やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

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俺は後幾つの技を覚えなければいけないのだろうか?

 

 俺の目指す目標の一人、つい数十分前迄拳を交えていた男、そして愛すべきバカ兄貴、ジョー・ヒガシ。

 その兄貴が平塚先生と舞姉ちゃん、そして今回結衣達の件で、とてもとてもありがたくも要らん事してくれた、可愛い可愛い(怒)俺の妹小町を引き連れやって来た。

 

 「どっこらしょっと!邪魔するぜ嬢ちゃん達もよ。」

 

 ジョーあんちゃんはそう断りを入れながら俺の対面に座り込む、片膝に肘を置いて。

 それに続いて舞姉ちゃんと平塚先生も腰を下ろし、優しく労いの言葉を掛けてくれた。

 

 「どうでも良いけどさ、何かどっこらしょっとってジジ臭くねぇかジョーあんちゃん、つうかソコはやっぱり『よっこいしょういち』じゃね?」

 

 「うるせぇ放っときやがれ、全く屁理屈やボケツッコミばっか一人前になりやがってつかお前ぇのほうが言ってる事がジジ臭えじゃねぇかよ!………と言いてぇトコだがよ、だがまぁお前ぇもきちんと成長してやがったんだな八幡。

 俺様相手に引き分けに持ち込むなんざよ。」

 

 お小言を言われるのかと思えば、あんちゃんはいきなり俺の成長を認めてくれる様な事を言い出した。

 

 「しかもとうとうパワーゲイザーまで身に付けやがってよ、もうそろそろお前ぇも一人前の格闘家を名乗っても良い頃合いなのかもな。」

 

 「そうね、男子三日会わざれば刮目して見よとは能く言った物よね、見事に成長ぶりを見せたわね八っちゃん。」

 

 ジョーあんちゃん、舞姉ちゃん…二人が俺を認めてくれた。

 くぅ〜、嬉しい物なんだな…こう云うのさ、ずっとガキの頃から俺を弟の様に面倒を見てくれた二人が、俺を…ほぼ一人前の男になったと言ってくれてんだ、感慨も一入ってヤツだな。

 

 「比企谷、私は…先程の君とヒガシさんの勝負に感動させてもらったよ。

 私の教え子がこれ程迄の力を持つ武人だったとは思いもしなかったよ。

 勿論君だけではなく当然ヒガシさんも素晴らしかったのは言うまでもない事だがね。」 

 

 ああ、イヤ先生…いくら何でも、武人って云うのは言い過ぎじゃないでしょうかね、ってか言い方が古風過ぎですし。

 

 「しかも三人も彼女を作るなんてね、そっちの方は八っちゃんの方が上手の様ね、ジョーよりも。」

 

 …舞姉ちゃんェ…それは姉ちゃんが小町と一緒になって三人を焚き付けたからでしょうが、全くもう!

 …でもまぁお陰で俺の思いを伝える事が出来たのは事実だけどさ。

 

 「うっせぇよ!俺だってな八幡位の年頃の頃は彼女の五人や十人は居たもんだってんだぜ、なんせモテてモテて仕方無かったからな、しかも俺様のナンパの成功率は100%だぜっ!」

 

 「まぁた、何言ってんのよジョー、アンタのナンパが上手く行った試しなんて無かったじゃない、静ちゃん悪い事は言わないわ考え直すなら今のうちよ!」

 

 ハハ…ハハッ…ジョーあんちゃんと舞姉ちゃんの言い争いに、俺…乾いた笑いしか出て来ないよ。

 しかも舞姉ちゃん、平塚先生にまで飛び火させてるし、そんな事を言っちゃ駄目でしょう、平塚先生には後が無いんだかぁ…………ごめんなさい睨まないで、怖い!怖いから!平塚先生ぇ〜っ!

 

 「舞さん、昔は昔今は今ですよ、私はヒガ…ジョーさんを信じて着いて行く所存です。」

 

 ちょっ……それマジっすか平塚先生、二人ともまだ出会って二日目ですよね?

