やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

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やはり決着が着いた後にグダるのは間違っている。

 さて坂崎のご隠居の昔語りも終了した訳だが、葉山には事の最初っから聞かせてはいないながらもご隠居の話は身に包まされるものがあったんじゃないだろうかと俺は思うんだが。

 何某か力を欲していた感のある葉山だが、この話を聞いた上で力って物について葉山なりに考えてみて欲しい、きっと川崎もそう思ってご隠居の話を聞かせようと判断したんだろうし。

 

 「フゥーッ、ハァーッ、フゥーッ、ハァーッ……。」

 

 「スゥーッ、ハァーッ、スゥーッ、ハァーッ……。」

 

 それじゃあ此処からはリング上の材木座とJrに注目するとしよう、リング上にて互いに目を合わせながらラストアタックの為の力を引き出す為に繰り返される呼吸。

 その甲斐あってか乱れていた二人の呼吸も僅かながら回復している様だ、身体の動きもそれに比して軽やかさも少しは取り戻せているし、Jrは構えをアップライトにし一方で材木座は現状構えらしい構えを取らず両手を下げ左半身を前方に半身の体勢で身構えている。

 

 「矢吹丈の両手ぶらりを気取ってる訳じゃ無いんだろうが、材木座の奴何かやるつもりなのか。」

 

 俺がそう洩らした矢先材木座はアクションを起こした、グッと拳を握り込み右手を腰のあたりに添えて左手はほぼ直角に肘を曲げて拳を前方へ顎の高さ辺りまで上げ、左脚を前に右脚は後で両膝は軽く曲げた状態を作り、そして気合の声を張り上げる。

 

 「はあぁーーーーーー…………!」

 

 それは所謂某龍球でお馴染みの気合い注入の所作だった、材木座は残されたありったけの力を気を練る事で底上げし渾身の一撃を繰り出す気でいるって事だ。

 

 「ヌッ!Woooooォォ!」

 

 Jrもまた材木座がやろうとしている事を理解したようだな、負けじと気力を絞り出す様に吠える。

 

 「これは二人共やるみたいだね。」

 

 「ああ、だろうな。」

 

 「ふむ、二人共に最後にとデカい花火を打ち上げるつもりか。」

 

 川崎と俺そして坂崎のご隠居が続けて口を開くが、三人が共に同じ結論に至っている。

 

 「はちくんはちくん、一体中二先輩とJr君が何をやるって言うんですか、坂崎のおじいさんが言う花火って何の事でしょう。」

 

 普段と変わらぬちょっとあざとさを感じさせる口調でいろはが説明を求める、まぁ格闘技に慣れ親しんでなければ解らないってか想像が至らないって面もあるんだろうし、いろはだけじゃ無く多分結衣も解ってはいない筈だ。

 雪乃は藤堂さんに古武術を習ってたっ言うしもしかしたら理解しているかも知れないけど、此処はザックリとでも説明せねばなるまい。

 

 「あのだな、今材木座とJrは最後の力を互いにぶつけるべく気を高めているんだが、あの気の高まりからすると二人共最後の一撃は超必殺技もしくは潜在パワーマックスの技を撃ち込むつもりなんだよ。」

 

 と、俺は本当にザックリといろは達に説明して差し上げましたとさ、わ〜っ八幡って易しく説明してくれるフレンズなんだねっ、てぇ『誰がフレンズやねん』と自分で突っ込んでおく。

 

 「ふぇ!?超必殺技ってハッチンのパワーゲイザーとかヒガシさんのスクリューアッパーとかのすごい技の事だよね、大丈夫なのかな中二もJr君も…」

 

 俺の説明に結衣が二人の事を心配し気遣う、普段は材木座の言動に駄目だしをする結衣だが基本的には優しい女子なんだよな。

 

 「絶対に大丈夫とは言えないけど、二人共オタクではあるが普段から鍛錬は欠かしていないからな、まぁ大丈夫だろう多分。」

 

 仮にも格闘の世界に足を踏み入れた二人だからな、たとえ体力は消耗していたとしても耐久力や回復力はそれなりにある筈だろう。

 

