やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。 作:佐世保の中年ライダー
皆の優しく暖かい思いに触れた十七回目の誕生日からはや二日、落ち込んだりもして無いし私は元気です。
皆さんは如何お過ごしでしょうか?比企谷八幡十七歳です(マジの十七歳なのでオイオイの突っ込みは必要無いよ!)
今日この日、俺は川崎姉弟の案内のもと、ジョーあんちゃんと平塚先生、雪乃と結衣といろはそして留美と共に東京は○○市の閑静な住宅街から更に外れた辺鄙な場所に構えられた『極限流空手道場日本支部』にお邪魔する事となっていたので現在はその道中だったりする。
舞姉ちゃんはと言うと、何時までも道場を閉めている訳にはいかないと昨日不知火道場へと帰って行った。
てか明日にはアンディ兄ちゃんと北斗丸が帰国するからな、舞姉ちゃんとしては愛する旦那さんを出迎えてあげたいのだろう、何時までもお熱いお二人さんだよな………あと序に北斗丸も。
しかも小町までもが舞姉ちゃんと共に不知火道場へ行っていたりする。
『お兄ちゃんの分まで小町がアンディお兄ちゃんと丸くんのお出迎えしてあげるからね♡』との事だ。
まぁそう言う事だしな、俺も快く行かせたんだけど、よくよく考えたら俺も近い内に向こうへ行くつもりだったんだよなぁ……。
てか小町のやつ実は舞姉ちゃんの単車の後ろに乗りたかっただけなんじゃないかと俺は推測してるんだが、多分それが正解だな。
はぁ…しかしやっぱイカスよなZ900RS Cafe、ノーマルのマフラーであのサウンドだもんなぁ、いつかは俺も乗りたいなぁCafeとは言わないけどさ。
…っとまぁ前書きが長くなったが、俺の近況はそんなトコだ。
「なぁ、やっぱアレかな固定資産税とかそう言った諸々の事を考慮して、極限流の道場はこんなに辺鄙な場所に建てたのかな。」
電車とバスを乗り継ぎ、最寄りのバス停から徒歩で極限流空手道場を目指しながら、俺は極単純に感じた疑問を口にだし。
「全くお前ぇはいきなり何を言い出すのかと思えばよぉ、けどまぁその可能性はかなり高いんじゃ無ぇのか、それとプラス道場ってのはそれなりの大きさが必要だからな、特に極限流ってぇのはお前やテリーの八極聖拳と同じ様に気を操る流派だからな、そいつを考慮すりゃあなるだけ安くて広い土地が必要になってくらぁな。」
ジョーあんちゃんが答える、うんまあ確かにそうかもだけどさ、けどいくら辺鄙っても東京都内となりゃあ土地の価格とかだって千葉より高額になるんじゃねえの、多分。
「そうだよなぁ、幹部の人達の給料とか税金とか諸雑費とか引いて、当然経営するからには利益とかも考えなきゃだからな、そう考えるとどれ位の人数の門下生と一人頭の月謝を取る必要があるんだろうな。」
まぁ極限流空手のネームバリューを考えりゃ入門したいって人はかなりの人数になるだろうけど、何たってその修練の厳しさでも知られてる流派だしな、だが長続きしない人だって当然出てくるだろう。
『耐えろしごき、越えろ限界、力試すにゃ丁度いい♪』…なんてダンガ○ドAのED唄いそうになるけど当然そんな生半な訳ゃ無えわな、なんせ自分の孫にトラウマ植え付けるレベルのお人が創始者だからな。
てか、何気にダンガ○ドAの主人公と極限流空手の創始者って、どっちも『タクマ』だな、その『タクマ』が父親か息子かの違いはあれど。
しかもその親父は主人公である息子と相対するのに鉄仮面?を着けてるし、サカザキのご隠居さんは行方を晦ましている間に天狗の面を被っていてその格好でサカザキ総帥やユリさん達と再会したとかって言うし、なんか色々と凄えな…まぁ今はどうでもいいか。
「うわっ、何かハッチンとヒガシさんが世知辛い話してる!?」
なんてノリ突っ込みぽい感じで結衣が声に出して驚いた様に言って来た。
いやそうは言うけどな結衣さんや、慈善事業とかボランティアとかじゃ無いんだからさ、利益を考えるのは当然じゃないか?と俺がその様に思っているとジョーあんちゃんが、その結衣に答えた。
