アムロの帰還   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

ようやくこの話を書くことができました。
色々と悩みましたが、こんな感じにしあがりました。
しかも長くなっちゃいました。

後半は逆襲のシャアのメインのテーマを脳内再生して頂きながら、読んで頂くとちょっとは其れらしくなるかもしれません。


30年前との邂逅

モノケロースはL5宙域の外れ、廃棄された資源衛星へ向かっていた。

 

新サイド6、33バンチコロニーからモノケロースに戻ったアムロは、レアリーとブライトに33バンチコロニーでの出来事を報告する。

シュトレイ・バーンと会えた事。

受け入れを拒否された事。

廃棄資源衛星で補給を受けられる事。

シュトレイ・バーンがバナージ・リンクスだった事。

ミネバ・ザビがあのコロニーに居るだろう事。

更にアムロの推測を交え、新サイド6は恐らく連邦政府から独立するだろうと。

 

ブライトにとって懐かしい名が出て来た事に驚き、感慨深そうにしていた。

バナージが今もミネバを守り、ミネバは今も地球の行く末を考えている事に……

一方レアリーはミネバ・ザビの存在に新サイド6の独立と、予想外の大きな話に困惑気味であった。

 

 

 

アムロがモノケロースに戻ってからの二日後。

バナージが示した日時通りに指定宙域に到着。

そこには見るからに放置され幾年か経ったような資源衛星があった。

 

アムロはこの廃棄資源衛星から何かをニュータイプの能力で感じとっていた。

 

 

モノケロースはバナージからの指定通り廃棄資源衛星の宇宙港へと進入を試みる。

しかし、資源衛星内部は綺麗に整備されており、宇宙港内部に進入するとガイドビーコンが点灯し、オートでドックへの着岸が可能な状態だった。

 

ブリッジではレアリーが警戒気味にこの様子を眺めながら、ブリッジスタッフに資源衛星に対し通信で呼びかけるように指示を出す。

 

『ようこそ、第7資源衛星へ、あなた方を歓迎いたします』

呼びかけに対し直ぐにモノケロースへ有線式接触通信で返事が返って来た。

この声に、アムロは聞き憶えがあった。

それもそのはず、先日あったばかりのシュトレイ・バーンことバナージ・リンクスの声だった。

 

レアリーは横に座るブライトと、その後方の補助席に座るアムロに目配せをしてから、その声に応える。

「艦長代理のレアリー・エドベリです。よろしくお願いいたします」

 

モノケロースはガイドビーコンとオート進行に任せドックに到着、着岸する。

ドックには輸送艦2隻と、驚く事に嘗てのネオ・ジオンの戦艦 サダラーン級が停泊していたのだ。

停泊したドックには多数の人が見受けられる。

 

この資源衛星は明らかに稼働状態だった。

一見、放置されたように見えてはいたが、内部は今も整備され、人の行き来もある。

しかも、戦艦や輸送艦まであった。

 

 

モノケロースのハッチに屋根のない簡易なボーディング・ブリッジ(搭乗橋)がドッグから伸び、接続する。

そのボーディング・ブリッジを渡り3人の男がモノケロースのハッチまで歩いてくる。

モノケロースのカメラからは、そのうちの緑のジャケットを着た男がバナージだと確認できた。

 

ハッチを開放し、モノケロースの応接室にバナージを通す。

 

「初めまして、シュトレイ・バーンです」

「当艦艦長代理レアリー・エドベリです」

「貴艦の境遇はお聞きしてます。補給等当面に必要な物資を用意させていただきました。ジョブ・ジョン氏とは古くから親交があり、色々とご好意に甘えてきました。ようやく幾分かは恩情をお返し出来る機会が巡って来た事に、ほっとしてます」

「このような事態の中、当艦に補給物資の提供を申し出て頂き、感謝いたします」

先ずは、バナージとレアリーが挨拶し、軽く握手を交わす。

 

次に、レアリーの右後ろに立っていたブライトは、バナージの前に歩みを寄せる。

「バナージ、随分と久しいな。あの少年が随分と立派になった」

「ブライト艦長……長らく連絡もせずにすみませんでした」

「いや、こちらの方もいろいろあった。随分と前に軍は辞めている。今はこの艦のオブザーバーだ」

「聞き及んでます。それと今はシュトレイと呼んで頂けると助かります」

26年ぶりの再会を果たしたブライトとバナージはがっしりと握手を交わす。

 

「ハヤセさん、また会いましたね」

「ああ、ここはやはり……」

「その事も含めてお話します」

バナージとアムロも握手を交わし、お互いソファーに座る。

 

バナージは自分の表の身分であるコロニー管理会社の代表とは別に、裏の身分である非合法民間軍事会社の代表を務めている事を明かす。

それと共に、この基地と化した廃棄資源衛星について語った。

この資源衛星はアムロが言いかけた言葉通り、連邦の目を欺き戦力を隠ぺいするための秘密基地だった。

 

この時代、民間やコロニーが護衛用のモビルスーツを所有することはあるが、そのモビルスーツは軍が所有するモビルスーツの能力を半分程度に抑えたものと決まっていた。

武装も貧弱で、しかも全て登録制である。

 

