やはり伝説の餓狼達が俺の師匠なのは間違っているだろうか。 作:佐世保の中年ライダー
夏真っ盛りの早朝、とは言え暦の上では俺の誕生日にあたる八月八日あたりが立秋となるのだとかでもう秋に突入している訳だ、なのでこの暑さは所謂残暑と言う奴であり言わば夏の残骸ってやつなんだろうが、駄菓子菓子。
気温三十度を超える真夏日はまだまだ続くので実質的にはまだ夏なのだ、そう俺達の夏休みは“最終回じゃないぞよもうちょっとだけ続くんじゃ”な状態なのだ、実際夏休みは八月三十一日中まで続くんだし、これはもう暦云々は関係無しに国家が八月末迄は夏だと認めていると見做せるのだ、イヤだがちょっと待てよ、そう言えば日本の北部では夏休みが終わるの結構早いんだっけか?
そうなると、どうなんだろう、ぽくぽくぽくぽく……チーン、分からん! と言う事でこの件は以上だ。
「シュッ!」「ハッ!」「セイッ!」
今は真夏の早朝の日の出から間もない時刻でしかも此処は標高も千葉より高い位置にある為、気温もいくらか低くこの時間帯なら少しだけ肌寒いってか動いて無かったら結構寒い。
「シュッシュッ、ハッ!」
「何のッ!」
のだがあいにくと俺は今その肌寒さを感じる余裕が無かったりする、それは日々の日課でもある朝の鍛錬を不知火道場の庭と呼ぶには些か広過ぎる敷地にて執り行っているからだ、それも一人では無く、アンディ兄ちゃんと実戦を想定しての組手を行っているところだ、まぁ但しプロテクターを装着してだがな。
「しゃッ…斬影拳ッ!」
『ヨシ、スキが出来たチャンスだ』そう判断し繰り出した斬影拳だったが、しかしそれは。
「甘いッ!昇龍弾ッ!」
どがそう判断しタイミングは決まったと思っていた俺の斬影拳は、アンディ兄ちゃんの昇龍弾にカウンターを合わされてしまった。
もしプロテクターを装着していなかったら今の昇龍弾で俺は大ダメージを被っていた事間違い無しだな、ありがとう俺の獅○座の聖衣レオのクロスおかげで助かったぜ、ふっ違うな確かに俺は八月八日生まれの獅子座だけど今身に着けているこのプロテクターは聖衣と呼べる様な物じゃ無い、普通にスポーツ用品店で買える量産品だし、何なら俺は聖闘士セイントになる為の訓練をしている訳じゃ無い、兄貴達から学んだ格闘の世界を征く為に鍛錬をしている訳で。
「なッ!?くうっ……まだぁっ、シャッ!」
さて置き、俺は立ち上がりアンディ兄ちゃんへと向かい攻撃を仕掛けるべく動き出し、そして牽制と距離測定を兼ねてのリードブローとローキックを。
「フンッ!セイ!」
しかしそれを的確に往なしながらこちらのスキを窺い、これあらば即座に反撃を狙っている事を眼力で語るアンディ兄ちゃん。
いやまぁそれは格闘家の心得としては至極当然の事っちゃ当然なんだが、しかし俺にとって師であり目標の一人でもあるアンディ兄ちゃんにこんな眼を向けられている事に少しの怖気と認められているのかと思えばこその誉れを感じる。
怖気る心を抑え込んで仕掛ける攻撃だがこの組手にはアンディ兄ちゃんの提案により一つのルールってか制限を設けられている、それはこの組手通常技以外の必殺技は不知火流の技だけしか使わないって制限だ。
「シュシュッ!だりゃ…飛翔拳ッ!」
そしてギリ掠るかなって位の至近距離から敢えてガードされる事を前提として放つジャブで目眩まし、其処からストレートを繰り出すと見せかけてフェイントからの飛翔拳を放ちガードを固めさせようと考えていたんだが。
アンディ兄ちゃんは飛翔拳をブロッキングで相殺し即反撃に転じてくる、自身の小柄な体格を十二分に利用して飛翔拳を放った後の戻りきれない俺の腕の更に下から腹部を狙っての掌底打を放ってくる。
「くっ!?しまっ…」
アンディ兄ちゃんの掌底が俺のボディへ直撃、其れを辛うじて腹筋に力を込めて気を巡らせ耐えるが生憎とダメージの全てを殺しきるには至らず、これが結構痛かった。
