やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。 作:佐世保の中年ライダー
「えっ!?あの…オーナー…。」
頑張れ川…越、告白するなら今がチャンスだ!
歳の差何か気にすんな、愛が有ればそんなん乗り越えられるさ!
スマン、少し銚子市に…調子に乗りました、因みに銚子市は千葉県の最東端であり、市域は利根川下流および河口の南岸…ってウィキペディア読めば分かりますよね、更に因みにこの作者、学生時代に二年間市原市の五井駅近辺と松戸市の北小金駅の近くに住んでいた事があったりしますが、銚子市には行ったことがありません…どうでも良いですねそんな事さ。
突然現れたマイヤさんに川なんとかさんは驚いているが、オイ何時までもパニクってんじゃありませんよ。
そろそろ覚悟を決めて、さっきの冗談では無いけど言わなきゃならない事は、言っちまえ!
「…あのオーナー、本当にすみませんでした!」
お〜っとぉ!覚悟を決めたか川なんとかさん、マイヤさんに対しガバッと一気に頭を下げたぞぉ!!
それに対してマイヤさん、イキナリの頭下げに戸惑いを隠せないかぁ〜!
まだまだ頭を上げる気配のない川なんとかさん、次はどう出る!?
まさか此のまま次の一手を撃つのか!
出るか無差別格闘早乙女流、必殺の猛虎落地勢!!
…いい加減しつこいよな…。
「顔を上げなさい、サキ君。」
俺の脳内悪巫山戯を他所に、マイヤさんは川…島さんに頭を上げる様に促す。
またまた因みに嘗てWBC世界スーパーフライ級の世界チャンピオンだった川島敦志氏はそれはそれは素晴らしい世界チャンピオンであった。
俺が嘗てリュウさんと闘った時に偶々成功させたスリッピングアウェーと言う技術を日本に知らしめた選手としても有名である、これもマメな。
…マイヤさんの言葉に、躊躇いがちにだが、川なんとかさんはその頭を上げてマイヤさんを伺い見ている。
「私に話さなければならない事があるのだろう、ゆっくりで構わないから話してくれないか。」
優しく諭す様に語り掛けるマイヤさんの様子に川なんとかさんは安堵の表情を漸く見せたのだった。
そして川なんとかさんは自分が皆に対して偽っていた事、年齢詐称と大学生では無く高校生だと言う事実を正直に話し再びマイヤさんに頭を下げた。
「良く話してくれたねサキ君、もう良いんだよ頭を上げなさい…君が自身の事を正直に話してくれた、私にはそれで充分だ。」
マイヤさんに再び促され頭を上げた川なんとかさんの目の端に、うっすらとひかる雫のかけらが見える。
感極まった、そんな感じなのか川なんとかさん!?
「…オーナー…。」
「とは言えだ、私は経営者としてこの店を守る為にも君にペナルティーを与えねばならない…それは理解してもらえるかね。」
「はい。」と神妙に頷き返事をする川なんとかさんの表情には覚悟を決めた者が持つかのような、清々しさが見て取れた。
うん、実に清々しい姿だ…まるで正月元旦、おろしたてのパンツを履いた時の様な清々しい姿だ。
「…君に下すペナルティーは…」
ゴクリと生唾を飲み込む音は聞こえなかったが、川なんとかさんにするとその言葉が発せられた時まさに心境としては生唾を飲み込んだ様な気持ちだったんじゃないか?