それでは、宇宙海賊やジオン残党兵が所有するモビルスーツに対応は難しい。

そもそも宇宙航路の安全の確保は宇宙連邦軍の主要な任務の一つだ。

だが、実際にはそれらが守られているのは、地球、月、各コロニー間の主要航路ぐらいだ。

木星間航路や火星間航路などは、地球連邦所有の木星船団や火星船団には、連邦軍の護衛が付くが、民間や各サイドの船は自己防衛が基本だ。

一応頼めば、護衛をしてくれるが、莫大な金銭を要求される。

また、アステロイドベルトなどから資源衛星をけん引するのにも、護衛が必要だが、やはり自己防衛が基本となる。

 

そこで民間警備会社は登録されたモビルスーツを登録後に改造を施したり、軍事用のモビルスーツに入れ替えたりという事を日常的に行っていた。

さらに、地球連邦軍に認められていない非正規の民間軍事会社が、各サイドに公然の事実として存在したりしている。

ここもそんな非合法民間軍事会社の一つとして機能しており、新サイド6コロニー公社が全面バックアップをしていたのだ。

 

各サイドは自分の身は自分で守るという意識がこの30年間、日に日に高まる一方だった。

第二次ネオ・ジオン抗争から30年間、何も改革を進めず、自らの懐を肥やす事のみに費やしていた連邦政府や連邦軍の無能ぶりがそうさせていた。

 

この廃棄資源衛星偽装基地は、元々新サイド6が所有していた資源衛星であったものを、再利用し基地と化したものだ。

この偽装基地には、戦艦3隻、輸送艦2隻とモビルスーツが22程あり、小規模艦隊の戦力を所有しているとの事だ。

このような偽装基地が新サイド6には他にもあると……

 

バナージはさらに語る。

補給だけでなく、この基地にずっと滞在しても構わないと言うのだ。

いや、口ぶりから滞在を願っていた。

 

モノケロースにとって滞在について渡りに船だが、レアリーは明言を避けクルーと相談の上に答えを出すとその場ではそうバナージに返事をする。

ブライトもモノケロース内部で意思確認を行ったうえで答えた方が無難だろうと考えていたため、レアリーの答えに、黙ってうなずいていた。

その場での明言を避けたレアリーは、漠然と不安に駆られていた。

この艦が利用され、何か大きな事に巻き込まれるのではないかと……。

 

モノケロースという戦力は、この地球圏を取り巻く現情勢下ではどこの勢力も欲しがる存在であった。

連邦宇宙軍やアナハイムが必死になり捕縛しようとする程の価値があると、各勢力に知らしめていたからだ。

 

 

モノケロースへの補給の件と、この基地での行動制限について話し合いを終えようとした段階で、バナージは、この偽装基地にレアリーとブライト、アムロを招き、とある人物に会って欲しいと願い出た。

 

 

モノケロースの発令所要員に待機指示を出した後、レアリーとブライト、アムロは下船し、バナージに連れられ、基地内にある官舎のような建物に案内され、応接室に通される。

 

そこでバナージに紹介された人物とは……

「ブライト・ノア艦長、その節はお世話になりました。レアリー・エドベリ艦長、レイ・ハヤセ様…お初にお目にかかります。このような場所までおいでくださり感謝いたします。わたくしはオードリー・バーンと申します」

上品でありながら凛とした佇まい、その意志の灯った大きな目に吸い込まれそうになる錯覚まで覚える。この目の前の美女こそが、ザビ家の忘れ形見、ミネバ・ラオ・ザビだった。

ミネバは、会う前に先にバナージからこの3人の事を聞いていたようだ。

 

レアリーとアムロは自己紹介をし、ブライトも声をかけ、お互い席に着く。

 

「さて、お二方には先に知って頂きたく、わたくしは、かつてミネバ・ラオ・ザビという名でした」

ミネバはレアリーとアムロに顔を向けそう語りだした。

レアリーはこれからバナージが会って欲しいと願う人物とは恐らくミネバ・ザビだろうと、事前にアムロとブライトに伝えられていたとはいえ、本人からその事実を聞き、目を大きく見開く。

だが、目の前の佇まいの人物ならば、そうなのだろうとある意味納得もしていた。

 

「わたくしはザビ家の名を捨て、シュトレイ…いえ、バナージと共に生きると決めました。ですが……、残念ながら地球圏を取り巻く環境は決して安定したものとは言えません。宇宙と地球は今も尚、水面下でいがみ合っております。わたくしはオードリー・バーンとして、何とかしたいとここまで来ました。この30年間、地球連邦政府はますます宇宙市民を締め付けるばかり、それどころか地球に住まう人々まで……。そもそも地球連邦政府は人々の声を聞く耳をもってはいなかったのです。

ここ最近、各サイドの独立の機運が高まっていました。その矢先、フロンティアサイドでのロナ家によるコスモバビロニア建国です。武力による制圧での………

わたくしはこの数年間、将来を見据え、各サイドとの連携をと、懸け橋を作ることに専念してきました。各サイドが一致団結し、連邦政府に対し声を上げていくようにと……、30年前とは異なり、産業や経済は既に宇宙だけでも完結できる時代です。連邦政府も無視できないでしょう。後数年あれば実現できるところまで見えてきたのですが……。

