やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

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やはり此処まで来たらやらなきゃだろう。

 

 夕刻の雑木林で俺達三人で、周りの目も気にせずに一頻りネタを楽しみ終えると、Jrが手荷物として持参していたスポーツバッグやリュックを片膝を着き雑木林の中の一本の太い木の根元に置いた。

 

 荷物を置きJrはサッと立ち上がると軽く身体を捻る。

 

 「……フゥーっ、ハァーっ……」

 

 そして吸って吐く、呼吸を一つ。深くゆっくりとその全身に酸素を行き渡らせるかの様に。

 

 「フッ、フッ、フッ、フッ!」

 

 続いて短く呼気を吐きながら、全身運動を開始する、そんなJrの所作を俺達は静かに見守る。その動きと呼気はやがて次第次第に激しくなって行き、ジャブ、ストレート、ロー、ミドル、ハイとパンチとキックを次々と繰り出す。

 

 「うん判っていたけどやっぱ基礎は確り固まってるね、しかも重量級にしてはステップワークもハンドスピードも悪く無い、ってよりかなりのレベルだよ。」

 

 パオパオカフェで材木座との仕合いを観てはいたが、普段俺や材木座とアホなオタク談義ばかりやっているからか、川崎はJrの技量の高さに感心する。

 

 「まぁな、何てったって親父さんはキックボクシング元世界スーパーベビー級のチャンプだしな、その辺りはバッチリ仕込まれてるだろうからな。」

 

 「ああ、材木座との試合以外にもパオパオカフェでリングで闘うJrを何度か観たけど、アタシもソレはすごく感じたよ。」

 

 俺は川崎にJrの親父さんの事をを引き合いとして出しつつ彼女は同意する、しかし無論それだけじゃあ無く日頃のJr自身の鍛錬の成果でもあろうがな。

 

 「うん、そうだね。材木座君との対戦の時も思ったけど技のキレも、威力も申し分無しだね。」

 「はい、流石は我が相棒でありますな。」

 

 春日野先生が俺達同様Jrを称賛すれば材木座がそれを我が事の様に喜び、そして。

 

 「まあアレだけデカきりゃあパワーと破壊力はかなりありそうだけどな。」

 

 マツダは皮肉った物言いではあるがJrを認める発言をする。Jrは親父さんより身長は十センチ程小さいが、それでも現状既に百八十五センチとテリー兄ちゃんよりも大柄で鍛えられた筋肉がその身を鎧の様に包んでいる。

 それでいて、決して素早いって程では無いにしろ動きは鈍重では無くキレも良くパワーとテクニッの均整が取れていると来てるから、全く大したもんだ。

 

 時間にして七〜八分、ウォーミング・アップを終えたJrは晩夏の暑さも相まって全身を汗で湿らせつつもサッパリした表情で『フゥ~ッ』と一呼吸。

 先に樹の根本に置いたスポーツバッグからタオルを取り出し、その身から滴る汗を拭うと再度スポーツバッグをあさり中からバンテージを取り出し、陽気に口笛を吹きつつ左拳に巻きはじめた。

 はじめに四本の指、人差し指から小指を自然に伸ばしてナックルパートにグルグルと五〜六周程バンテージを巻き付けるとそれを引き抜き中手骨の上へと添える。その上から残りをグルグルと手首を十センチ程越えた辺りまで丹念に巻く、それを左右両拳に行う。

 

 「へぇ、Jrはバンテージをそう巻くんだな。」

 

 バンテージを巻いているJrを見つつ俺はそう呟く。以前、俺がジョーあんちゃんから教わったバンテージの巻き方は、先端の輪っかを親指に通してから手首周りを三周きほど巻き着けて固定し、それからある程度拳全体に巻き付けた後中手骨の上に小指から人差し指間をグルグルとウィービングする様に十回程往復させてからナックルパートを固め、更に拳全体へと巻いていたんだがな。

 まぁ基本俺はテリー兄ちゃん同様に指貫のグローブを使ってるからそれは本当に滅多にやる事は無いんだけどな。なので俺もバンテージを巻く際はその教わったやり方を踏襲している。

