やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。 作:佐世保の中年ライダー
「ぷは〜ぁっ、いやぁ美味かった、ごっつぉさん!」
テーブルに置かれた料理の三割以上を自らの腹に収めたジョーあんちゃんは、その腹を擦り満足の声を上げた。
ジョーあんちゃんの食べっぷりに圧倒されたのか、奉仕部の女子連と留美は呆気に取らた様に無言で眺めていたが。
「……アハハハ、ヒガシさん凄い食欲だよね。」
我に返った結衣が呆れの成分を八割以上含ませた声で、ジョーあんちゃんの食欲に対する感想を表明したんだが。
「結衣、この位はウチの兄貴達に取っちゃまだまだ序の口って位だ、だから驚くのはまだ早いぞ。」
「そうそう今はまだお昼だしね、夕飯はもっと食べるのよジョーもだけどテリーお兄ちゃんもね、まぁアンディは二人に比べると控え目だけどね!」
俺がこの状況が驚くに値しないと結衣に伝え、舞姉ちゃんが其れを補足…さり気にアンディ兄にゃんに対する惚気が入っている辺りは、流石ですお姉たま。
舞姉ちゃんが言う様に夕飯は更に食うし、しかもそれに加えてアルコールも入るからな一体胃袋の容量がどうなっているのか覗いて見たいもんだよ…。
「ほぇ〜っ…格闘家の人たちってそんなに食べるんですか!?ヒガシさんの影に隠れたような感じでしたけど、舞さんも案外沢山食べていましたよね……なのにそんな見事はプロポーションを保っているなんて……ハァ、私も格闘技を学んだら舞さんみたいになれるんでしょうかね………はちくんはどう思いますか?」
うっ…そこで俺に振って来ますかいろはさん、まぁ身体を動かすって事はカロリーが消費されるし、また動かす事によって脂肪が燃焼されて筋肉もつくけどもさ…。
だからっていろはさん、舞姉ちゃんの様なお山が形成されるとは限らないんだから。
「…それについては、ノーコメントって事にさせてもらおうかな…。」
それは結衣を見れば一目瞭然ってやつだろうと俺は思います、だってほら結衣んところはママさんもその…アレだ素晴らしい物をお持ちだし、其れこそ舞姉ちゃんに勝るとも劣らない程の物をな。
でも二人共別段格闘技をやってる訳でもないし、何か他のスポーツをやっている訳でも無いよな、ご近所のママさん達とママさんバレーとかさ。
「いろはさん、過度の期待は抱かない方が身の為よ、私だって過去には古武術を習ったけれど、その…なんと言うか、あまり成長は望めなかったのだから。」
てか雪乃さん、君はその古武術を身を入れて習わなかったと前に言ってなかったかな?
それに同じ様に古武術を学んだお前の姉ちゃんは、お前よりは身を入れて学んで、お前以上にその技を使いこなせているんだろう……いや待てって事は…!
雪乃の姉ちゃんって確か結構な物をお持ちだったよな、舞姉ちゃんや結衣程じゃあ無かったと思うけどそれでも世間一般的に見て、かなりのお山が形成されていた!
なら、だとしたら武術を学んだ女の人って…イヤイヤ偶然だ偶然。
またまた舞姉ちゃんと雪乃の姉ちゃんがそうだったって……はっ!?だけじゃ無いぞ!
何なら川崎だってかなりの物をお持ちだったよな、あの黒のレェスに包まれた膨らみはまさに『あなたが編んだレェスを透かし覗いた景色はひどく自由な大人の世界』だったと思う。
あの状況で凝視する事は憚られたから確り見ちゃいないけど、かなり素晴らしい男子の夢が詰まった物が…
「所で八幡君…貴方今とても不埒な事を考えているのではなくて?」
雪乃が絶対零度の死線を俺に向けつつそう仰られた、それに連動するかの様にいろはと結衣も俺を冷酷な眼差しで見ている。
あ…あの女達の目……養豚場のブタでもみるかのように冷たい目だ、残酷な目だ…。
『かわいそうだけど、明日の朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なのね』って感じの!
