高嶺の華と路傍の花   作:山本イツキ

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頭の中でどのような完結にしようか思い描きながら、執筆してる今日この頃。

総合評価750達成しました。
ご愛読本当にありがとうございます。

皆様のおかげで山本イツキは今、執筆できていると言うものです。


第40輪 アザミ 〜報復〜

 修学旅行の後半はベッドの上で過ごすこととなり、悔いが残ることとなった。

 向こうでも警察の世話になり、オレの悪名は関西にまで広がることとなり頭を抱えている。

 ネットニュースを見れば、その時の事件が載っていて本名こそ伏せられていたが、そこのコメント欄にはこう書き込みこまれていた。

 

 "逆鱗" がやった。

 "逆鱗" の仕業や。

 男たちはソイツの "逆鱗" に触れてもうたんや。

 

 などと、また新たな二つ名が浸透していった。

 関東(こっち)では "不死身の暴君(アンデッド)"。

 関西(あっち)では "逆鱗(げきりん)"。

 この二つが同一人物だと知るのはオレを含めて数人だけ。

 今更弁明する気はないが、ここまで目立つと後の生活に支障をきたしそうだからあまり喜べない。

 

 そして京都から帰ってきて早速、厄介ごとに巻き込まれる。

 

 

 「おかえり。どうやら災難に遭っていたらしいね」

 

 「うっせぇよ。ハゲ」

 

 

 揶揄うように笑って話す学園長。

 昨晩、直接電話が入りオレと氷川が朝早くに直接呼び出された。

 要件は既に把握済みだ。

 

 

 「ここら一帯で暴力事件が多発しているのは知っているね?」

 

 「はい。ニュースにもなっていましたね」

 

 

 オレたちが帰ってきてからの話だが、道端に血まみれで倒れる一般人が続出している。

 犯人は不明で全員、顔や体をコレでもかというほど痛めつけられていたらしい。

 病院へ搬送されたが、未だ意識を取り戻した奴はいない。

 警察も捜査が難航しているようだ。

 

 

 「コレは知らないことだろうけど、先ほども同じような被害者が出たそうだ」

 

 

 学園長は部屋にあるテレビを起動させ、ニュースをつける。

 

 

 『速報です。近頃多発している "花咲川無差別暴行事件" の被害者が新たに発見されました。顔や体を複数回殴打された跡が残っており、身元は明らかになっておりません。警察は──────』

 

 

 花咲川無差別暴行事件。

 なんとも物騒な名前がついたものだな。

 

 

 「被害者は老若男女関係なく、関係性も明らかになっていない。猟奇的暴行犯なのは間違いないだろうね」

 

 「酷い……………」

 

 「被害者を殺さず生かしておいてるあたり、犯人の異常さが窺えるな。まるで自分の快楽のためだけに暴行を繰り返しているみたいだ」

 

 「まさかとは思うが、キミじゃないだろうね?」

 

 「無抵抗な人間を傷つけようとするほどオレは頭のネジは飛んじゃいねぇよ。()()()()()でボケちまったのか?」

 

 「…………一体何を言っているんだい?」

 

 「とにかく、ここの生徒が被害に遭わないためにも警備を強化しておく必要がありそうですね」

 

 「氷川くんの言う通りだ。警察にも依頼して、その件について今日コレから話す予定だよ」

 

 

 程なくして扉が数回ノックされ、お堅いスーツ姿の男たちが入室する。

 

 

 「失礼します」

 

 「ご足労感謝いたします。(くだん)の話になりますが─────」

 

 「申し訳ございませんが、学園長先生。私たちは別件でここへ来させてもらいました」

 

 「と、言いますと?」

 

 

 学園長は困惑した様子だ。

 オレと氷川は状況が全く掴めない。

 スーツの男たちはオレのそばへと近づき、鋭い目つきでオレを睨む。

 

 

 「キミが月島 奏くんだね」

 

 「そうだけど」

 

 

 その威圧に屈することなく平然と返す。

 すると、この目つきの悪い刑事から耳を疑うようなことを言われた。

 

