やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

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はじめにおことわりしておきます。
当作品内に於けるショーン君はケンさんに正式に弟子入りし半年程が経過している設定の為、名もなき暗殺拳の技である波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚の三つの技ケンによる指導が行われゲーム、ストⅢ時よりも強化されていると思っていただけると幸いです。


サキサキとマツダとの闘いの幕が切って落とされるのは間違っていない。

 

 さて、川崎との話を終えた俺はマツダと川崎との中間、二等辺三角形的な形成されその頂点っぽい位置にスタンバってる春日野先生の元へ向う。年齢や立場的に春日野先生が二人の手合わせのジャッジを務めるのが妥当だと満場一致って程大袈裟なものでも無いが兎に角それで可決されたからなんだが、まぁ当然の帰結ってヤツだよなコレは。

 

 「あの春日野先生ちょっと聞きたいんですけど、あのマツダって奴はどんなヤツなんですか。」

 

 春日野先生の側へと寄り俺はマツダについて尋ねるのだが、それは別にアイツの格闘スタイルとかを知りたいって理由ではなく、マツダの為人とか気性とかいったものを知りたかったからだ。

 

 「えっ!?あははっ、いやぁ実は私もよく知らないんだよねショーン君の事さ、何せね私も今日初めて会った子だからねぇ。」

 

 春日野先生は俺の問に苦笑成分をタップリと混じえアッサリとそう答える、まぁ確かにさっきの話だとマツダがマスターズさんの弟子と認められたのが半年程前の事だっていうし、現在春日野先生は総武高校で教鞭を執っているので学生時代の様に頻繁にストリートファイトに明け暮れていられる時間などありはしないだろうから、先生とマツダに面識が無いってのは尤もな話ではある。

 

 「まあでもさ、ケンさんが今回の件を許可してるって事は、あのショーン君の実力か若しくは将来性を見込んでるからじゃないかなと思うんだよね。」

 

 川崎から数メートル程離れた対面側にてウォーミングアップの柔軟を行っているマツダを優しく見つめつつ、春日野先生がまるでそのマツダの姿に何と形容すべきか、そうだなその姿にかつての自分を重ねているとでも言っておこう。

 リュウさんと出会い憧れ、そのリュウさんを追い掛ける様に格闘の世界に飛び込み、材木座の師匠で叔父である火引さんはじめ多くの格闘家と出会い拳を交えてきた自身の青春時代を懐かしんでいるのかも知れないな、と憶測してみる。

 

 「ケンさんもさ『俺の不肖の弟子がそっちに行くけどよろしく頼む』なぁんて言ってたしね。」

 

 「へぇ、それってもしかして所謂『可愛い子には旅をさせよ』ってヤツなんすかね。」

 

 さも楽しげに語る春日野先生に俺は思わず少し無粋かと、言った後に思ってしまう一言を付け加えてしまったが、当の先生はプッと吹き出して笑い。

 

 「アハハ、そうかもね。うんケンさんもきっとショーンくんに色んな体験をしてもらいたいって思ってるのかもだね。」

 

 と、やはり楽しげに眩しい笑顔で答える。ああきっと春日野先生のこの前向きで元気な為人が材木座の叔父さんやマスターズさんをはじめとする多くの格闘家の人達に愛される源なのかもな。

 格闘技を学ぶ事が無ければまちがいオタクな陰キャにしかなっていなかっただろう俺とは大違いだな。

 

 おっと閑話休題、春日野先生のその言葉に俺はすぐ隣りにいる留美に目を向ける。千葉村での一件で知り合い、何だかんだと格闘技を教える事になった少女。

 

 「ん……何、八幡師匠?」

 

 俺や川崎の事を師匠と呼び慕ってくれているが、俺は果たしてマスターズさんの様に安心して留美を旅立たせられる程に技や精神を鍛え上げてやれるだろうか。

 

 「……いや、何でも無いよ。」

 

 留美の頭に右手を乗せて、そのサラサラの黒髪を軽くクシャっとかき回しながら俺はそう一言。てかその前に先ず、俺自身が兄貴達からそう思ってもらえる程に成長する方が先だわな、と己を戒めとこう。

 

 「うぅ〜っ、もうっ子供扱いしないで!」

 

