オリジナル展開(?)の難しさを感じました、筆止まってましたね……
零+乱入してきたお兄ちゃんと一緒にピクニックをした次の日。
いつものように零と待ち合わせをしたが、零が現れることはなかった。待っていたとき、一通のメールが届く。私はそのメールを受け取って内容を見たあと、すぐさま近くの個室店へ駆け込んだ
* * *
メールの差出人はアルゴ。急遽、フィールドボス攻略が今日になったのだそうだ。そして、問題はその作戦内容に関してだった。
『NPCを囮にフィールドボスを攻略する』
そう、零はフィールドボス攻略に無理やり連れ出されたのだ。囮にするために。
アルゴから情報を得た私は、珍しくアルゴに詰め寄った。
「どういうことよ、NPCを盾にって」
「自由に連れ回せるNPCがいるなら、それを囮に戦えば安全ダロ?」
「NPCなら、何してもいい。そう言いたいのね」
「いや、そういうわけじゃ……」
アルゴとしても、思うところはあるのだろう。それもそのはず、私とNPCの彼女が仲良くしてるところを見ていたからだ。それでも、口止め料を私が払っていた故に、言い出せなかった。それだけのことである。
「……でもありがとう」
「おい、どこ行くんダ?」
「友達。追いかけなきゃ」
「そうカ。気をつけろヨ?お代は……ま、オレっちが出しといてやるヨ」
わたしは、心配そうに見つめるアルゴを背中に店を飛び出し駆け出した。
* * *
零視点
「くっ……強いな」
「NPCがいるんだ、任せとけ」
「キャハハ!」
いつもとは違う人が依頼を受けてくれた。髪の毛のない人、サングラスをかけた人、変な声を上げる人。
でも、戦闘を私に全てやらせる人ばかり。複数いるのに、それを咎める気配もない。
怖い。
でも、私は……行くべき場所がある。どこかはわからないけど、いかないといけない。
「グギャア!!」
「いっ!?」
魔物の攻撃に、弾き飛ばされる。そんな私を見て、この人たちは嘲笑う。
怖い……!
周りにいる、他の人をみる。目をそらされる。
見てみぬふり。なんで?どうして?
一番前にいるのは、年上の女性。でも、こちらには見向きもしようとしない。
いっぱいの人がいるのに、私は一人。だれも、ともに戦ってなんてくれない。
「ほら、また魔物きたぞ!やれ!」
「ふぃー、今回は楽勝だな」
また、私一人で魔物の相手をさせられる。傷を負っても、なにも私に手を貸してくれなんてしない。
怖い。なんでこんなことができるの。
「命もないNPCに任せるだけで、あとは俺らは後ろからちくちくすればいいだけだもんな」
なんで、命を軽くみれるの。死んだら、終わりなんだよ?
怖い……怖いよ……
脳裏に、いつも私を誘って冒険に連れて行ってくれる
「あうっ!」
朦朧としてる私を、たやすく魔物は吹き飛ばす。
「おー、また吹き飛ばされてるぜあの子」
「キャハハ、よっわ!こんなんでボスヘイト集めきれるかね?」
「俺らがちょっとでも楽できるからいいんだよ」
……酷い。
自然と、涙が溢れる。
「あれ?おいおいおい泣いてるぜ?」
「NPCのくせに、いっちょ前に泣いてやがる!」
「心なんてないくせに!キャハハハハ!」
心がないのはどちらだ。なんで、こんなにひどいことができるの?