 

 「花咲川無差別暴行事件の重要参考人として、キミを連行する」

 

 「はあ!?」

 

 

 刑事がそう言い終わると、後ろに控えていた警官たちがオレを取り押さえる。

 あっという間に身柄を拘束されたが、未だ口での抵抗はやめない。

 

 

 「意味不明だろ!第一、オレは被害者たちと接点なんてないだろうが!!」

 

 

 必死の思いで伝えるがそれは届くことはなく、冷たい目で見下ろす刑事は小さく告げる。

 

 

 「キミの普段の素行に全国に広まったキミの悪名─────点でバラけてようが繋げようと思えばいくらでも繋がるものなんだよ」

 

 「ハッ、警察はクサッてるなんてよく耳にするが、マジだったんだな」

 

 「…………今のはガキの戯言として聞き流してやる。次はない」

 

 「上等だ。刑務所だろうと牢屋だろうと何処へでも連れて行きやがれ。それでもし、オレの無実が証明された時にはお前を真っ先にブン殴ってやるよ」

 

 「その時はまたキミを逮捕するまでだ」

 

 「ケッ、くえねぇおっさん」

 

 「それじゃあ、署に連行するとしよう」

 

 

 警官たちに抑えられたまま前を歩く。

 

 

 「……………まっ、待ってください!彼は決してそのようなことは…………!」

 

 

 氷川も抵抗して見せるが、刑事の凍り付くような目線で口を閉ざされた。

 

 

 「心配すんな。すぐ戻る」

 

 

 そう笑ってみせ、部屋を出る。

 歩いている最中も、通り過ぎる生徒や教師たちの注目を浴びる。

 

 

 「まさか、オレをこうやって陥れるためにあえてこの時間を選んだわけじゃあるまいな?」

 

 「………………」

 

 「だとしたらいい趣味してるぜ。オッサン」

 

 

 オレの挑発まがいな言葉に刑事が反応を示すことは決してない。

 この手のタイプは、言葉だけでは通じないから強硬手段に出るのが鉄則なのだが、相手が悪すぎる。

 本当に手を出したら、オレは身に覚えのない罪まで被せられる危険性があるからだ。

 

 そこから一言も会話することなく、パトカーへ乗せられ発進する。

 

 刑事に話しても無駄だと思ったオレは、隣に居座る警官に話を向ける。

 

 

 「ニュースでは捜査が難航してると言ってたが、それはオレを油断させるためのものか?」

 

 「………………」

 

 「指紋にDNA鑑定、ありとあらゆる検証に協力してやるが、間違いなくアンタらは間違ってるぜ?何せオレは犯人じゃないからな」

 

 「…………」

 

 

 ダンマリだった警官がようやく口を開いた。

 

 

 「少しは慎みを覚えたらどうだ?そんな詭弁を並べても我々は信用しない」

 

 「アンタみたいな下っ端に言われても響かねぇよ」

 

 「なっ!?」

 

 「なあ、刑事さん。これはオレの妄想に過ぎないんだが、アンタ、オレに特別な恨みでもあるんじゃねぇの?」

 

 「いいかげんに…………!」

 

 「無駄話は嫌いでね。署に着いたらいくらでも話を聞いてやろう」

 

 「そうか。ならこの場は黙っといてやるよ」

 

 

 これ以上、オレからも刑事からも口を開くことなくパトカーは静かに進み続ける。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 何気ない日常というものは突如として崩れ去る。

 とある日の朝。

 いつも通り花音と登校していると、学園内に一台のパトカーが止まっていた。

 その異様な光景に私たちはすぐに気づいてしまった。

 

 

 「なんであそこにパトカーが………?」

 

 「何かあったのかもしれないわね」

 

 

 今朝、ニュースで報道されていたことを思い出す。

 最近、無差別に暴行を受ける被害者が続出しているようでそれも花咲川周辺で起こっているという。

 何か嫌な予感があるけれど、それは思わぬ形で的中することとなる。

 

 校舎から多数の野次馬と共に、スーツ姿の男と警察の制服を着た男たちに加え、月島くんの姿が目に入ったのだ。

 