 プイッと外方を向き俺からの扱いに不満をもらす留美だが、何もそんなに急いで大人になる必要は無いと思うんだがな俺は。

 どうせ放っといても時間が人を成長させてくれるし、まぁ放っといて何もしなけりゃ身体だけ成長して精神面のそれが伴わない何て事に為りかねないけど。

 

 

 

 

 

 身体を解し終え心身共に戦闘準備を完了させた二人が間に春日野先生を挟み、数メートルの距離を間に対峙する。川崎は力強い眼差しとキリリと引き締まった表情で、マツダは川崎よそれとは違い少しヘラヘラとした緊張感の欠片もない、悪く言うと相手を舐めている様な態度も顕にし、手にしたバスケットボールをバウンドさせたり人差し指の先端でクルクルと器用に廻したりしている。

 闘いを前に相手を挑発してるつもりなんだろうが、川崎の実力を知る俺からするとその態度は頂けないと思うんだがマツダにはマツダのやり方があるんだろうか、例えば挑発行為を行う事で相手の冷静さを奪おうとか。

 まぁ経験を積んだ川崎にそれは通用しないだろうが、マツダの奴もリュウさんやマスターズさんに認められ弟子となってんだし、何某かの持ち合わせがあるのかも知れない。

 

 「うん、二人共準備はいいみたいだね!」

 

 俺がその様にマツダの挙動にアレやコレやと推察している内に春日野先生は此れから拳交える二人のコンディションを確認し、行けると判断し声に出し呼び掛ける。

 

 「はい、大丈夫です。」

 

 「OK!何時でもイイぜっ!」

 

 姿勢を正し一礼を以て春日野先生に答える川崎と、ボールをイジりながら太々しく応えるマツダ。

 そして春日野先生の後方、少し離れた位置からその様子を見守る俺と小町と留美とけーちゃん。

 

 「うん、それじゃあその前にショーン君そのバスケットボールは私が一旦預かろうか。」

 

 春日野先生がマツダに向けてその手を差し出しボールを受け取ろうとするが、マツダは首を横に振り。

 

 「イヤさくらさんそれには及ばないぜ、さくらさんには此れから俺達の闘いのジャッジをしてもらわなきゃならないからな、ヘイ八幡!」

 

 マツダは春日野先生へ断りを入れるや俺の名を呼ぶと、その場で軽やかにジャンプすると綺麗なフォームで空中からボールを俺に向けて放り投げる。

 そのボールは静かな音を立て放物線を描きながら向かい迫り、俺はそれを両手でキャッチした。

 

 「悪いが預かっていてくれよ。」

 

 悪びれる様子もなく俺へバスケットボールを投げ預けたマツダはサムズアップまでして見せて、ついでの様にそう一言を放った。

 

 「おう、まぁしょうが無いわな、取り敢えず預かっとくわ。」

 

 マツダをひと睨みし、次いで俺の掌の中に納まったバスケットボールに眼を移して俺は了承した。

 何気に先の綺麗なフォームでボールを放ったマツダに、俺は同じバスケ好きなテリー兄ちゃんとマツダが出会ったら、案外同好の士として気が合うかも知れない何てどうでも良い事をふと考えてしまった。

 

 「ああっとな留美、それにけーちゃんも、ちゃんと見ておくんだぞこの手合い。」

 

 俺は預かったバスケットボールを左腕の脇に挟み、俺の左右両隣にてマツダと対峙する川崎を見守る二人の少女の頭頂部に手を添えてそう呼び掛ける。

 まぁ俺がそう言うまでも無く、留美もけーちゃんも当然この二人、川崎とマツダの手合いを見届けるんだろうがな。

 

 「……八幡師匠?」

 

 躊躇いがちに留美は顔を見上げ俺に呼び掛ける、おお今回は子供扱いするなって言わないんだな、八幡ちょっと一安心などと巫山戯た発言は今はすまい。

 

 「留美……お前が師匠って呼んでる女性(ひと)はな、けーちゃんの姉ちゃんはすっげえ強いんだよ。」

 

 舞姉ちゃんとの闘い敗北したとは云え実戦の経験を積み、ジャストなタイミングで来日して来られたサカザキのご隠居とロバート師範に短期間ではあったが鍛え直してもらえ、その実力は更に向上した事だろう。

 

 「うん、沙希師匠は強い。」

 

