やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

115 / 135
お約束回です。


やはり闘いが終わり彼女と語り合う時にお約束が起こることは間違っている。

 

 ハイアングルゲイザーに依って吹き飛ばされた雪ノ下さんの悲鳴も止み、深と静まり返った道場にて俺はこのギリギリの闘いにより心身共に疲れ果て片膝を着いて俯きながら周りには聴こえない位の音声で小さく一息を吐いた。

 

 『おっ、終わったんだよな……』

 

 その実感がどうにも沸かない俺は何とは無しにそんな事を心中に呟いてみるんだが、その思いに応える様に女性のよく澄んだ明瞭な声音で告げられる。

 

 「この勝負比企谷君の勝利とします、双方共に良く闘いました、勝敗関係無く二人の格闘家としての技量の高さは称賛に値する処でしょう、二人共本当にお疲れ様でした。」

 

 この闘いの審判として立ち会ってくださった藤堂さんからの一言で、漸く俺はこの闘いが終わったと云う実感が少しずつ沸いて来た様な気がして「はあーっ、疲れたぁ………。」とデカい溜め息を吐きつつ目を閉じ現在の心境をその一言に込めて呟いた。

 いや本当に今の心境たるや正にそれってヤツ、この闘い常に雪ノ下さんは俺の上を行っていたし何度もヤバい場面があってし、雪ノ下さんに最後に喰らった連撃、締めの超重ね当てって技がもし雪ノ下さんが言ってた気の充填が十分だったなら俺は。

 

 『負けてても可怪しくは無かったんだよな、てか闘いの流れ全体を通してみるとその大半は雪ノ下さんにペースを握られていたし。』

 

 つくづくとそう思い知らされた、一格闘家として彼女は敬意を抱かずにはいられない相手だった。

 

 「うっ、くぅ〜っ、痛った〜っ…。」

 

 どうやら雪ノ下さんも動けるだけの気力と体力が幾分かは戻った様だな、彼女がムクリと起き上がる気配が感じられたしな、まぁ闘いの終わりの礼儀として挨拶くらいはしておかないとだな。

 と思い俺は疲れて項垂れていた頭を上げて雪ノ下さんを見留めると、そこにはとんでも無い光景が展開されていた。

 その半身を起こした雪ノ下さんは右手を額辺りに当ててゆっくりと首を横に振り、左手はその半身を支える為に板張りに手を付いて、右脚は板張りの上真っ直ぐに伸ばして左脚は軽く膝を曲げている状態だ、とこれだけならば別段問題は無いと言える普通の事だろうがだ。

 

 問題は、その雪ノ下さんの御召し物の状態にある訳で………。

 

 俺が最後の攻撃に繰り出したハイアングルゲイザーの威力によってだろうが彼女の道着がとんでも無い事になっていてってかまぁ結局の所俺のせいなんだろうけど、そうだな先ずは袴から語るとしようかな。

 紺色のその袴はざっくりと断ち割られた様に斬り裂かれた状態で雪ノ下さんが片膝を曲げて立てているものだから、片側の右太腿辺りがペロンと捲れて……。

 あ〜もう、何かヤヴァいわ……何がヤヴァいかと言うとだな、そのアレだよアレだ。

 相悪と女性の御召し物についての知識が無いからよく知らんけどスポーティなグレー色をしたアレ……まぁ要はおパ○ツ様がたよコンニャロー。

 そのおパン○様の多分三割以上の面積が俺の視界にモロ“やっはろー”しているんだよォ!

 何処ぞの幼女な見た目のドラゴンさんも思わず言っちゃうよな『マジヤバくない!?』ってさ、うんヤヴァいからあんまり見とかんとこう、そうだ別の所に視線を移そうこれ以上は犯罪だしな多分通報されるしそうしよう。

 そして雪ノ下さんの上半身へと視線を移した俺は…………結論、そちらもかなりヤバかった。

 

 雪ノ下の姓に似合い綺麗な白い上衣もまた、ほぼ原型を留めておらず、肩など両方がモロに露出してしまっていて申し訳程度にお腹付近に道着が存在していたと云うか、それらしき痕跡ってか残骸が残っておりその身を引きしめる為に締めたであろう胸の辺りから臍上十センチほどの辺りを覆うこれまたスポーティな感じの、グレーの肩紐の無いスポーツブラってヤツ?がその豊かな膨らみを包んでいる様を思わずガン見してしまいそうになるのを、英国紳士の嗜みとして必死に逸らすってか誰が英国紳士だよ。