 「ハァーーーーッ……フンッ!」

 

 「Wooooッ……フッ!」

 

 俺達がそんな事を話しているうちにリング上の二人の気力充填は完了し二人揃ってほぼ同時に構えを取り直す、此処から二人のラストアタックに向けて臨戦態勢へと突入する訳だ……何て事を俺も感染する皆もは思っていたんだが、忘れちゃいけない事がある。

 

 「ヘィ!ケンゴー、オマエとここデやり合っタA few minutes(数分間)サイコーに楽しカッタぜ、マジでこの国ニキて良かっタぜ。」

 

 「うむ、我もだJrよ!我が初陣の相手が貴殿で在った事を生涯の誇りとしようぞ。」

 

 構えは崩さずに二人は数メートルの距離を置き対峙しながらも言葉のキャッチボールを始める、今の所は二人共互いの健闘を称え合っているが。

 

 「臆病者の我がこの様な場に立とうとはな、面白いよ世の中は……。」

 

 「最高だぜ……。」

 

 そのセリフにネタを入れ始めた、そしてニヤリと二人して嗤うと同時に俺に瞬間的に視線を送り、直ぐに改めて互いに目線をロックオンしその身にグッと力を込めて駆け出す。

 

 「イクぜ、これガ俺達の!」

 

 「最後のスーパーブローだ!」

 

 此処でぶっ込んで来たのは何となく解っちゃいたがやはりリンかけだった、これはアレだ二人が技を出したあとに俺に言わせたいんだな『銀河が泣いた!』と『虹が砕けた!!』ってさ、ってかどっちが竜児のウイニング・○・レインボーでどっちが剣崎のギャラクティ○ファントムのつもりだよ、その辺はっきりしようやお二人さんってそうだと判ったとて俺はやらないからな、流石に此処でやっちゃアンディ兄ちゃんと小町からこっ酷くどつかれるのが目に見えてるし。

 しかしリンかけってパチマネーでアニメ化したけどやったのは世界大会編までで、残りのギリシャ十二神編も阿修羅一族編も最後のプロ編もアニメ化して無いのに、何でJrは知ってんだよ。

 

 「ヌッ!Wooom!」

 

 互いに向けて駆け出した二人だったがいち早くJrは駆けるのを止め、左脚を前にして両脚でグッとマットを踏み締めると打ち下ろしの右を放つべく大きく振りかぶる。

 対する材木座はまだ止まらずに駆けながら右拳に気を集約し始める様で右の拳が淡い光を放っている、その光はまたたく間に強い光となって材木座の拳から肘の手前辺りまでもを覆ってしまう。

 

 「フンッ!征くぞッ!」

 

 材木座はJrの内懐へと軽く身体を屈めダッキングを交えて潜り込みそして、腰だめにしていた右の拳を上方へと打ち上げる様に振り上げる。

 

 「我ぁ道ぉーッ!」

 

 力を貯める様に右の拳を振り上げていたJrの法も材木座とまるでタイミングを併せたかの様に、その右腕を材木座の顔面目掛けて打ち下ろし。

 

 「ウォーッ、FinalOmega Shoォォォーッ!」

 

 「晃ォ龍拳ッ!」

 

 そしてまた材木座もJrの下顎目掛けて気を纏った拳をアッパーカットのモーションで打ち込む。

 『ゴォーッ』と風切り音を響かせて二人の拳が上と下から振るわれる、そしてそれはほぼ同時に材木座の顔面とJrの下顎を鈍く肉と骨を叩いた音を轟かせながら捉える。

 

 「ウグァっ」

 

 顎を強かに叩かれたJrの口から苦悶の呻きが漏れ、更にその衝撃にJrの頭が材木座の伸びゆく右拳につられて跳ね上げられる。

 

 「うぅガァーッ!?」

 