「まず第一に明日、皆に対して今私に言った事を告白し謝罪する事。」
「…はい。」
宜しいとばかりに、川なんとかさんの返事に対し頷くマイヤさん。
こう言う態度にも男の貫禄と渋さが光るな、マジカッコゆす。
「そして第二に、君は今日より深夜帯の勤務を禁止する物とする、なので新たなシフト表を提出する様に良いかね。」
ポカン…今の川なんとかさんの表情を言い表すなら正にそれだろう。
川なんとかさんはクビを言い渡される覚悟を決めていただろうからな、だからこそこのマイヤさんからの恩情判決、温情判決と書くべきか…は川なんとかさんにしたら意外だっただろうな、黒騎士ブラフォードが髪の毛を使い剣で攻撃して来た時のジョナサン・ジョースターが感じた意外性くらいにな。
「あの、オーナー…アタシは解雇される事を覚悟していました、それだけの事をアタシはこの店に対してしてしまったんです…。」
「君は辞めたいのかね?」
解雇を覚悟していた川なんとかさんと俺と交わした約束により許す方向に話を振るマイヤさん。
川村、お前はどう答える、マイヤさんの思いに。
「いいえっ!アタシは辞めたくありません、出来るなら此処で働かせて欲しいです…。」
「フフ、ならばそれで良いではないかね、サキ君…そしてハチマン君、君もこれで納得してくれるかね。」
マイヤさんが、最後を俺に振った為に川なんとかさんが、メチャ不思議そうに俺を見ているんだけど…。
うん、自分が勤める店のオーナーと、高々一高校生が知り合い何て普通思わないよな。
「比企谷、アンタ一体オーナーとどう言う関係なのさ!?」
まぁだから、こう質問されるだろうとは思いましたとも、夏休みの友。
「…あぁ、そのな、マイヤさんにはアメリカに居る俺の兄貴分達が色々と世話になっていてな、俺達自身は今日初めて会ったんだ。」
川なんとかさんってば、またポカンとしていらっしゃる、何時までもそんなにポカンしてるの?現実を受け入れなさい川なんとかさん。
「サキ君、ハチマン君が言っていることは事実だよ、彼の師匠に当たる男達は私の旧い友人なのだよ。」
川なんとかさんに対する処分の通達を終え、少しだけ三人で世間話をし、マイヤさんは執務へ戻るべくこの場から立ち去ろうとし、俺も家へ帰ろうかと思っていたその時。
『ガシャーァン!!』と食器が割れる音が、リング付近の客席から店内に大きく響いた。
俺は、酔っ払った客が粗相をして食器を落としてしまったのだろうかと思ったんだが…どうやら違う様だ。
「何だ何だ!その体たらくは、オメーらそれでも格闘家かぁ〜!?」だの「せやせやそないな動きしか出来ひんのやったら止めてまえやぁ〜!」だのとヤジを飛ばし始めた一団がいた。
遠目にもその一団はそっち系と係わりのある者達だと解る。
良くあるパルパティーンとしては、裏社会で何らかの格闘イベントをやっていた組織が、ちょっと評判の店に人出を奪われて因縁を付けに来たとか、そんな処じゃ無いかな…あながち間違っちゃ無いだろうな。
そうなるとマイヤさんも黙っちゃ居ないだろう、直ぐ様マイヤさんはそちらへ向かって行ってるし。
「君達は此処に居てくれ。」
そう引き止めるマイヤさんだが、事に寄っちゃそうも行かなくなるだろう。
だから俺達はマイヤさんの後に続きその一団の元へ向かった。
「お客様、どうかなされましたか?」
極々紳士的にマイヤさんはその連中に対応するが、それに対し連中がマイヤさんの様に紳士な態度で接するかと言うとそうはならないんじゃなかろうか?
「…お、オウオウ出しゃばんじゃねぇぞガイジンさんよぉ!」
プッ、このチンピラさんビビってやんの!マイヤさんガタイがデカくて貫禄あるからな、しかも元格闘家だし威圧感充分だ。
「そうも行かないのです、私がこの店のオーナーですのでね。」
マイヤさんとチンピラさん達とのお話し合い(笑)の結果ほぼ先程俺が予想した事で合っていた。
直接的に裏社会って程の組織では無いらしいが、ちょっとした賭け試合とかを主催し小金を儲けていたが、このパオパオカフェが開店してからは客足が遠退いて行ったそうだ。
まぁこのパオパオカフェのリングに上がっている選手もピンキリだが、賭け試合に出場している連中よりは実力者が多いだろうから、ギャンブルとしてでは無く本物の格闘を見たいと思う人はそりゃ此方に来るだろうな。
第一賭け試合とか純粋に犯罪行為じゃ無いのさ。
と言う事をチンピラさんの代表がマイヤさんに対してオブラートに包みながら話してくれたした。
ギャンブルの胴元やってますなんて、大っぴらに公言出来ないよね。
それに対してマイヤさんは、あくまで紳士に対応していたけれど、結局埒があかず激昂した連中が…。
「こうなりゃ実力で白黒つけようじゃあねぇか!お誂向きにリングがあるんだ手前ぇ等ントコの腕に覚えのある奴ァリングに上がれやァ!」
と、大層頭の悪い発言をして下さいましたとさ。
その代表の言葉と共に連中の内、十ニ人がリングに上がって行ってんだけど…幾ら通常のリングより大きく作ってあるったってさ一度に上がんのには人数多すぎんじゃ無かろうか!