 

 「あァこのヤリ方はDaddyから教わっタ巻き方ナンだ……オゥ!そう言エばハチマンはジョーさんにムエタイを学ンデたんだったナ、ハハーン!サテはジョーさんの巻き方はオレタチとは違うノカ、ナルホドなバンテージの巻き方モ人ソレゾレって事なんダナ。」

 

 そう一人納得してJrは口笛を吹きながらバンテージの装着を再開した。

 

 

 

 バンテージを巻き終えた両拳をコツンコツンと軽く当てながらJrが俺の呟きに応えてくれた。

 それから一分にも満たない短い時間シャドーを軽く行いJrは再びスポーツバッグをあさり、その中からグローブを取り出しキリッとした挑戦的な目を俺に向けてきた。

 Jrは立ち上がるとそのグローブを高々と掲げると。

 

 「ナぁハチマン……最後にイッチョ手合ワせと行かないカ!?」

 

 と、俺にそう呼び掛けた。

 

 そのJrから俺への呼び掛けの声に俺を含めた周りの皆も、その瞬間しんと静まり返る。

 その呼び掛けにどう応えるか、其処で俺はこの場に居る二人の男に目を向ける、無論一人は手合わせを申し出て来たJrである。そしてもう一人の男とは、今日この日アメリカから俺に会う為にこの千葉まで足を運んでくれた、結果としては川崎と対戦した事により今回俺との対戦は流れてしまったが、互いに格闘の世界に身を置いていれば何時か拳を交えるって時が訪れるだろう男、ショーン・マツダ。

 

 「あん!?何だよ八幡、何いきなり俺にガンくれてんだよ?」

 

 俺が目を向けた事でマツダは先刻初対面の時の様に挑発的な物言いをしてきたんだが、俺としてはそんなつもりは無いんだがな。やっぱりこの眼がいかんのか!?

 先の川崎との対戦で俺はマツダの闘いを観て、コイツの技を技量を識った。それを元に俺はその対策を練る時間があるって事だ、対して俺はマツダにソレを見せてはいないなと思っただけなんだが。

 

 「いや……何てかな、俺はさっきお前と川崎の対戦を観戦させて貰った訳だが、それってある意味お前の手の内を観せて貰ったって事なんだよな。それでだがもし俺が今のJrの申し出を断ったりしちゃ何ってなぁ、こっちだけ手の内を隠してるみたいでお前に対してちょっとばかりフェアじゃ無いんじゃあねぇかって思ってな。」

 

 「ハッ!なんだそりゃまた律儀な事だなっ。そんなモン黙ってりゃ次に俺とやり合う時有利に立てただろうによ、おめでたいヤツだな。」

 

 「……解って無いなマツダ。俺はまだまだ発展途上の人間だぜ、言うなれば『県立海○高校野球部員山下たろーくん』に等しいって訳だ。あくまでも見せるのは現時点での俺の力ってヤツだよ。まぁそんな訳だからこれからも鍛錬を積んで強くなるんだぜ。今日よりも明日、明日よりも明後日はもっとって感じにな。お前だってそうなんじゃねぇのか違うってんなら俺の見誤りなんだろうけど。」

 

 まぁ『闘う前に相手に自らの手の内を晒すなど愚の骨頂!だからお前はアホなのだ!』と以前Gガンにハマりツイートしていた森川ジョ○ジ先生には怒られそうだが、俺の気持ちとしてはそんなところだ。

 

 「けっ!言うじゃねえか八幡ッ、そうだな俺だってそうだぜ!これからも俺はケン師匠に鍛えて貰ってもっと強くなって、何れはケン師匠だって越えてスゲぇデッカイ男になってやるぜ。つうか誰だよ山下たろーくんってのはよ?」

 