そんな最中でのフロンティアサイドは武力による独立、さらに地球連邦政府に対しての宣戦布告を行いました。

フロンティアサイドの代表の方々とも何度もお話しましたが……、やはりロナ家を止める事が叶わなかったようです。

いえ、既にロナ家とフロンティアサイドは蜜月の関係だったのかもしれません。

わたくし共がこうして連携を取るのを良しとせず、今回の独立に踏み切ったのかもしれません。

ロナ家が宇宙全体の舵取りを行うために……。

この情勢下では、各サイドもこの機会にと独立へと急ぐでしょう。それはもはや止めようがありません。

これも時代の流れなのかもしれません」

オードリー・バーン、いやミネバ・ザビは凛とした声色で一気に語る。

意志の籠ったその目には、たびたび憂いが見て取れる。

そんなミネバの言葉に、この場の誰もが一言も口を挟まず耳を傾けた。

 

「各サイドの独立……そんな事が……いえそれは」

レアリーはミネバの語る話に衝撃を受けていた。

各サイドの独立などとは、今の今迄考えもしていなかったのだ。

そもそもレアリーは連邦軍の士官であり、さらにサナリィというある種の狭い世界の中で過ごしてきた人間だった。地球連邦とスペースノイドとの関係がこれ程まで悪化していたとは思っても見なかったのだ。

だが、クロスボーン・バンガードによる襲撃からのコスモバビロニア建国が目の前で起きた事を直ぐに思い起こし、ミネバの語る話は起こりうる現実だと考え直す。

 

そして次の言葉を語るミネバの表情には悲しみの色が濃く現れる。

「ここ新サイド6議会も独立の方向で動く予定です。しかし、各サイドが個々に動いては、地球連邦政府とは対等な立場での交渉は望めないでしょう……。これ以上人の血を流す事は……」

 

このままだと、また戦争が起きる。

いや、既に戦争は始まっているのだろう。

それはクロスボーン・バンガードが新サイド4フロンティアサイドを襲撃した時から……。

 

しばしの沈黙の後、ブライトはミネバとバナージを交互に見据え、ゆっくりとした口調で聞いた。

「オードリー、……シュトレイも…君らはこれからどうするつもりか?」

 

「この新サイド6の独立に参加します。厄介者でしかない俺やオードリーを受け入れてくれた人たちの思いを無下には出来ません」

ブライトの言葉にバナージは真っすぐに応える。

それにオードリーも深く頷いていた。

 

「……独立に当たっての独自戦力がこの偽装基地という事か」

今度はアムロがバナージに対し、質問をする。

 

「先ほども話した様に、元々はそれが目的ではなかったのですが、今はそう言う事です。ただ、独立に当たって武力行使は避けたい。クロスボーン・バンガードのフロンティアサイド襲撃を見るに、クロスボーン・バンガードは初期戦術に置いて、最小限の戦力を導入し、コロニーとコロニーの住人に被害が出ない様に最大限に考慮したようですが、防衛側の連邦軍が、守るべきコロニーの住民の事等一切考慮せずに、戦線をコロニー内に拡大させ、いたずらに犠牲者を増やしたのみでした。

それに、こちらはクロスボーン・バンガードとは異なり、大した戦力はありません。この廃棄資源衛星を利用した偽装基地は現在戦艦3隻に輸送船2隻のみ、新サイド6が各所に隠している全戦力を集結させても一個師団にも満たない戦力です。軍事力を行使するにしても、厳しい状況にはかわりありません。滞在中の連邦軍艦隊がコスモ・バビロニアに戦力を全て割いてくれれば、まだ、事を成し遂げやすいのですが……」

 

「なるほど。それでモノケロースも戦力として欲しいところか」

ブライトは身もふたもない事を言う。

この最新鋭戦艦モノケロースの戦力は今の新サイド6の情勢下では喉から出る程欲しいものだろう。

 

「申し訳ないですが、渡りに船だと思ってます」

バナージもそれに率直に答える。

 

ブライトは横に座るレアリーの表情を確認してから、バナージとミネバに顔を向きなおす

「レアリー艦長が先ほど伝えたが、滞在の件、少し待ってくれないか?モノケロースの乗組員はサナリィ、ようするに元々連邦軍の人間だ。今となってはお尋ね者ではあるが、そう早く割り切れるものでは無いのでな」

 

「はい、ゆっくりと考えて頂ければ」

「ここを離れられるという結論を出されても、補給だけは行わせてください」

ミネバとバナージはほぼ同時にそう答えた。

 

ミネバとの会談を終え、レアリーとブライトはモノケロースに戻る。

早速、今の件について打ち合わせと、乗組員の意思を確認するためと、補給の受け入れ準備を行うためだ。

 

アムロはというと、バナージに是非見て欲しいものがあると引き留められる。

 

 

アムロはバナージに連れられ、とある施設に向かう。

この偽装基地には、モビルスーツの整備及び組み立て施設が有るとバナージに説明を受けながら到着した工場のような場所には、モビルスーツが何体かハンガーデッキに立っていた。

おそらくここがモビルスーツの整備施設なのだろう。

ギラドーガ系譜が見て取れるモビルスーツ等、ネオ・ジオン系のモビルスーツの姿をしたモビルスーツが立っていた。

 

さらに、バナージは整備施設の奥にアムロを連れて行き、モビルスーツが余裕で通れるぐらいの大きな扉の前に来る。

 