またしても俺は顔に出ていたのか、一体何回同じ事を繰り返すんだ、なぁ五飛教えてくれ俺は一体あと何度……って初期の頃のスパロボのWガン勢って何か使えなかったな、それにキャラ的にもウザって感じだったし(あくまでも主観です、ファンの皆様ゴメンナサイ)それなのに強制出撃イベ多いし…当てられないのに当たって堕ちるし(何か育てる気にならなくてさ)もうさ一体何度リセットボタンを押した事か。
「雪乃ちゃん、いろはちゃんと結衣ちゃんもだけど、八っちゃんも思春期の男の子なんだから、多少の事は多目に見てあげなきゃね、それもイイ女の条件よ、まぁでも絞める処は確りと絞めなきゃいけないけどね!」
姉さん事件です!…舞姉ちゃんは俺を庇ってくれているかの様にみせて、実はそうではありませんでした。
きっと彼女達は先人たる舞姉ちゃんの言葉に感化されてしまう事間違いなしです。
これから先の僕の運命を思うと、何だかこう…背筋に冷たい雫が滴り落ちてしまいそうです、それに締めるの字が違う様な気がしてならないんです気のせいならばいいんですが…。
「「「はい!舞さん。」」」
どうやら俺はコレから先の人生、常に大きな十字架を背負いゴルゴダの丘を目差してあるき続けねばならない様な人生を送らなければならないのか……。
結婚は人生の墓場だと言う人もいる様だけど、俺はこの三人と共に歩むのだとしたら一体…。
「心配しなくても大丈夫よ八幡君、私達が貴方を最高に幸せにしてあげるわ、うふふふふ…。」
怖っ!マジ怖っ!
何なの雪乃さん!?今君の目の中のハイライトさんがお仕事していませんでしたよね!
駄目ですよハイライトさん、職務放棄をしてはいけませんよ、でないとゆきのんがヤンな女の子になっちゃって俺が最後は『伊藤誠』さんになっちゃうかもだから、お願い仕事してぇ〜!。
「…八幡師匠、ドンマイ…。」
留美、ありがとう…俺頑張るな、お前をもっと鍛えないとだから…お前の成長だけが俺の今後の人生の生きがいなんだきっと、だから俺其れを糧に頑張って生きるな。
「さぁてお次はデザートって奴を頂くとするかな!」
「「って、まだ食うんかい!!!」」
場の空気を読まない?ジョーあんちゃんの呑気なセリフに舞姉ちゃんと俺の突っ込みのタイミングがかぶる。
俺の今後の人生が『Road To The Final Victory』じゃ無くて『Road To The Endless Horror』になるかも知れないのにジョーあんちゃん…って、なんだよそりゃ!?
……でもまぁ、ジョーあんちゃんってば案外今のは俺に助け舟を出してくれたのかもな、女子連の気を反らすために。
「……ふぅ〜っ、サンキューなジョーあんちゃん。」
なので一応礼は言っておく事にした。
ランチタイムの時間も過ぎ店内の客足も幾分落ち着いて来た頃合いか、リング上では現在格闘的で華麗なダンスショーが繰り広げられている、その派手なアクションにより観客席からは大きな歓声があがる。
このダンスの振り付けはテリー兄ちゃんの幼馴染で、格闘家でダンサーでもある『ダック・キング』さんによるものだそうだ。
そのキングさんだが、年齢はテリー兄ちゃんよりも四歳年上の三十九歳、所謂アラフォー世代で流石にここ数年は格闘のリングには上がってはいないが、ダンサーとしてはまだまだその身体は十分に若手と渡り合えるだけのキレは健在だという。
ダンサーとしてもだが、最近は舞台演出家としても引っ張りだこでアメリカ各地を飛び回っているとの事だ、まぁ仕事がオフの時は基本サウスタウンで過ごしていて、偶に街でテリー兄ちゃんと会うと二人で夜遅く迄飲み歩いて、帰りが午前様になる事がしょっちゅうでロックの奴も辟易してるそうだが…ロック、お前も強く生きろよ。
「この店本当に繁盛しているみたいねお客さんの様子を見ても皆楽しそうにしてるみたいだし、お料理の味にも満足って感じだしね。」
舞姉ちゃんは心からこのパオパオカフェの状況に感心している様だな、まぁもうかなり長い付き合いのある人が立ち上げた店が、この異国である日本でこうして受け入れられているんだから、感心と同時に安心もしているのかもしれない。
「だな…まぁそこは流石リチャードの手腕ってヤツだな。」
うん、やっぱり凄い人なんだなマイヤさんって、店内で出される料理の価格は他店に比べると多少お高いけど、こう言ったダンサーの人や格闘家の人達に対するギャランティとか、そう云った諸々を計算に入れると実はかなり良心的な価格設定なのかも知れないな。
「ああ、最近じゃさこの店の事かなり知れ渡ったみたいで、色んな武術や流派の格闘家の人達が腕試しにリングに上がる為の交渉に来ているみたいでさ、なもんで此処でちょっとした興行をやろうって企画も持ち上がってるみたいなんだ、少し前に川崎がそう言ってたし。」
