やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。 作:佐世保の中年ライダー
闘いを終え不本意ながらも俺の相棒的立場を得る為に再戦を約す材木座とJrに対して、俺は毅然とした態度で歴然たる事実を突き付ける。
「なん……だと、相棒よ……あいやさ八幡よ、なれば我は貴様の友では無いとそう言うのか!?」
物凄い悲壮感と不満をこれでもかと積載オーバーした様なリアクションを取りながら材木座が俺に問う、しかし材木座はこう言った茶番をやらせると妙に上手いんだがコイツ案外役者とかやれるんじゃね、コミュ症を改善出来ればだけど。
「OhNoっだゼっハチマン、ソリャあ無いんジャねえのカよ、ケンゴーはこんなにおもシれーヤツじゃネエかよ。
それヲ、ダチじゃネエトはオレは納得イカねぇーゼ!」
Jrは対して何の混じりっけも無い真剣な態度で、本心から材木座の事を擁護する様に異議を唱える。
俺や材木座と同様にネタ好きではあるが、どちらかと言うとってかどう見ても陰キャに属するだろう俺達と違って陽気で大雑把な感のあるJrだが、日本人で言うところの義理人情的な精神を持ち合わせている様だし良いやつだな。
「いや待てってJr、何も俺は材木座を友達だと思って無いって訳じゃ無いからね、高校入学から一年半近く材木座とは週一で組み手とか一緒にやってきたしお互いの技の問題点とか指摘し合ってきたしな。
それだけ材木座とは行動を共にしていたんだし今更友達じゃ無いとか言わないって、それに何よりもオタク仲間でもあるしな。」
「Whyじゃア何でだ!?」とJrは疑問を呈し、材木座は改めて装着したゴーグル型眼鏡を得意気にチャキッとイジる、その仕草に内心俺はイラッとする。
「それはだな。」
俺はその一言で一旦言葉をと切らせる事でJrや材木座の焦燥感を煽る、さっきの材木座じゃ無いけど演出ってのは案外大事だと思う、まぁやり過ぎは良くないんだろうがこれ位は御容赦願いたい所存だ。
「それは!?」と二人揃えてハモリながらズイッと身を乗り出して俺に促す、その二人揃った挙動にウザさを感じる俺の顔には多分その思いが如実に現れている事だろう、知らんがな。
「それはだな、俺にはもう心に決めた親友が既に存在している他にある訳無いだろう!」
「なっ、何ぃっ!?」
胸元に両手を回し指を顎に添え目を閉じて男の渋味を演出しながら俺は二人に告げると、二人はまるで背景に車○漫画的雷光を背負いこれまた○田漫画的な驚愕の声を上げる、つかまだお前達続けてるのなそのネタ。
「八幡…いや相棒よ、まっ、まさかお前の言う心に決めた親友と言うのは、あの…まさかあの伝説の……」
「オイ、一体どおしタってんダよケンゴー、あの伝説ッてノは一体何だヨ、ハチマンのダチっテノはソンなに凄ぇ奴ナノか?」
材木座が悪ノリしオーバーリアクションで返しJrはそれを真に受けるが、材木座の奴は俺が言う親友ってのが誰の事を言っているのかもう解ってやってるんだよな。
「オイ材木座、あんまり煽んなってのJrが真に受けるだろうが。」
しかしあんまり悪ノリでJrの期待値を煽り過ぎるのも良く無いし俺は一応窘めておく事にした。
「あ、いやスマン、しかし相棒よ我も貴様の親友があの御方となれば納得も行こうと言う物よ、ゲフンゲフン。」
材木座も俺を真似たガイナロボ腕組みポーズを取り、納得とばかりに同意するが最後のゲフンゲフンは要らねえわ。
「フッ……そうだろう。」
「オイオイ!二人ダケで納得シ合ワないでオレにも教えてくれヨ。」
いい加減痺れを切らしたJrがその答えを早急に求め声を上げる、まぁちょっと勿体を付けてしまったしここらで回答を示す段階だろうなと思い口を開こうとした時だった。
「あ〜!何かあたしも分っちやったよハッチンが言う親友が誰かさ。」
「そうね、私も理解したわ八幡君が言う人が誰かがね、寧ろそれしかあり得ないと思える程に納得の人物よね。」