もう、声にすらならなかった。泣きながら、起き上がる私を魔物が追撃しようと走り込む。もう、避ける気力もなかった。
__?
目をつぶるように覚悟していた衝撃は来ることはなく。
目の前で音がして、変わりに手を引っ張られた。
「逃げましょう!早く!」
驚いて目を開くと、居ないと思っていた友達がいた。安堵から、涙が溢れる。
「うん……!!」
***
ラーク視点
手を取って私達は逃げる。零が私のパーティーに追加された。そのまま立ち去るが、それを妨げる者たちがいた。
「おいおいどこいくんだぁ?」
「この先のボス倒しに行くんだぞぉ?」
「キャハハ!いかせるかぁ!」
零が前に所属していたパーティーだろう。見た瞬間、零の体が震えた。私は、握った手で優しく握る。
武器を持って私に突撃してくる。私は避けることなくあえて喰らっていく。緑の私を攻撃した三人は赤になった。
「これは、正当防衛よ」
カウンターによる突き手を思いっきり、素早く打ち込み、そのまま流れるように近くにいた二人を蹴飛ばす。回避の余地なく倒れ伏す。そのままHPが0となり、ポリゴンとなって消えていった。蹴飛ばした二人も危険域まで達していた。
「おい、何してる!」
__まずい。
騒ぎに気がついた攻略組が、こちらに来て攻撃をしようとしている。端から見れば私が派手に吹き飛ばしたのだ。……私は避けてカウンターを入れるのがメインのため、そこまで防御力はない。
そして今、私は強力なソードスキルをうったあとで長い硬直時間中だ。
その攻略組のメンバーは、隙だらけの私に距離を詰めて、ソードスキルを放つ。私を味方を殺したレッドとして。
無慈悲な攻撃に、私はとっさに目を瞑る____
「……え?」
____いつまでたっても、攻撃が来ることはなく。私は目を開ける。
「……マスター」
そこでみたのは、両手を広げて私に向けられた攻撃を一身にうけ、ポリゴン化して散っていく
そして、私の目の前は赤に染まった。
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「ってことがあったのよ。上位層冒険者なら結構有名なお話ね」
「…………その後、どうなったの?」
私が話を一通り終えたとき。サチから出た一言は続きを促すものだった。
……私はそれに満足する言葉を持たない。
「私は……憶えてないの。アルゴ、続きを」
「……攻略組の主力パーティーが一組全滅。騒ぎを聞きつけて乱入したキー坊が暴走するラーちゃんに攻撃しようとするアーちゃんを引き止めて、クラインがラーちゃんの暴走を止めたンダ」
暴走状態になったらしい。このあたりのことは本当によく覚えていない。
「どうやって……?」
「さぁ……?方法はあまり喋りたがらないからワカラナイな。コルをいくら積んでも教えてくれないからオネーサンもわかんない」
「そうですか。でも、なんとなくわかる気がします」
え、私もアルゴも分からなくて頭を悩ます大問題なんだけど。サチがわかるものなのかな……?
と、そんなことを考えていると、いつの間にかサチが目の前にいる。じっと見つめるその碧目には……思ってたより悲しかったのだろうか。涙をそっと流して悲しむ暗い顔をしている私が映っていた
「ラークちゃん。悲しいこと聞いてごめんなさい。でも、私がずっとついてるから」
そう言って、サチの顔が一気に近づいて__わたしの意識は遠のいた。
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「あれ?ここは……」
気がつくと、私は見慣れた校舎の裏にいた。外は日が暮れようとしているのか、カラスがカァカァと鳴いている。
そんな見慣れた景色に、私は恐怖で座り込んでしまった。この場所は、忘れもしない。
「おい、またあの汚いのがいるぞ!」
「ばい菌だ!汚れ物だ!」
「さっさと居なくなれ!」
「ひっ……!」
わたしが、殴られ慣れた場所だ。
恐怖で腰を抜かした私に逃げる場所なんてない。
あっという間に捕まった私は、何度も何度も殴られる。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
だんだん、抵抗もバカらしくなってくる。相手が飽きるのを待つ。ただ、それだけ。
けど、それは終わりを迎える。突然、防犯ブザーのかん高い音が鳴り響いたのだ。
「ちっ、何だこんな時に……」
「お巡りさんに見つかったらやべぇ……!!」
「覚えてろっ!」
……いじめっ子たちは尻尾を巻いて逃げ出した。そんなものを追いかける余裕もなく。薄れゆく意識の中、私はサチに抱っこされてその場をさった。
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「……はっ」
「あれ?わたし……」
「いやぁ、アツアツだったナ」
気がつくと、もとの拠点__わたしのマイルームに戻っていた。
今見ていたのは……夢、だったのだろうか?
「おーい?オネーサンのこと忘れないでほしいナー?」
「あ、ごめんなさい。でも、これはいったい……サチ、今私に何をしたの?」
何が起こったのだろうか、わからない私はサチに問いかける。
「え?えっと、その……」
なんだろうか、言いづらそうにもじもじとしている。そんなサチを笑うようにアルゴが答えた。
「サチは、ラークの口にキスをしたんダ。チュー。すごいねぇ、女の子同士なのにアツいチューだったゾ」
「あ、アルゴさん……!!」
「むむ、むぐー」
赤面したサチによりアルゴの口が塞がれた。
そっかそっか、キスしちゃったか。サチは天使だからなぁ、何も問題はないか。
……それにしても。似たようなことが、ちょうど目の前が真っ赤になって意識を失った後に、一度あった気がする。
あのときは、いつの間にか校舎の屋上にいて……飛び降りようとしたらクラインに手をひかれて
『なんでとめるの?』
『…………』
『私がいなくなれば、みんな笑顔になれるわ。みんな、わたしのこときらいだもの!』
『それはラーク、お前の思い込みだ!俺はお前のことが好きだ!いなくなったら俺は悲しい!!』
『え……?』
ふと抵抗を弱めて振り返ったら、それと同時に思いっきり腕を引かれて抱きしめられちゃって……暖かかったなぁ……
え、まって?それがサチと同じ現象の場合って……わ、わたしクラインと……??
「…………」プシュ~
「あ、ラークが真っ赤にナッタ」
「ら、ラークちゃん!?」
__にぎやかな束の間の休日。
そんな、和やかな日は今日は平和に過ぎ去ってゆく