 そんなにアッサリと決めちゃって良いんですか?

 

 「勿論、ジョーさんとの約束通りに比企谷が卒業する迄は日本に居ますし、私はその…何と言いますか此れまで女性らしい事などやって来ませんでしたので、此れを期に料理などの花嫁修業と言いましょうかそう言った事などを習おうかと思っているのですが…。」

 

 すっげ、マジで平塚先生そこ迄考えてんすか!!

 流石は崖っぷちの女「何か言いたい事が有るのかね比企谷!?」

 

 「イエス、サー!べ…別段、俺には何もありませんですサー!。」

 

 怖ぇ〜よ、マジ…チョー怖ぇ〜、平塚先生…………。

 

 「静さん……。」

 

 「ジョーさん……。」

 

 うわっ、ジョーあんちゃんも、すんげぇ感激したって表情してるし。

 二人見つめ合ってるし、二人の世界を作り出してるしぃ。

 

 『静さん……。』

 

 『ジョーさん……。』

 

 『静さん……。』

 

 『ジョーさん……。』

 

うわ〜っ…二人して見つめ合いながら心の中で互いの名を呼び合ってるよ。

 ま…まさかコレって…そうだ間違い無い!これがこれこそが、親父が言っていた、伝説の『キックオフ』ごっこするってヤツだっ!

 永井くんと由美ちゃんならぬ東くんと静ちゃんってか…。

 

 「ちょっとお二人さん、いつまで二人の世界を作り続けるおつもり?」

 

 ふぅ〜、舞姉ちゃんの突っ込みによってジョーあんちゃんと平塚先生も我に返り、この異様な甘ったるい背景が構築されていた『キックオフ』ごっこ空間が消えてくれたぜ。

 何?そんな空間を何で俺が見る事ができたかって…ばっか、そんなもん見るんじゃ無く感じたんだよ、察してくれよ。

 

 

 

 

 「しかしまぁ、八幡も遂にパワーゲイザーをマスターしたんだからな、当然次は俺様のスクリューアッパーを覚える番だよな!」

 

 「ちょっと何を勝手な事を言ってるのよジョー!八っちゃんが次にマスターする技はアンディの超裂破弾に決まっているでしょう!」

 

 「お前こそなぁに言ってんだよ舞!次に来るのはスクリューアッパーに決まりだろうが!」

 

 「超裂破弾よ!」

 

 「スクリューアッパーだ!」

 

 はい!ひと騒動終わったかと思えば、また次の騒動が持ち上がって来ました。

 二人がそれだけ俺に期待を掛けていてくれている証では有るんだろうが、こうなって来るとそろそろ俺にも二人の言い争いの火種が飛び火して来るんだよな、これ迄のパターンからしてさ。

 嗚呼せめてこの作品が富野監督作品ならパターン破りが期待出来たかも知れないってのに(泣)

 

 「おい八幡!当然スクリューアッパーをマスターすんだよな!?」

 

 「超裂破弾よね八っちゃん!?」

 

 ほらね…おいでなさったよ…。

 

 「スクリューアッパーだよな!」

 

 「超裂破弾よね!」

 

 二人はグイグイと身を乗り出し俺に迫って来る、得も云えぬ怖ろしい気迫を込めて。

 それに対して俺はただ冷や汗を流し、どう答えるべきか思案する。

 スクリューアッパーも超裂破弾も当然マスターしたいと思っているが、一朝一夕で超必殺技が身につくもんでも無し…それに俺はもう一つ是非にマスターしたい技が有るし、なので此処は素直に答えるべきなのかな。

 

 「どっちなんだ!?」

 

 「どっち!?」

 

 うわぁ〜もう!勘弁してくれってば二人共さ、コレはもう素直に言うしか無いよな…。

 

 「お、俺は…。」

 