 

 「なんで月島くんが警察に…………!?」

 

 

 驚きを隠せずにいる花音。

 もちろん私も同じだ。

 思わず、彼の元へ駆け寄り言葉をかける。

 

 

 「月島くん!!」

 

 

 しかし、彼は反応を示さない。

 まるで、届いていないかのような雰囲気すら感じる。

 

 

 「まさか………………彼が……………!?」

 

 

 脳裏に浮かんだ考えを元に、教室へと一目散に駆け出した。

  

 

 「ち、千聖ちゃん!?」

 

 

 花音の呼びかけにも応じず、私は一目散にそこへと向かう。

 ガラッと勢いよく扉を開けると、彼は涼しい顔で席につき何かの本を読んでいた。

 そんな彼の前に立ち、机を思い切り叩き鋭い目つきで睨むも彼はその態度を崩さない。

 

 

 「……………どういうこと」

 

 

 怒気のこもったその言葉。

 彼、杏井くんは首を傾げながら問う。

 

 

 「それはこっちのセリフだよ。僕になんの用かな?」

 

 「とぼけないで!これも、あなたの仕業なのでしょう!?」

 

 

 賑やかだったクラスが静まり返る。

 彼も、まずいと思ったのか立ち上がり和かに答えた。

 

 

 「なんのことかわからないが、どうやらキミは誤解しているようだ。落ち着くためにも、ここを離れた方が良さそうだ」

 

 「ええ。構わないわ」

 

 

 彼の後ろにつき、教室を後にする。

 そして、人気の無い空き教室のある廊下へ行くと、突如私の口を掴み殺意のこもった瞳で威圧する。

 

 

 「なんのつもりだ?テメェ。バラしたら殺すっつったよな?」

 

 

 あくまで私の前では本性を見せる彼。

 掴み上げる手を引き離すように抵抗するも、彼はそのまま顔を放り投げ体を地に打ち付けた。

 

 

 「彼は何もしていないわ…………なのに、どうしてこんなことをするの!?」

 

 

 目に涙を浮かべ必死に訴える。

 

 

 「京都で奴の身体能力の高さはよくわかった。アレは化け物だ。彼女の言っていることがよーくわかったよ」

 

 「だから、こんな非道を選んだのね」

 

 「大丈夫。彼はすぐ解放されるさ。ただ、これから問題行動を起こせば彼は真っ先に疑われる。それが狙いさ」

 

 「そんなことのために警察を利用したと言うの?」

 

 「そうだよ。リークしたのはもちろん僕さ。精神的にじわりじわりと追い詰めて、最後は物理的に殺す。あの化け物を殺すのはそう簡単じゃ無いだろうけどね」

 

 

 淡々と語る杏井くん。

 ここに監視カメラや盗聴器がないとわかってのことだろう。

 

 

 「何度も言うけれど、彼はそう簡単に死なないわ。返り討ちに合うのがオチよ」

 

 

 強気にそう言い返すも、彼は一切動揺の色を見せない。

 

 

 「こう見えて僕、演劇のために体づくりに励んでいてね。力、あるんだよ?」

 

 

 彼は不敵な笑みを浮かべて握り拳を作ると、私のお腹を目掛けて振り抜いた。

 あまりの痛みに、咳き込み吐きそうになる。

 

 

 「キミ、2年の時にイジメられてたらしいね。何度も何度も暴行を受けて、さぞ辛かっただろうね」

 

 「ゴホッ…………あなたに、関係ないわ」

 

 「次は松原花音の番かな。あの女、月島と仲いいし殴られたらどんな顔するかなぁ。ヒョロっちいから軽く吹っ飛びそうだ」

 

 「花音に、手を出したら…………絶対に、許さない……………!」

 

 

 彼のことが憎い。

 憎くてたまらない。

 これは演技ではなく本心。

 素の感情で彼を見る。

 

 

 「わかってるさ。キミが余計なことをしない限り僕は何もしない。今、キミが地べたを這いつくばってるのもキミが原因だからね?」

 