 

 つか、こう言う事は敢えて口に出して御本人に注意を促す方が良いだろう、でないと事が公になった時に在らぬ疑いを掛けられるかも知れんしな、本当は君子いわく危うきには近寄らずと行きたい所だが既にもう距離的に近くに居るし、こうなればやっぱり正直になってご注進申し上げるのが最適解だろう。

 

 「あの雪ノ下さん、お疲れの所申し訳無いんすgあって………って、うォぉォッ!?」

 

 額に手を当てていた雪ノ下さんだったが俺が声を掛けると、直ぐにその声に応えてくれて俺の方を振り向いてくれたんだが、その時不思議な事が起こった!

 雪ノ下さんが此方へと振り向いたと時を同じくして、辛うじて雪ノ下さんの胸元を覆っていた件のスポーツブラが中央部からピリッと破れてハラリと、重力に逆らう事無く落ち始めた。

 

 「きゃっ!?」

 

 雪ノ下さんは俺が思っていたよりもずっと可愛らしい声を上げて素早くその巨峰を両手で覆い隠したが、俺のジョーあんちゃんにも指摘された精度の高い動体視力は見逃さなかった、その巨峰の頂上付近をな………正直こんな状況でなければ眼福この上ない所だろうが、現状それは何度も言うがヤバい事この上なしだ。

 雪ノ下さんは両手で胸元を押さえなかまらその顔を赤らめて上目遣いなポジションから羞恥と怒りの入り交じった様な表情でキッと俺を睨みながら「見たわね比企谷君。」とドスの利いた声で一言。

 

 しかし俺の耳には雪ノ下さんのその声は届いてはいなかった、雪ノ下さんとの激闘をくぐり抜けた安堵感と充実した闘いを演じられた高揚感、そしてとんでも無く美しい映像や画像でしか見た事の無いソレを目の当たりにした刺激により。

 

 「……あっ、アーユーOK!…ぐっブふぉ〜っッ………。」

 

 俺はその興奮がMAXを天元突破してしまい、ブハッと二つの鼻の穴から盛大に真っ赤な鼻血を吹いて(バスターウルフをぶっ放して)卒倒してしまった。

 

 

 

 

 「すびません藤堂さん、ご迷惑をおかけしばす。」

 

 藤堂さんが用意してくださったティッシュペーパーを、俺は両方の鼻の穴に突っ込んで鼻血を止血してもらいながら詫びを入れる、しかしその影響で鼻詰まりっぽい喋り口調になってしまっているのはスルーしていただきたい、何せこれは不測の事態に依って引き起こされた悲劇なのである。

 なので決して喜劇では無いからな絶対にな、てあるからしてそこの所は間違えない様に願います。

 

 「ふふふ構いませんよ、比企谷君はまだ十代の若者ですからねそれ位の元気が在っても可怪しくはないでしょう、それにしても意外と比企谷君は純情な少年だったのですね、雪乃ちゃんだけではなく結衣さんといろはさんでしたか、あんなに可愛らしい女の子達から思われている上に極限流のお嬢さんや鶴見さんのお嬢さんにも思われている様ですからそちらの方はかなり進んでいるのかと思っていましたよ。」

 

 鷹揚に微笑みつつ藤堂さんは俺の謝罪を受け入れてくれつつも、何だかとんでも無い事をサラッと言われてしまった。

 何気に俺に対する風評被害がとんでも無いレベルだよ、それこそ風が嵐に変わってその嵐だって絶望の宇宙(そら)を駆け抜けるレベルで強烈だわ、そして未来が俺の為には無いって事は理解できました。

 これはアレかアレなのか、かの有名な嵐を呼ぶ男が俺の兄貴分だからって所に掛けてるのか、違うよな違うよねきっと否多気の所為だよね?