「ですよねぇ〜、それもごく一部の人が物凄く喜ぶんですよねはちくんとの絡みを観て、本当マジ勘弁して下さいって感じで困り物なんですよねぇ。」
「ああ、そうだねアタシもピンと来たよどう考えてもアイツしか居ないよね比企谷、てゆうか材木座とアイツくらいだよね比企谷と話ししてる男子って。」
奉仕部女子陣とサキサキがその人物に当たりが付いたと表明すがサキサキさんや、貴女は人の事言えんでしょうが。
それに俺は最近は話しかけられりゃあ答えるくらいはするからね、まぁその殆どが「おう」とか「分かった」とか一言だけだがな。
「何だァ!?ハチマンのガールフレンズも知っテるヤツなのカ、ダッたらオレにモ教えテくれヨ。」
もう待ちきれんッ、Jrの心境はまるで今まさにその思いではち切れんばかりだ、そうたとえるなら限界いっぱい迄空気を送り込まれたゴム風船の様な状態なのだ。
なのでほんの少し先の尖った物を軽く押し当てるだけで直ぐに弾けるだろう、とアニメJoJoのナレーター大○透さん風のナレーションを入れてみたが、流石にそろそろ話さなきゃだろうな。
「そうだな、一言で言い表すならばまさに天使と、いやまさに大天使と形容するのが最も相応しいだろうな。」
「うむ、そうであろうなあの御仁を言い表すにそれ以上に相応しい呼称はあるまいよ。」
俺が喩えた大天使と言う形容に材木座がしたり顔で同意するのが何かそこはかとなくムカつくんだが、これは俺とした事がしくじったな。
大天使の前に「俺の」と加えておくんだったわ、そうすりゃあ材木座のヤツにしたり顔などさせずに済んだのにな。
「大天使っテのは確カArchangelの日本語ダッたよナ、ソイツはソンなにスゲェヤツなのカ!?」
「何をいうか、凄いなどと言う物では無いぞJrよ、あの御方はな、そのお声を発するだけで我々の俗世の垢にまみれたソウルジェムの穢も、たちまちのうちに回復してしまう程の浄化力を身に付けておられる上に、その微笑を向けられた日にはエンジェルハ○ロゥに眠るサイキッカー達もたちまちの内に昇天してしまう程の御方なのだぞ。」
驚愕のJrに語る材木座だが、だから何でお前がそんなに得意気なんだよってマジで言ってやろうかこんにゃろ。
だがしかし、材木座が言っている事はオーバー気味に言っちゃいるけどマジでそんな感じがするのは紛れもない事実だしなぁ、なので否定も出来やしない。
「マッジカよ、日本ニはソンなスゲェヤツが居ルのかヨ、ジャあソイツがイレばアノ淫○ト契約シて魔法少女にナッても魔女堕チシナイでスムし、キッと育成計画のあのFuck○nなハム○郎モ改心サセられるナ!」
JrはJrでそれを真に受けてるのかネタだと理解してだか知らんけど調子に乗ってるのかネタで返すしっ、てか何だよ○獣も酷い言い様だし育成計画のク○なハ○太郎ってのはかなり酷くね(つかアイツは改心とかしないだろう、多分ひまわりのタネが大好物じゃ無いだろうし、好きな物はアノ愉悦神父と同じモノだろうしな)だがまぁJrも多分だがこの状況を楽しんでるんだろうな、向こうじゃきっとネタを言い合う様な仲間とか居なかったんだろう。
「あっ、居た居た、おーい八幡、皆も遅くなってゴメンね。」
そして俺の、ここに居る俺達の目と耳に件の大天使の清涼な玉音が響き、その声のする方へと向き直ると其処にはこの世に舞い降りた我が心の二大天使の一柱たる、我が盟友の姿が顕現あそばされて居られたのだ。
にこやかに微笑みながらその御手を大きく振りながら俺たちの元へと小走りに駆け寄る大天使、その名は。
「戸塚ぁ!部活お疲れ様、なぁに戸塚を待つ為なら俺は何時間だって平気だから気にするなよ、寧ろその待っている時間さえもが至福の時間の一部でさえあるまであるぞ。」
「うわ〜っ、お兄ちゃんがメッチャテンション高い上にメッチャアホな事を言ってるよ、そう言うのは雪乃さんと結衣さんといろはさんに言ってあげなよ。」