 対する材木座は顔面でJrの打ち下ろしの右に叩かれるのもお構い無しに、強引に足腰のバネの力を加えて右拳を打ち上げる、そして振り抜くと同時に両脚がマットから離れた。

 この勝負材木座の勝ちだ、この瞬間迄おそらくはこの闘いを見守る誰もがそう思っただろう、顔面に強打を受けかなりのダメージを受けただろうにも拘わらず気合でそれを我慢して最後まで技を出し切ったんだからな、しかし。

 

 「なぬっ!?うごぉわー……………ぐぶぉっ……。」

 

 材木座が空に飛んだその瞬間、Jrが放った超必殺技ファイナルオメガショットにより発生した、強烈な衝撃波により材木座はふっ飛ばされ背中からマットへと強かに叩き付けられた。

 そして時同じくしてJrもまた材木座の我道晃龍拳の破壊力により空へと打ち上げられ、材木座同様背中からマットへと叩き落された。

 

 『…………………。』

 

 観戦者達はこの事態に啞然呆然、誰もがこの意外な結果に言葉を無く沈黙に支配される。

 

 『ダッ……ダブルノックダウン、カウントします!』

 

 マイクを片手に店長がそう宣言しカウントを始める、因みにこの場合テンカウント以内に立ち上がったほうが勝者となるんだが。

 

 『ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ……』

 

 どっちだ、どっちが勝つんだ、と俺達とは無関係な観戦者達が口に出しざわつく中で俺達格闘家はこの闘いがどの様な結末を迎えるのか既にもう見えていた。

 

 「立てんよ、超必殺技がいや、潜在能力が互いに直撃しあったのだ二人共もう既に意識は無かろう、たとえあったとてテンカウント以内には立てまい。」

 

 カウントが続く中で坂崎のご隠居がそう断言する、その言葉に俺達も異論は無い俺も川崎も坂崎のご隠居の言に二人揃って頷く。

 そしてやはり坂崎のご隠居が言う様に材木座とJrは揃って意識を手放してしまっている事が確認出来た、それにより店長がマイクを通し店内スピーカーに乗せ拡声された声を響かせる。

 

 『……カウントの続行を停止します、この試合ダブルノックアウトによりドローとします。

 皆様、出来ますれば素晴らしいファイトを繰り広げた二人のファイターに惜しみない拍手をお願い致します。』

 

 

 

 店長よりの裁定が降され此処に日米重量級オタク対決は引き分けと発表、多くの観戦者達から二人に対し惜しみの無い拍手が贈られる。

 超電磁フィールドウォールが解除され春日野先生は直様リングへ登ると材木座の介抱を、アンディ兄ちゃんと舞姉ちゃんがJrの介抱の為に二人もリングへと登る。

 

 「ふむ、次世代を担う若き闘士達の闘い実に見事であったな、しかしあのままでは暫くは二人共目を覚まさんだろうからな、ここは一つワシが覚まさせてやろうかの。」

 

 闘い終わった戦場たるリング上を見つめ坂崎のご隠居は二人の闘志に称賛の言葉を述べると二人を目覚めさせると言ってリングへと向かい行く、俺と川崎もまた頷き合ってご隠居の後を追いリングへ登る。

 

 「どれ、お嬢さんここは一つワシに任せてくれまいかな。」

 

 そして材木座の上体を起こし支えている春日野先生へそう告げると、材木座の肩から首筋辺りに掌を当てると僅かに気を高めて「フンッ!」と気合一閃、材木座に気を当てると。

 

 「………はっ!?」

 

 材木座は直様目を醒ましキョロキョロと周囲を見渡し、己の置かれた状況をなんとはなしに理解した様だった。

 しかし初めて見たわ、良く時代劇で見る気を失っている人を起こす時に気付にやる所作っぽかったよな今の、凄えな極限流ってか坂崎のご隠居が凄いのか。

 

 「……我は、勝負は終わったのでありましょうか先生………。」

 

 材木座は、勝てなかった事を無念とでも思っているのだろうか、それだけを口にすると落ち込みを見せて俯いた。

 問われた春日野先生は優しい眼差しで材木座を見つめその背中を擦りながら静かな口調で材木座に声を掛けた。

 