 

 「初心(うぶ)ってか俺はまだ学生ですから当然っちゃ当然だと思うんですけどね、てかサラッと怖いこと言わないでください藤堂さん。何か今のを第三者に聞かれたら俺社会的に抹殺されてしまいそうですから、いや本当に……。」

 

 若干冷や汗をかきつつ懇願する俺をふふふっと優しげに笑って受け流す藤堂さんの態度は、まさに大人の女性の貫禄って所なんだろうが結局俺の懇願に対する返答は頂けなかった所から判ずるに藤堂さんによる俺の人物評が訂正されてはいないのだろう、ああいかん何故だろう何か眼から心の汗が流れる。

 

 

 

 さて、鼻血も止まった事だし本題に入らなければだよないい加減にな、雪ノ下さんもクラッシュしてしまった御召し物から覗く肌色の露出部分は隠されてるから、今なら雪ノ下さんに視線を送っても無問題(モーマンタイ)ですね。

 藤堂さんが用意した羽織物を羽織ってガードを固めた雪ノ下さんだが、心なし俺にはその顔に紅がさして見えるのはやっぱり俺との闘いに敗北してしまったのが原因だろうか。

 まぁあれだけ自信ありげにしていたし実力的にも彼女が勝っていても可怪しく無かった訳だし、負けてしまった事に対しす精神的衝撃は如何ほどのものだろうか、この闘いに勝利した俺がそれに対してどうこうと言うのはある意味烏滸がましいか。

 

 「よっ、と。」

 

 しかし、それでも一応は闘いを前に雪ノ下さんと交わした約束(ほぼ一方的に雪ノ下さんから強制された感もあるが)もあるし、このままそれを反故にするって訳にも行かんだろう。

 そんな決意とも着かない思いを胸に俺はジジ臭い掛け声を出して立ち上がったんだが、あの激闘を終えたばかりで体力的消耗が激しいからだと思って頂きく存じます、つか誰に断ってんだよ。

 

 「あ〜、雪ノ下さんあのっすね、こんな時に恐縮なんですけどちょっといいですかね。」

 

 ペタンと板張りに力無く座り込んでいる雪ノ下さんの元へ歩み寄り俺がそう呼び掛けると、その顔を上げてキッときつい眼差しで俺を睨み付けたかと思えばサッと羽織物の胸部を素早く両手で隠されてしまっまた。

 うわー俺ってばどんだけ信用されて無いんでしょうかね、何かもう哀しくなってしまうんですがこんな事で哀愁とか漂わせたくないんですけどその辺りご配慮願いたい。

 

 「なっ……何よ。」

 

 へっ!?

 

 何だったの今のは、俺の呼び掛けに雪ノ下さんはその強めていた眼力を不意に弱めたかと思うと、そっと視線を俺から逸したうえに在ろう事かその頬の朱色を更に深め、そして止めとばかりにちょっとしおらしくめの弱い声音で返事を返してきた。

 

 言ってしまおうか、今の雪ノ下さんの表情と声音を俺は甚だ不本意で不覚だったんだろうが“メッチャカワイイ”とか思ってしまった、思ってしまったんだが。

 

 「ぬっ!?」

 

 その時俺は急に何処かしらから殺気と言うか寒気と言うか怒気と言うか怖気を感じされる気の様なモノを感じてしまって俺は、キョロキョロと辺りを見渡して見るが今此処には俺と雪ノ下さんの他には藤堂さんの姿しか見留められない、変だな気の所為だったのか。

 

 「だから何なのよ君は、何か話があるんでしょう早く言いなさいよ。」

 

 此方から話し掛けたにも拘わらず、その話の続きを話さずキョロキョロとしだした俺に焦れたのか、雪ノ下さんに話を促してくる。

 まぁそうですよね此方から振ったんだから当然っちゃ当然の事ですしね、しかし何だったんどろうな今さっきの異様な感覚は。

 

 「はぁ、すいません。」

 

 気になるのは気になるんだが、その思いってか感覚は取り敢えず一旦放り投げて今は本題の方を優先しないといかんだろう。

 

 「あのっすね雪ノ下さん、闘う前に雪ノ下さんが言ってた事なんですけど。」

 

 そう、俺は彼女ことの最初に提案してきたあの事を告げようとしたんだが、流石は雪ノ下さんと言うべきかなその一言のみで俺の言いたい事をあっさりと察した様だ。

 ほんの一瞬だけその眼光を鋭くし直ぐにその力を抜くと彼女はちょっとイジケた感を声音に現して返答を返す。

 

 「で、君は私に何を望むのかな、まさか公衆の門前で口にするのは憚れる様なアダルティな要望とかして来ちゃうのかな〜ぁ、どうしよっかなお姉さんはそう簡単には落とせ無いゾ!」

 

 しかも何か俺の事を誂う様な言い回しまでして来るし、でも其処に何となくだが少しだけ虚勢を張っている様にも感じられるのは俺の気の所為って訳でも無いと思うんだが。

 