フン何とでも言えば良いのだマイシスターコマチエルよ、今の俺は精神的無敵時間継続中だからどんな酷言を受けようとも心は無傷だ。
そんな小町の事は置いといて、我が友あえてドイツ語で言うと
その身姿に材木座なんぞはまるで仕事から帰って来た大好きなご主人をお出迎えする犬の様に見えない尻尾を振りたおしている有様だ。
奉仕部の面々を始めうちの学校の連中など戸塚のことを知る者達も戸塚へと挨拶を返す、そんな戸塚の様子をJrはポケッとした顔で眺めている。
「どうだよJr、この場に現れて僅かな時間でこんな和やかフィールドを作り出す戸塚の存在感は。」
俺が問うとJrはハッと我に返りそして、如何にも俺の中にあるステレオタイプ的なアメリカンティーン・エイジャーっぽく口笛を一吹きしやがった。
おそらくだがJrは所見で誰もが通るあの勘違いを起こしているに違い無い。
「ハッハーッ!お前スミにおけネェなハチマン、この三人や極限流のカラテガールとリトルレディってガールフレンドが居るノニ、更に今度はこのボーイッシュスポーティガールもかヨ、このリア充ヤロー爆発しヤがれッ!」
と、この様に俺の予想はドンピシャで当たったんだが、Jrの声がデカい為に皆にも今の発言が聴こえたって訳なんだが真実を知る皆の反応もこれまたお約束だな。
そして勘違いをされてしまっている本人である戸塚もそれはもう慣れた物で、アハハと苦笑しながら右手の人差し指で目元をぽりぽりと掻いている。
「あのなJr、俺もお前と同じ道を通ったからあまり偉そうな事は言えないんだがな、お前は大きな勘違いをしているだよ、良いかよく聞けッ戸塚はなああ見えて実は男なんだよ!!」
ズビッとJrに指を突きつけて俺は真実を告げる、そう初見ではマジで信じられないだろうが、それはこの世の神秘にして残酷でもありそして純然たるたった一つの真実をだ。
「ハァ!?オマエ何ヲ言ってンだよハチマン、ジョークにしちャ笑え無いゼ。
こんなキュートなガールを捕まエて男だナンて失礼にも程ガあるゼ!なぁ皆もソウ思うダろう。」
Jrがそう皆に同意を求めるが、その皆からJrへと帰って来るのは何とも言い難い複雑な思いが混じった様な苦笑だった、その皆の反応にJrの方もまた困惑してしまいやがて口をあんぐりと開けてしまう。
どうやらJrも事実を飲み込もうとしているんだろうが、同時に認められないって思いも抱き心の中ではひどく葛藤しているんだろう。
「………マジ、なのカ!?」
水を吸った雑巾を絞りに絞り、そこに残った僅かな水分をサラに目いっぱいに絞り尽くした残滓をこれまた更に絞り出し尽くしたかの様な掠れ途切れた声でJrが呟くと俺を含む総武高校組は一様に頷き、そして。
「うん、僕男だよ……あはは……。」
蟀谷に汗を浮かべ苦笑いしつつ戸塚自身が告げるとJrは言葉を失ってしまった様だ、大きく目を見開き口もあんぐりと開き塞がらない様だ、きっとJrは受け入れ難い真実と闘っているのか、その気持ち俺も痛い程
何せ俺なんてな、男子とは知らずに戸塚に恋をしてしまったって前科があるしな、しかもそれが初恋でその初恋も僅か数分間で終わったし。
「いやぁ〜っJrくん、マジ戸塚くんは男子っしょ、間違いねえって俺達千葉村で一緒に風呂に入った仲だしぃ、ねッ隼人くん比企谷くん、それにあん時はヒガシさんも居てすっげぇ楽しかったっわぁ。」
確かに俺は千葉村で皆と風呂に入ったよ、うんあの時俺は決定的に思い知らされたよ初恋ってのが叶わないものだと言う事と、戸塚はやっぱり男だったんだって事をな。
中々立派な物をお持ちだったよこんちくしょう、先っぽクロマ○ィ略して先マ○ィじゃ無かったのが唯一の救いだったよコンチクショウ。
「山の大浴場でのおっ…男達の裸の宴に羽目を外してくんずほぐれつ、あぁあこれはもう私の方が大欲情だわ、ふっ…ふひっフヒヒっ、ブハーーーっ!」
