やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

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やはり俺の誕生日を祝われるのが照れ臭いのは間違って無い?

 

 俺達がパオパオカフェへと赴き、川崎に留美の鍛錬への協力を要請し、そして極限流のサカザキ前総帥、ガルシア師範とその奥方のユリさんと思いがけない出会いを果たしてから数日がたった。

 

 あの後、俺は夕方からのバイトが入っていた為に直ぐに皆と別れてバイト先の運送会社へと向かった、その際にガルシア師範にこう言われたのだ。

 

 『八幡、俺らはしばらくの間日本に滞在するさかい、お前沙希と一緒に極限流の道場へ遊びに来いや、今日はお前がバイトがあるんならしゃあ無いけど、そん時はオレと手合わせしようや!』

 

 とのお言葉を頂いた、それは俺にとって経験を積む貴重な機会だし、すっごくありがたい事なんだが同時に怖くもあるんだよな。

 齢は重ねたとは言え、あの最強の虎と一戦交えなきゃならないんだからそりゃあなもう『ア・バオア・クー』にてキシリア閣下と面談した時のシャアの如く手の震えが止まらないまである、分かるかなぁ、分かんねえだろうなぁ。

 

 それからバイトへ向かう為に皆の前から失礼しようとした時に、更にいろはたちに声を掛けられたっけな。

 

 『はちくんは誕生日に何か欲しいプレゼントとかってありますか?』

 

 とな、だから俺はこう答えたんだ。

 

 『えっ、何?プレゼント買ってくれんの!だったら俺はアレが欲しい!『ローラースルーゴーゴー』が!』

 

 『ふえ…何ですかそれ?』

 

 『何だよお前、ローラースルーゴーゴーを知らないのかよ、いいかよく聞けローラースルーゴーゴーはな『BD7』のマストアイテムなんだぞ、ローラースルーゴーゴーを華麗に乗りこなしてこそのBD7メンバーだと言っても過言ではないんだ(嘘)!』

 

 『ねえ、八幡君…貴方の言うローラースルーゴーゴーと言う物さえ私達は知らないのに、それに加えてBD7などと言われても尚更解らないのだけど。』

 

 なんと皆ローラースルーゴーゴーもBD7も知らないと言うのだ、なんてこったいな…なので俺はこう言ったんだ。

 

 『えーっ、解かんないならググってみなさいよ…。』

 

 俺がそう言って数秒後、俺が言う前に既にググっていたらしき結衣が言いやがった!

 

 『なんだ、ローラースルーゴーゴーってキックボードじゃん!』

 

 その瞬間切れた、俺の中の決定的な何かが切れた。

 

 『ちっがぁーうっ!!いいか結衣、ローラースルーゴーゴーをキックボードごときと一緒にするんじゃあねぇ!

 いいか結衣、ローラースルーゴーゴーにはなチェーンがある!スプロケットがある!ペダルがある!オマケながらブレーキがある!自分で漕げるんじゃよこいつはっ!!』

 

 俺は懇切丁寧?にローラースルーゴーゴーを構成する部品について説明してやった。

 

 『うぅぅ〜ん、あっ!ハッチン今のってスピードワゴンお爺ちゃんのセリフのパクリだよね、あたしでもわかっちゃったよ、えへへ。』

 

 あっ、うんそうなんだけどね……せめてパクリでは無く元ネタと言ってもらいたかったわ。

 

 『BD7…江戸川乱歩原作の『少年探偵団』を元に制作されたテレビドラマ版の少年探偵団、その番組内での探偵団のチーム名の事なのね『BoyDeteectives Seven』つまり七人の少年探偵と言う事なのね……はぁ…』

 

 雪乃は俺の言った通りに自分のスマートフォンでBD7の事をググって、そして何故か額に手をやりため息を吐いた、マジなんで!?

