やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。   作:佐世保の中年ライダー

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成長の証、そして牙を研ぐ最強の虎。

 ガルシア師範のスキを付き何とか撃壁背水掌からバーンナックルの連撃を極める事が出来た俺だったが、それはかつて最強の虎と呼ばれた伝説の格闘家の本気を引き出す結果となってしまった。

 その放たれる闘気は俺の心胆を寒からしめるには十分に過ぎる物だ、俺とガルシア師範の体格差から一撃の威力は先方にあるのは火を見るより明らかってヤツで、俺が有利に事を運ぶには唯一ガルシア師範より勝っていると思われるスピードを重視した戦法を取らなきゃだ。

 

 「さぁて、クライマックスよぉ!」

 

 銀河○丈さんの渋い声のナレーションの後に暗幕を破ってウォーカ○ギャリアが現れてバズーカ砲を撃ちこみ最終話のサブタイを小○進(大滝○矢)さんが読み上げそうな感じで言ってみたけど、こんな事でも言って気持ちを変えないと何だか弱気の虫に支配されそうになってしまってたからな。

 けどネタ抜きにしてもつっ走れっ!て気持ちは持っとかないとな。

 

 「おう、何やお前もそう思とんのか八幡、せやな俺も同感やで…こっからがクライマックスっちゅう奴やでッ!」

 

 あちゃぁ、どうやら俺の一言でガルシア師範まで『みんな走れ!』って気になっちゃってるよ……。

 けどまぁしゃあなしだよな、此処でネタを入れた俺が悪かったと諦めよう『押して駄目なら諦める』とか何処か別次元の俺なら多分そう言うだろうな、はて俺はいつ世界線を超えたんだ、まぁ良いかこの際そんな事。

 

 「そうっすねまさににコレこそ『君は走るか?俺たちゃ走る!』ってヤツですかね。」

 

 「いや、そら知らんがな、多分ちゃうやろ。」

 

 ハイ、ガルシア師範より突っ込みを頂きました。

 その一言の突っ込みを最後にガルシア師範は口を閉じて構える溢れ出る闘気を漲らせながら、遊びは終わりだって事ですよねガルシア師範。

 それに習い俺もまた構えを取り直しガルシア師範に負けじと闘気を発して相対する。

 

 「行きますよガルシア師範……。」

 

 それに対するガルシア師範からの返答は無い、ソレは本格的にバトルモードに入るぞって事を俺に暗に促しているって証だろうな。

 

 緊張感を持ちつつ頭と身体は柔軟にそしてクールに、それは俺が闘いの際に常に心掛けようと思っている事、っても俺はまだ大した実戦経験がある訳じゃ無いけどね。

 

 「すぅ…はぁ、っしゃあ!」

 

 再び呼吸を一つと決意を込めての叫びを一丁口に出してガルシア師範へと接近を試みる、俺の目論見はスピードとジョーあんちゃんにも認められた眼の良さを生かしての出入りと手数を出す事によるヒット・アンド・アウェイだ。

 

 「飛翔拳!……疾ッ!!」

 

 俺の師匠である三人の兄貴達、その中でも事スピードとなるとやはりアンディ兄ちゃんが一番だろうな、身体付きが割かし小柄で細身ってのもあるけど何と言っても不知火流の骨法と忍術を体得しているって事が挙げられる。

 ただし欠点とまでは言わないけど、近接戦に於いては意外に技のリーチが短いところがネックになる事があるがそれはさて置いとこう。

 

まぁ取り敢えず俺は牽制と様子見を兼ねて飛翔拳を放つ、それによりガルシア師範の行動の選択を迫ったって訳だ。

 気弾により相殺するか、防御を固めガードするか、左右何方かに回避行動を取るか、空中へとジャンプしてからの降下攻撃を加えてくるか、或いは覇王翔吼拳を放ってくるか。

 俺はそれをガルシア師範の目線や身体の動きから読む、飛翔拳を放った瞬間ガルシア師範の身体が僅かに俺から見て右方向にピクリと動いた事を確認、俺は飛翔拳を放った直後の硬直が解けた瞬間ガルシア師範を追い右手前方へと速攻で駆けてゆきそして。

 

 「シャッ!シャアァッ!!」

 

 間合いを見極めて、ダッシュの勢いを乗せた右の高速ミドルキックの二連打を繰り出す。

 

 「何やってぇ!?」

 