 「フッ、デッカイ男か……なぁマツダ知ってるか、昔日本にはこんな歌があったんだ『みんなみんな、大きくなるよ、まいにちちょっぴり、せがのびて、きのうのズボンはもうはけない』ってな。いやまぁ流石にそんな不経済な成長の仕方をされたんじゃ家計を預かる世の主婦(夫)達からするとたまったモンじゃあ無いだろうが、一人の格闘家としてはそんな風に在りたいよな。」

 

 「いや、だから何なんだよその例え話はよ!?でもまあお前がそうしたいってんなら、そうすりゃ良いんじゃないのか。」

 

 俺のネタに突っ込みを入れつつもマツダも俺の考えに納得してくれた様だ、だったら答えは一つだよな。

 俺はマツダからJrへと向き直りその意志を伝える、何だか我ながら少しカッコ付け過ぎたかなと内心思いつつ俺はソレを誤魔化す様にボリボリと髪を掻きながら。

 いやだってな、どうにも自分のキャラじゃあ無い様な気がするし、もしかしたら若干顔が紅潮してんじゃね?と思う程度には顔が火照っている気もするし。

 

 「そう言う訳だからJr、一丁やってみるか………」

 

 「ハッハーァッ!そう来なくチャなッ!!しかしナンかハチマン微妙にデレてないカ?」

 

 げっ……Jrにそんな突っ込みを入れられたよ、マジかよ別にデレてるって訳じゃ無いんだが、傍から見りゃそう思われてしまうのか。

 ヤッベぇ、もう何か時間を巻き戻してさっきのマツダとのやり取りを取り消したいッ。

 

 

 

 

 

 

 

 Jrからの手合わせの申し出を受け俺もその準備の為に自分の持参したスポーツバッグからグローブと、そして誕生日のプレゼントとして雪乃、結衣、いろはの三人から贈られた黒い『KING OF THE FIGTERS』と記されたキャプとを取り出すして立ち上がる。

 そしてソレを身に着けようとしたその時『ヘイハチマン!』とJrが俺に呼び掛けると、“見てろよ”と言うと。

 

 「行くゾっ!Tool Connect(ツールコネクト)ッ!」

 

 と叫び先ずは右拳を空へと掲げてグローブを次に同じ様に左拳に装着した、装着する際に自らの口でガキンッ!ガキンッ!とドッキング音を発してな。

 グローブを装着するとJrはその感触を確かめる様に指を開いて閉じると数度繰り返して、ニカッと笑い右腕を前方に突き付けながらながらこう言った。

 

 「ハッハーっ、ドウよハチマンこのネタはよ?気合がガンガン高マリそうダロう!?」

 

 いや、うん。理解るよその気持ちメッチャ良く理解るよ、何なら俺もやりたいまである。but(しかぁーし)

 

 「ガオガ○ガーかよ……てかそのネタ、中の人的に材木座が言いそうなセリフっぽいんだがな。」

 

 と八幡思うんだ、なので使うなら材木座の居ないところでだな。

 

 「うむ、そうだな我も何処かで使いたいところだ!」

 

 「いやお前はマイ○ガインのネタで行くんじゃなかったのかよ。」

 

 はて、以前屋上で材木座は俺にマ○トガインネタを披露した事があった筈だが、もしかするとそのうちガオガ○ガーに鞍替えする日も近いのかも知れんな。

 

 「うむ、当然マ○トガインも良いものではあるがな、ガ○ガイガーもまた素晴らしいではないか!」

 

 俺の突っ込みを受け偉そうに材木座はそう嘯くのだが、だがしかし材木座にガ○ガイガーのネタをカッコよく決めるにはやるには致命的に不足しているモノがある。

 

 「いや、だがガオガイ○ーをやるんならGGGメンバーをやってくれる人が必要になるだろう、お前その宛あるのか?」

 

 ガオ○イガーをやるのに必須とも言えるGGGメンバーによるオペレーティング。ソレをやってこそ輝くってモノだろう、特に卯都○命やス○ン・ホワイト役をやってくれる女子がな。

 

 「ぬぐぅ〜っ、ソレを言われるとだなぁ………」

 