その挑発にさっき迄リングに上がっていたパオパオカフェと契約?している選手の幾人かがリング上がろうとしていたが、マイヤさんがそれを引き止め、更にはそのマイヤさんは自身がリングに上がろうとしてるのだろう、上着を脱ぎネクタイを外し始めた。
「マイヤさん、待って下さい…此処は俺にやらせてもらえませんか。」
何も…本来なら俺が出る必要なんぞ無いんだろうけどさ、マイヤさんは此処のオーナーでもあるし、いずれそう遠くない時期にアメリカへ帰国するだろうから億が一もあり得ないだろうけど怪我をさせる訳には行かないからな。
「ハチマン君…だが君は。」
「マイヤさん俺の師匠達が誰だか、マイヤさんなら分かっているでしょう。」
今後、俺もこのリングに立たせてもらう事があるかも知れないとテリー兄ちゃんからパオパオカフェ開店の話を聞いた時から思っていたからな、それが今日になっただけと思えば良いだけだ。
「…オーナー、アタシにもやらせて下さい。」
オイ、川井お前まで出張る事はないんだってばよ、あの程度俺一人で十分だ。
「サキ君…君まで…。」
あゝ、コイツ覚悟を決めてやがる、まぁ多分サキサキ君一人でもアイツら位対応出来ると思うけど。
ざっと見、あの中でソレ也にやれそうなのって三人位だな。
「…やってくれるのかね、二人共。」
「「はい!」」
俺と川なんとかさんは揃ってマイヤさんに返事をした。
「良し、ハチマン君とサキ君以外はリングから離れるんだ!二人がリングインし次第超電磁フィールドウォールを再展開、準備完了次第ゴングを鳴らすんだ!準備急げ!!」
マイヤさんの号令にテキパキと行動を開始するスタッフの皆さん、とても良く統制が取れておられる。
それに比べ、リング上のチンピラさん達と来たら、その殆どが青コーナー側に密っているよ。
そんなんじゃ数の利点を活かせないよ君達、まぁ俺達からすると面倒事が半減するから良・い・け・ど・さ。
俺、次に川なんとかさんの順に赤コーナーからリングへ上がった俺達は軽く身体を解し、ゴングが鳴らされるのを気楽に待つ。
「やれるのか、川口?」
「…アンタ、アタシの名前知らなかったのかい、アタシは川口じゃ無い、川崎だよ!」
Oh!そうでしたか!
「なぁ川崎、お前やっぱり好きな色はライムグリーンか!?」
「言っとくけど比企谷、アタシはバイク屋じゃ無いからね。」
嘘、通じたの!?やるじゃん川サキサキィ!
何か久し振りに俺のボケに突っ込んでくれる人が現れたよ!八幡嬉しい。
「フッ、そろそろゴングが鳴るぜ。」
「ああ。」
『カァーン!!』と店内に乾いたゴングの音が響いた。
先手必勝と威嚇の意味を込めて行くぞテメェら!
「パワーウェーブ!!」「龍撃拳!」
俺の放ったパワーウェーブがマット上を疾走し、川サキサキの放った龍撃拳がリング上を青コーナー側へ一直線に飛んで行く!
って!龍撃拳だって!?それって極限流のガルシア師範の技じゃねえかよ!
俺の驚きを他所に、俺達が放った気弾はチンピラさん達の内二人をリングアウトさせた。
チンピラさん達にとっては正に、それは青天の霹靂だっただろうな、残りの連中ったら呆然としているよ。
「サキサキ、お前って極限流だったのかよ!しかもガルシア師範の流れを汲む脚技主体の…マジか。」
「サキサキ言うな!そう言うアンタは伝説の餓狼の技を遣うのかい、アンタの兄貴でオーナーの友人って言うのはもしかして。」
おや!?チンピラさん達、俺達が話している間に気持ちの立て直しが出来たみたいだよ。
改めて構え取り直した奴も居るしね。
「話は後だな、行こうぜサキサキ!」
「だからサキサキ言うなって!」
俺達二人は揃って青コーナーへと駆けていく、さっさとチンピラさん達をお片付けする為に。
「そりゃ!ハッ!」
チンピラAのやけっぱちのパンチを捌き左ボディブローからの右ストレートの二発で、チンピラAを沈め。
「ヤッ!破ッ!」
チンピラBをサキサキが下段膝蹴りで体勢を崩し上段回し蹴りで場外へ叩き落とした…やるなサキサキ!