 「顔を上げなよ材木座、君は初陣で立派に闘い抜いたんだよ自分よりもキャリアが上の相手をね、その相手に対して最後まで諦めず互角に闘って相討ちにまで持っていったんだからね、この試合を見た人達とそして君と闘ったJr君は知った筈だよ、拳豪将軍材木座義輝と言う一人の格闘家の将来の可能性をね。」

 

 春日野先生の自身に対する高い評価を聞き材木座はまるで狐につままれるって表現がピタリと当て嵌まりそうな、心底意外だって思いがその表情に如実に表れている、そんな状況にあって更に今度は坂崎のご隠居が材木座の肩に手を置くと威厳たっぷりの良く通る声で告げる。

 

 「春日野殿の言う通りであるぞ材木座少年よ、お主は師にそう評されるだけの闘いをこのリングの上で見せたのだ。

 ほれ顔を上げよそして胸を張るのだ少年よ、そしてこれからも精進を続けるのだぞ。」

 

 坂崎のご隠居もまた材木座の事を高く評価し称える、戦う勇気を持たなかった男が師の言葉に奮起し初めて闘いそして高い技巧を見せたんだからな。

 

 「……あっ、ありがとうございますご老人、恐縮であります。」

 

 材木座からの返礼に「うむ」と頷き坂崎のご隠居は立ち上がるとJrの方へと身体の向きを変える、これから材木座と同じ様にJrの気付けを行う為だろう。

 

 「あっ、お待ちくだされご老人、貴方の名をお教え下さい。」

 

 背を向けた坂崎のご隠居を引き留め材木座はご隠居の名を聞こうとするが、いやさ材木座ェ………。

 

 「ふむ、ワシは坂崎拓馬、今はしがない隠居のジジィよ。」

 

 一言坂崎のご隠居は名を告げるとそのままJrの元へと歩を進める、残された材木座は惚けた表情と声音でぼそりと呟く「まさか……あの御仁が極限流空手の創始者……」と、てかお前最初に春日野先生が言ってたよね坂崎のご隠居の事をさぁ、聞いてなかったのかよ。

 

 「お前は、その極限流の創始者に認められたんだよ。」

 

 俺は取り敢えず突っ込むことは止めて材木座にそう言いながら右手を差し出し立ち上がらせた。

 

 

 

 「ハーッ、ハハハハハッァ!タノシカったぜケンゴー、いつかコノconclusion(決着)ヲ付けようゼ!」

 

 材木座と同じ様に坂崎のご隠居によって起こされたJrがリンクを降りると、早速とばかりに材木座に駆け寄りその背中をバンバンと叩きながら再戦を要求しやがった。

 材木座はそんなJrの勢いに若干しどろもどろになっているが満更でもなさげに笑みを浮かべていた、んだが。

 

 「痛っ……Jrよ流石に痛くなってきたぞ、叩くのを止めてくれまいか。」

 

 「Oh!sorry、コイツはスマねぇナ。」

 

 とまぁこんな感じで二人仲良くジャレているんだが、お約束と言うか何と言うべきか賢明なる読者諸氏にはもうお解りだろうが、その光景を見て赤い眼鏡を光らせてハァハァと………いや面倒だから言うまいか。

 俺にその火の粉が降りかからないならモウマンタイでわよだからね。

 

 「トコロでヨ、ケンゴー、お前に聞きたいことがアル。」

 

 ガシッと材木座の肩に手を回して抱き寄せたJrはそう切り出す、そしてその光景を……ってもう彼女の事は無視の方向で行こう。

 

 「何であろうか」と材木座が尋ねるとJrは真剣な声音で本題を切り出したんだが。

 

 「ケンゴー、オマエのイチ推しの声優さんは誰だ?」

 

 そのあんまりな内容に周囲の皆はズッコケそうになったんだが、そりゃある意味当然だわな、二人がオタクだってのはリング上でも曝け出されていた事だが降りて早々最初の会話がこれだ。