 留美は俺に向けていた瞳を川崎に戻すとそう断定する。俺と同じくそれをよく知る留美の静かな声音ではあるが、その声音には其処は断固として譲らないとの思いが込められている様で、そしてその声音にも負けぬ程の強さを秘めた様な輝く少女の黒瞳からもそれは見て取れる。

 

 「うん、さーちゃんはつよい!」

 

 けーちゃんもまた無邪気に朗らかに、そして幼女らしく元気良く姉の強さを心から信じている。

 なぁ川崎、闘いに集中している今お前に二人の声は聞こえていないかも知れんけど、お前の二人の妹達はお前が勝つ事を疑いもしちゃ居ない様だぞ。千葉の姉としてもコイツは何があっても負けられないな。

 

 

 

 構えを取り正面から相対する川崎とマツダの二人は春日野先生から告げられる対戦開始のコールを今か今かと待ちわびている事だろう、全ての確認を終えた春日野先生が二人から離れた俺達の方へと数歩後退してその歩みを停めて右手を挙げる。

 

 「それじゃあ行くよ二人共、レディーッ……」

 

 春日野先生のその掛け声に川崎とマツダは構えたその身にグッと力を込める、正に二人共にその身から溢れ出ようとする闘志を迸るエネルギーを解放する瞬間を………。

 

 「ファイトッ!!」

 

 今、迎えた。

 

 初手、案外川崎もそうなのだが、本日初対面で受けた印象からマツダも性格的に負けず嫌いなヤツだろうと思い、互いに初っ端からガチの打ち合いが始まると俺は予想していたんだが、現状はそんな展開にはなってはいない。

 川崎は構えを取りながらゆっくりとしたリズムを刻みつつ相手の動きに即時対応、迎撃戦を想定している様だ。対してマツダはこれまた同様に構えその顔には不敵な笑みを顕しつつ、リズミカルに大きく身体を揺すり時折体勢を低くしダッシュする素振りを見せるが直ぐに体勢を戻したりとフェイントを見せて川崎を揺さぶっているって感じだな。

 

 それは恰も開戦直後相手こそが奇策を用いて来るであろうと予測し、自身はその動きに対応し応戦しようと身構えていたが為にありきたりな艦砲射撃戦にて互い消耗戦を演じてしまったバーミリ○ン会戦を想起させられるかの如し、な訳無いな相手の手の内が解らないんだから普通の対応だろう。

 

 「ヘイヘイ!どうしたんだ?俺の実力をヒシヒシと感じて動けないってのか、だったら俺から行っても良いんだぜ!?」

 

 「……………。」

 

 己の鼻頭を右手の親指で一擦りしてマツダは川崎を挑発するが、それには乗るかとばかりに沈着冷静に無言で対応する川崎。

 マツダ自身彼女と対峙して解ったんだろう、己が向き合う相手が生半可な格闘家じゃあ無いって事が。それが解ったからこそマツダは現状に焦れて勝ち気を誘われたか、吐いたセリフからもそれが窺えるな。

 

 「シャッ!行くぜぇ!!」

 

 威勢の良い宣言を高らかに告げるとマツダは川崎へと向いステップを刻み歩を進める、軽やかなその足取りはスピード感十分で瞬く間に互いの打撃が届く距離へと至る。

 

 「わっ、疾い!」

 

 とマツダの今の一連の動作を見取った小町がそう評し俺も「だな」と同意する、ちょっと見での推察たがマツダは南米系特有の柔軟な身体能力を有しているんだろう。

 以前に動画で見た事があるマイヤさんの弟子であるウィルソンさんの動きに近しいモノを感じる。

 

 「加えて身体の柔軟性が凄そうだな。」

 

 縦横無尽に身体を揺らし中間距離から揺さぶりを掛けるマツダの動作を俺がそう評すと小町と留美もそれに頷く。

 川崎とマツダのとの手合わせを見ながらも俺は心中にてマツダに対する考察を進めてみる、マスターズさんの元に弟子入りしたのが半年前だと云う話だがそれ以前にも何らかの武術を学んでいた事は理解できる。

 ではそれは何なのか、何となくだがそれはカポエイラでは無い様な気がする。例えばこの数十秒間に見せたマツダのフェイント動作、時折その身を低く屈めてタックルを仕掛け様とする仕草から組み付きを狙ってる様に思えるのが先ずは挙げられるかな。