 「はぁ、いやはぐらかさないで下さいよ雪ノ下さんだって本当は解っているんですよね。」

 

 確かにさっきの雪ノ下さんのちょっとしおらしい態度にはドキムネしそうになった事は否定のしようの無い事実ではあるんだが、同時に感じた複数の脅威感のお陰でそれもすっかり醒めて今の俺は非常にクリアだ、いやマジあの驚怖を前にすりゃ一色○珠だって一発で醒めちゃうまである。

 

 「…………だから何よ。」

 

 プイッと俺から態とらしく視線を逸す雪ノ下さん、やっぱり解ってらっしゃいましたね。

 俺は道場の板張りの上に座り込む雪ノ下さんと目線の高さを合わせるべく、道場に正座を以て座り込んで続ける。

 

 「ふぅ、やっぱりでしたね、あぁええっとだからですね、雪ノ下さんに俺の望みを伝えたいと思います。」

 

 雪ノ下さんが俺達と、いやより正確には俺と雪乃とを離したいと思っている事はさっきの要望から判っているが、それでも俺はその彼女の欲求を認める事は出来ない、だから俺は……。

 

 「先ずはっすね雪ノ下さん、どうか俺達と雪乃との関係を認めてもらいたいんです、何よりも雪乃にとって大切な家族である貴女にですね。」

 

 背筋を伸ばし居住まいを正して冗談やネタは封印し俺は、心からの己の思いを言の葉に乗せて雪ノ下さんに伝える。

 雪乃の御両親も結衣の御両親もいろはの御両親も俺達の事を認めてくれているしウチの両親と小町もそうだ(ただ一色パパと由比ヶパパはやはり娘の事が心配ではあるだろうし可愛いし愛おしい思いが強くまぁ多少俺に隔意があるがな)だから雪乃の姉の雪ノ下さんにもと思うのはやはり俺の傲慢かも知れんがな。

 

 「……んで……み…のよ……」

 

 俺の要望を聞き終え雪ノ下さんは暫し俺の顔をロック・オンしていたが、ふとその視線を外し軽く横を向いて俯向くと小さな声でボソリボソリと雪ノ下さんは何かを言っている、だがその声は小さく囁やきレベルの音声で俺の耳にはその全てを聞き取れ無かった。

 だから俺は思わず「何を言っているんですか」と彼女に問い返し答えを促したんだが。

 

 「あーっもうッ、だからッ何で君なのよッ!」

 

 まるで瞬間湯沸器の如くに突然沸点を突破したかの様に雪ノ下さんは、そりゃもう頭の上から何処ぞのボイラーの昔のテレビコマーシャルよろしく蒸気でも吹き出しそうな勢いでそう宣う。

 

 「はい!?あの、この場合の何で俺なのかってどう言う意味でしょうか。」

 

 雪ノ下さんが苛立ちを込めて叫ぶ様に紡ぎ出した言葉は何か幾つかの解釈が出来そうな問だったから、俺はそう問い返してみたんだが実はちょっと虚を突かれた様な反応になってしまったのはご愛嬌って事で。

 てか俺に愛嬌なんてモノがあるのか、いや無いよな百バー無いわ、だがまぁ比企谷家としては俺には無いその分が小町に確りと行き渡ってるからな、まぁ良しとするかってそれよりも今は雪ノ下さんだよ。

 

 「……何でよ、ねえ比企谷君、君には雪乃ちゃんだけじゃ無くてガハマちゃんや一色ちゃんだって居るでしょう。」

 

 「なのに何でその中に雪乃ちゃんまで加えないといけないのよ!?」

 

 「っ………。」

 

 強く、そして必死さを滲ませた雪ノ下さんの言葉を受けて俺は思わず言葉に詰まってしまった。

 何故かってそれは何れ誰かに指摘、否指弾されても可怪しくはないんじゃなかろうかと俺自身でも思っていた事柄でもあるからだったから。

 

 「そりゃあ人の恋愛事情なんて他人がとやかく言う事じゃ無いんだろうけど、けど雪乃ちゃんは他人じゃ無いどころか私にとっては何者にも代えられない大切な妹なんだから!」

 

 「はいご尤もで御座います……。」

 

 雪ノ下さんが今言った事に対しての反論する言葉の持ち合わせは相悪持っちゃいない、なので俺はそれに尤もだと素直に頷かざるを得ない。

 まぁ、俺がそれに同意したからと言って其れが雪ノ下さんの感情に然程の影響があるとは思わんけど。

 