「あなたに会った時から、これを貴方に見せたかった。ハヤセさん…いえ、アムロ・レイさん」

バナージがアムロにそう言いながら、扉の横にある操作盤に手を触れると、その大きな扉は左右へと開かれる。

 

そして、扉の奥に現れたのは……。

 

「まさか!?……なぜ……これが………」

アムロは思わず驚きの声が漏れる。

 

白と黒を基調としたモビルスーツがそこに立っていた。

シンプルでいてバランスの良い完璧なフォルムに、頭部の4つに分かれた黄色のアンテナが際立つ。

見る人を魅了してやまないだろう堂々たる姿は、神々しさまで感じられるだろう。

白地の肩口には、朱色に塗装されたAに似たユニコーンのマーク。

 

そう、アムロが最後に乗ったモビルスーツ、30年前にシャアとの死闘を演じ、アクシズを押し返した愛機νガンダムがそこに悠然と立っていたのだ。

まるで、アムロの帰りを待っていたかのように……

 

「νガンダム。……バナージ、これが何故こんな所に……」

 

「15年前の事です。この資源衛星付近のデブリに漂着したこのガンダムを見つけました。外郭フレームには傷が多数ありましたが、稼働可能な状態で……、そして後で知ったのです。これがあの伝説のパイロット、アムロ・レイが乗った最後のガンダムだと……」

バナージはこの廃棄資源衛星を偽装基地に改装中、モビルスーツによる哨戒を行ってる際にνガンダムを見つけたのだ。

アムロとシャアとの決着の15年後にバナージの目の前に現れたのだ。

それは偶然なのか、必然だったのかは分からない。

あの時、アムロは単独でマクロスの世界に飛ばされた。

主を失ったνガンダムはサイコフレームの共振作用でアクシズから離れ、しばらく宇宙にさまよっていたことになる。

 

「そんな事が……」

 

「申し訳ないですが、このガンダムに残っていた貴方の戦闘データを拝見させてもらいました。……衝撃的でした。アムロ・レイを越えるパイロットは居ないと確信しましたよ。ニュータイプという以前に、貴方の圧倒的な技量は、もはや誰も追いつけないだろうと……、その伝説が今目の前に」

バナージは淡々と話してはいたが、その内心は興奮を抑えるのに精いっぱいだった。

 

「だが……これはいったい」

アムロはνガンダムが今にでも稼働できそうな状態であることをバナージに聞いたのだ。

すでに製造から30年が経った年代物なのだが、見るからによく整備されているのが分かる。

 

「整備は完璧ですよ。直ぐにでも動きます。各種武装も当時の物がそのままです」

 

「よくあったな」

 

「偶然ですね。フィンファンネルというファンネルは、このνガンダム専用で、アムロさんしか扱えないような癖が強すぎる一点物の兵器だったそうです。それを偶然アナハイムの倉庫で凍結中の廃棄同然のとあるモビルスーツを奪いに行く際に、一緒に拝借させてもらった兵器群の中にありました」

バナージは、16年前にアナハイム・エレクトロニクスが所有する倉庫から、とある兵器を奪いに行った。いや、正確には奪還と言った方が良いだろう。そのモビルスーツは元々バナージ・リンクスが譲り受けたものなのだから。

 

「だが、なぜこれの整備を?」

 

「俺にもよくわかりません。ただ、このガンダムを見てると、まだ戦えると言っているのではと感じたんですよ。それに今になって思うんです。俺がこのガンダムを拾い、こうして貴方に会えたのは、貴方とこのガンダムを引き合わせるためだったと……いや、逆なのかもしれない、このガンダムが俺に貴方を引き合わせてくれたのだと」

バナージはνガンダムを見上げながら、どこか嬉しそうに微笑み語る。

 

「………」

 

「このガンダムは貴方にお返ししますよ」

 

「いや、それは……」

 

 

そんな時だ。

警報があちらこちらから鳴り響く。

 

バナージの元にも直ぐに連絡が入り、内容をアムロに伝える。

「アムロさん、どうやら連邦軍の艦船がこの宙域に近づいてきているようです。ミノフスキー粒子の散布も有りませんし、何時もの巡回行動だとは思われます……俺は発令所に戻り一応様子を確認しますが、アムロさん……ハヤセさんはここにいてもらっても問題ありません」

バナージはそう言って、整備施設から駆け足で出て行った。

 

 

「…………ハロ、この廃棄資源衛星周囲の状況を確認してくれ」

アムロはバナージの背中を見送りながら、YF-5のハロと通信を行う。

 

『了解、了解』

ハロはYF-5のセンサー類とこの宙域に待機させている無人機で索敵を行う。

因みに、YF-5の索敵能力はこの宇宙世紀のセンサー類に比べ圧倒的に精度が高い。

 

『アムロ、アムロ、ラーカイラム級艦船1、クラップ級艦船2ガ、128.64.127方向宙域デ待機、クラップ級戦艦5ガ、当宙域ニ向ケテ移動中。傍受データ、新サイド6カラ2師団艦隊出撃……データ送信』

しばらくして、ハロからの通信とデータを確認し、アムロは焦る。

ハロから送られたデータは、明らかにこの廃棄資源衛星偽装基地が連邦にバレ、大規模な襲撃の準備を進めていると出ているからだ。

 