その為俺は少しだけ身体を前方へ傾けてしまった、ヤバいとそう思ったのは後の祭りか、更に今度は下顎を突き上げるように掌底打ちが繰り出され、俺の身体が軽く宙に浮くとアンディ兄ちゃんの追撃が加わる。
「空破弾ッ!」
アンディ兄ちゃんの錐揉み回転蹴り空破弾の直撃を受け、堪らず俺はダウンを喫してしまった。
「其処まで!」
舞姉ちゃんの号令により俺達の実戦組手は此処に終了を告げられる、プロテクターを着けた上での実戦稽古とは言えアンディ兄ちゃんは世界的に知られる一流格闘家だ、受けた打撃を完全吸収してくれる訳では無いからなそれなりに痛い。
やはり早期のエアバッグの実用化が待たれる、逆シャア辺りの時代のMSのコックピットよろしくな。
「ぷはぁ〜っ…痛いっつう〜っ。」
ダウンした状態のまま俺は腹に手を当てて擦りながら溜め息を漏らす、やっぱり不知火流の技限定だとアンディ兄ちゃんにはまだまだ敵わないわな。
「ふう、ヨシ、お疲れ八幡。」
『ふう』と一呼吸、そして居ずまいを正すとアンディ兄ちゃんは倒れた俺に手を差し伸べてくれた、俺は上半身を起こしその手を掴み立ち上がり。
「お疲れ様八っちゃん、アンディ。」
俺が立ち上がったところで舞姉ちゃんが労いの言葉を掛けてくれて、続く様に小町と十平衛先生からも掛けられる。
「うっす、ありがとうございます…はぁ〜けどやっぱりまだまだ甘いよね俺の不知火流の技の完成度はさ。」
皆へ礼の挨拶を述べ、続けてこの組手に於いて痛感した自身の甘さをアンディ兄ちゃんに吐露する。
「フフッ、そりゃあ僕が何十年も掛けて磨いて来たんだからねまだまだ越えられる訳にはいかないさ、だけど八幡の技の完成度もそれ程甘いと言う訳では無いよ寧ろ良く出来ているとは思うよ。
現時点ではその完成度は北斗丸のそれよりは上だよ、だが油断は禁物だ北斗丸も最近はメキメキと実力が向上しているからねうかうかしていると追い越されかねないよ。」
「まぁそう言われるとその通りなんだけどさ……アンディ兄ちゃん今の組手で使う技をさ不知火流の必殺技たげに限定したのって何か理由ってか思惑があるんだよね。」
俺の技の完成度についての意外な高評価には思わず口元がニヤけそうになってしまうが、その後に続けられた説教ともつかぬお小言は俺に対しての発破なんだろうけどな。
何と言うかテリー兄ちゃんとジョーあんちゃんはどちらかと言えば感覚派と言えると思うんだが、対してどちらかと言えば理論派に属すると思えるアンディ兄ちゃんの事だから、この課題には何かしらの理由があるって事はそれなりに長い付き合いだしそれは俺にも推察がつく、いやまぁ格闘家たるもの日々の鍛錬には何かしらの課題を持って取り組む物のは当たり前だのクラッカーヴォレイだ、線路は続くよ……まぁ終点まではな。
「話は取り敢えず休憩しながらにしようか、北斗丸もそろそろ走り込みから戻って来る頃だろうからね。」
「うむ、それが良かろうてな、いくらここの気候が涼しいとは言えどもまだ夏じゃしな水分の補給位はしておかんとならんぞ。」
「そうね、それじゃあ皆の分のお茶を用意しておくわね。」
「あっ、だったら小町も手伝うね舞お姉ちゃん。」
と言う訳で、師匠筋二人のお言葉により朝練は切り上げ皆で休憩を摂ると言う流れとなった、プロテクターを着けてはいれどニ十分以上も組手をやってたし喉もさすがにカラカラだし、ここで休憩はありがたい。
しかも舞姉ちゃんと小町がお茶を淹れてくれるなんて尚更だ、まさに今の心境たるや
不知火家の縁側に男三人腰掛けて、女性陣が準備してくれているお茶の用意が出来るまでの間にタオルで汗を拭い、鳴き始めたセミの声をBGMに訪れたまったりタイムに侘び寂びを感じる。