 何かこの一言でさっき迄の二人の健闘を称える空気が瞬時に霧散した様な、そんなアレな空気が漂う中で。

 

 「我イチ推しのであるか……そうだな我はほぼ全ての声優さんをリスペクトしているが強いて上げるならば、やはりみっ水瀬い○りさんであるかな。」

 

 若干照れつつも我が意を得たりと材木座はイチオシ声優さんの名を公言した、ああうんコレは俺も解るわ〜超わかるまである。

 

 「ガーッハハハッ!ソウカよいの○んさんカヨ、オマエ解ってんナぁケンゴーヨォーっ!良いヨナい○りんさん、レムもヘスティア様もスヤリス姫もチノちゃんも、Ohッ上げれバ切がねぇがもうサイコーだゼッ!」

 

 Jrも材木座に同意し、一人ハイテンションに盛り上がり周りをドン引きさせている、何かアレだな漫画やアニメとかで見るステレオタイプって感じのハイテンションヤンキー兄ちゃんをまんま具現化させたっぽいんだよな、今のJrのテンションは。

 

 「そうであろう、そうであろう、お主も解っておる様だなJrよ!ヌッハハハハ〜ッ」

 

 それに連られて材木座もテンションが爆アゲでJrと語り合う、俺以外にオタク方面の話が出来る相手が居なかった事もあるのかもだが、何時ものウザい材木座が顕現しやがった。

 こうなると材木座の相手するのはスゲえかったるいんだよな、ってかもしかしたら俺も皆にそう思われてんじゃないかと思わないでも無いが、哀しい現実からは今は眼を逸らそう。

 

 「オウ当然ダゼ、だがなケンゴー、確かニいのり○さんはサイコーだ、ソイツは否定シないゼ、しかしオレは違ウ人ヲ推すゼ!」

 

 右手をチッチッチッと手首辺りから左右に振り(グローブを取ってないからそんな仕草になってんだろうが、無かったら多分人差し指を立ててやってるな)ながら勿体付けてJrは一旦言葉を切る。

 

 「してお主のイチオシとは?」

 

 こう言ったお約束は外さない材木座が真剣な声音の演技をつけてJrに問う、それに気を良くしたJrはニヤリと笑いその答えを述べる。

 

 「オレのイチオシの声優さん、それはりえ○ーさんだっゼ!」

 

 そして繰り返される、先のやり取り二人はり○りーさんこと高○李依さんの出演作や役柄のことで盛り上がる。

 えっ、お前も二人の話に加わりたいだろうって!?まぁその気持ちは大いにあるんだが闘い終えた二人の盛り上がりに水を指すのもアレだろう、何かクラスで誰かが興味のある話で盛り上がってる所にしゃしゃり出るように加わろうとしてそれまで話していた連中からちょっとアレな感じで、可哀そうだから加えてやろうぜ的な雰囲気とか醸されたら居た堪れないだろう、そういう事だよ。

 

 てな事を思っていた時期が俺にもありました、しかし……。

 

 「ヘィ、ハチマンオマエのイチオシ声優さんハ誰ダ!?」

 

 Jrがメッチャ良い笑顔で俺にも振ってくれた、べっ別に嬉しくなんか無いんだからねっ!

 しかしまぁ問われたからには答えてやるのが世の情けってヤツだし、それを答えるのも吝かでないから答えてやってもいいんだよ、こんなサービス滅多にしないんだからね。

 

 「おっ、俺のイチオシか……そうだな俺はやっぱりすみ○さん、上坂す○れさんかな。」

 

 若干吃ってしまったが俺も答えたよ、答えましたともさすみ○さんめっちゃ可愛いよな、否毛深いよな。

 材木座もJrもこの答えには納得してくれるだろう、そう思って俺は二人の反応を待っているとそこにまるでちょっと待ったコールを掛けるかの如く。

 

 「ちょっとあり得ませんよはちくん、其処はあや○るさん、佐倉綾○さんの名前を出す事がはちくんの使命なんじゃないですか!」

 

 「そうだよハッチン、此処はな○ぼうさん、東山○央さんの名前を出さなきゃだよハッチン!」

 