「そうは言うけどな結衣嬢ちゃん、経営者が利益を考えるのは当然必要な事なんだぜ、なんつってもな儲けが出なきゃよ幹部連中に給料だってまともに払えないからな、やっぱよ気持ちよく働いてもらう為にはそれなりの額を払わなきゃだしな。
こん中では…八幡と沙希嬢ちゃんはバイトしてっからは解ると思うけどよ、やっぱもらう金額が高いとモチベーションも違って来るだろう、俺も若いの育てるのにジムを開いてからはそこいら辺りの事を考える様になったんだぜ。」
俺と川崎はジョーあんちゃんの言葉に頷く、ああそうだよなムエタイのリングにこそ今は上がらないけどジョーあんちゃんは、現役の選手と会長を兼ねてんだよな、そうなると経営者としての手腕や力量ってのも当然ながら必要になって来るんだろう。
「ああジョーさんの言うとおりだよ由比ヶ浜、経営者と言うのはやはりその様な視点を持たなければならないんだよ。
何より第一に利益を上げる事と従業員の生活の安定を考えなければね。
経営状態の良い会社に就職すれば、当然貰える給金だって高いだろう、さすれば社員は豊かで安定した暮らしが出来るというものだろう。」
ジョーあんちゃんの言葉に至極御尤な発言だとばかりに平塚先生がそれを補足する様に語ると“特に”結衣といろはの二人は『なる程、そうなんだ』と感心仕切りの様子だ。
いやね君たち…もし自分が就職活動する事を考えるとさ、やっぱり社員の暮らしぶりに迄心を配ってくれて業績の良いホワイトな会社の経営者とそうでないブラックな経営者の会社ならさ、当然前者を選ぶでしょうが…まぁでもそう言う企業は倍率も高いだろうから入社出来るかどうかは別問題だけど。
「所で八幡、お前ぇ今のトコで時給どれ位貰ってんだ?」
その流れに乗ってジョーあんちゃんが聞いてきた、ハハッ!実は俺っていつかこの質問をされる事を待っていた!
何故なら、なんと言ったって暫く前に遂に俺の時給の額がアレに達したからだったりする、だからこのネタをメッチャ言いたかったんだよ。
「おう、時間給でルチ将軍の知能指数だ!」
……………………あれ、反応薄!?
「また何時ものごとく、しょうも無いくだんねぇネタなんだろうが、一体誰だよルチ将軍ってのはよぉ!?」
知らないのかよルチ将軍……。
「……知能指数1300がお約束のセリフの人だよ、因みにCVは神○明さんな。」
……おっと皆の視線が痛いぜ、人それを自業自得と言う。
「所であんちゃんは明日タイへ帰るんだよな、それと平塚先生も本当に一緒に行くんですよね?。」
明日ジョーあんちゃんもタイへ発つ、それは舞姉ちゃんと同様に何時までもジムをホア・ジャイさんだけに任せている訳にはいかないって事もあるし、それに秋以降に欧州方面で開催されるいくつかの格闘大会参加のオファーが来ているそうで、それへ向けてのトレーニングも開始しなきゃならないから。
「おう、この一週間ばかり気楽に過ごせたしよそれに八幡、お前ぇの成長もしっかり見れたしな、今回の帰国は俺にとっちゃかなり良い刺激になったぜ。
それに静さんとも出会えたしよ、まぁそれもあってだな、一度静さんにタイでの俺の普段の暮しっぷりを見てもらいたいと思ってな。」
俺の問にジョーあんちゃんは最初は元気に男臭い笑顔で受け答え、それから平塚先生の事に及んだ時にはいい歳こいて少年の様に照れ臭そうに語ってくれた。
その隣で同じく平塚先生も、何だかまるで初恋が実った少女の様に頬を染めているし……ははっ、良かったっすねお二人さん。
今回のジョーあんちゃんの来日は、あんちゃんにとっても平塚先生にとってもすごく実りのある物になったんだとその二人の様子からも窺い知る事が出来る。
「うん、この夏季休暇の間にじっくりと見させてもらって来るよ、タイでのジョーさんの有り様をね。」
平塚先生すっげえいい顔だな、俺から見ても平塚先生って舞姉ちゃんにも勝るとも劣らないって位の美人だと思えるもんな、その人がこんな魅力的な微笑みを見せるんだから、ジョーあんちゃんも堪んねえなだろうな。
コレでもう少し普段の言動が大雑把でなけりゃな平塚先生。