まぁそれ以外にも本場のパオパオカフェみたいに飛び入りでリングに上がる格闘家の人達も増えてるんだけどね。
「何!?マジか、じゃあ八幡お前も当然出場する気なんだよな!」
おっ、早速食いついて来たよ、この派手好きケンカ好きのオッサン…。
「いや、あくまでもまだそう云う話が持ち上がっているってだけでさ、まだ具体的なプランなんかは纏まっちゃいないだろうから、開催時期なんかも何時になるか分かんねえんだよ。」
まぁ、それが具体化したら俺も考えるけど、あと多分そうなるとマイヤさん辺りからオファーもあるかもだし……。
「あら、そんな話があるなんて、私も実家に帰ったら父と母に話してみようかしら、案外この話を知ったら雪ノ下建設としても乗ってくるかも知れないわ、おそらくだけれど八幡君を売り出そうと考えるかも知れないわね。」
「あらぁ、じゃあ雪乃ちゃん家がスポンサーに付けばそれなりの額の賞金なんかも出るかもね。」
イヤイヤ、そうなったらちょっとした大会じゃなくなっちゃうんじゃね、其れこそこの店のキャパでは事足りない位の観客が詰めかけるだろうし、大規模な大会になっちまうんじゃ…。
「ハッチン頑張ってね、あたし応援するからね、あっでも怪我とかしない様に気を付けてね。」
「うん…僕頑張るねって、だからまだ決まった訳じゃ無いんだっての!」
などと、まだ具体化していないパオパオカフェ主催予定の格闘大会の話をしつつ、デザートを食しながらリング上のパフォーマンスを観覧しつつ時を過ごしていた俺達だったが…。
「オラオラそうじゃねぇ!パンチってのはこうやって打つんだよぉっ!」
そのパフォーマンスも終わり、リングにて試合が執り行われていたんだが、それを見て身体がウズウズしたんだろう、元気なオッサンがそのリングに飛び入り参加してしまいましたとさ…で終りゃ良いんだけどさ。
「ヒ・ガ・シッ!ヒ・ガ・シッ!」
と自身の知名度がどんだけかをまるで考え無しにリングに上がるもんだから、さぁ大変、って元からリング上で試合していた選手達も意外な大物の登場に寧ろ感激し喜んで立ち向かって行ってるし。
観客も大盛り上がりでヒガシコールを始めてるし、これ収拾着くのかよ…。
「タイガーキッィク!」
「ぐはぁっ…。」
タイガーキックを食らいダウンを喫する相手選手、もう一人の選手もそれを見て怯むではなく果敢に立ち向かって行くが、ダメージによる消耗か大きい様だ。
「こりゃもう次の一撃で終わりそうだね、比企谷…。」
休憩時間になったのか何時の間にか川崎が俺達の陣取るテーブル席へ訪れて、ジョーあんちゃんの暴れっぷりを見てそう漏らす。
「ああ、まぁここ迄善戦したって言えるんじゃ無ぇか、何せムエタイチャンプが相手だし。」
「けど、アンタはそのチャンプ相手に引き分け迄持ち込めたんだろう、ならアンタは今リングに居る二人よりも確実に強いじゃないのさ。」
うん…ま、そうだけど、俺からすると川崎だって確実にあの二人よりは強い筈だと言える、何せあの覇王翔吼拳を身に付けてんだし…。
「へぇ、川崎先輩ははちくんがどれ位強いか解るんですね!?」
まぁ実際に仕合ったしな、そりゃあ知っていますとも…ってかその話、千葉村ヘ向かう車中で話したよねいろはさん。
「ああ、この身を持って知ってるよ、何せアタシはこのリングの上で比企谷に身ぐるみ剥がされたからね。」
ギャーーーーーーーーーーーーッ!?
ギャーーーーーーーーーーーーッ!?
な、な、な、な、な、何を言い出してんだよォォォォ!?サキサキィィィ!
おっ、おま…お前あの事そんなに根に持ってんのかよ!?
それとも何か、俺の事殺したい程憎んでたの!?
「ちょっ、何を言ってんだよ川崎ィ!人聞きの悪い事言わないでくれ、あれは不可抗力であって俺は「へぇそれは一体どういう事なんでしょうかねぇ、はちくん!?どうやら確りとO・H・A・N・A・S・H・Iをする必要がありそうですねぇ〜ア・ハ・ハ・ハ!?」……。」
「へぇ〜、ハッチンってばサキサキにそんな事したんだね……あたし達にはまだそんな事してくれていないよね…。」
ちょっと待って!いろはさん、結衣さん!君達までハイライトさんの職務放棄をさせないで下さい、ヤンにならないで下さい!
それ八幡的に需要無いから、俺には必要ないからそんな病んだ笑顔なんて要らないんだからねっ! てキモッ、俺ってば超キモいんですけど。
イヤイヤ、現実から逃げてる場合じゃ無いって八幡!どうにかこの姫君達のお怒りを鎮めなきゃいけないだろうが、てか川崎ィお前何でそんな言い方するんだよぉ!?