 

アムロはモノケロースにも通信を行い、現状況と、この廃棄資源衛星偽装基地からの早急な脱出の準備を進めるようにと通達。

モノケロースもそれを受け、バナージ側との相互通信を行い、情報交換を行う、そこにアムロも通信で介入していた。

 

バナージはモノケロース側の情報提供に対し返答する。

「連邦軍の戦艦が3隻、この宙域を伺う様に待機していたのは確認いたしましたが、新たに5隻が移動中とはこちらでは確認できませんでした。流石は最新型の戦艦ですね。新サイド6からの2個師団が出撃をしたことはこちらの工作員からの通信で今確認しました。

どうやら、敵艦のコースから、こちらの輸送艦がつけられていたようです。………まずい状況です。いまここで、こちらの戦力を知られるわけには……、しかし……いや、モノケロースは撤退準備を……いざとなれば、こちらで敵戦力を引きつけるまでです」

連邦軍艦隊はバナージの考え通り、バナージ達が乗って来た輸送艦をつけてきていたのだ。

そもそも、新サイド6駐留連邦軍は新サイド6の独立運動の中心人物としてシュトレイ・バーン(バナージ)をマークしていた。

そのシュトレイ・バーンの動きが、連邦軍が張った網にかかったのだ。

輸送艦につかず離れず、斥候艦を動かしていた。

今の今迄、バナージ達に気づかれずに追跡を行った斥候艦の艦長はかなり優秀のようだ。

そして、この廃棄資源衛星がある宙域に潜伏先があると目星をつけ、艦隊を集結させ、襲撃の準備を着々と進めていた。

 

バナージ側からすると、新サイド6が独立を果たすまで、当然保有する戦力を見られたくはない。

だからといって、この宙域にモノケロースが存在する事がバレるのも不味い。

反逆の疑いをかけられてるモノケロースがこの宙域に留まってるとバレてしまうと、新サイド6がモノケロースを匿ったと見られ、連邦はそれを反逆者の幇助とみなし、堂々と新サイド6各施設に強制捜査、検閲を入れる口実とするのは明らかだ。

連邦としては、実際に新サイド6とモノケロースの関りの有無は関係ない、強制捜査により、新サイド6の独立運動の上層部を適当な罪状で拘束し、独立の阻止に動くだろう。

アムロもブライトもバナージやオードリーの話と連邦軍の今迄のやり口から、この事も十分に理解していた。

 

「いや、モノケロースが囮になる方が良いのではないか?少なくとも、新サイド6直接の疑いは避けられる。バナージ達の戦力が連邦に見つかれば、新サイド6が非合法戦力を隠し持っていたと、新サイド6の議会や公社に難癖を付け、抑えられてしまう」

ブライトは通信でバナージにこう提案する。

 

「いや……しかし」

バナージはその提案に渋る。

 

アムロがそこに更なる案を出す。

「レアリー艦長、ブライト、それにシュトレイ……聞いてくれ……俺が囮になる。今ならこの宙域に留まっているのは連邦軍の斥候艦隊は3隻のみだ。だが、巡回中の戦艦が5隻こちらに向かい、さらに新サイド6から二個師団が発進している。集結次第、この宙域は囲まれ、逃げ場はなくなるだろう。だが、幸いにも敵はこの廃棄資源衛星偽装基地の正確な位置は把握していないようだ。俺が集結する前に斥候艦隊3隻に突貫し牽制し、集結前に斥候艦隊を崩せば、モノケロース、さらにこの廃棄資源衛星偽装基地からシュトレイの艦船も撤退可能だろう」

 

「ハヤセ……、既に巡回艦隊の数隻は斥候艦隊に合流しつつある。いくらお前でも……厳しい。それにお前が前に出ようと、既にお前の戦闘機はモノケロースの戦力として連邦側にバレている。どうせバレているのならばモノケロースで、斥候艦隊を叩いた方が良いだろう。幸い、モノケロースは直ぐにでも出撃可能な状態だ」

ブライトは、どうせモノケロースの存在が連邦にバレるのであれば、モノケロースごと突貫

し、斥候艦隊3隻に巡回艦隊の5隻が合流したとしても、囮をしつつ、撤退も可能だろうと踏んでいた。

流石にアムロと言えども8隻の艦隊と対峙するのは無茶が過ぎると思っていたのだ。どんなに優れたモビルスーツだろうと、どんなに優れたパイロットだろうと、最終的には物量にはかなわない。弾丸やエネルギーが尽き、補給を受けられない状態では、いずれ力尽きると……。

だが、ブライトは知らない。YF-5シューティングスターの正式なスペックと、さらに、それを取り巻く無人機の存在を……。

 

「いいや、俺はあれで出る」

しかし、アムロはここでとんでもない事を言い出す。

 

「……まさか?」

「どういうことだ?」

バナージにはアムロの言葉に思い当たる節があったが、ブライトには分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

シュトレイ・バーンの行動を監視していた新サイド6駐留軍の斥候艦隊を指揮していたライル・パーシャル中佐は、シュトレイ・バーンが乗船した輸送船の航路を予想しながら遠巻きに尾行し、この宙域にたどり着いたのだ。