「老婆心ながら平塚先生、料理とか習いたいなら雪乃か川崎かもしくは結衣のお袋さんに習ってみたらどうですか、なんたってやっぱり男を完落ちさせたきゃ先ずは胃袋を掴まなきゃですよ、何せこの兄貴は大食らいっすからね。」
俺のその一言に平塚先生はフッと優しく微笑み『その時は宜しく頼むよ』と静かな声音でそう言った。
三人もそれに対し笑顔で快く『はい』と返事をかえすが、何故かいろはがムスッとした顔で俺を睨んでいるんだが…はて何故に。
「はちくんはどうして其処で私の名前を出さなかったんですかね?私だって料理には自信があるんですけど、それを知らないはちくんじゃ無いですよねどうしてですか?意地悪しているんですか?ハッ何だそうなんですね『いろはの料理の味は俺だけの味だから、門外不出誰にも味あわせ無いぜ!』って意思表示なんですね、もうもうそうならそうと早く言ってくださいよぉ、エヘヘぇイヤですねはちくんはそんなにいろはちゃんを独占したいんですね、そんなに心配しなくても私ははちくんのお・よ・め・さぁ・んになるんですから心配は不要ですよ♡」
始めはプンスカしていたいろはだったが、自分で言っている内に段々と都合良く自己解釈、それとも事故解釈?をはじめ、終いには両頬に手を添えいやんいやんと身体を左右に振るいろはに俺は言葉も出なかった。
何時もながらいろはの此の超高速長台詞には驚かされるわ、まぁ確かにいろはだって料理の腕は確かだと思うけどな、その腕前が発揮されるのは特にお菓子とかの、所謂スウィーツ系だしな…。
だが確かに甘党の俺、はいろはのつくる甘味に既に胃袋を掴まれていたりするし、それを味わえる事を幸福に思っていたりしますです、ハイ。
と、この様にグダグダとしゃべくりながら歩き、漸く俺達は本日の目的地に到着した。
「着いたよ、此処が極限流空手道場日本支部だよ。」
川崎が指差した建物は、正面に乗用車が10台ほど停められそうな駐車スペースが確保された二階建の建造物。
ネットで調べた情報だと道場は畳百畳の広さを確保、二階には更衣室はじめトイレやシャワールームを完備。
事務室と十人ほどの人が泊まれるベッドルーム迄設えられているとの事だ。
「ほお、こうやって見ると確かに中々の大きさだな。」
「ああ…マジにデカイな。」
ジョーあんちゃんと俺は、その外観の意外な大きさに対する単純な感想を述べる、道場の内側を見ていないので今のところそれ以外の感想の懐きようが無いんだけどな。
「中の設備だって中々の物っすよ。」
大志の随分と久方ぶりに言ったセリフがそれである、そう言や居たのねお前ってば……。
若干得意気に見えるその表情からは、大志のこの道場に、ひいては極限流空手に対する誇りと愛着が感じられる気がする。
「だろうな、ネットに上がってる画像からもそれは解るが、しかしお前久方振りのセリフがそれかよ、何気に今のお前のセリフ『中』ばっかだな。
まぁアニポケの第一シリーズのオープニング程じゃ無いけどな。」
「なっ、何スカお兄さんそれ!?俺そんなに喋って無く何かないでしょう!」
いやお前これ迄殆どセリフどころか出番さえ無かったからな、前々回の朝の修行回だって一言だけだったし。
「あと俺はお前の兄貴じゃ無え、お前にも北斗丸にも小町はやらん!!」
ガルルゥッ!と俺は不貞な輩である大志を威嚇する、てか小町は多分今でもロックの事が好きなんだろうからな、ロック以上の男じゃ無きゃ小町の方も恋愛対象として見ないだろうけどな。
「はぁーっ、八幡君何時までもこんな所では何だしいい加減先方にご挨拶に行くべきではないかしら。」
「雪ノ下の言うとおりだよ、いい加減ご隠居や師匠も待っているだろうしね、と言うか比企谷、あんたアタシの弟に何か文句でもあんのかい!?」
おっと、流石は我がグダグダパーティーの数少ない常識人枠で在るところの雪乃嬢と川崎嬢、てか川崎さん千葉の兄としては妹に迫る虫は……って、なんて恐ろしい目をしてるんですかねぇ……。
「おっ、何でもないですじょ…。」
川崎のあまりにも恐ろしい眼光に俺はたじろぎ、発したセリフも思わず…。
「あっ、ハッチン噛んだ!」
「噛みましたね!」