 

 『はぁーっ…おい八幡、お前ぇは照れ臭いからって何時までもネタに走ってんじゃねえぞ!』

 

 『そうよ八っちゃん、素直に言いなさい、いろはちゃん達からのプレゼントならたとえどんな物だって嬉しいって、ね♡』

 

 なっ…この兄貴と姉貴は何でこう、見透かした様な事を言うかなぁ。

 

 『なん、ヒキオって赤くなってっし、ヒガシさんと舞さんの言う通りなんじゃん!』

 

 『だねぇ〜比企谷君本当に真っ赤っ赤だね、私としてはその顔をハヤハチ、トツハチで見たいところなんだけどね!』

 

 数話ぶりに口を開いたかと思えば、あーしさんと腐女子さんは何て事を言いやがるし、残念だがな腐女子さんハヤハチなんぞ永劫待ったことろで見られるなんて事は無いからな、トツハチに付いてはそのだな…………あっいや戸塚をそんな対象にするんじゃ無い、戸塚はアレだ俺の初めての男のダチってヤツなんだからな、うん。

 つか、そう言や戸塚に言われてたんだよな『ねえ八幡、僕たち友達なんだからさ、彩加って名前で呼んでよ!』って、そうだよな戸塚だって俺の事八幡って呼んでくれてるんだし…良し練習してみよう『さっ、彩加っ!!』

 うっ、名前を呼ぶ練習なのに思わず昂ぶってしまった、へっ?材木座…ああ、居ましたねそう言えばそんなヤツも。

 まぁけど、材木座と居るのも意外と悪くはないんだよな、お互いにヲタ同士だから話は合うし…ただ、かなりウザかったりするけどね。

 

 おっと話が反れたな、それが切っ掛けで俺はパオパオカフェを辞する迄の間、皆にイジられてしまった訳なんだが…ありゃあ公開処刑もいい所だった、精神力をゴリゴリ持っていかれたぜ。

 でもそれで皆が楽しく笑ってくれたんなら、まぁ良いか……。

 

 

 

 そして翌日の早朝の事だが、約束通りサキサキも留美のトレーニングに付き合ってくれた、のは良いのだが…俺はその日、小町、戸塚、留美に続く第四の天使と遭遇してしまった。

 

 何時も鍛錬に使わせてもらっている、私設雑木林公園にその朝、俺、ジョーあんちゃんと舞姉ちゃん、小町、留美の五人が集合、其処に数分遅れて川崎姉弟が合流。

 

 『悪いね、少し遅れたね。』

 

 『おはようございます、今日は俺も参加させて下さい。』

 

 そう謝罪の言葉を口にする川崎の隣の大志が参加を志願、まぁそれは別に構わないんだけど。問題は…俺達と合流した川崎の背中に背負われていた、小さな存在だ!

 

 『ところで沙希ちゃん、後ろに背負っている子はもしかして…。』

 

 舞姉ちゃんが川崎に問いかける、うんそりゃあ気になるよね、女子高校生が早朝から背中に小さな女の子を背負っているとか、事件の匂いがプンプン…はしないか。

 

 『あっ、はいこの子はウチの一番下の妹のなんですけど、今日はどうしてかこの子朝早くに目を覚まして、支度をしていたアタシ達に、自分も着いていきたいって言うもんだから連れて来たんですけど、途中で眠気に負けたみたいで…』

 

 普通に川崎の妹でした、そりゃ小さい子はたくさん眠るからな、たまたま早くに起きたとしても、後から二度寝、三度寝しちゃうよね。

 なんなら俺もこの夏休みトレーニングとバイト以外の時間寝ててもいいまである。 

 

 けどこの小さな寝顔…可愛すぎる!

 

 髪色は姉のサキサキとほぼ同じ色で、顔貌なんかもそのサキサキを幼くしたって感じで、此れは将来きっと美人になるに違い無いと俺は断言する。

 

 『はぁ〜、この子可愛いぃ、何か沙希さんをちっちゃくしたみたい!』

 

 『本当ね、流石は姉妹ね!』

 

 『…ちっちゃい沙希師匠、すごくかわいい…』

 

 女性陣はサキサキ妹(仮)の存在にすっかり夢中になってしまった、あの天使の寝顔を魅せられりゃあ、そうなるよ。

 

 そして皆がワイワイと騒いでいたせいなのか、サキサキ妹(仮)が川崎の背中で少しむずがった『ふ、ぅ〜ん…むぅ』と小さな声で呟いたかと思うと、薄ぼんやりとしながら、そのつぶらな瞳を開き首をキョロキョロとゆっくりと振り。

 

 『…さーちゃん、たーちゃん…』

 

 自分を背負う姉と、その隣にいる兄の存在を確認する様に呼びかける。

 

 『あっ、起きたのかいけーちゃん』

 

 川崎姉弟はどうやら互いを○○ちゃんと呼び合っている様で、何か微笑ましく感じてしまった、だけど大志がたーちゃんって…ジャングルの王者でもあるまいし、ってアレは『ターちゃん』か。

 

 

 それから暫くは目を覚ましたけーちゃんの事を皆で構って、鍛錬を始める迄に時間が掛かってしまった。

 しかし、けーちゃん(本名は川崎京華というそうだ)によって俺達もみな○○ちゃん呼びをされる事になってしまった。

 斯く言う俺も『はーちゃん』と呼ばれる様になってしまった、ちと恥ずかしい気もするがけーちゃんなら許す!と言うかウェルカムカモーンだよチノちゃん!