背後から俺を攻撃しようとして来たチンピラCに俺は一旦屈み込みCの顎目掛けて掌底を叩き込む。
アンディ兄ちゃんに教わった掌底打の上げ面だ。
屈み込みから上方目掛けて高速で身体毎叩き込まれた掌底の威力にチンピラCはチンピラBと同様にリングアウトし果てた。
チンピラDとEが二人掛かりで一度にサキサキへと向かって行くが、Dのパンチにカウンターを合わせての右正拳で仕留め、Eの型もない喧嘩蹴りを軽く躱して。
「飛燕疾風脚!」
超近距離からの二連撃の蹴りが炸裂、リンかけの敵外人Jrの如くこれまたリングアウト。
すっげぇ、俺も負けらんねぇよな、チンピラさん達、まさか十人も居てたった二人にここ迄ヤラれるとは思ってなかっただろうな。
またしても動きが止まってますよ、だったら遠慮なくやらせていただきます。
俺の方からチンピラFへ向かい接近し動きの止まったFへ身を屈めた状態から上目遣いでニヤリと笑い。
「タイガーキィック!」
チンピラFのボディへ必殺の膝蹴りを喰らわせ、空高く舞い上がったFは…哀れ顔面からマットへ口づけをした。
車田落ち、頂きました!ごちそうさまです。
「ヤローざけんなや!」
威勢よく、なのか虚勢よくなのかは定かでは無いがチンピラGが突進し俺に上段回し蹴りを放って来た、コイツはそれなりに出来る奴のようだが、此方にむざむざ当たってやる筋合いは無いからね。
「ハアッ!!」
此方も上段蹴りで相殺してやると、蹈鞴を踏み三歩程後退るGが体勢を立て直す前に突進し、攻撃を加える。
「ウリャァ!」
超低軌道から空高く突き上げるアッパーカット『ワイルドアッパー』をボディへ突き刺し追撃の。
「パワーッダァンク!」
膝蹴りで相手を空へ飛ばしの追撃の空中から叩き落とすパンチ、旧タイプのパワーダンクを叩き込んだ。
Gの身体はマットへ叩き付けられバウンドし、またもやリングアウト…。
後は残り三人か…と思っていたら川サキサキさんたら。
「そっりゃあ!」
とビルドアッパー、ガルシア師範のは龍牙だったかな技名は、リュウさんやケン・マスターズさんの昇竜拳と同タイプの技だ。
メチャ痛いだろうなアレ、食らったことのある俺が言うのだから間違い無いったら間違い無い。
チンピラさん達の残存兵力が、残り二人となった今。
『WOOOOOH!!』
観客、その他店員さん達の歓声がパオパオカフェ店内に高らかに響く!
俺達二人、どうやら皆さんのご期待に添えた様で何よりで御座います。
ではでは、さてさて残りを排除しましょうかね、と構えを取りチンピラIとJへ向き合いますとですね。
「な、な、な、ん…何なんだよお前らは…何もんなんだよぉ。」
と質問をされましたので答えてあげるのが世の情とロケット団の二人も言ってるよね。
「極限流空手、川崎沙希!」
とサキサキさんが、カッコ良く名乗りを上げたので、どうしよう…何男だと、聞かれたので比企谷家の長男だ!とボケるべきかと思ったけれど…。
「同じく伊坂十蔵!」
と別のボケをかましました。
何か隣からものっそい冷たい視線を感じるの…。
サキサキさん、このネタ知ってるのかな、知ってるからそんな目で俺を見るのかな。
後で聞いてみよっと!
チンピラIさんとJさんは、もう諦め気分ですよね、どうしますか尻尾を巻いて逃げますか?
「テメェ等ァァァァ!」
「上等だぜェェェ!!」
自棄のやんぱち…チンピラIとJは考え無しに突進して来ましたよ。
「クラッッシューゥト!」
チンピラIの突撃に合わせて打ち込む空中回転蹴りクラックシュートを叩き込みコーナーロープの反動で帰った所に。
「ライジィンタックゥ!!」
ライジンタックルで追討ちを掛け、リング外へ…SoLongGoodBye
サキサキへと突進していたチンピラJはどうなったのか…。
空高く舞い飛んだサキサキの。
「飛燕龍神脚!」
斜め前方へと向い降りながらの二連の脚撃、飛燕龍神脚を喰らいコーナーポストに背中から叩き付けられ、その意識を失った。
此処にチンピラ軍団は一人残らず排除され、リングに立つのは俺とサキサキの二人だけとなった。
『フッ、またつまらぬ物を斬ってしまった…。』心の中だけで俺は五右衛門気分を味わった。