ライルは15年前に解体されたロンド・ベル艦隊、クラップ級ラー・テイムの副官を務めていた。

0093年時の第二次ネオ・ジオン抗争時はラー・カイラムにクルーとして搭乗し、ロンド・ベル艦隊解体後はラー・テイムの艦長に就任し第三軌道艦隊に編入される。

現在、新サイド6駐留艦隊に編入され、ラー・カイラムの艦長に就任、3隻の艦を率い、新サイド6の独立運動の監視任務に就いていた。

 

「シュトレイ・バーンか……、駐留艦隊エース部隊キルケーユニットのレーン・エイムがかなり警戒していたが………ブライト司令がいらっしゃれば、今の我々の事をどう思うやら、クロスボーン・バンガードにはいい様にやられ、守るべきものを守らずして、このような監視を………」

ライル・パーシャル中佐は、シュトレイ・バーンが潜んでいる宙域を見据えながら、ため息をついていた。

ライルはシュトレイの輸送艦はこの宙域のどこかにある秘密基地に向かったと予想していた。周囲の巡回艦に援軍を要請し、包囲網を敷きながら、駐留艦隊の本艦隊の到着を待っていた。

 

 

しかし……

「艦長、熱源を感知!反応からモビルスーツを乗せたベースジャバーと思われます」

ブリッジに索敵担当主任から声が上がる。

 

「こちらの位置が特定されたか?それとも偵察隊か?何れにしろこちらの動向が向こうに知られるのは時間の問題だ。迎撃準備だ。随伴艦及び友軍艦にも伝え、モビルスーツ隊の発進準備を。ミノフスキー粒子の散布はまだまて……敵は何機だ?」

ライルはモビルスーツ偵察部隊だと判断し、各方面に指示を出す。

偵察隊にこちらの位置がバレるまでは、手を出さず、出撃及び攻撃準備だけを進めた。

ここで言う随伴艦とはライル指揮下にある斥候艦隊、グラップ級二隻の事だ。

友軍艦とは、この宙域に援軍に集まってきている。新サイド6の各コロニーの巡回監視任務を遂行し、こちらに合流予定の5隻の事だ。

 

「それが……一機だけです」

 

「たった一機?偵察機か?それにしては堂々とし過ぎている」

 

「友軍艦、セレティウスから打診、モビルスーツ隊で対応するとの事」

この宙域に集まりつつある巡回艦の5隻の内の1隻が、先ほどのベースジャバーに乗ったモビルスーツを戦闘域に捉え、モビルスーツ隊を発進させようとしていたのだ。

 

「勝手な事を……、包囲網の完成を優先させろと返信しろ。モビルスーツの相手はこちらで対応するとな。……連携という言葉を知らないのか」

ライルは友軍艦の協調性の無さにさらに呆れながらも、バックアップ体制をこちらでとる事を思案し始めていた。

セレティウスはこちらの言葉に耳を貸さないだろう事は分かっていた。

そもそも、指揮系統が異なる上に、立場はセレティウスの艦長の方が上だからだ。

セレティウスの艦長は、ジオン残党狩りを主な任務としていた第三遊撃機動艦隊の出身だった。

幾度もジオンの残党と対峙し戦闘経験があった。

だが、それは戦闘とはもはや言えるものでは無かった。

物量に物を言わせ一方的に殲滅するだけだったのだ。

そんな経験がセレティウスの艦長の自信となり、自らの能力を過信し、このような勝手な行動に出たのだ。

 

 

「セレティウスからモビルスーツ隊8機でました。ジェガンタイプ6機リゼルタイプ2機を確認」

 

 

「ふぅ、聞く耳もたずか……、たった一機のモビルスーツに何が出来るものではないが……致し方が無い、包囲網の穴はこちらで埋めるしかないな、随伴艦にポイント5-57に移動開始すると伝えろ」

ライルは通信士にそう命令を下した矢先に……

 

「か、艦長!せ…セレティウスのモビルスーツ隊、次々に沈黙です!」

 

「なにをやってる?たかが一機に?モビルスーツ隊の質もお粗末だということか?」

 

「艦長!戦闘宙域を超望遠カメラで捉えてます。映像だします!」

索敵主任が叫び気味でライルに伝えると同時に、正面の空間に、戦闘宙域の映像が大きく映し出される。

そこには白と黒を基調としたモビルスーツが次々とモビルスーツを行動不能にする姿が映し出されていた。

 

「な!?……あれは!?あり得ない!!νガンダムだと!?バカな!!」

 

「艦長!あのモビルスーツを知っているのですか?」

 

「いや……あの動き………まさか?いやあり得ない!!アムロ大尉は30年前にMIA(戦場行方不明者)に!?いや……あの状況で生きておられた?いや、ありえない!……νガンダムに似せただけだ。こちらの戦意を削ぐつもりか?いや、独立の象徴にするつもりなのか!?」

ライルは次々と友軍艦のモビルスーツを無効化していく、ガンダムタイプのモビルスーツを目の当たりにし、混乱に陥る。

そう、そのガンダムタイプは、ライルが30年前ロンド・ベル艦隊のブリッジ要員だった頃に、艦隊の絶対的エースにして、連邦最強のパイロットとして名を馳せていたアムロ・レイの乗機νガンダムだったのだ。