「ええ、誤魔化しようも無いくらいに見事に噛んだわね。」
我が親愛なる少女達に此処ぞとばかりに突っ込まれてしまった、これぞまさに比企谷八幡一生の不覚と言うべきか。
なんてな、そんな大袈裟なこっちゃ無いな、うん無い。
気持ちを新たに、俺達は川崎姉弟を先頭に洞窟へ入る、さながら俺達の立ち位置は川○浩探検隊で川崎姉弟はカメラマンと照明さんか…嘘です、極限流空手道場の正面玄関からお邪魔する。
「押忍、皆さんご無沙汰をしております、川崎沙希及び川崎大志只今帰参致しました。」
道場全体によく響く大きく澄んだ声で川崎が挨拶の言葉を述べ、道場内で鍛錬を積んでいた門下生と指導にあたっていたと思しき幹部の方達の視線が俺達に集中する。
道場内の人々の様子は、川崎姉弟を知る人は驚きと喜びの相まった表情で、二人を知らぬ人には『誰!?』と疑問を浮かべた顔をしている。
その中で一際大きな体格をした、三十代後半位の年齢だと思われる道着姿の一人の壮年の男性が進み出て、喜び顕に川崎姉弟に語り掛ける。
「おおっ沙希に大志か、大きくなったな二人共、話はご隠居とロバート師範に聞いているぞ、よく来たな!皆さんもようこそ極限流空手道場へ。」
「押忍!ご無沙汰をしています黒岩師範代、お元気そうです何よりです。」
俺達に真っ先に挨拶をしてくださった方は黒岩鉄夫師範代と言う方で、私立高校の教師を務める傍らこの極限流空手道場で師範代をも務める、身長195Cm体重105Kgの何処ぞの初代主人公な巨体を誇る、見た目からしてTHE強者な雰囲気を醸し出す強面フェイスのお方だ。
その強面なお顔に満面の笑みを湛えて俺達に挨拶をしてくれていて、所謂好相を崩すって状態のお顔なんだろうが、もし仮に俺が格闘の道を選ばなかったとしたら、先ず決してお近付きになりたくは無いタイプのお人だな。
「ああ、何だ…本日はお招き頂き一同を代表しています感謝します。」
我がパーティー最年長のジョーあんちゃんが黒岩師範代に挨拶を返すが、何気にあんちゃんが畏まった物言いをすんのって珍しいな、春ならぬ夏の珍事ってところかな。
「おお、話には聞いていたが本当にムエタイチャンプのジョー・ヒガシ殿がご一緒とはな今日はよくぞ参られた!ゆっくりして言ってくだされ……とまぁ堅い挨拶はこの位で、後は普段のテレビなどで見るジョー・ヒガシで構わんよ。」
黒岩師範代はジョーあんちゃんに右手を差し出しながら、普段通りを促す。
ジョーあんちゃんもまた右手を出し二人は固く握手を交わし、そういう事ならと口調を元に戻した。
うん、やっぱジョーあんちゃんはそっちの方がシックリ来るわ、畏まったあんちゃんなんてのは違和感の塊でしかないからな。
「もう、間もなくすればご隠居達も参られるだろう、それ迄皆の鍛錬の様子でも見学していると良いだろう。」
黒岩師範代の勧めにより、俺達は道場の一区画を借り、その練習風景を見学させて頂く事とした。
ミットを構えた指導者へ拳打を撃ち込む者、ウォーターバッグを叩き込む者達に組手をしている門下生に、そして極限流の代名詞たる気の鍛錬を行っているであろう者達、現在この場で鍛錬を積んでいる門下の人達は総勢三十人弱ってところかな。
「ははははっ、今日は綺麗どころのお嬢さん方の目があるものだから、皆いつも以上に張り切っているな!」
はぁ、成程ね…男ってのはやっぱ単純な生き物なんだな、黒岩師範代の言葉に俺はしみじみとそう思ったわ…。
まぁ勿論それだけじゃ無いって事は解るけど、中にはウチの女性陣など目もくれずに鍛錬に打ち込んでいる人も沢山いる訳で。
だが、たしかに黒岩師範代の仰るとおり女性陣をチラ見見ている門下生も見掛けられる、オイオイ………。
十数分程の時間が過ぎた頃だろうか、極限流空手道場の正面玄関が開かれて現れたのは、本日俺達を此処へ招いてくれた御三方が『今帰ったでぇ!』の言葉と共に道場へと帰還された。
極限流門下のオリキャラを出しました、名前の由来は知る人ぞ知る。
その容姿は原作とは真反対ですけど、と言うか何分古いので原作自体チラ読みしかしてないんですけど。