やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

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俺が彼女達に決意を語るのは間違っているだろうか。

 

 トンネルを抜けるとそこは雪国…では無いですはい。

 目を覚ますと俺は雪乃に膝枕をされていて、結衣といろはも共に俺を見守る様に寄り添って居られる…。

 しかもなんか、今不穏当な事を言わなかったか…何なの私達の旦那様って…。

 嫌な汗が背中を濡らしてしまいそうだわ八幡ってば、なので此処は一つ誤魔化すに限る!

 

 「…大きな星が点いたり消えたりしている、アハハ、大きい……彗星かな。イヤ、違う、違うな、彗星はもっとバーって動くもんな、暑っ苦しいな此処、ん…出られないのかな、おーい、出し下さいよ…ねぇ。」

 

 「せん、旦那様そう言うのもういいですから現実を受け入れてくださいね。」

 

 八幡アウト! どうやら俺の周りにはスラッと美しい御身足をした中華系の幼馴染の女の子は存在しない様だ。

 なので俺の現状をアーガマのブライト艦長に報告してくれる人など存在しないんだな…。

 いや、現実をってさ、三人の女子が俺を旦那様とか言ってる時点で、コレが現実とか『あり得へんでぇ!』じゃん。

 マジで何なの、俺ってばやっぱり異世界転生させられたの?そんで以て転生特典はいろは達三人とか…。

 無いわぁ、マジ無いわぁ…大体其れなら俺は何時死んだんだよ!

 

 「ねぇゆきのん、いろはちゃん、ヒッキ…旦那様にもちゃんと説明した方が良いんじゃないかな?」

 

 俺の現実逃避っぷりを見かねたのか、結衣が説明云々言っているけど、その説明を聞いてしまったら…俺は後戻りが出来なくなってしまいそうな、嫌な予感がする『予感です、予感がします。』と俺の中の『カセイジン』が耳を回しながらそう言ってるし。

 

 「…そうね、その方がこの人も納得してくれるでしょうから、そうしましょうか…。」

 

 ちょっと待って、プレイバック、プレイバック!いまの言葉プレイバック、プレイバック♪

 じゃ無くってさ、其れ聞かされる俺の身にもなっては…くれませんよねぇ…。

 

 「さっきさ、ヒガシさんとヒッ、だ、旦那様が試合する前に小町ちゃんが言っていたよね、あたし達の三人をヒッキーのお嫁さんにって。」

 

 …あ〜、うん、言っていたよね、そんなとんでも戦士ムテキング…もとい、とんでも発言をね。

 まさか其れを君達マジに受け取ったって訳なの?

 

 「それでですね、私達改めてヒガシさんと闘う、旦那様のひたむきな姿を見て思ったんです、これから先私はせん…旦那様以上の男の人と出逢えるとは思えないって。」

 

 イヤイヤそんな事は無いって、世の中広いんだから俺より凄え奴なんて幾らでも居るんだからね。

 其れに、そんな事は法律が許さないだろうし君達の親御さんや世間体って物が許さないでしょうが!

 

 「ヒッ…旦那様あたしもさ、いろはちゃんと同じだよ。

 旦那様よりも素敵な男の子に出逢えるなんて、絶対に無いって言えるもん!

 それにさ、小町ちゃんが言ったとおりだと思うんだ、旦那様は優し過ぎるからさ…あたし達の中から誰か一人何て選べ無いだろうから、待っていたって絶対に来てくれないって、だからねあたしは自分から行くって決めたの。」

 

 小町ェ…痛い処を突いて来るなぁ、確かに俺はこのままじゃ誰か一人なんて選べ無いだろう。

 雪乃、結衣、いろは…三人とも凄く魅力的で眩しくて、俺なんかには勿体無い女性達だし、そんな彼女達が俺に好意を寄せてくれている事が誇らしくも有り、又戸惑いもある。

 其れは俺が三人に対して等しく好意を抱いている事、三人がそれぞれに俺に対してだけ、異性としての好意を示してくれているにも関わらずだ。

 だから俺は、もしかしたら彼女達に相応しく無い不埒な男なんじゃないかと、自問自答せずには居られないんだが、同時に彼女達を失いたく無いと云う気持ちが在るのも事実な訳で…。