当時のラー・カイラムのブリッジから、νガンダムの勇士をその目に焼き付けていた。

 

「か……艦長……、セレティウスモビルスーツ隊全機沈黙。さらにセレティウスはメインエンジンを破壊され、行動不能に………。たった一機で……まるで、伝説の白き流星……」

通信士は驚きと共に恐る恐るライルに報告する。

 

 

「フィン……ファンネル…だと………まずい。全艦戦闘準備だ!ミノフスキー粒子散布!迎撃態勢!戦闘域に突入後モビルスーツ隊出撃も絶対にあのモビルスーツに近づくな!遠距離射撃に従事しろ!相手の射線に入れば即撃墜される!ランダム機動を忘れるな!艦は全方位対空砲火を絶やすな!敵が見えなくとも弾を撃ち尽くすまで撃て!随伴艦及び友軍艦にも伝えろ!!」

ライルの命令は、まだ遠方で、しかもたった一機のモビルスーツに対してとるようなものではなかった。

だが、ライルは焦っていた。もし、あれが本物のνガンダムで、操縦者があのアムロ・レイだったのなら……。

第二次ネオ・ジオン抗争時、シャアの新生ネオ・ジオン掃討作戦のアムロ・レイの扱いは異様だった。

たった一機で大隊扱いだったのだ。

実際に、新生ネオ・ジオンのモビルスーツ隊の凡そ半分、νガンダム一機で引き受けていたのだ。

その上で、敵のエースや総帥であるシャア・アズナブルを撃墜という戦果を挙げている。

そのアムロ・レイとνガンダムがもし敵として、目の前に現れたのなら……笑えない冗談にも程があるのだ。

 

「え?……」

ライルの命令にブリッジ要員は皆、戸惑っていた。

それは当然だろう。モビルスーツ一機に対する迎撃態勢ではないのだ。

艦隊戦、しかも、こちらが圧倒的に不利な状態での迎撃戦を想定するかのような命令だった。

 

 

「何をやってる準備を急げ!!但し、命令まで絶対に動くなよ!!随伴艦にもだ!!」

ライルは立ち上がり怒声を上げて、叱咤する。

 

「「「りょ、了解」」」

 

「………アムロ大尉のはずが無い…だが」

ライルは叱咤した後に、ポスンと艦長シートに背中を預け、一人呟いていた。

 

 

 

 

 

少々時間を遡る。

 

「νガンダム……コクピットも当時のままだ。操作性も問題なさそうだ。よく整備されている」

アムロはνガンダムの各種機動を確認しながら、呟いていた。

 

今、アムロはνガンダムに乗り、ベースジャバーで斥候艦隊へと単騎で向かっていた。

アムロはバナージとブライトを説得し、囮及び殿(しんがり)をかって出たのだ。

アムロのνガンダムが斥候艦隊と対峙し、引き付けている間に、廃棄資源衛星偽装基地から、モノケロース及びバナージが率いる艦隊を脱出させるという物だ。

もちろん、証拠隠滅のために偽装基地内部を爆破し破壊を行う準備も行っていた。

 

νガンダム単騎が斥候部隊や連邦宇宙軍に接触した所で、新サイド6側のバナージの艦隊やモノケロースとの関係性は分かり様がない。

既に連邦と対峙してしまったYF-5、F91、F90が出てくれば、モノケロースがこの宙域に居たと言う証明になってしまうが、νガンダムは30年前にロスト機として登録除外され、それ以降表に出て来ていないモビルスーツだ。所属不明機と認識されるだろう。

この宙域に現れた事から状況的に新サイド6側が隠し持っていたと疑われるだろうが、鹵獲しない事には確たる証拠とはなりえない。

 

こうしてνガンダムが殿を行う事で、新サイド6が非合法戦力を隠し持っているという直接的な証拠が残る事は無くなる。

ある程度の状況証拠として疑われはするが、新サイド6側に臨検を行う程のものとはならないだろう。

 

アムロはそこまでの考えを伝え、ブライトとバナージを説得し、νガンダムと共に宇宙空間を突き進む。

 

 

「ハロ、無人機を誘導し、バックアップを頼む」

『了解、了解』

アムロはモノケロースで待機しているYF-5のハロに通信を行う。

この宙域に警戒網を張っていた無人機4機は、ハロに従い、νガンダムのバックアップを行うために、つかず離れずで追従していた。

 

(新サイド6を出た二個師団が合流する前に、斥候艦隊を排除、いや排除できなくとも交戦し、斥候艦隊が次の行動に移す事が阻止できれば、モノケロースとバナージの艦隊は容易に撤退出来る)

 

νガンダムが斥候艦隊の索敵宙域に入った頃、斥候艦隊への援軍移動中のクラップ級セレティウスが8機のモビルスーツを出撃させ、νガンダムに横やりを入れて来たのだ。

 

(ジェガンタイプが6機、あれはリガズィ2機、いやZⅡの改良機か……ジョブさんの情報通りか、未だに30年前の設計思想のモビルスーツがこうして現役とは………いや、こちらも同じか……)

連邦軍のモビルスーツの90%以上が未だ30年前と設計思想が同じ旧世代型のモビルスーツだ。それどころか30年前に作られたモビルスーツがそのままマイナーチェンジを繰り返し現役で配備されていた。

アムロは目の前に現れたモビルスーツ隊が30年前の第二次ネオ・ジオン抗争時の編成と変わらない事に、眉を顰めていたが、自分の乗機も同じだと思い起こし苦笑する。

月を脱出する際、アナハイム駐留艦隊との交戦は、新世代型の小型モビルスーツ部隊同士の戦闘であったが、今回はまるで30年前に戻ったかのような様相にさらに苦笑する。

 

 

(行くぞ!)