 なんて驚いたかの様な声をあげるガルシア師範だが、その声とは裏腹に俺の蹴りをガルシア師範は的確に一発目はガードをし、二発目は左の掌で軽くはたき落とす様に裁かれてしまった。

 

 「うおっ!?」

 

 それによりバランスを崩し蹈鞴を踏む状態の俺にガルシア師範は空かさず追撃をかけてきた。

 

 「そらッお返しやッ!!」

 

 俺の中途半端な前屈み状態のところに以って放たれるのはガルシア師範の右のミドル、しかし俺の体勢が体勢だけにこれが当たると上段を食らうのと変わらない、頭部にでも当てられようものなら脳震盪では済まないかもだ。

 

 「おぉっとぉ!?」

 

 なので俺はそれを体勢を更に低くして前周り受け身の様に前転回避する事で無事に凌ぎ、ガルシア師範の背後に回り込んでから立ち上がると間髪置かずに、体勢を整えると再度間合いを詰め後背からの奇襲を試みようと思ったが。

 

 「そうは行かへんでッ!」

 

 俺の行動に気付いたかガルシア師範は蹴り脚を戻さずに更に振り抜き、軸足の左をコンパスの様に使い180度反転し俺と相対、背後からの強襲策は不発に終わってしまった。

 

 「っ……マジか、器用っすね。」

 

 その動作に俺の口から思わず漏れた一言は感心4の愚痴6と言った割合か、しかしガルシア師範は俺のその一言に…。

 

 「ハン、しゃべくっとる暇はあらへんで八幡、そっりゃぁッ!」

 

 突っ込みながら身体に撚りと回転を加え勢いを乗せた上段バックハンドブローを繰り出して来た。

 技のスピードはそれほど速くはないがガルシア師範の体格から来る重みが加わっているからなのか、風切り音が半端ないわ!

 

 「うおっとぉッ!?」

 

 まさかそんなモーションも大きくて外した時のスキもデカイ技を繰り出すなんて思ってもいなかった俺は、若干呆気にとられてしまい反応が遅れカウンターを取る絶好の機会を逃してしまい、ハメドっぽく背を反らしバックスウェーの要領で回避。

 

 「けど!まだぁッッ!」

 

 カウンターこそ取れなかったが、回避には成功し俺はガルシア師範の引き戻しに合わせて身体を引き起こし、そしてガルシア師範の懐へと飛び込もうと前進。

 ツーステップで密着とまでは行かないがガルシア師範の懐付近に到達出来たので良しとしよう。

 

 「はぁッ、シュッ!」

 

 俺がこの位置から狙うのはガルシア師範の右腹部、身体を撚りながら肝臓目掛けて撃ち込む左の拳打リバーブローだ。

 俺のリバーブローはガルシア師範の右腹部に深々と突き刺さる、いや突き刺さった筈だったが俺の左拳から伝わって来る感触は………。

 

 「硬ッ!?」

 

 そう、思いの外ガルシア師範の腹が硬かったんだ、俺のリバーブローの威力がまるっきり無効化されたって事は無いけども気を身体に充満させる事による防御力の向上、そして何より現役を退いたいと言えど鍛錬を欠かす事なく続けて来た故の鍛え上げた肉体由来の頑丈さだろうか。

 そう言や昔『鍛えれば全身が撥条になる』って名高○郎さんがCM演ってたそうだけど、ガルシア師範の場合は差し詰め『鍛えれば全身が鋼になる』って感じかな、けどそれはさて置き…クソッおそらく今ので俺のリバーブロー本来の威力の四割以上は殺されてるよな。

 

 『ニヤリ』

 

 俺は、それをやってのけたガルシア師範が今どんな顔をしているか少し気になってしまい、瞬間その顔に目を向けて確認した。

 ガルシア師範の俺を見る眼と表情、その両方が現していた物は野性的で獰猛な笑みだ、理解した……俺は今まさに虎の尾を踏んだんだと、いや更に付け加えるなら態々自分から虎の穴に入り込んだ上でそれをやっちまったって事だ、はぁぁ思わず言っちゃうよ俺『マジヤバイんですけどぉ!』って、つか言っとる場合かーッ!