 彼女達は…兄貴達とロックと舞姉ちゃん以外で初めて出会えた、心から信頼出来る人達だから…だから、その存在を俺は失いたく無い。

 

 「比企、旦…那様、私も概ね結衣さんと同意見よ、来てくれない可能性が高い貴方だからこそ、私も自分からあなたの元へ飛び込まなければと考えたのよ。」

 

 「ですです!結衣先輩と雪乃先輩の言う通りです、私も…と言うか私って最初っからせんぱい、じゃ無い旦那様に対してずっとアプローチしていましたよね、なのに旦那様ったらちっとも反応してくれなかったじゃないですか!」

 

 何で…良いのかよ…お前達程の所謂器量良しならきっと、どんな男だって放って置かないだろうによ、こんな優柔不断で誰か一人に決める事も出来無い様な無様な奴に。

 

 「それとね、あたし達三人で話し合ったんだ。

 あたしはヒッキー…旦那様の事が好きだし、ゆきのんもいろはちゃんも旦那様の事が好きなんだから、だったらあたし達三人でお嫁にしてもらえば良いんじゃないかって!」

 

 おいおいおいおい!何でそこでそう言う結論に至るんだよ、ってかさ雪乃もいろはもそこで同意する様に頷かない!

 

 「旦那様、私は貴方が好きよ…愛しているわ、けれど私は結衣さんといろはさんにも好意を抱いているの、同性として友情とそれ以上の…同じ相手に好意を抱く同士としてもね。」 

 

 「私達はヒガシさんに立ち向かう、せんぱいのいいえ旦那様の姿に心配もしましたけど、それ以上の頼もしさを感じました。

 こんなにも勇敢で優しくて頼り甲斐のある男性なんて、これからの人生でそれ程沢山出逢える訳が無いでしょうし、此れを逃す訳には行かないんですよ女としては、それにきっと…これから旦那様の事が広く知られるようになれば、他の女の子も旦那様の事を放って置かなくなるでしょうから、今からそんな女達を牽制しておかなきゃですからね!」

 

 なんてこったよ、よく女は強いって聞くけどさ…コイツらは強いなんてもんじゃ無ぇだろう。

 もうこれ最強レベルじゃん、この三人にかかったらテリー兄ちゃんとアンディ兄ちゃんとジョーあんちゃんの三人同時に相手するよりも骨が折れるんじゃねえの?

 

 「けどな、俺はあんちゃんに勝てなかった…俺は負けたんだ、まだまだてんで駄目駄目野郎なんだよ俺は。

 お前たちの期待に応えられる程の、技量も器も無い男なんだよ…。」

 

 「ええそうね、貴方はヒガシさんに勝てなかったわ…けれど貴方は負けなかったのよ、元ムエタイ王者で貴方にとっては師匠に当たる人に、貴方は負けなかったのよ、其れは誇るべき事だと私は思うわ。」

 

 Why?どゆこと…だって俺負けたよね、パワーゲイザー決めた筈なのにジョーあんちゃんは立ち上がったんだよな、だから俺は負けたんだよね?

 

 「アハハっそっか!ヒッキー…じゃ無いや旦那様気付いて無いんだね、旦那様は負けなかったんだよ。

 あのね、ヒガシさんあの時立ち上がろうとしてたけど、結局立てなくてね。

 ヒッキーとヒガシさん同時に気を失って倒れたんだよ。」

 

 …て事は何!?俺ってば、ジョーあんちゃん相手に負けて無かったって事は要するに引き分けって事なの!?

 

 「ええ、そうよ旦那様…理解できたかしら?」

 

 「そうなんです!もう、すっごくカッコ良かったですよ特に最後の技、私思わずキュンってなっちゃいました!

 もう、女の子に生まれて来て良かったってせんぱいを好きになって良かったって、再確認出来たって感じですよ!」

 

 そうなのか…俺は、辛うじて届いたんだな、目指した高みに、ほんのちょっとだけだが届いたんだ。

 此れで漸く俺も格闘家を名乗っても良いのかも知れないな、まぁでもまだまだ駆け出しのルーキーではあるんだけど。

 

 「そうなんだな…俺、少しは示せたのかな、子供達にさ…。」

 

 「うん!」「はい!」「ええ!」

 

 俺の自問自答の様な呟きに三人が答えてくれた、

 

 「見えるヒッキー、あれ!?」

 