 俺の言う事が材木座本人にも痛い程に理解出来たからか、材木座は口惜しげに拳をグググっと握り締め涙を流す。そんな材木座の様子を豪快に笑って見てるJr、その笑いを納めJrは俺に目を向けると。

 

 「Heyハチマン!お前も何かやって見せろヨ!」

 

 Jrは期待に満ちた目をして俺にネタを促す、其処まで期待をされているのなら此方としてもソレを受けざるを得ない!ってな。

 

 「そうだな……じゃあ。」

 

 さて何にするかと、数秒間脳内で俺の中の記憶の図書館から探し出したソレを俺はプロセスを開始する、先ずは両の拳にグローブを装着しながら最初の向上を述べる。

 

 「日本(ジャパン)武装警察(アームドポリス)

 

 次いで、左脇に挟んでいた帽子(キャップ)を右手に持ち替えて頭部にスチャッと装着し、ファイテンポーズを取り。

 

 「秘密捜査官(シークレットサーチャー)コマンダーエイト参上ッ!八幡だけに。」

 

 名乗りを上げる。

 

 「Oh!何ダソレ?元ネタは何ナンダ!?教エテくれハチマン!」

 

 「おぅ、これはなJr……」

 

 俺のネタにスゴイ食いつきを見せるJrに、良くぞ聞いてくれたと俺は説明をはじめる。しかし周りからは何故だがシラっとした空気が漂いはじめている事を、俺の元ボッチだったが故に磨きに磨かれた感知能力がソレを察知し、俺は経年劣化により建付けが悪くなった扉の様にギギギと擬音が発しそうな動作でその方向に顔を向けると。

 

 「……いや、もう最初っからほとんど訳分んないよアンタらのやってる事ってさ。」

 

 「何かすみません、ウチのゴミぃちゃんが……………よよよ。」

 

 「八幡師匠……ホント残念。」

 

 「るーちゃん、はーちゃんたちざんねんなの?」

 

 「うん、すっごく。」

 

 そして予想を違わぬJK、JC、JS、保育園児からの辛辣なお言葉が深く突き刺さる。フッいつの時代もマイノリティーってのは理解されんのです。偉い人にはそれがわらんのです。

 

 「アハハ……私はノーコメントって事にしておこうかな。」

 

 「あー、そうだな俺もそれでいいや。」

 

 おそらくは、もう面倒くさ過ぎてどう対応すれば良いのかと適切な解答が出せないのであろう二人は、若干投げやりな感じでそうコメントを残した。

 

 「ゴメンね八幡、僕もあんまり擁護してあげられないや…………」

 

 「あっ い!? うれえろお!!」

 

 「うわらば」

 

 「あべし!!」

 

 そして我が天使にまで見放されてしまうと言う現実に打ちひしがれ、俺達はガクッと地に膝と肘を着け絶望の断末魔をあげてしまった。

 

 

 

 

 

 しかし何時まで打ちひしがれ地に臥せっていても仕方無いと気を取り直して、俺達は再び立ち上がる。そう、俯いたままじゃ何も得られないからな、勝利の歓びよも敗北の悔しさも……何てそんな御大層なモンでもないか。

 まぁ、あまり茶番ばっかりやってるワケにもいかんしな。そろそろテンションを戦闘モードに持っていかねばならんだろう。

 

 「フッ、フッ、シュッ!」

 

 Jrに倣ってる訳じゃ無いが俺も軽く身体を動かして己のコンディションを確認する。ステップワークから始めて徐々にパンチや蹴りに加えて回避運動や相手の出方を想定してのガードやパリング。

 ほんの少し動いただけなのにもう汗が滴る、コイツは流石に鬱陶しいと思うが致し方あるまい。暦の上では初秋とは言えと体感的にはまだ夏だしな、仕方無いね。

 

 「ふぅ、ヨシOK!まぁこんなモンだな。」

 

 一通りコンディションも確認出来たし身体的には問題なしだ、先のJrじゃ無いが俺も左右の掌を開いて閉じてを数度繰り返し、最後に軽くステッピングの様なジャンプを繰り返す、うん何時でも行けるな。