 

 彼は小さく笑うと教室へと戻ろうと背を向ける。

 

 

 「くれぐれも僕の株を落とすんじゃねぇぞ。テメェの行動一つにクラスメイトの命運が握られてるんだからな」

 

 

 去り際にそう吐き捨て、姿を消した。

 

 

 「………………はぁ」

 

 

 彼がいなくなったのを確認し、大きくため息をついた。

 

 

 「警戒心がなくて本当に呆れるわ」

 

 

 絶対に見えないところに隠していた小型カメラを取り、撮影を切る。

 再生すると、さっきまでの光景がこのカメラにしっかりと映っていた。

 

 

 「私の気持ちは、もう決まってる」

 

 

 カメラをぎゅっと握りしめ、教室へと戻る。

 

 

 

……………………

 

 

…………

 

 

 

 HRが始まると早速先生から月島くんのことで話があった。

 どうやら、犯行現場付近で彼の目撃者がいたそうで取り調べを受けているそう。

 もちろん、彼が犯行に及んだと疑う人はこのクラスにはいない。

 素行が悪いとはいえ、彼は今まで私たちに害をなしたことは無かったし、三年生になって親しみやすくもなった。

 それをあの男は─────背中を向ける憎き彼に刺すような視線を送る。

 

 そこからは平常の授業を受け、迎えた昼休み。

 私は、花音と紗夜ちゃんを連れ月島くんの行きつけの屋上へと向かった。

 ここは彼の憩いの場ということで知られていて、誰も近づくことは決してない。

 ここなら、どんな話をしようとも誰かにバレることは決してないだろう。

 

 屋上への梯子を渡ったところで、二人にわたしの考えを話す。

 

 

 「唐突に誘ってごめんなさい」

 

 「ううん。大丈夫だよ」

 

 「私もです。それで、お話があるとは何ですか?」

 

 「実は私…………京都で月島くんを襲った犯人の黒幕を知ってるの」

 

 「えっ!?」

 

 「本当ですか!?」

 

 「ええ。それと、今回彼が警察に連れて行かれたのも同一犯ということがわかってるの」

 

 「何で千聖ちゃんがそのことを知ってるの?」

 

 

 当然の疑問ね。

 首を傾げる二人にさらに詳しく説明をする。

 彼が私のマネージャーになっていたこと。

 事務所に脅迫状が届いていること。

 それらの犯人は杏井くん、そして羽丘の女帝であること。

 それら全てを、隠すことなく話し切る。

 

 

 「そうだったんだ…………」

 

 「本当に、許せませんね……………」

 

 

 悲しみの表情を浮かべる花音と怒りに震える紗夜ちゃん。

 

 

 「彼が事件を起こしたという証拠も既に掴んでる。明日、これをクラスで公表するつもりよ」

 

 「でも、そんなことしたら千聖ちゃんが!?」

 

 「ええ。得策ではないと思います」

 

 「もちろんわかっているわ。でも、私が黙っているだけでは彼はもっと酷い目に遭う。彼は、月島くんを殺すと言い切ったの。とてもじゃないけど、見過ごすわけには行かないの」

 

 

 私の意志は固い。

 だからこそ、逃げないためにも今こうやって二人に全てを打ち明けているのだ。

 

 

 「そこで紗夜ちゃんにお願いがあるの」

 

 「私に、ですか」

 

 「明日の昼休み、私は全てをクラスメイトたちに話して、杏井くんを追い詰める。きっと彼は私を殺そうと躍起になると思うの。だから、生徒会室で花音を匿ってほしいの」

 

 「ダメだよ!そんなこと、私はできない!」

 

 「私も賛同しかねます。杏井くんが暴挙に出るとわかっていながら、聞き逃すことなんてできません」

 

 「二人とも……………お願い。これは、私の問題なの」

 

 