「どうやら貴方は私達が知らない所で相当なお悪戯(いた)をしている様ね八幡君…。」
ああァァもう雪乃迄またハイライトさんがオフったよぉ!
「ち、違う、俺は無実だいろは結衣雪乃ぉー!信じてくれ、ほらこの眼を見てくれ此れが嘘を付いている人間の眼かどうか、お前達なら解るよな!?」
「知ってますか?犯罪者って大概自分は無実だって主張するそうですよ。」
「あぁ、それあたしもなんか聞いた事あるよ、刑事ドラマとかでさ。」
「ええ私も知っているわ、何だったかしらオタク用語で確か『テンプレ』と言ったかしらね、テンプレートの略語なのよね、フフっ。」
ああ…死ぬのか比企谷の八幡とあろう者が、己の無実を勝ち取らぬうちに…。
「ま、ま、ま、ま、待ってくれぇ、本当なんだって!あれは仕合いの最中に起こった不幸な事故なんだ!なぁ川崎、そうだよな!!」
「…アンタ…アタシにあれだけの事をしておいて不幸な事故で済ますつもりなのかい………。」
おまっ…何今の、何で目尻にキラッと光る物を滴らせてんのさ!?
何なのお前って役者なの?役者志望の女子高校生だったの、凄えよ今の!
事情を知らない人なら絶対に騙されるよ、無実の罪に陥れられちゃうよぉ!
てかノリいいよなサキサキぃ、お前ってそんなキャラしてたっけ?
「ねぇ!止めてホントお願いだから止めてちょうだい、てかお前『本当に役者やのう』って俺からの突っ込みを期待してんのもしかしてさ、だとしたら幾らでも突っ込んであげるからね、何なら突っ込みの大盤振る舞いしちゃうからね。」
いろはと結衣が嘘泣きしている川崎に寄り添って頭撫でてるし、その川崎も調子に乗りやがって俺から顔を背けて俯いて項垂れたみたいに演技ってるしぃ…。
雪乃は何か途轍もない闇を纏った禍々しい笑顔でいらっしゃるしぃ!
嗚呼俺の人生此処で終わるのかな、もうこの作品のプレイヤーキャラじゃ無くなるんだな、でもって隠しキャラに格下げされて、全キャラノーコンテニュークリアしないとプレイヤーキャラとして使えなくなって、キャラ名表記も比企谷八幡からナイトメア八幡とか表記変更されて、足元には揺らめく陽炎のような炎を纏って土気色の肌をして………はっ!?何言ってたの今の俺ってば、また…何か違う世界線の誰かの人生でも垣間見ていたのか!?
何だよナイトメアってそしてプレイヤーキャラって……。
「…よしよし、八幡師匠、いい子いい子。」
俺が雪乃達の精神的な責め苦より開放されたのが、あれからどれ位の時間が過ぎてからなのか、今の俺にはもう定かでは無い、まぁ時計を確認すりゃ現在時刻は知る事が出来るんだろうけど、そんな気力も沸かない。
「…ありがとう、留美…ぐすん。」
デーブルの側に体育座りをしてうらぶれた雰囲気を醸し、床にのの字を書きダークなオーラを発する俺を留美がいい子いいこと慰めてくれて、なんとか俺は気を取り直し始める事が出来そうだ。
「あ〜、その悪かったよ比企谷。」
結局あれから、川崎が事の真相を皆に話してくれた事により、漸く事態は鎮静化し結衣達の機嫌も治ってくれました。
「アハハ…確かに皆ちょっとやり過ぎたわね、けど八っちゃんもいい加減に機嫌直しなさい。」
なんて言ってるけど、舞姉ちゃんも暴走する雪乃達を止めなかったよね、俺が雪乃と結衣といろはからゲル結界食らっている時も見てるだけだったよね。
「でもさ、幾ら試合だったとしても女の子の服を破るのはやり過ぎだよね。」
うっ、もうその話は混ぜっ返さないで下さい、お願いもう堪忍したってや!
「ところで沙希ちゃんはもうそろそろバイトの時間も終わりなのかしら?」
舞姉ちゃんがサキサキに対して確認を取っている…はぁ〜、何かもうこの先の展開が読めましたよ八幡。
「へっ、あぁはい…もう直ぐ終わりますけど、何か?」
川崎が躊躇いがちに返事を返してるけど、其処で躊躇っているって事は川崎はまだそれ程格闘脳に侵されていないって事だろうな。
「じゃあさ沙希ちゃん、後で私と軽く手合わせしない?八っちゃんが認めた極限流の使い手の力、ちょっとだけ見せてくれないかしら。」
ほらねこう云う事になるんだよなぁ、舞姉ちゃん多分自分と同性の女性格闘家の後輩(と表現して良いかな)が現れた事が嬉しいんだな、それでその実力の程を見ていたいと考えている訳ですね……。