νガンダムはベースジャバーから離れ、上下から挟み撃ちのようにビームキャノンを撃ちながら突撃を敢行するモビルアーマー形態のリゼル2機に対し、アムロはビームキャノンを避けながら、上から突撃するリゼルに突っ込み、ビームライフルでの精密射撃で、リゼルの左足部に当たるユニットを吹き飛ばし、バランスを崩した所を、後ろに回りもう一機のリゼルの射線の盾にしながら、ビームサーベルで上半身両翼部に当たる腕部を素早く切り落とす。

 

(ビームサーベルはやはり使い勝手が段違いか……甘い!)

 

一機のリゼルを盾にしながら戦闘不能にした後、下から迫って来るモビルアーマー形態のリゼルをビームライフルで、左足部、右腕部、接続部を正確に撃ち抜き、行動不能にする。

 

まるでその場所にνガンダムが来るのが分かっていたかのように、ベースジャバーがその場に現れる。

 

再びベースジャバーに乗ったνガンダムは、遅れ来るジェガン隊にビームライフルだけで、次々と急所を撃ち抜き、行動不能に陥らす。

 

砲撃タイプのジェガンが2機残った所で、アムロはフィンファンネルを分離し、戦艦へと飛ばし、砲撃タイプのジェガンもビームライフルで急所を撃ち抜き、行動不能に。

それと同時に、クラップ級戦艦セレティウスのメインエンジンはフィン・ファンネルの高出力ビームにより、破壊された。

 

(ZⅡタイプの兵士は多少戦い慣れはしていたが、ジェガンタイプはまるで素人のような動きだった)

 

(νの反応速度が以前より上がってる?……フィン・ファンネルも以前よりも反応もいいようだ。サイコミュの出力が上がっているのか?)

アムロがそう思うのも無理もない。

はた目から見ると今のνガンダムのコクピット周りからエメラルドグリーンの光が漏れているように見えているはずだ。

サイコフレームがアムロのさらに高まったニュータイプ能力に反応し、オーバーロードに近い反応を示しているのだ。

実際に今のνガンダムはスペック以上の能力を発揮していたのだ。

 

 

 

 

アムロは再び、斥候艦隊にνガンダムを向けるが、途中で、斥候艦隊に合流し包囲網を築くはずの巡回艦2艦が無謀にもアムロのνガンダムに攻撃を仕掛けてくる。

 

だが、2艦のモビルスーツ隊、戦艦共に、アムロのνガンダムに苦も無く淡々と行動不能に陥らされていく。

1艦に限っては、全く攻撃も出来ずに、フィン・ファンネルの餌食に……

 

 

アムロはさらに進行し斥候艦隊を攻撃射程圏内に捕らえたのだが……、

「ラー・カイラムか?形状は変わっているが……停戦信号?」

 

斥候艦隊の先頭艦(ラー・カイラム)から停戦を示す信号弾が放たれ、さらにライトによるモールス信号で停戦の意思を伝えて来たのだ。

 

モールス信号の内容はこうだった。

『我ガ艦ハテッタイ・貴官ノ武運ヲイノル』

 

斥候艦隊ラー・カイラムの現艦長ライル・パーシャル中佐は、次々に艦を無力化するνガンダムの戦闘を見て確信した。

あのνガンダムは本物で、パイロットはアムロ・レイだと。

そう確信したライルは、アムロ・レイに弓を引くことは出来なかった。

あの第二次ネオ・ジオン抗争をロンド・ベル艦隊の一員として参加していたライルの中では、アムロ・レイの存在が大きかったのだ。

実際にあの抗争の最大の功労者はアムロ・レイであったのは、ロンド・ベル艦隊の誰もが知っていた事実である。

それに、アムロと交戦したとしても被害が拡大するだけのことだと……

ライルはこの地球圏を取り巻く情勢下で、アムロの存在は再び希望の光となるだろうと、出来れば自分も一緒に戦いたいという思いを秘め、そして撤退を決断したのだった。

 

 

斥候艦隊は反転し撤退。

 

 

 

 

(何とかなったか…………。νガンダムはしっくりくる。サイコミュシステムにサイコフレーム、フィン・ファンネルの有用性は高いな。やはり近接戦闘ではビーム・サーベルは必須か)

アムロのνガンダムはモノケロースの元へと戻っていく。

 




次はいよいよ。
アムロばれがちょっとあるかも?
前作に出て来たあの人がでるかも?


補足説明。
〇レーン・エイム(閃光のハサウェイ)
ペーネロペーのパイロット
劇中後半ではハサウェイに太刀打ち出来る程の力量にまで成長していく。
一応強化人間らしいですが、昔のような強化人間特有の精神的不安定さは低減されてる。
0123年だと、ハサウェイの同じ歳だとすれば、43歳。
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