 「ッ!、そんな口先だけで簡単に同意とかしないでよッ、本当に完全に解ってるって訳でも無いでしょう君はッ!」

 

 怒りの籠もった、いや怒りの化身と化したかの様な雪ノ下さんの激しい言葉が俺を直撃して来る、確かに雪ノ下さんの言う通り俺は彼女の思いの丈の全部を理解出来ちゃいない。

 

 「雪乃ちゃんの事を誰よりも一番に出来て無い、他の二人の同列扱いにしかしてないクセにぃッ、そんな君に雪乃ちゃんは相応しく無いんだよ、雪乃ちゃんに相応しいのは雪乃ちゃんの事を一番に思える者だけなんだよ、そう雪乃ちゃんに相応しいのは誰よりも雪乃ちゃんを愛している私なんだよッ!私がこの世で一番雪乃ちゃんを幸せにしてあげられるんだからぁッ!」

 

 道場に響き渡る雪ノ下さんの心の奥深くに秘められていたであろう本心からの叫びに、俺はひどく圧されると同時に呆気に取られてしまい呆然となり放心しそうになってしまった。

 

 えっ何!?どう言う事なのん?

 

 えっと、つまりは雪ノ下さんは妹が大好きな千葉のシスコンお姉ちゃんであるわけだ、うんそれは闘いの最中に薄々感じていたよ八幡ってばさ。

 だから雪ノ下さんが雪乃の事を大事に思っているって事は俺にも小町って愛妹が存在してるから解るし、その幸せを願っているよ。

 だからそんじょそこらの有象無象には絶対にやらんぞとかつまて俺も親父も思ってるし、何なら親父なんかは一生嫁にはやらんとかガチで言ってるまである。

 まぁ俺としてはロックの奴になら安心して任せられるかとは思ってるけど、こればっかりは本人達次第だし俺がとやかくは言えないけど……其れは関係無いから取り敢えず置いといてだ。

 

 「あの雪ノ下さん、点かぬ事をお聞きしますけどもしかして雪ノ下さんは雪乃に対してある種の恋愛感情的な気持ちが有ったりとかしてますかね。」

 

 まさかとは思うが、思うんだがそれを俺は聞かずには居れない、願わくば違っていて欲しいと思いながら俺は切り出した。

 

 「勿論そんなの当然でしょう、何たって雪乃ちゃんは世界一、ううん宇宙一可愛いんだから。」

 

 グッと拳を胸元に添え声高らかに宣言する雪ノ下さんに更に呆けさせられてしまい、俺は数秒間沈黙し。

 

 

 

 『『『「えっええぇェッ!?」』』』

 

 と驚愕の声を上げてしまった、そして何故か不思議な事にその俺の声に複数の声がスピーカーの如く重なって反響して聞こえてきたんだが、一体何がどうなっているんだよ。

 まさか知らぬ間にエコーズa○t2に文字を貼り付けられたのか、スタンド攻撃受けちゃってたの俺ってば!?

 何てボケて見たけど実際はどう言う事か解りましたよ俺、道場と屋敷の廊下とをを仕切る扉(襖)の向こうから聞こえて来るのはた三人の少女達の声だ。

 その向こうで何やらボソボソと『あっちゃー』だの『バレちゃったかな』だのと言う声が漏れ伝わる、うんそうですねバレてしまいましたよ君達。

 てか何時から此処に居たんですかね君達は、もしかして俺の鼻血ブーも観ていらしたんでしょうかね。

 

 「アハハハ……いやぁバレちゃいましたね、雪乃先輩、結衣先輩。」

 

 「ええ………はぁ。」

 

 「いゃさあアレはしょうが無いよ、まさかあんな事聴いちゃうなんて思ってなかったし、てかハッチンやっはろー!後でちゃんとお話しようね。」

 

 オーマイガッ!どうやら思いっ切り観られていた様ですネ。

 一見結衣もいろはもにっこり笑顔に満面の笑みを湛えている様に見えるが、その目はどうやらハイライトさんが天の岩戸に御隠れあそばされているようでいらしゃり、俺の背筋に悪寒と戦慄とが疾走っているしこれはどうやら不味い事になりそうだな。

 しかしこれは参ったな俺は今の所残念ながら遺言状と辞世の句の用意はしていないんだよな。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。