(つか此処は木組みの街じゃ無いからチノちゃん居ないし、なんならラビットハウスもありゃしないし、俺はココアちゃんでは無い、それに出来ればこのセリフはいろはに言ってもらいたい様な気がするんだ、中の人的にさ)

 俺にもすごく懐いてくれたし、にぱっとした笑顔が『バリかわいかねぇ』だった、雛見沢村に住んでいるナタをもったCV中原麻衣さんのあのキャラだったら絶対に言ってるだろうな『はぅっ!かぅわいいっ!お持ち帰りぃ!』とかな(と言うかなんか最近あの声を何処かで聞いた様な気がするんだが…まぁ何かこうMSAー005い気がするから考えんとこ)

 だたし一つ付け加えると、何故かジョーあんちゃんだけは何故か『じょーおいちゃん』と呼ばれてしまい『だあぁっ!納っ得行かねえ!』と嘆いていた、まぁ普段俺もあんちゃんの事オッサンとか言ったりするけど、ジョーあんちゃんって見た目まだ二十代後半位に見えるから実際はそんなオッサンくさくは無いんだけどな。

 

 そしてトレーニングメニューをこなして行く俺達の様子を興味津々キラキラお目々できゃっきゃと笑いながら、けーちゃんが見ている。

 やがてサキサキや大志の真似をして型をやり始めるけーちゃんがマジ天使で可愛かった。

 

 『たー!やー!はぁー!』

 

 とか舌足らずな掛け声を出しながらやるんだからな、可愛さMAXで無限大でINFINITYだよ、お陰で思わず俺はその様子に昇天しかけてしまったわ。

 

 

 

 

 

 

 そして数日後今日は俺の誕生日だったりするんだけど、ありがたい事に今年も皆が祝ってくれるとの事なんだが、何か本当に去年アイツらと出会ってから俺は今まで出来なかった仲間たちとの、そう言ったイベント事とかを色々と経験出来た。

 あの日、テリー兄ちゃん達と出会ったあの時からともまた違う新しい幾つもの事を体験したよな、何かこう青春っぽいてのか何なのかむず痒い様なこそばゆい様な、そんな甘酸っぱい感じだな。

 けど中学迄の俺なら多分捻てそういった事から目を背けていたかもな、くだらねえとかいって、小学校からの延長で中学の連中に対して良い感情持ってなかったからってのもある、お互いにだろうけどさ…。

 

 夕方、もうすっかりお馴染み感が半端無いあの店、パオパオカフェにて執り行われるのは我が誕生日会。

 今回は親父と母ちゃんと小町の三人があれこれとその段取りを受け持ってくれた、まぁ実は親父たちがこのパオパオカフェへ来てみたかったってのが大きな理由らしいが、数日前に来店している俺達からすれば…『またまた来させていただきましたァン!』だよ。

 

 因みに本日の参加メンバーは、先ずは俺達比企谷家の面々、ジョーあんちゃんと舞姉ちゃん、結衣達が声を掛けてくれて参加してくれた彩加とあーしさんと腐女子さん、川崎姉弟とそれからなんと極限流の御三方に当然ながら雪乃、結衣、いろはの三人だ。

 

 

 「今日は八幡くんの誕生会と言う事ですけど、お招き頂きありがとうございます。」

 

 ユリさんが極限流を代表してうちの両親へ挨拶し、その極限流の皆さんと会えた事に感激した格闘技ファンの親父は緊張しながらも返礼を返した。

 まぁ、その後緊張も解けてサカザキ前総帥とガルシア師範にサインをお願いしていたけどな…そんな所はちゃっかりしているんだよウチの親父って。

 

 「八幡少年、今日は君の誕生会に招いて頂き感謝する、先日は君達と出会ったおかげで雪ノ下家の方々と縁を結ぶ事もかない、近日中には道場を建てる土地の決定も出来るであろう。

 誠に感謝する、そして誕生日おめでとう。」

 