 二人はとても優しい。

 だからこそ、容認してくれないことも理解できる。

 だけど、今回は一切譲る気はない。

 二人を危険な目に合わせてしまったら、京都で彼が守ってくれた意味がなくなってしまう気がしたから。

 それに、私は間違いなく後悔しない。

 どれほど傷つけられようとも、例え死ぬような大怪我を負ったとしても、彼のためと思うなら何だってできる。

 これ以上、私から口を開くことはない。

 懇願するように、真っ直ぐな目で紗夜ちゃんを見る。

 

 

 「……………なんだか、月島くんみたいですね。その目は、覚悟を決めた彼にそっくりです」

 

 「紗夜ちゃん…………?」

 

 「わかりました。松原さんの安全は保証します。必ず、私が守って見せます」

 

 「紗夜ちゃん!?」

 

 「ありがとう。お願いね」

 

 

 彼に似ている。

 そう言われるだけで、こうも勇気が湧くものなのかしら。

 本当に、不思議なものね。

 

 

 「ねぇ、二人とも。私は…………足手まといなの?」

 

 「そんなことないわ。これは、あなたを守る為で─────」

 

 「違うの!!」

 

 

 突如声を張り上げた花音。

 あまりの唐突の出来事に私も紗夜ちゃんも怯む。

 

 

 「千聖ちゃんは、奏くんのことが好きだって私は知ってる。奏くんがどう思ってるかは知らないけど、きっと千聖ちゃんのことをよく思ってる。そんな二人が、危険なことをするって言うのに、私は見てるだけなんてとてもできないよ!!」

 

 「花音、お願い。わかってちょうだい」

 

 「嫌だ!!」

 

 「松原さん。これは、私たちが介入すべき問題ではありません。白鷺さんの気持ちも考えてください」

 

 「紗夜ちゃんはいいの?二人が、傷つくとわかってるのに見過ごすって言うの?」

 

 「それは……………」

 

 「私は絶対に教室に残る。例え杏井くんが暴れたとしても、私は千聖ちゃんを守る。千聖ちゃんが意地を張るみたいに、私も譲らないから」

 

 

 花音から揺るぎない意志を感じた。

 真っ直ぐに私を見る目は、紛うことなき月島くんの目。

 こうなれば、もう逆立ちしようとも覆ることはない。

 花音も、一切譲らないつもりだ。

 

 

 「花音。私は、あなたや紗夜ちゃんにだけは傷ついてほしくないの」

 

 「私だって、千聖ちゃんにも紗夜ちゃんにも傷ついてほしくないよ」

 

 「……………このままじゃ埒があきませんね。それでは、折衷案を出させていただきます」

 

 

 私と花音の間に紗夜ちゃんが割って入る。

 

 

 「折衷案?」

 

 「白鷺さんは私たちに傷ついてほしくない。松原さんは白鷺さんたちに傷ついてほしくない。互いの意見は噛み合っていませんが、傷ついてほしくないと言う点は合致しています」

 

 「ええ」

 

 「ならば、杏井くんが暴れる前に私が彼を取り押さえます。そうすれば、誰も傷つくこともなく問題は解決します」

 

 「そんなこと、可能なの?」

 

 「ええ。こうみえて、逃げ惑う月島くんを何度も確保していますから」

 

 

 自信満々に語る紗夜ちゃん。

 彼女もまた、月島くんによって変えられたうちの一人だ。

 決して不可能ではない。

 そう、目が語っている。

 

 

 「………………本当なら、とても頼もしいわね」

 

 「任せてください。必ずや、成功させて見せます」

 

 「決まりね。それじゃあ、決行は明日の昼休み。二人とも、二言は無いかしら?」

 

 「もちろん!」

 

 「当然です」

 

 

 結局、私は根負けした。

 月島くんによって帰られた二人によって。

 これは恥じるべきことか、喜ぶべきことなのか。

 今の私にはわからない。

 

 

 「二人とも、ごめんなさい」

 

 「今更謝らないでください」

 

 「必ず、奏くんを取り戻そう」

 

 

 決意を新たに、明日へ向け作戦を練る。




警察がクサってるだなんてもちろん私の本心ではございません!

月島奏が勝手に言ってるだけです!!


私は何も知らない!!
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