 

 「っべぇッ!?」

 

 その表情を見た瞬間俺は思わずにはガルシア師範から距離を取ってしまった、もしあのまま俺が彼処に留まっていたとしたらおそらくガルシア師範の、最強の虎の『牙』で俺は確実に食らい付かれてしまっていただろう。

 

 「ハハッ、飛び退きよったか八幡、なるほどええ勘しとるし流石に速いやないかぁ、せやけどそこでそないボサッとしとる場合や無いでェ!」

 

 ……っ! そうだよなガルシア師範の言う通りだよ、挑戦者的立場の俺が此処でボサッとしていてどうなるんだっての、どうせこの練武場自体が虎の穴なんだから何処にも逃げ場ないってな、なら俺がやる事はさっきと同じ…。

 

 「そっ…すねッ、そんじゃまた行かせてもらいますよ!」

 

 その台詞と共に俺はガルシア師範の方へ向けて最接近を試みる、歩数にして三歩ほど詰めて素早くしゃがみ込むんでからこれまた素早く脚を繰り出す。

 

 「しゃァーッ!」

 

 俺が放つのは両手をついて身体を回転させながら向こう脛付近を狙って繰り出す水面蹴りだ、しかしこれはきっとガルシア師範は確実に回避するだろう。

 空中へとジャンプするかもしくはバックステップか、さてどっちを選びますかねガルシア師範!?

 

 「甘いわッ!!」

 

 言うと同時にがガルシア師範は後方へとジャンプして回避する、チャンス到来か俺は回転の勢いそのままに体勢を変化させ次の技に繋ぐ。

 

 「空ぅ破弾!」

 

 ガルシア師範のバックジャンプを追う様に空破弾で追撃を掛ける。

 

 「なっ!?ちィッ!」

 

 後方にジャンプをしながらもガルシア師範は俺の空破弾を間一髪ってタイミングで、クロスアームガードによりブロック畜生この固いガードは流石に崩せないな、しかしガードされたとは言えまだ空破弾は終わっちゃいない、まだ着地していないからな。

 勝負は着地後だな、ガルシア師範はガードによる硬直があり俺は技の終了後の硬直がある、果たして何方が先に次の行動に移れるかが勝負の分かれ目か。

 

 それから数瞬の内に俺達は着地、密着状態から極僅かにだが彼我の距離が開いている、そして硬直が切れ次の動作に移る。

 

 とは言え俺は屈んだ様な状態にあり、この場で愚直に立ち上がったりなどしようものならガルシア師範の反撃の体の良い的になっちまうよな。

 なので、俺はこの状態から繰り出せる幾つかの技の中からコレをチョイス。

 

 「(闇 浴びせ蹴り)せりゃあ!」

 

 蹴り足に不知火の炎を纏い繰り出す後方回転蹴り、クリーンヒットさせる事が出来れば確実にダウンを奪えるだろう。

 

 しかしガルシア師範は……。

 

 「そりゃあ龍斬翔!」

 

 大きく飛び上がる様に所謂サマーソルトキック、龍斬翔を繰り出し迎撃。

 俺の『闇 浴びせ蹴り』とガルシア師範の『龍斬翔』を繰り出したタイミングでは若干俺が速かったんだがな。

 しかし空中で交錯する互いの蹴り、それにより二つの技は相殺されてしまい互いの距離だけが開く結果となってしまった。

 

 闇 浴びせ蹴り自体が技を繰り出すと後方へと下がる様な形になるんだが、今のはガルシア師範の龍斬翔とぶつかる形となった為にそのノックバックが加わり更に通常よりも大きく下がり彼我の距離がかなり開く。

 しかしやっぱりだった、今のだってガルシア師範よりも俺の方がスピードが速かったしな、まぁ彼処で龍斬翔を出して対応してみせたのはベテランの経験故ってヤツだろうな、其処には注意を払わなきゃだな。

 

 「だぁっシャァッ、まだまだぁ!」

 

 反動が止まり体勢を立て直して即座に駆け出す、自分を奮い立たせる為に声を上げ相手目掛けて走る。

 

 「おう、まだやッ!」

 

 それにガルシア師範が応える、その表情には未だに獰猛な野生の笑みがコレでもかって位に溢れている、その『コレでも』ってのが果たして如何程かなんて聞かないでくれると助かる、なんつかこの表現はわりと曖昧ってか敢えて横文字で言えば『fuzzy』って感じか。

 しかし何より其れが解るのは闘いに身を投じている人間だけで良い事だなんてな、ってこりゃ我ながらちょっとばかりカッコつけ過ぎかもな、だからちょっとそこの君、君だよ君、人の事ナルってるとか言わない!