 そこから想像するにレスリング、或いは柔道か、いや南米ならばグレイシー柔術の可能性も微レ存。

 いや十平衛先生から多少柔道を学んだ身としては、今の処マツダの所作からは柔道っぽさは感じられんしならば。

 

 「もしくは古流、古武術なのか、やっぱり?」

 

 正解かどうかは解らないが俺は一つの解答を見つけ出し呟く、個人的にはそれを大きな声で闘う川崎に伝えたいって思いが身内(みのうち)から湧き上がって来ているが、それをやってしまうのはフェアでは無いし川崎とマツダの両者に対して失礼だろうし、何と言ってもこの解答は俺が勝手に推し進めた考察の結果導き出した解答であり正解である確証は無い。

 

 「シッ!シュゥッ!」

 

 「フッ!」

 

 連々と俺がそんな思考を進めている間にも互いの距離が近づいた事によりマツダの動作に変化が現れ始めていた、それまでは身体を揺すったりなどの動きによるフェイント主体だったが其処に拳や脚を使った動作が加わりだした。

 しかしそれは牽制や相手の出方を窺うレベルの軽いジャブやローキックを放つ程度のモノで、川崎もソレを的確にアッサリと躱したりガードによるブロッキングやパリングで切って落とし有効打を全く貰っちゃいない。ヤルなサキサキ、速さならマツダに負けちゃいないし、身体的にも女性特有の柔らかさ、柔軟性があるし。

 

 「シュッ!シュシュッ!セイヤァッッ……チィッ。」

 

 それにも負けじと攻撃を仕掛けていたマツダだが、その尽く(ことごとく)を川崎に裁かれてしまい、体

勢を立て直そうと思ってか一旦その手を止めて後方へと下がり川崎との距離を取り、忌々しげに舌打ちを打ちやがった。

 

 「ヘヘッ、思ってたよりもずっとヤルみたいだなアンタ。」

 

 「そりゃどうも。」

 

 称賛と忌々しい苛立ちとが綯い交ぜになった様な複雑そうな感情が顕になった、そんな複雑な心境を言語化してマツダは川崎を称するが、ソレを受けた川崎はと言えば何時もの素っ気ない一言を返事として返す。

 

 「うわっ、サキサキの通常営業パネぇな。」

 

 俺の口から漏れ出たその一言に川崎が瞬間俺をキッと眼光鋭く睨み付けるが、今の俺は果たして悪かったのだろうか。いやまぁ真剣勝負の最中に要らん声を出してしまった事に付いては俺に非が在れども、ある意味俺は闘いのさなかに冷静さを失わないサキサキの肝の座り様をを称賛している訳でして……と通じませんよねこんな半端な理論武装(理屈)なポーカーではな。うん八幡知ってた。

 

 「わあ…さすがはゴミぃちゃん小町達には言えない事を平然と言ってのけるッそこにシビれもしないし!あこがれもしなィ!だよ。」

 

 其処に挿入されるのは共にこの勝負を見守る小町からの何の感情も篭っていない平坦な声音での突っ込みでした、小町ちゃんってば何気にジョジョネタを使ってくれているんだが感情の籠らぬその声に俺は喜びの一欠片も見い出せないです。

 

 「おう、突っ込みありがとうな小町ちゃん。」

 

 例え其処に感情が篭って無くともネタ突っ込みをしてくれた小町に礼を述べて俺は闘う二人に改めてその眼を向けると。

 

 「何か外野がウルサイけど気にする必要も無ぇよな、それよりもアンタとのこの勝負すげぇ楽しいぜ、へっこりゃあエンジン全開で行けそうだぜェ。」

 

 「ああ、もう何かウチの身内がゴメン、気にしなくて良いからねアレの事はさ

。」

 

 闘う二人には“外野とかアレ”呼ばわりをされると云う不本意極まり無い扱いを受けてしまうと哀しき現実が待っていた。嗚呼……眼から青春の心の汗が滴り落ちるぜ。

 

 「じゃあ此処から仕切り直しと行こうぜ!」

 

 「そうだね。」

 

 そして良い感じにお二人さんは解り合って通じ合って盛り上がっているんですね。

 いや別にそれは良いんですよ俺としても、格闘家として本気で拳を交えられるってのは最上の喜びでもあるんですし、ってまぁ格闘に興味が無い人からすると『態々自分から怪我や痛い思いをしに行くとか超あり得ないんですけど』って感じなんだろうがな。