 サカザキ前総帥は挨拶と共にその様に仰られた、どうやら雪ノ下家との関係も上手く行っている様だし、これは極限流空手千葉道場は案外早く開設されるかもな。

 

 「ありがとうございますサカザキ前総帥、けど俺は何もしていませんよ、今回事が上手く運んでいるとしたら、それはこれ迄の総帥をはじめとする極限流空手門下の皆さんの実績があってこそですから。」

 

 うむ…ありがとう、サカザキ前総帥は俺の肩に軽く手を置くと一言そう述べ、ニカッと男臭い笑みを湛えた静かに笑った。

 

 

 

 一通りの挨拶を済ませ、誕生会は恙無く開催され出席してくださった皆さんからのプレゼントを頂き、その度に各人へお礼の言葉を述べ終えた頃には今までに経験したことの無い数のプレゼントの包を席の側に積み上げる事となった。

 こんな経験今までして来なかったからお返しとかの事を考えると少し怖くもあるんだが、でも…それでもこう言うのって嬉しいしありがたい事でもあるんだよな。

 

 その中で、親父と母ちゃんから贈られたプレゼントには正直に言ってかなりビビった。

 

 「ア○イのヘルメットにク○タニのライダースジャケット…良いのかよこんな高い物……。」

 

 「単車に乗るんだったら最低限の安全には留意しなきゃならないだろうが、確かにメットもジャケットも高額ではあったけどな、お前の安全を買うんだと思えば安いもんだよ、それに此れまでずっとお前は小町の兄貴として頑張ってくれてたからな。」

 

 そうは言うけど親父と母ちゃんは二人して家を支える為に毎日頑張ってくれてるじゃないかよ、だから俺は長男として兄貴として小町の事を、ってかその小町だって小学校高学年からは家事全般受け持ってくれる様になったし…。

 まぁ今は取り敢えずそう言った事は置いといて、親父と母ちゃんは親心から心底俺の事を心配してこれを買ってくれたんだ、だったら俺は出来るだけ心配を掛けさせない様に基本安全運転を心掛けないといけないよな……。

 

 「親父、母ちゃん…本当にありがとうな、バイクに乗る時は安全運転を心掛けて乗るからさ。」

 

 「おう、ところで八幡、肝心の単車は何を買うか決めたのか?」

 

 しんみりとした場の雰囲気、空気を換えようと思ってか、親父が単車に付いて質問して来た。

 

 「ああ、色々考えたけど…ZXー25Rにする事にしたよ。」

 

 「ほうニーゴーマルチ、行っちゃうのか!良いんじゃ無ぇか絶対的な速さは無いって聞くけど、あの高回転エンジンのサウンドは其れだけで乗る価値が充分に有るってもんだよな。」

 

 俺が答えると、ジョーあんちゃんが話に入って来た、ああジョーあんちゃんの世代だと四発エンジンの最盛期位だったかな、2ダボとかホーネットとかバリオスとか…。

 

 「だよなぁ、あの甲高いサウンドは気分が高まるよな、けど俺の世代だと2スト全盛期が過ぎようとはしていた時期だったけど、また2スト乗りたいと思うんだが環境とか規制でもう作られる事も売られる事も無いんだろうな…。」

 

 そうか親父世代は2ストなんだな、ナナハンキラーって呼ばれたのはヤマハのRZサンパンの方だっけ?

 2ストはエンジン構造もシンプルだから車体重量も軽くて、初期加速とかハンパ無いって言うけど排気ガスもハンパ無くてしかも燃費がすこぶる悪くて、エンブレが効かないって言うし…オマケにお調子にノッてカッ飛ばした挙げ句命を失ったって…まぁこの話は止めとこう。

 

 「そっかあハッチン、バイク買うんだね、あたしも乗ってみたいな、そしたら一緒にお出かけ出来るよね。」

 

 う〜ん、結衣はお世辞にも運動能力高いとは言えないから、何か不安が有るんだよな…けど。

 

 「あ〜結衣ならあれだよな、スズキとカタナをこよなく愛しそうだよな(中の人的に)うん。」

 

 「?」

 

 「おっ、八幡お前もそう思うか!!実は俺も初めて結衣ちゃんと会った時そう思ったんだよな、その声的にもスタイル的「おい親父、それ以上はセクハラ発言だ!また母ちゃんにどつかれるから自重しろ!」おう、スマン気をつけるわ。」

 