 雪乃の膝枕に頭を沈めて横になっている為に、遠景が見えない俺に結衣は手を伸ばし指し示す、俺は雪乃の膝枕って言うか太腿の感触に、これは内緒だが名残惜しさ全開で心の中で別れを告げ、身を起こして結衣の指先が指し示した方向を見た。

 

 『喰らえスクリューアッパー!』

 

 『行くぜ!パワーゲイザー!』

 

 そこには、俺とジョーあんちゃんの真似をして格闘ごっこに興じる小学生児童達の姿があった。

 何だかむず痒い気分だな、俺がそんな子供達のごっこ遊びの対象になるなんてさ、夢にも思ってなかったからなぁ…。

 暫し俺は、そんな子供達の様子を、ぼんやりと眺め感慨に暫く耽り…。

 

 「なぁ雪乃、結衣、いろは、三人の決意に正直俺は圧倒されてるって言っても過言では無い…そんな心境だ。」

 

 「それでな、俺は何てかお前達の事が好きだ……普通に考えて、これってお前達に対してすっげぇ失礼だと思うし、お前達の親御さんに対しても申し訳無いって思うし、でも俺は…お前達を失いたく無い、ずっと一緒に居たい。」

 

 比企谷八幡一世一代のモノごっつい罪悪感ハンパない告白。

 幾ら彼女達が其れを許しているからと言っても、世間やご両親が其れを許すとは思えない、それでも…この俺達の思いを貫くと云うのなら、俺は彼女達を茨の道を歩ませる事となるのだ。

 

 「あたし、旦那様と一緒なら、ゆきのんといろはちゃんも一緒なら、どんな事だって耐えられる。」

 

 「当然よ、今更その様な事語るまでも無いわ、どんな障害だろうと私達は四人で其れを廃すればいいだけなのだから、貴方も覚悟を決める事ね。」

 

 「ですね、やり様はいくらでもあるですよ旦那様♡ですから私達を幸せにしてくださいね!」

 

 本当…何て強いんだよ女って…。

 

 「不束かな男ですけど宜しくお願いします…。」

 

 今の俺には、彼女達にそう言うのが精いっぱいだ、いつかもっと気の利いた事を言える様に、出来る様になれるんだろうか…。

 

 

  

 

 三人の女子に対して告白すると云う、大それた事をやらかし、精魂尽き果てかけていたその時……………。

 

 『あっ!兄ちゃんが起きたぞ!』

 

 その時一人の男児が、大きな声でそう言うと、ワラワラと幾人もの子供達が此方に向かっい駆けてきた!

 

 『兄ちゃん、凄かったよ!ちょーカッコよかった!』だの何だのと次々と俺達を取囲み、興奮気味に話し掛けてくる。

 『俺も兄ちゃんみたいに強くなれば、モテモテになれる?』とか小六にして不順な事を口にするマセガキもいやがる!

 雪乃に膝枕をされ、結衣といろはに見守られていた俺を見て、そんな事を思ったのか!?

 

 だとしたら『誠に遺憾に存じます』ですはい。

 

 だがまぁ中には『僕も強くなって、困っている人を助けられる人になる!』って頼もしい事を言う子供もいたりした、そんな子が少しでも現れてくれたって事は、今回の俺達の仕合い良好と迄は行かずとも、それに近い結果を齎せたって事で良いのかもな…。

 

 「おう、そうだな…ちゃんと毎日修行に励んで行けば強くなれるぞ。」

 

 俺がそう応えてやると、その児童はとびっきりの笑顔を見せてくれた。

 ひとしきり、喋り終えた子供達はやがて満足してこの場を離れて行ってくれた様ですハイ…ふぅ、しかし子供ってパワーに溢れてやがるんだな、喋っているだけで此方は疲れてしまったぜ。

 

 

 『カマクラ…僕はもう疲れたよ…何だか眠いんだ…。』何て俺が語り掛けたとしても、あんニャロメは知らん顔で丸まって『ボリューションプロテクト』体形をして眠ってんだよな…絶対に。

 お前も猫ならせめて俺に『キャット空中三回転』でも伝授してみろっての。

 なんて事をつらつらと徒然なるままに思考していると、遠慮がちな声音で俺の名を呼ぶ声が聞こえた。

 

 

 

 「…あの、八幡…。」

 