 

 「ん!?」

 

 己が身の手応えを確かめるのに集中し過ぎていた為か、其れまで気が付かなかった鈍くそしてわりと大きな物音がしている事に俺は今更気がつきそちらに目を向けると。

 

 「シィィッ!Oneッ!TWoゥゥッ!」

 

 「ヨシッ、身体の芯まで衝撃が響く良い音であるぞJrよ!」

 

 何時の間にか材木座が両手にミットを着けJrがそのミットをめがけて拳を繰り出していた。

 ビシッ、ズシッと鈍く重い音を響かせるパンチを受け材木座のミットから今にも煙が立ち昇りそうな程のインパクト、それだけでもうJrのパンチの破壊力が嫌ってほど理解できる。コイツはあまりクリーヒットを食らっちゃ不味いな。

 Jrの様子を確認しつつ、さてどんな風に出るべきかと脳内シミュレーションを行っていたんだが、そんな俺の側に近付いて来る人の気配を感じ俺はソチラに目を向けた。

 

 「アイツ凄えな、破壊力が半端無さそうだな。どうだ八幡アイツ相手に勝てそうか?」

 

 そう言いながら、バスケットボールを地にバウンドさせながらマツダがゆったりと歩いてくる。

 

 「……さてどうだろうな、勿論()るからにゃ勝つつもりだが、それは向こうも同じだろう。」

 

 それに対して俺が極有りきたりな答を返すとマツダは微かにシニカルな笑いをその顔に表しながら。

 

 「へへっ違いねぇな、まあ良いさ精々無様なところを俺達に見せない様に踏ん張るんだな。」

 

 微妙ツンデレっぽい言い回しのセリフを曰わった、男のツンデレに需要なんざありゃしないって事をコイツは知らないのだろうか。知らないんだろうな多分。

 

 「おっ何だもしかして俺の心配してくれてんのかマツダ、げっ!?辞めてくれよな俺にそっちの趣味は無いからな!」

 

 ソレに対し俺は自身のおケツを両手で庇う素振りでマツダを誂う、まぁコイツがわりと俺の事を気遣ってくれているってのは理解してるんだが、何となく妙に照れ臭いって言うか素直になれないっえか……っべぇ何時の間にか俺にツンデレ属性が追加されてしまったのか、つい今男のツンデレに需要無しって断じたってのに朝令暮改もイイトコロじゃね。

 否、極一部、出来れば関わり合いを持ちたく無い腐った志向の女性達には需要があるかも知れんが。話を変えて。

 

 「はぁっ!?何フザけた言ってんだお前はっ!俺だってそんな趣味何か持ってねぇよッ!!」

 

 案の定、マツダは俺の巫山戯た態度に憤慨し俺に背を向けてこの場からノシノシと歩き去って行く、その姿にちょっとだけやり過ぎたかと俺は内省し帽子(キャップ)の上から頭を搔きつつ去り行くマツダに声を掛けた。

 

 「マツダ、ありがとうな。まぁどうなるか何てなやってみなきゃ解らんけど、取り敢えず今やれる事をやってみるわ。」

 

 俺の謝辞にマツダは歩みを一旦止め首を右方向へ微かに横へと動かして俺を一瞥すると、後ろ向きで右手をヒラヒラと振りながら再動しバトルフィールドから離れる。

 

 「さてどう闘い抜くかな。」

 

 俺はマツダからJrに向き変え帽子の鍔を右の親指と人差指の二本の指で摘み、頭を掻いた影響で崩れたソレを整えた。

 




次回Jrとの対戦は巻で行ってみようかと思っています。

今回作中で書いたJrのバンテージの巻き方は、ミニマム級及びライトフライ級二階級王者京口紘人さんの巻き方を参考とさせていただきました。
また八幡がジョーに教わった巻き方に関しては、当作の創作に加え元WBAミドル級チャンピオン竹原慎二氏の巻き方を一部参考とさせていただきました。
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