 「「俺は?」」

 

 「バ…バスターウルフかな…。」

 

 バスターウルフ…テリー兄ちゃんが数年前に新たに編み出した、パワーゲイザーをも超える超必殺技。

 大きく振りかぶる様に全身に溜めを作り気を込め、相手に高速で突進し強烈な拳打を繰り出し、更に全身に満ちた闘気を一気に開放し相手にブチ当てる。

 その全身から放たれる暴れ馬の如き闘気を相手方向へ向けて集約し放つのに、まだ俺は慣れていなくて、気が四方に散ってしまうんだよな。

 

 「バスターウルフかよ…なる程な、まぁ、お前ぇの技の基本はテリーの物だからなぁ…。」

 

 「そうよね…八っちゃんが其処へ行き着くのは当然の帰結なのよね。」

 

 どうやら、ふたりはプリキュア…コホン…二人は理解うしてくれた様だ。

 

 「だったらそん次ゃぁスクリューアッパーだよな!」

 

 「何言ってんのよ!その次こそ超裂破弾に決まってるじゃない!」

 

 ……はぁ〜また始まったよ、何なのもうさ、此れで少しは二人共落ち着いてくれるかと思ってたのに、結局はこうなってしまうのね……。

 

 

 

 

 ジョーあんちゃんと舞姉ちゃんの、ある種俺にとってはとても有難い事柄での言い争いは、取り敢えず…本当に取り敢えず終結してくれて、その代わりに俺はスクリューアッパーも超裂破弾も、どちらも絶対にマスターするべしとの厳命を受ける事となった。

 バスターウルフと合わせて三種の超必殺技を身につけろとか…どんだけ俺に茨の道を歩ませたいのよ、お二人さん!

 

 

 

 さてとそれでは、超必殺技問題は一時忘れてと、言っておくが俺は決して現実逃避をしようと思っている訳じゃ無いんだからな。

 

 「なぁ小町…お前は俺にとってこの世で唯一人の、この世で一番可愛い妹だけどな…とは言ってもだ、お前が何をしても怒らないなんて事は無い訳だ。」

 

 俺は我が妹…俺にとって要らん事をさせたら『よっ、日本一!』と舞姉ちゃん張りに言っちゃうぜぃ!な小町に対して付けなければならないケジメってヤツを付けさせるべく話し掛けたんだが。

 

 「およ?はてお兄ちゃん、小町はお兄ちゃんに対して何かしたっけ?」

 

 などと、しれっと宣いやがった。

 

 「そうか……あくまでもそんな態度を取ると言うんだな。

 お兄ちゃんは残念でならないよ、可愛い妹がそんな…そんな残念な娘だったなんてな、お前が今此処で己の非を認めるんなら梅干しか雑巾で許してやろうと思ってたんだけど、残念だよ。」

 

 俺の言葉を聞き、小町は危機感を遅まきながらに気が付いた様で、少し後退って行く。

 俺が右手を掲げ指をメキョメキョと動かす仕草に、恐れをなした様だがもう遅いのだよ!

 

 「…お兄ちゃん、そのメキョメキョはやめよう…ね♡」

 

 無駄だ、今のお前が語尾にハートを付けたところで、我が心は一寸たりとも動かんのだ!

 

 「覚悟は良いな小町!俺のこの手が光って唸る!お前を折檻せよと輝きぃ叫ぶぅっ!必ぃっ殺、バーニングゥッ・フィンガーァ!!」

 

 逃ぃげるんだよ!を実行しようとしていた小町の後頭部を俺はガシッと掴み、シャイニング・フィンガーならぬバーニング・フィンガーを小町に喰らわせてあげたのだった。

 

 「小町よ俺は…お前が結衣と雪乃といろはに要らぬ入れ知恵をしてくれたお陰で、とんでも無い羞恥プレイを強いられたんだよ。」

 

 「みぎゃ〜っ!痛い痛い痛い痛い!止めてお兄ちゃん!ごめんなさい、もうしないでぇぇぇっ!」

 

 俺の怒りと羞恥心のエネルギーが加えられたバーニング・フィンガーの痛みに小町の絶叫が響き渡るが、まだまだこんな物では無い、我が恥ずかしみこの程度で消え去ると思うでないわ!