 親父…見てみろよ母ちゃんの表情と仕草をさ、ほら右手をメキョメキョさせてんだろう、きっとアレは必殺カァチャンフィンガーを繰り出そうとしてるんだ、多分その内母ちゃんはその右手の甲に紋章を浮かべる事が出来る様になるだろうな…親父アンタは買っちまったんだよ、地獄への片道切符をさ…。

 

 「親父…どつかれる奴はよ不運と踊っちまったんだよ」

 

 親父は俺の言葉に、まるで整備が行き届かず油も注していない機械の様なぎこち無い動きで以てギギギと異音を響かせてはいないが、首を動かし母ちゃんを見遣り、その顔を青褪めさせた…。

 

 

 

 

 「お誕生日おめでとうございます、はちくん、これは私と雪乃先輩と結衣先輩の三人で買ったプレゼントです、受け取ってくださいね私達の愛がたっぷり詰まってますから♡」

 

 「はい」と両手で持っていた包を差し出ししてくれるいろは、それは丁寧に可愛いいリボンを着けてラッピングされていて受け取る俺の照れ臭さを倍加させてくれる。

 

 「お、おう…その、ありがとうな。」

 

 ほんのりと顔を朱に染めた笑顔の三人が眩しくて、思わず礼の言葉もキョドってしまい我ながらぶっきらぼう過ぎるんではないかと思わなくもない。

 いや、事実としてその通りと言わざるを得ない、だって愛情たっぷりとか言うんだからな、ムッチャ恥ずいしそりゃ当然だよ!

 

 「ふふっ早く開けてみて八幡君…。」

 

 微かな笑みを湛えた雪乃に促されて俺は包装を解きプレゼントを確認した、その中身は。

 

 「っ!コレって……。」

 

 その中身は正面は白で左右後方は黒の帽子が三個と背中に白いシャイニングスターのエンブレムが飾り付けられていて肩口から袖を脱着出来るタイプの黒い革ジャンと黒いリーバイスのジーンズ501だった。

 そっか、だからちょっと前に俺のスリーサイズとか股下の長さとか聞いてきたんだな。

 

 「ハッチン黒が好きって言ってたからさ、昔のテリーさんのに似た衣装の黒バージョンとかどうかなって三人で話し合ったんだよ。」

 

 向日葵の様な笑顔で結衣が、そう補足する様にプレゼントに付いて説明してくれた。

 

 「…えっと…その、ありがとうな…メッチャ嬉しいよ…うん。」

 

 俺の大切な三人の少女達の暖かな心遣いがとても嬉しい、しかもテリー兄ちゃんの衣装を意識してくれたなんて…あれっ何か可笑しいな…視界が妙に滲んでる様に感じるんですけど、気のせいですよね、樹の精…おっと字を間違えました、日本語って不っ思議い!同じ読み方でも違う漢字を宛てるだけで意味する事がガラット変わるんだもんな、まるで『超力ロボ』でもあるかの様に。

 

 「帽子には『KING OF FIGHTER』ってプリントしてもらったんですよ、あと一つづつに小さく私達の名前も一緒にですけどね、はちくん…あんまり気に入りませんか?」

 

 心配そうな不安そうな、そんな顔をして俺を三人が見つめる、俺の表情を見て勘違いさせてしまったのかな、やっぱ俺ちょっと涙を流してしまってたんだな。

 

 「ごめんそうじゃ無いんだ凄え嬉しいんだよ、ただ…KING OF FIGHTERか、まだ駆け出しの半人前の俺がそうなれる迄にどれだけ掛かるんだろうかなって先の事を考えるとな…きっとかなりの時間が掛かるかもだけどさ…其れまで俺に付き合ってくれるかな結衣、雪乃、いろは…」

 

 俺の兄貴達への、テリー兄ちゃんに対する思いを、憧れを、目標を、絆を…そう言った気持ちを三人は汲んでくれたんだよな、そしてこれから先を共に築く俺達の関係をもふまえて。

 

 「うん、勿論だよハッチン!」

 

 「ええ、当然の事よ八幡君」

 

 「はい、何処までも一緒ですよはちくん!」

 

 三人からの返答に俺は、改めて彼女達と出会えた幸運を噛み締める、本当に三人は俺には勿体無いと思わずには居られない。

 ありがとう結衣、ありがとう雪乃、ありがとういろは、こんな俺と出会ってくれて。

 

 

 

 




テリーのジーンズメーカー、設定ではLeeなのだそうですけど自分の趣味で八幡のはリーバイスにしました。
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