 

 「オラオラ行くぜぇッ!」

 

 「掛かって来なッ!」

 

 遠間からマツダが再度リズムを刻みつつ不敵に笑いながらそう宣言すると、川崎もまたニヒルに笑みを浮かべて男前に相対する。いやサキサキが美人で実は家庭的だって事は知ってるけどね。

 

 「うぉーッ!」

 

 気合を込めて大きく吼えながら数メートルの距離をマツダはその体勢を低く構えて突進する、その体勢は明らかにタックルからの組み付きを狙ってのものだろう。

 そして案の定マツダは両の(かいな)を前に突き出す、ハッキリ言わせて貰うとこのあからさまな体勢は悪手だろう。川崎程の相手じゃその狙いがモロ解りだから簡単に対処されてしまうだろう。

 

 「甘いッ!」

 

 言うが速いか川崎は間近まで迫ったマツダのタックルをあっさり躱して後方へと大きくジャンプする、目標を見失ったマツダはこれにより大きく体勢を崩す事だろう。

 

 「へっ、ソイツはどうかなっ!?セイリャァーッ!!」

 

 しかしどうやら意外にもマツダにとってこの結果は想定済みだった様で、タックル中断し直ぐにキャンセルを掛けると一歩後方へとバックステップし、空中に逃れた川崎目掛けて大きく山なりの弧を描きながらの飛び蹴りを繰り出す。

 

 しかし。

 

 「決まったなこりゃあ。」

 

 空中に逃れてしまえば迎撃の仕様が無いと普通常識的に考えるだろうな、マツダよお前の狙いは良かったと俺も思うが、残念ながら在るんだよな極限流空手にはな。

 

 「飛燕龍神脚ッ!」

 

 空中からあり得ない角度で降下しながらの強烈な蹴り技、ロバート師範直伝の必殺技『飛燕龍神脚』がマツダの放った浴びせ蹴りを打ち殺しつつカウンター気味にマツダへと強烈で鈍い打撃音を響かせて突き刺さった。

 

 「グハッ……ッ。」

 

 その威力にマツダら口からくぐもった喘ぎ声を小さく漏らしながら、吹き飛ばされ、川崎はそのマツダへと突き刺した脚をそのままヤツの身体をまるで跳び箱の踏切板の代わりの様に扱い空中で宙返りを決めて華麗に着地する。

 

 時を同じくしマツダの身体は肉を打つ嫌な音を立てて強かに地へと叩き付けられる、サカザキのご隠居とロバート師範により鍛え直された新生サキサキが実戦にて対し与えたダメージワンって所だろうなコレは。

 

 「………ふっ。」

 

 着地決め直ぐに構えを取り直すと川崎は一つだけ深く息を吸い、そして吐き出すと油断なく倒れ伏すマツダへとその視線を向けると、その倒れ伏すマツダへと向い前進する。

 ヤツが立ち上がると同時に駄目押しのラッシュを仕掛けようと思っての事だろう。しかし結果は残念ながら川崎の思惑通りとは行かなかった何故ならそれは。

 

 「フッ、あらよっとっ!」

 

 ダウンしていたマツダが地に背を預けた体勢から下半身を大きく振り上げ、その勢いと上半身の撥条とを利用してスッと立ち上がり素早く迎撃の体勢を取ったからだ。

 

 「……フッ、そう来なきゃね。」

 

 川崎は突進を止めてクールに微笑み立ち上がって来たマツダを称賛する、さしずめ格闘者としての血が滾ってきたってところだろうな。

 

 「おー痛っててぇ、へっやっぱヤルなぁ面白ぇ(おもしれぇ)ぜアンタ。」

 

 首をコリキっと鳴らしながらマツダはそう嘯き口から出た言葉と同様にさも面白げに笑い構える、此処にこの仕合いの第一幕が終わり続けて第二幕が始まろうとしている。

 果たして勝利の女神の微笑みが何方に与えられるのかそれは未だ解らずってな。

 




実は拙者、ストⅢはリュウ、ケン、豪鬼の3キャラ以外使用した事が無い為、ショーンの動作等は対CPU戦でしか知らないと云う事を断っておきます。
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