 

 「そうかそうか、痛いのか……だがな小町よぉ、俺の痛たまれないと言う気持ちはこんなモンじゃあ無かったんだよ、行くぞ更に倍率ドン!篠沢教授に3千点だぁ!!」

 

 俺は指先の力を更に強め、小町の頭の締付けを強くしてあげた。

 

 「みぎゃぎゃぎゃぎやぎや〜ぁっ!?ゴメンナさい〜痛だいのいやぁぁ…もうしまぜんゆるじでおでぃぢゃん!!!」

 

 痛みによる絶叫の声を上げて許しを乞う小町の声が…ヤバい、何だか心地良く感じてしまう俺は、今何かに目醒め様としているのだろうか。

 

 「フハハハハッ!良いぞ実にィィ、痛みにひきつり濁った声をもっと聴かせて見してくれ小町ィィ!!」

 

 うはぁ〜、マジヤバだよ俺っば、心の奥底にこんなドSな感情が眠っていたのかよ!

 今この瞬間俺は唯の比企谷八幡から、究極進化を遂げたのかも知れないぞ、恰もエイジャの赤石を装着した石仮面を被ったカーズの如く。

 ドSテッドシィング、ハチマンが今誕生したのだ!

 

 「おい八幡、もうその辺で許してやれよ、小町のやつマジ泣きしてんじゃねぇかよ!」

 

 「ゔあぁぁん、ジョーおでぃぢゃんだじゅげてぇ〜!」

 

 フハハハ…我が愚妹めジョーあんちゃんに助けを求めるか、まぁ良かろう我が溜飲もかなり下がった事であるしな。

 

 「良かろうこの辺りで勘弁してやろうぞ…う〜ん実に、本当に実にいい声だったぞ小町よ、お兄ちゃんはだんだんと先程の状況に爽やかさを感じ始めた程だったぞ! 

 そうだな…正にあれは、正月元旦おろしたてのパンツを履いた時の様な爽やかさだったわ、フハハハ!」

 

 小町への折檻を終えた俺はその余韻に愉悦を感じていた。

 おそらく今の俺は、誰が見てもヤバいと思われる様な笑みを浮かべている事だろう。

 舞姉ちゃんの膝の上でぐずる小町に…小町に………はっ!?お、俺は一体何をやっていたんだ……世界一可愛い伊都市のマイシスター、略して愛妹シスターに対して俺は、とんでも無い事をしていたのでは無いのか!?

 

 「はちくん今のはいくら何でも、やり過ぎですよ…。」

 

 「そ、そうだよダーリン…小町ちゃんも反省してるんだろうし許してあげても良いんじゃないかな?」

 

 「…確かに今の行動はあなた♡らしくも無かったのではと私も思うわ、見てご覧なさい小町さんがあんなに怯えて…」

 

 いろはが…結衣が…雪乃が…俺を見る目に非難の色が濃く滲んでいる。

 異様なテンションに引きずられてしまい、俺は必要以上の折檻を加え…その行為に溺れ、俺は、俺は…。

 

 「あぁ…僕は取り返しのつかない事をしてしまった…僕は小町をイテコマしてしまった…。」

 

 

 

 まるで幼児退行したかの様に舞姉ちゃんにしがみつき離れない小町に謝るも、中々許してもらえなかったのだが、次のバイトの給料が入ったらパオパオカフェでたらふく奢ると約束し、どうにか許してもらえた。

 

 「いやぁ楽しみだなぁ!お兄ちゃんの給料日、思う存分食べてあげるからねお兄ちゃん♡」

 