 もじもじと、そして少しばかり怖ず怖ずとした様子で俺の前に現れたのは雪乃を若干小さくした様な、将来はきっとその雪乃張りの美少女へと成長するであろうと容易に想像が付く、今回俺が色々と立ち回る切っ掛けとなった美幼女、鶴見留美の姿があった。

 

 「おう、ルミルミどうしたんだ。」

 

 「ルミルミじゃ無い留美!」

 

 そう突っ込みながら、ペタンとその場に俺の目の前に座り込みながらルミルミは、俺を可愛く睨む。

 

 「…あのね八幡…ありがとう。」

 

 「はて、留美さんや…俺は何故にお礼を言われているのかの?」

 

 と、すっ惚けてみせるが、返ってきたのはチョッピリだけムスッとしたお顔でした。

 

 留美は改めて俺に決意表明をしてみせた、今朝と同じくこれ迄の被害者達への謝罪を続けると、言葉だけでは無く行動を以て事に当たると、そしてもう二度と虐めの被害者を見捨てる様な真似はしない、もし其れを見かけたら必ず止めてみせると。

 

 「そうか!やっぱり留美は凄えな、偉いぞ留美!」

 

 留美のその決意表明が、俺はとてつもなく嬉しかった。

 そして気がつけば俺は、強い決意を秘めた小さな少女の頭に手を置き撫でていたではないか!!

 っべぇ〜っしょ!これって普通に事案発生じゃあねぇかよ。

 気がついた俺は謝罪しながら慌ててその手を離すのだが、離そうとするその手を留美が掴み。

 

 「……まだ止めちゃ…ヤダ!」

 

 ノンノンノン!何言ってくれてんの留美さん、そんな上目遣いでお顔を真っ赤にしてそんなセリフを言っちゃ駄目でしょう!お母さんは貴女をそんな娘に育てた覚えはありませんからね!

 いや俺母ちゃんじゃ無ぇけど、何なら父ちゃんでも無いですハイム。

 …てかやべぇよ留美、この歳にして既に出会った頃のいろはをも上回る、男殺しを身に付けていらっしゃって居られますですやん!

 いや何より先ず、そんな事をこの場で言われるとですね…。

 

 「「「旦那様、後でじっくりお話しましょうね♡(怒)」」」 

 

 こうなってしまうの事で御座いますですハイ…嗚呼果たして俺、明日の朝日を拝めるのかな(怖)

 

 

 

 留美が満足する迄の数分間が、俺には数時間にも感じられた。

 其れは恰も、死刑執行の為の十三階段を登る死刑囚の心境とでも言えばいいのだろうか……。

 其れは一旦置いておこう、ガクブルする心に蓋をして、取り敢えず今は留美の話を聞くことを優先すべきだろう。

 

 「…あのね八幡、私ね八幡の闘う姿を見て思ったの……私も八幡みたいになりたいって、だから…私、私を八幡の…師匠の弟子にして下さい!」

 

 やはりそう来たか、初めて会ったと言うか、俺のミット打ちを見ていた事と云い、今朝話した時兄貴達の事に興味を示した事と云い、この娘はもしかすると格闘技に関心を持っているんじゃないかとは思っていたんだが、まさか俺に弟子にしてくれと言ってくるとはな…。

 

 「…なぁ留美、俺はなハッキリ言ってまだまだ修行中の身って奴なんだよ、だからまぁ何だ…師匠なんて柄じゃ無いしそれ程の格闘者じゃ無い。」

 

 そう、其れが今の俺だ…。

 

 「けどまぁ、俺が兄貴達に教わった事を留美に教えてやる事くらいなら出来ない事も無い…まぁアレだな、留美さえ良ければ、留美の都合の良い時なら一緒に修行するか?」

 

 留美は俺の言葉をその提案を聞き、劇的に表情を変えた、覚悟を決めた様な硬い表情から満面に笑みを讃えた、年頃の少女らしい笑顔に。

 

 「はい!よろしくお願いします、八…師匠!」

 

 へへっ…テリー兄ちゃん、アンディ兄ちゃん、ジョーあんちゃん、兄貴達に教わった事を留美に伝えても良いよな、師匠なんてのは柄じゃ無いけど、強くなろうとしている女の子に俺が出来る事を伝えても良いよな。

 