 「ええ、八幡君貴方は今ミスを犯したわ、それは此処ではや○んさんの早○沙織さんの名を出さなかった事よ、なので今すぐ訂正して早見○織さんと答えなさい。」

 

 いろはと結衣と雪乃が訂正を迫る、それはもうとても良い笑顔と仄暗く虹彩を消した瞳をもって迫りくる、ズイズイと三人揃ってそれぞれの中の人をイチオシに挙げよと俺に詰め寄ってくる。

 

 「えっと、八幡師匠、私は諸星○みれさんが良い。」

 

 俺のジャンパーの袖をちょこんと摘んで留美まで参戦して来た、こりゃもうグダグダでカオスが過ぎんじゃね収拾も付けらんないでしょうが、もうマジ勘弁して下さいオナシャス。

 

 

 

 

 

 

 「ドウだハチマン、ちゃんト手も洗って来たゼ。」

 

 あの後、年長者の皆さんのおかげでカオスな状況に終止符が打たれ、Jrはグローブを外し材木座に付き添わせ洗面室で念入りに手を洗わせて、今は俺達が陣取っていたテーブルに戻って来たところだ。

 

 「お〜、ハイハイ臭くない臭くないってか早く会いたい座れって。」

 

 春日野先生と材木座、そして葉山達が来た為に人数が増えてしまった為に店員さんが気を利かせてくれ人数分の椅子を用意してくれた(まぁ其処は説明しなくてもよかったか)其処に戻って来たJrをあしらい着席させる。

 

 「オーケーオーケー!」

 

 陽気な仕草と声音で答えながらJrが着席すると、お調子者だがコミュ力の高い戸部がいち早くJrへ話し掛け日米高校交流が始まった。

 

 「ねぇねぇJr君はBLに理解はある方かな、誘い受けは好き?それとも襲い受けかな!?」

 

 「ちょっ…姫菜落ち着くし、てか外人にまでアンタの嗜好を広めるなし!」

 

 何てお約束な展開を繰り出しながらもそれなりに楽しい時間は過ぎて行く。

 

 「それじゃあ皆さん私は此処で一旦失礼させていただきますね、後ほど会場の方でお会いしましょう。

 香澄おば様も久し振りにお会い出来て楽しかったですよ、近い内に私も道場の方にお伺いしますね。」

 

 雪ノ下家のぱぱのんとままのんの名代として花火大会の協賛スポンサーとして開会式に参加する為雪乃の姉、陽乃さんがパオパオカフェを後にするが残った俺達は今少しこの場に居なければならない訳があるんだが、それは後程な。

 

 「トコロでケンゴー、今回は決着ガ着かナかっタが、次にヤル時にハはっきりサセようぜオレとオマエ、どっチがハチマンのイチバンのダチかヲよ!」

 

 「応よっ、次こそは必ずな!」

 

 Jrと材木座は互いに拳を突き合わせて再戦と、何だかよくわからない戯れ言をほざいている、それを聞いて腐女子さんは毎度の如く妄想タレ流し状態に陥るし、俺はその謂われない妄想をこれ以上広げさせたくないし、その為には言っておかなければならない事もある。

 

 「ああ、そのだな、二人で盛り上がっているところ悪いんだが、俺の一番の友達は材木座じゃ無い。」

 

 それを俺はハッキリと突き付けねばならない、心を鬼にしてもな。

 




我道晃龍拳。
材木座の超必殺技及び潜在能力。
超必殺技版は技の発生から材木座の拳が自身の顎の高さに到達すると無敵時間が切れる為対空には不向き。最大3ヒットする。
潜在能力版は拳を振り上げ材木座が飛び上がり両脚が地から離れた瞬間無敵時間が切れる為、相手を引き付けなければ対空技としては厳しい。最大5ヒット。
今回材木座が放ったのは潜在能力版であった為に材木座の脚がマットを離れた時点で無敵時間が切れJrのファイナルオメガショットにより発生した強烈な衝撃波によりふっ飛ばされました。
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