 俺の今月分の給料が、一月の労働の成果が、その大半がおそらくはこの妹様のお腹の中に消えて行くであろう事が此処に確定した。

 くっ…もしかしたらさっきのアレはこの結果を引き出す為の小町の策略だったのかも知れないな…バチンとウインクを決め舌をペロリと出し、したり顔で笑う小町の表情に俺はそれがかなりの高確率であると推察できた。

 おのれ…またしても俺は小町にしてヤラれてしまった様な気がする。

 

 

 

 

 まぁ小町にパオパオカフェで奢る事は決定として、俺はもう一つの懸案を解決しなければならないのだ、それは……。

 俺が……あ、あい…くっ、愛する…くうぅ、何か心の中でそう想うだけでも、物凄い恥ずかしさが込み上げて来るんだが…大体がだよ、俺って三人を名字では無く名前で呼ぶ様になるまでにだって、かなりの時間を費やしたってのに…それがいきなり…愛とか何とか、メッチャこっ恥ずかしいじゃん…。

 

 「と言う事で…頼むから元の呼び方と迄は言わないけど、せめてダーリンとかあなた♡とかは止めて頂きたいと思っておりますればですね…。」

 

 切なる願いを込めて俺は三人に懇願する…まぁいろはに関しては、はちくん呼びはギリ許容範囲ではあるんだが、俺としては今までの平仮名発音での少しばかりあざとさを感じさせる『せんぱい』呼びも、いろはらしくて良かったと思っているんだが…その辺りはいろはのセンスにお任せする事にしよう。

 

 「え〜、でもじゃあ何て呼べば良いかなぁ八っちゃんじゃ舞さんと同じだし…今まで通りのヒッキーだと、あたしも将来は……だしさ…きゃっもうやだぁ♡」

 

 「そう…それは私としてはとても残念なのだけれど、あなた♡が困るのなら…そうね…は…八幡くん…ではどうかしらね、此れならごく普通だと思うのだけれど…。」

 

 『きゃっもうやだぁ♡』とか言ってるけど、全く嫌がってないよね結衣さん…それに将来はって…気が早過ぎるんじゃ無いですかね、まぁそのですね…俺も…それは………。

 

 それから雪乃さん、俺を名字では無く名前で呼んでくれるのは結構な事で御座いますですですよ、何なら元から『あなた♡』とか奇をてらわずに、そう呼んで欲しかったよ…。

 

 結衣の俺に対する呼び名は今後の課題とし、頼むからごく普通の呼び名でオナシャス…何せ結衣のネーミングセンスと来たら紅魔族レベルにぶっ壊れているから、これから暫くの間俺は戦々恐々とした日々を過ごさなければならないのではと思わずにはいられない…。

 

 それから間もなく戸塚と、オマケの葉山達が合流。

 

 「お疲れ様八幡、もう大丈夫なんだよね、でも本当に凄かったよ八幡もヒガシさんも、僕…凄く感動しちゃったよ。」

 

 うっはぁ!戸塚が褒めてくれたよ、八幡感激ぃ!

 リンゴと蜂蜜……ってコレ前にも言ったかな!?

 

 「おう!サンキューな彩加坊。」

 

 ジョーあんちゃんも、歳を感じさせない悪ガキの様な笑みで褒められた事に礼の言葉を述べ、舞姉ちゃんにその彩加坊って呼び方をどうにかする様にお小言を言われている。

 ハッキリ言って、俺もそれに付いては舞姉ちゃんに同意する、ジョーあんちゃんにはもっとこう…戸塚を呼ぶに相応しい呼び方ってものを考えて欲しい物だ。

 

 「ヒキオ…あんさぁ、アンタ結構カッコ良かったし!」

 

 「そうだよ比企谷君、何だか私の中の女がキュンと目覚めそうになって、疼きそうだよ、ぶはぁ〜っ!」

 

 あーしさんと腐女子さんが、ってか何だかヤバ気な事を腐女子さんが宣っておられるが…。

 此処は華麗にスルーしておくべきだろうな、その方が『世の為人の為、腐女子の妄想を打ち砕くハチマーン8!この悪眼を恐れて此方に来んな!』お願いだから。

 

 「えぇ!?もしかして海老名さんってば、格闘系男子マジ好み系な人なん?

