やはり俺のGBNはまちがっている。   作:八重垣八雲

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二話目です。


なんだかんだ言いつつ比企谷八幡は面倒見がいい

3月下旬

 

世間一般の学生からしてみれば、春休みの真っ最中である。そこから外れているとはいえ、高校2年への進級を控えている身の俺も例外ではない。

 

春眠暁を覚えず。例のごとく惰眠を貪っていた俺は、鳴り響くスマホの着信音により意識を浮上させるはめになった。未だ襲いかかる睡魔に抗いつつ電話に出る。

 

「もしもーし、先輩?」

 

スピーカーから聴こえる間延びした声。

 

「……一色か」

 

「はい、先輩唯一の可愛い後輩、いろはちゃんでーす」

 

電話越しに、ウィンクして敬礼している姿が目に浮かぶ。うん、いろはすあざとい。

 

「……で、何のよう」

 

「ほらー、わたしって、受験を頑張ったんじゃないですかー?先輩と同じ学校に合格した健気な後輩を少しは労ってもいいと思うんですよー」

 

確かに一色の頑張りは眼を見張るものがあった。稀に家庭教師の真似事をしたとはいえ、あいつ自身も頑張っていた。暫くはGBNにダイブするのを封印してたし……

そう言われると、少しは労ってやってもいいかもしれない。了承の意を伝えて電話を切る。

さて、ダイブの準備をするか……

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

「すいません、お待たせしました、ちょっと準備に手間取っちゃいまして……」

 

にこぱっ、とした表情で駆け寄ってくる。高校受験という重荷をおろせたからか、久しぶりに見る笑顔は幾分か柔らかく感じる。

 

「それで、どこに連れていってくれるんですか?」

 

「え、なに、ダイブするんじゃないの」

 

そう、問いかけると笑顔が一転、真顔になり胡乱な目で見てきた。やだ、いろはちゃん怖い。

 

「はぁ……、まぁ、先輩だし……」

 

まだぶつぶつ言ってる一色と連れ立ち、馴染みのホビーショップへ向かう。

 

 

 

 

目的地に到着する頃には、一色の機嫌も直っていた。

それぞれダイバーギアとガンプラをセットしログインする。

一色は久しぶりのダイブということで、NPD相手のミッションで肩慣らしをするようだ。肩慣らしというにはそこそこの難易度ですけど……

 

「大丈夫ですよ。あれくらい楽勝です」

 

先輩はそこで見ててくださいねー、と言いながら突貫していったが、はてさて………

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

結論:やっぱ駄目でした

 

通信越しに延々と垂れ流されている文句を無視しつつ、一色のいるポイントへと向かう。

とはいえ、ばか正直にその場に行けば、ボコられ仲間が一機増えるだけだ。そんな仲間ならいらない。やはりぼっちが最(略)

 

さてここで、俺のガンプラを紹介しようと思う。その名も、AGE-2ステルス。ガンダムAGE アセム編の主役機であるAGE-2のカスタム機である。どこぞのチャンピオンと被っているが、断じてパクリではない。

第一にコンセプトが違う。俺の存在感の薄さを逆手にとったステルス性に、限界まで調整した狙撃能力。そこにAGE-2本来の特性であるストライダー形態による機動性が加わる。これにより、見えなく素早いスナイパーが出来上がった。暗殺者・八幡、有りだと思います。

 

そうこういっているうちに狙撃ポイントに着いた。こちらの有効射程距離でありつつ、向こうからは気付かれにくい。まさにベストプレイス。

 

「おぉ、ボコられてる、ボコられてる」

 

拡大されたモニター越しに様子を確認する。何体かは倒していたようだが、一色の駆るGNアーチャーが、リーオーNPDに四方八方から撃たれている。原典そのままの機体であるが、俺が丁寧に作ったこともありそれなりの出来を誇っている。GNフィールドもあるし、相手方もただのマシンガンだから暫くは持ちそうだ。

 

「かと言って、あまり放っておくと後が怖い……」

 

標的は4体。ライフルを構え、狙いを付ける。マシンガンでは効果が薄いことに業を煮やしたか、その内の1体がビームサーベルを抜刀する―――今

 

「狙い撃つぜ」

 

軽く息を吐き、レバーのトリガーを引く。命令を受けた機体は引き金を絞る。銃口からピンクの粒子が螺旋を描き、標的へと吸い込まれ―――爆発

 

突然の狙撃により、包囲が緩む。その隙をついて一色が反撃…って、ライフルで殴ったよ、あの娘!

今までの恨みを晴らすかのようにボコボコにされるNPD。あまりの絵面にAIの処理が追い付かないのか、残った2体の動きが止まっている。お主、隙だらけだ!

 

 

さくっと2体を落としてミッション終了。なんか疲れたから、今日はこれでログアウトしよう………

 

 

× × ×

 

 

 

 

「もぅ、どうしてすぐ助けてくれなかったんですか~」

 

ログアウトしてみれば、わざとらしく頬を膨らます一色が隣にいた。

 

あれくらい楽勝です。と宣ったのは一色自身だ。戦術もへったくれもなく敵陣に突っ込めば、囲まれて叩かれるのは火を見るにあきらかである。なんなの、イオク様なの?

 

「ぶ~ そんなの言われなくてもすぐ助けるのが先輩のつとめじゃないですか」

 

「いや、知らんし」

 

それ何処ルール?俺の地元じゃ無効だぜ。

 

「だいたい、わたしの合格のお祝いに来たんじゃないですかー 。もう少し優しくしてくれたっていいんじゃないですか……」

 

そう言えばそうだった。ふむ……

 

「なぁ、一色。お前の専用機欲しくないか?」

 

と、問いかければ、目をぱちくりしつつ、

 

「ふぇっ?」

 

と、答えた。なにそれかわいい。

 

 




オリジナルガンプラ解説

機体名:ガンダムAGE-2ステルス

ガンダムAGE-2をベースに改造したガンプラ。
ミラージュコロイド散布装置を搭載し、その名の通りステルス性に特化している。ミラージュコロイドによる秘匿、ドッズスナイパーライフルによる狙撃、ストライダー形態での離脱を戦法としている。
丁寧に作り込まれているため基本性能は高い。但し近接特化の機体との相性は悪い。
胸部のデザインはAではなく8になっている。
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