 俺は、自分の頭に被った帽子を取り、留美の頭に被せた。

 

 「こいつは八年前、テリー・ボガードから受け継いだ物なんだが、留美…これからはお前が此れを持っていてくれないか?」

 

 自分の頭を覆う、サイズの大き過ぎる帽子に、留美は何度も触れている、まだまだ小さな留美の頭には合わない帽子、俺にも初めは大き過ぎたそれを嬉しそうに…そして留美は。

 

 「はい!」

 

 と、この二日間で最も綺麗な笑顔で返事をしてくれた。

 留美がこの帽子が合う大きさに成長した時、果してどれ程の者になっているんだろうか…俺は今それが楽しみで仕方無いと思ってしまった。

 もしかしたら、テリー兄ちゃんもあの日、そう思ったのかも知れないな。

 高々十七年しか生きていない小僧がそんな気持ちを抱くなんてのは或いは分不相応なのかも知れないがな。

 

 「見ましたか、結衣先輩、雪乃先輩、こうやって無自覚に女を落しているんですよこの人。」

 

 「ええ、だからこそ私達がこの人の手綱を握らなければならないのよ。」

 

 「だよね、これ以上ヒッキーのお嫁さんは要らないもんね! でも良いな留美ちゃん…ヒッキーの帽子あたしも欲しいなぁ。」

 

 「川崎先輩に留美ちゃん、もしかしたら三浦先輩も既にせんぱいに気が逝っちゃってるかもですからね、私達でしっかりブロックしなきゃです!」

 

 君達、君達、聞こえていますよ。

 

 何なんですかね、君達ってばさっきから人の事をとても不埒な男の様に評していますけど…。

 そしてそれから暫し女子三人による、比企谷八幡品評会が始まり…俺は彼女達にああだこうだと、とてもとてもありがたい(泣)お言葉を賜りました。

 

 

 

 

 

 

 「なぁ、君達…もしかしたら自分でも気が付いているかもだけどさ、もう旦那様呼びが崩れ去っているよね。

 てかさ、何でいきなりそんな呼び方をし始めたのかな、かな!?」

 

 留美が去ったあと四人だけとなったこの場で、俺は三人に対して確認してみる事にした。

 まぁ大方の予想は付いているんだけどね、一応確認だけはしとこうかと思いましてね。

 

 「其れは、小町さんからの提案よ、貴方はこう言われると喜ぶから、そう呼んであげて欲しいと。」

 

 はい!やっぱりそうでした、こんな事を思い付く愉快犯的なヤツと言えば…まぁ小町だろうな。

 

 「あとね、舞さんもね『それ良い考えかもね頑張りなさい』って言ってくれたよ。」

 

 な、何ですってぇ! まさか舞姉ちゃんまで絡んでいたのかよ、おにょれぇ俺の身内の女性陣は敵だらけなのか!?

 

 「イヤ!喜ばないからな、いくら何でもお前達クラスのとびっきりの美少女三人に、旦那様とか呼ばれてるの他人に見られたら、俺が社会的に葬られちゃうでしょうがよ、マジで!」

 

 俺の山よりも高く、海よりも深く、宇宙よりも遠い場所…では無く、強い要望により三人の旦那様呼ばわりは止めていただく事と相成り、俺は深く安堵の溜息を吐いた。

 

 「じゃあさ、あたしヒッキーの事ダーリンって呼ぼうかな…きゃっ♡」

 

 「良いですねぇそれ!私は何て呼びましょうかね…ダーリンは結衣先輩が取りましたから『はちくん』なんてどうでしょうかね!舞さんも八っちゃんって呼んでいますし。」

 

 「だったら私は何と呼ぼうかしらね、そうね此処は奇をてらわず、シンプルに『あなた♡』と呼ぼうかしら。」

 

 一難去ってまた一難…この時程俺はこの言葉の意味を噛み締めた事は無い。

 

 「おう八幡!目ぇ覚ましたのか。」

 

 再び俺の身に降りかかった危機的状況をまるで気にする様子も無く、まぁこの場に居なかったんだから其れを知る訳無いだろうけど…さっき迄拳を合わせていた相手、俺の目標の一人が何時もの調子で現れた。

 舞姉ちゃんと平塚先生と厄介な状況を演出してくれやがった、我が妹を引き連れて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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