 なんて一人脳内思索を続けながらも、俺はガルシア師範へ立ち向かう事は忘れちゃいないからな。

 

 「ハッ!そりゃ!」

 

 今だってちゃんと俺はガルシア師範が繰り出す蹴りを躱して懐へ入り込むスキを覗ってんだからな……それから間もなく近接でのガルシア師範の連撃を掻い潜り俺は遂に、ガルシア師範の懐へ潜り込む事が出来た。

 

 素早く軽く身を屈めて上方、ガルシア師範のガラ空きになっている顔面目掛けて放つのは。

 

 「破ぁッ!」

 

 アンディ兄ちゃんから教わった至近距離から相手の顔面を下方から上方目掛けて撃つ『上げ面』だ。

 

 「グハぁッ!?」

 

 良しガルシア師範は上げ面を食らって体勢を崩し大きく仰け反っている、此処が俺の連撃を叩き込む千載一遇のチャンスって奴だ。

 

 「ハッ、ハッ、セイッ!」

 

 此処で放つのは左ジャブの二連打から右のストレート、クリーンヒットにより大きく仰け反るガルシア師範に対して更なる追撃を掛ける。

 

 「スラッシュキィック!」

 

 至近距離から放ったスラッシュキックはガルシア師範のボディを深々と抉りその身を数メートル程吹き飛ばした。

 

 「ぐほぉ……」

 

 と、まるで断末魔の様な呻き声を洩らしながら。

 

 

 

 

 へへっ、八幡のヤツやるじゃねぇかよあの最強の虎相手に連続技を叩き込むなんてよ。

 

 「…凄いハッチン、ヒガシさんもう勝ちですよね!?ハッチンが勝ったんですよね。」

 

 結衣嬢ちゃんが安堵と不安が入り混じった様な顔で俺に尋ねて来る、よく見りゃ雪乃嬢ちゃんといろは嬢ちゃんも似たような顔してんな、ハハッ八幡のヤローこんなにも嬢ちゃん達に愛されてやがんのかよ……チッ、何処ぞの誰かの言い草じゃ無ぇがよ………ケッ爆発しろってんだ畜生め!

 

 「……あのヒガシさん?」

 

 おっと、何時の間にか弟分のリア充っぷりに思わず嫉妬しそうになっちまったぜ、俺には静さんが居るってのにな。

 

 「あぁいや悪いな何でも無ぇよ、そのよ嬢ちゃん達の不安を煽る様で悪いんだがよ残念だがこの程度で完全に沈んじまう程最強の虎は甘くは無いんだよな。」

 

 俺が嬢ちゃん達に答えている間にも奴さんもう立ち上がり始めてるしな、まぁ案外ダメージは受けちゃいる様じゃあるが……惜しむらくは彼処でスラッシュキックじゃ無くてパワーゲイザーに持っていけなかったってのが八幡のヤツの甘さって事なんだろうな、経験不足とかを加味してもな。

 

 「ああヒガシさんの言う通りさ、ロバート師匠はこれ位で終わっちまう程ヤワな鍛え方しちゃいないよ例え現役を退いてもね、かつて最強の虎と呼ばれた称号は伊達じゃないんだよ……まぁリョウ総帥やご隠居は例外だろうけどね。」

 

 サンキュー沙希嬢ちゃん追加補足感謝だぜ、けど沙希嬢ちゃんの言う通りなんだよな……これ位でくたばる様じゃそんな御大層な二つ名で呼ばれる様にゃならねえだろうしな。

 あと、確かにサカザキの爺様は今でも現役相手にやり合えそうな佇まいしてるけどな、全く十兵衛の爺さんと言いタン老師と言い何でこの世界は元気者の爺様連中がわんさか居やがるんだ!?

 あ〜、まぁ流石にタン老師を引っ張ってくるのは流石にもう無理だろうがよ。

 だが、十兵衛の爺さんなら可愛娘ちゃんがわんさか居るって言やあ速攻で出張って来るだろうがよ……不味いな八幡のトコの学校は雪乃嬢ちゃんはじめ大概可愛い娘ばっかじゃねぇかよ、しかも静さんも居るし、コイツはこの情報は爺さんにゃ知らせない方が賢明だな。

 

 それはさて置きだ。

 

 「ああそう言う事だ、ほれ見てみな最強の虎のオッサンもう立ち上がって来るぜ、しっかしコリャ不味いかもな八幡のヤツ出来りゃ今ので極められてりゃ良かったんだがな。」

 

 俺のその言葉に三人の嬢ちゃん達は痛ましげな表情で八幡を見つめている、悪いな嬢ちゃん達楽観的な事でも言えりゃいいんだがよ、現状そうは言えないんだよな。

 

 

 

 

 

 

 全く凄えな、俺の連撃を受けながらもガルシア師範は立ち上がってきた、出来る事ならさっきので決めたかったんだけどな、はぁ自信なくすぜ……。

 まぁそれでもかなりのダメージは与えられた筈だしな今はそれで良しとしとくか、それにガルシア師範に対して俺のスピードは有用だと解ったからなそいつを活かしゃあ活路はある!

