの孤児院に来客が訪れた。私は聞き役に徹することにする。ユリエール?どっかで聞き覚えあるな。

 

……軍の派閥争い。で、リーダーの誘拐。一層に突然現れたダンジョン、ねぇ。

 

「助けてください。お願いします」

「__私たちにできることなら力を貸してあげたい__とおもいます。、けど、そのためにこちらで最低限のことを調べてあなたのお話の裏付けをしないと……」

「そう、ですよね__」

 

悩む様子のお姉ちゃん。オロオロするユイ。それも当然だ。ユイの感情共有があれば嘘を見抜けただろうが、切ったのだ。嘘かホントか分からない。

別に、私が手を貸す義理はない。お姉ちゃんやお兄ちゃんが困ってようが、構わない。むしろ、足踏みしてれば攻略が遅れる。攻略が遅れればもっと長くこの城にいられる。それでいいではないか。それに、この件は『アレ』の存在を露見させることにほかならない。手を貸すのは危険__

 

「お姉ちゃん……」

「っ、な、なによユイ」

 

考え事をしてたら、急にユイに袖を引っ張られた。驚いてユイを見ると、ユイは目に涙を浮かべて必死な様子で。袖を離す気は微塵もなかった。

 

「助けて、お姉ちゃん__!」

「____」

 

まったく、この手のかかる妹は。

色々考えてた何かが一瞬で吹き飛んだ気がした。

 

「はぁ……お姉ちゃん、裏付けさえ出来りゃいいのよね?」

「え?えぇ」

 

助けるために、知る限りの情報を落とすことにした。

 

「その話は本当よ。だって__ダンジョンの奥深くへの回廊結晶をキバオウに売ったの私だから。時期的にも一致するわ」

「……は?」

 

 

 

少女説明中...

 

 

「つまり……その一層の軍が管理するダンジョンに行くクエストがあって、それで許可をとったのね」

「えぇ。キバオウってやつなら、快く承知してダンジョンでまだ手に入れてない物は譲るって。で、その代わりに最奥に繋がる回廊結晶を要求してきたの」

 

で、その条件を飲んで渡したのがことの成り行き。

 

「……一応、裏付けになるわね」

「じゃあ__!」

「ええ、手伝いましょう」

 

ほっと一息。ユイも笑顔で嬉しそうで。その様子を私は何となく眺めていた。

 

「ありがとう、お姉ちゃん」

「ふん、お姉ちゃんとして当然よ。__でも、私はいかないわよ。攻略は、ユイのパパとママに任せるわ」

「そう。まぁ、今までもそうだったものね」

 

「話がまとまったところでラーク、ダンジョンの情報貰えないか?出すもんは出すからさ」

 

一通り決まったところで、お兄ちゃんが……いや、ややこしいな。ユイの前だし、キリトと呼ぼう。キリトが話しかけてきた。

んー__まぁ、妥当でしょ。

 

「ほい……いや、そんなに要らないわ。その代わりユイのこと任せたわ。サチ、帰りましょう」

「あ、うん。サーシャさん。ありがとうございました」

 

私はサチを連れて、帰ることにした。

サチがいる状況で、そんな危ない橋渡るわけない。

 

サチを家に返したあと、野暮用があるといって駆け出した。1層の軍が保有する地下迷宮へ。

 

 

 

__________

 

キリトside

_____

 

 

 

 

「ユイ、行くな!」

「やだ! やだよ!! ユイちゃんがいないと、わたし笑えないよ!!」

 

ユイが、カーディナルに消去される__

ユイの黒髪やワンピースが朝露のような儚い光の粒子を撒き散らしていく。

そうして、光が飛び散り消え去る。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

アスナが泣き崩れる。__いや、まだだ!

 

「いつもいつも、思いどおりになると思うなよ!」

「キリト君、何を……!」

 

キーボードを素早く叩く。どうにか、どうにかユイを__っ!

 

「くそっ!」

 

管理者権限が切られた!思いを胸に、コンソールを殴りつけ__ようとした俺の体は、宙を舞った。

 

「全く、ユイのこと任せた私が馬鹿みたいじゃない。このアホ兄」

「ラーク__!」

 

突然、横から飛び出してきたラークが俺を突き飛ばしたのだ。そんなことをすれば当然HPは減り、ラークはレッドの仲間入りをしていた。

そんなことを気にしてなどいないのか。ラークがコンソールをパチパチと丁寧かつ慣れた手つきで操作していくと、大きな涙の形をしたクリスタルがその手にオブジェクト化された。

 

「あなた達は__ユイを守りきれなかった。

1層だからと、この洞窟攻略にユイを連れてくなんて。さすがに、私も思わなかったわ」

「「…………」」

 

ラークは、容赦なく俺たちに現実を突きつける。実際、その通りだった。

 

「でも、私も悪かったわ。ここに出現する魔物について知ってたのに伝えなかったもの。ごめんなさい」

「いや、それでも頼まれたのに守りきれなかったのは俺たちだ」

「……優しいのね」

「事実だからな。それに、君に怒るのはユイが喜ばないさ」

 

そう返すと、俺たちに呆れてラークはため息をついていた。

 

「甘いわね。まぁ、それでも。あなた達をユイは選んだ。だから……もう一度ユイを任せたいの」

「え?」

 

そう言って、ラークは先程オブジェクト化したクリスタルを渡してきた。

 

「これがユイ。操作途中だったから……キリトのナーヴギアに保存しておいたわ。それじゃ」

「え、ちょっと!」

 

そう言ってラークは走り去った。

1つの謎を残したまま。

 

 

__どうやってラークはコンソールにアクセスしたのだろうか?




次回、なのですが…ゲーム編に進むか、または小説編側で進めるかの大きな分岐点にぶち当たってます。
どちらもメリットデメリットあり、本筋に影響出ない所ではあるのですが……どちらもいいなと思っていまして、とても悩んでるところです。

そのため、少し時間稼ぎに全く違う別作品を投稿しようと考えております。箸休め程度にと、こちらを書き進めながらも衝動的に書いたものなのですが……楽しんでいただければ幸いです。

以降は様子見しながら順次投稿していく形にします。よろしくお願いします。
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