 べぇ〜だったら俺も鍛えるしか無いっぽい感じっしょ!?」

 

 おぉぉ、戸部の奴ドサクサに紛れて腐女子さんにさり気にアピールか!?

 

 「もう何言ってるのよ戸部っち!鍛え抜いた男二人が互いを賭けてくんずほぐれつ、それを見て興奮しない女が腐女子の名を名乗る資格なんか無いんだよ、戸部っちが鍛え抜いて比企谷君とそれを見せてくれるのならブハァ〜ッ…たまりません…わぁ…!」

 

 「わぁ〜姫菜鼻血出てんよ、ほらティッシュ有るからちーんしなし!」

 

 と、思ったが肝心の腐女子さんの方はスルーしたな、しかしこの腐女子さんのスルーの仕方…何か引っ掛かる様な気がするな、何だろうか…気のせいか?

 

 「比企谷…君は本当に凄い男だったんだな、ヒガシさんとの闘いもだけど、君が経験した事も…子供達も君の話に聞き入っていて、殆どの子達が虐めの問題について考えを改めただろうね…だけど、其れでも君が言った様に、其れが届かない相手も居るんだな…認めたくは無いと俺は思ったけど、あの娘達の態度を見てしまっては…………認めざるを得ないんだな……。」

 

 ほう…葉山もちっとは人の態度を観察して、その感情や思考を推察するって事を知ったのか、そしてあの四人の態度から、皆いい子だとか話せば分り合えるなんて幻想だと気が付いたのか。

 

 「なぁ葉山、コイツは極論かもだが、俺は思うんだ…躾のなっていない子供ってのはある意味獣以下なんじゃねぇかってよ、他者の気持ちも慮れずテ前ぇの快楽の為に人を貶めて悦に浸る。

 それをやってたのがあの四人の子供達だ、そしてああ言った輩には得てして言葉は通じない事が多い、だから場合によっちゃ力を以て痛みで解らせなきいけない時もあると、俺は思っている。」

 

 俺のこの極論を葉山は否定も肯定もしなかった、葉山自身としては其れでもあの四人の子供達を信じたいとの思いがあるのかもだが、其れは打ち砕かれたも同然の結果に終わったと言っても良いだろう。

 今回の留美との出会いを発端とする虐め問題に対して葉山は何も成せなかったのだ、口ではどうこうと言ってはいたがな。

 そして其れは俺も同じだ、ジョーあんちゃんと平塚先生にも動いてもらい、俺自身も柄に無い行動に出たはいいが結果は…俺もあの四人の子供達の心を動かす事が出来なかった。

 

 まぁ、其れでも、伝わった人が居なかった訳では無い、人を手助けられる人間になりたいと言ってくれた子供も居た。

 そして留美が、新たな決意を以て新たな道を歩む決意を固めた、そんな娘も居る。

 

 其れだけでも、今回は良しとすべきかな。

 

 

 

 さぁてと、この千葉村でのイベントも後は晩飯を食って、子供達の肝試しの脅かし役を演れば終わりか。

 千葉への帰還後は、一度留美の親御さんに話を通さなきゃだよな、格闘技を学ぶとなると心配されるだろうし、下手を打つと怪我を負う可能性だってあるんだからな。

 その辺りの事もきちんと話しておかないとな、はぁ何だかんだで残りの夏休みも忙しいそうだな……。

 

 

 

 




ルミルミのお母さんを、総武高校の鶴見先生にしても良いかなと思っています。

舞さんの平塚先生の呼び方を静さんから静ちゃんへ変更します、はるのんと被りますけど。
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