 

 「ふぅ……今のホンマはかなり効いたで八幡、せやけど俺を沈めるにはちいとばかし足らんかったみたいやな、それにヤラれっぱなしは性に合わんし反撃の一つもさせてもらわない気ぃが済まへんしな。」

 

 そしてこの人ガルシア師範である、今の言葉がハッタリじゃ無いって事がその鋭い眼光と取られた構えの力強さからヒシと感じられる……『えぇい極限流の二つ名持ちは化け物か!?』とジオンの赤い彗星さんみたく言ってみる。

 実際ガルシア師範もだけど、未だ山籠り何かやってるサカザキ総帥もだしロドリゲス師範代もそうだろう、それにもしかしたらご隠居さんだってその気になりゃ今にも舞台にあがりそうだし、そして川崎もこのまま行くと近い将来きっと最強の虎の称号を受け継げるだけの空手家になるだろうし…オ〜マイガッ!

 

 「でしょうね、未だにアリアリ感じてますからねガルシア師範の闘気ってのをね、なのでそいつを十全に発揮されるのは怖いから速攻で行かせてもらいますよっとな!」

 

 そう宣言し再度俺はガルシアに吶喊するべく両の脚に力を込めて駆け出した。

 

 

 

 

 

 さぁて試合再開ってかよ、八幡のヤツ相も変わらずスピードで上を行っての撹乱速攻ってか、その戦法自体は間違っちゃ無ぇけどよ八幡、相手はあの最強の虎なんだぜ。 

 

 「一本調子の戦法じゃいつかは捉えられっちまうぜ………。」

 

 「「「「えっ……!?」」」」

 

 おっといかんなつい口に出しちまった様だなコリャ不味かったか、嬢ちゃん達に余計な不安感をが植え付けっちまったかな、しかも留美嬢ちゃんにまでとは俺も焼きが回ったってトコか。

 

 「ヒガシさんの言うとおりだよ、今言ったろうロバート師匠の本気ははまだこんなモンじゃ無いよ、今のまんまじゃ比企谷の奴何れ捕まっちまうよ……。」

 

 フッ、沙希嬢ちゃん解ってんじゃねぇかよ、どうやら舞との一戦で沙希嬢ちゃんも一皮剥けたって事だな、オイ八幡コイツはどうやら上ばっかじゃ無く身近な周囲や同年代の奴にも気を配んなきゃだぜ。

 

 

 良い調子に八幡のヤツは最強の虎に速い出入りで対抗しているし、そいつは今ンところ巧くやれては居るがよ……。

 相手の攻撃を躱しては懐へ潜り込み打撃を加えて、連撃を入れられ無さそうなら素早く引いて立て直してから仕切り直しか、この八年間の成果が出てんじゃねえかよ見事なもんだぜ八幡。

 

 だがよぉお前ぇは相手の眼ェ観てるか最強の虎の眼はよ、獲物を仕留める為に静かにじっくり爪と牙を繰り出すタイミングを今か今かと測ってるて眼ぇしてんだぜ。

 

 そしてまた八幡のヤツは最強の虎の懐へ飛び込んでの打撃、ジャブの連打からストレートと見せかけてのフェイントからの左フック、そしてボディへのアッパーへと繋ぐ………っ!?

 

 「不味い行くな八幡!そいつは誘いだァッ!」

 

 最強の虎の眼を遠目から客観的に見ていたからこそ気が付けた俺は八幡を止めようとして思わず声に出してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




八幡の攻撃は最強の虎を巧みに捉え優勢に事を進めていた、しかし其処に待ったをかけるジョー・ヒガシ。
その叫びを呼び水に遂に開始される最強の虎の反転攻勢、果たして八幡の運命やいかに、次回『やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。』第84話『極限流空手道場会戦』格闘技の歴史がまた1ページ………  嘘。


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