「ちょっ、姫菜もう止めろし!あんた今日は鼻血出し過ぎだっつうのッ自重、自重しろし!」
戸部の言葉に俺が返答する前に、速攻で反応を示す腐女子さんと世話焼きオカンのあーしさんと言うお約束な展開に多少辟易としながら、いやかなり辟易といているわ俺。
いやさ、個人の主義主張や趣味嗜好は他者の迷惑にならなきゃどうだっていいんだよ、たとえそれがBLだったとしても構いはしないんだけど……その妄想の餌食に自分がなってるって思うとなぁ。
何だよ『やおい穴』ってさ、そんな器官持ち合わせちゃないからね少なくとも一般的日本男児たる俺はな、まぁ葉山とか戸部辺りには在るのかも知れんけどってやっぱり無いわ、嗚呼一瞬でも想像してしまった自分の脳を殴りたい。
脳を殴って脳が震えてやったね此れで君も僕も今日から魔女教○罪司教怠惰担当だやったね八幡、いやいやそれこそ無いわぁ。
「………マジか…………よッ。」
戸部から始まり腐女子さんとあーしさんの何時ものコントに加え俺の脳内独り言が一段落ついた頃合いに、Jrがポツリと溢す。
よく見るとJrの身体は若干震えているんだが、もしかしたらJrがなっちゃうのだろうか魔女○大罪司教怠惰担当にって、それはもういいってのいい加減本題に戻れよ俺の思考。
事実を突きつけられて数十秒『マジかよ、マジなのかよ」などとブツブツと呟き震えていたJrのそれが、ピタリと止まり数瞬の時が過ぎ……。
「Oh Jesus! it’s Amazing!!マジカよッ、凄えゼ日本はよォーーっ!マサか本当ニ存在シテいたノカよッ、マンガやアニメだけノ存在ジャ無かっタんだナ『
テーブルをバンと勢いよく手のひらで叩き立ち上がって歓喜に満ちた声を上げてまくし立てるJr、流石はジャパニメーションオタクだな戸塚を男の娘と認定して感激し暴走してやがる。
その気持ち解らんでは無いがあんまり大きな声で言ってやるなよJr、戸塚がもの凄い恥ずかしがってるだろう。
しかしJrの暴走はそれだけに留まらなかった、何とJrの奴はそのまま戸塚へと向き直るとさっと、その白魚の如く美しくも高貴なる戸塚の手を取ると超接近距離で戸塚に対して宣いやがった。
「オレはフランコJr・バッシュ、アメリカかラ来た、ハチマンとケンゴーのダチコーだ、ヨロシクなトツカ!」
「へっ、ああうん、僕は戸塚彩加だよフランコ君、僕の方こそよろしくね、あははははっ……」
ウザったいくらいのJrの挨拶に戸塚は押され気味になりながらも苦笑しながら挨拶を返す、困った顔の戸塚もまた唆るものがあるんだなと不謹慎な事を思う俺ガイルっかいい加減戸塚を解放するべきでは無いでせうかJrさん(怒)。
「オーーケェーオーーケェー、Yeah!トツカ it’Very cute!素晴らシイ!!
何か日本語と英語では無い言語が混ざっていた様な気がするがそれはどうでも良いか、Jrは最高にハイだてやつだなテンションで戸塚に友達申請をだし、それを心優しい大天使トツカエルは『八幡と材木座君の友達なら僕も大歓迎だよフランコ君。』なんて高過ぎて値段が付けられない程の価値がある微笑みを見せて快く受入れた(尊い)
その返事に更にテンションが爆上がりするJrは戸塚の両手をブンブンと振り回しながら『オレの事ハJrッテ呼んデクレよ、トツカ!』とJr呼びを求め戸塚もそれを了承する。
までは良いが、否よく無いわあんまりJrのパワーで戸塚の腕を振り回し過ぎると脱臼や骨折の恐れもあるし、もう止めるとしよう。
決して戸塚の手を取るJrの事が羨ましい訳じゃ無いんだからねっ!
「おいJr戸塚が戸惑ってるだろ、もうその位にしておけってのってか俺と代わってくれ、俺だって戸塚と握手したいの我慢してるんだからなッ。」
Jrを止めに入った俺だったが気が付けば俺は本心ダダ漏れ欲望丸出のセリフをぶち撒けていた。
大天使トツカエルの虜になるアメリカンビーストの巻でした。