偶にはこう言うのも悪くないなと素直に思う、八十過ぎの爺ちゃんと三十代の兄貴分と十代の俺、まるっきり世代は違うのに格闘を通して同じ時間を共有する今って時に柄に無くセンチな気分を味わう、柱の男では無い俺はセンチになる事を否定しないし、強者だけが真理とか勝者だけが正義なんて傲慢にはなれん。
「まぁ、ワムウはカッコいいから好きなんだけどな。」
そんな愚にもつかない事を考えている間に北斗丸も帰宅し舞姉ちゃんと小町もお茶の用意も終え皆縁側に並んで腰掛けてそのお茶を飲む、まぁ一人だけバリボリと煎餅を食ってる爺様もいるがな。
てゆうか、十平衛先生って一体どれだけの枚数の煎餅をストックしてるのかがちょっと気になるんだが、八十越えてそんな物を食えるんだから歯もしっかりしてるんだと感心しといてやれば良いだろう、なので俺としては敢えて突っ込んだりはしない。
まったりタイムも程々にアンディ兄ちゃんが今日の朝練の総括ってかその目的ってか意義を語り始める。
「八幡のスタイルは兄さんの八極正拳ベースのマーシャルアーツがその基礎となっている訳だが、其処に僕の不知火流とジョーのムエタイの技法を加えているのは承知の通りだね。」
アンディ兄ちゃんは現状確認の意味合いを含めて基本的な事から語りだし、それに畏まるって程でも無く俺は頷いてみせる、思えば俺がバーンナックルとパワーウェーブを使える様になってから二人が俺に自分の技を教えてくれる様になったんだよな、あれは俺が小六の頃だからもう四年以上になるのか……。
「これは八幡では無く何方かと言えば僕とジョーに問題があったとも取れる事だけど、兄さんの技もそうだが僕やジョーの教えた事も八幡は直ぐに吸収してくれたうえにその教えを元に真摯に鍛錬を積んでくれるものだから、それが嬉しくてね。」
「ああ、うん、だってねぇ俺としても技を教えてもらえるのが嬉しくてさ、其れを身に着ける事が出来た時なんか更にその嬉しさもひとしおってかね、だからうん。」
俺はアンディ兄ちゃんの発言を肯定、あの日いつか俺たちの技もお前に教えたいと告げられた時から今現在までその思いに変わりは無い、三人から教わる事が俺にとってかけがえの無い絆だからとこの事に関しては俺は言葉を濁したり照れたりなんかせずにはっきりと言える。
いや、場合によっちゃちょっとだけ照れたりするかもだけどな。
「ああ、でもその結果八幡が器用貧乏になってしまうんじゃないかと僕は懸念しているんだよ、八幡自身にも何か思い当たる節はないかい、先日ジョーとも手合わせをしたとの話は聞いているよ。」
そっか、アンディ兄ちゃんは千葉村で俺がジョーあんちゃんとやった事を知っているのか、アンディ兄ちゃんの隣に座る舞姉ちゃんへと目を向けるとニッコリと微笑みパチンとウインクをかます。
くっ、ワカイイ!ってかこれって舞姉ちゃんがアンディ兄ちゃんにその事を教えたんだって告白してる様なもんだよ。
まぁそれは良い、今の問題はアンディ兄ちゃんからの問いかけだ、言われて俺には思い当たる節がある確かにある。
厳密に言えば今日のアンディ兄ちゃんとの組手と先日のジョーあんちゃんとの対戦の過程を踏まえてなんだけどな。
「……はぁ、何だ知ってたんだアンディ兄ちゃん。
うん、まぁあの仕合いの時、俺とジョーあんちゃんは開幕の時に同時にハリケーンアッパーを撃ったんだけど、技の射出ってか技のモーションから放つまでのスピードが俺の方が遅れたんだよね、その時は流石はジョーあんちゃんやっぱり元祖は違うなって単純にそう思ったんだけど、さっきのアンディ兄ちゃんとの組手の結果も踏まえて見ると確かにアンディ兄ちゃんの懸念も御尤もってそう思えるね。」
ジョーあんちゃんとの同じ技の撃ち合いに遅れ、アンディ兄ちゃんには技をほぼ封殺された様な結果になったしな。
そう考えればやっぱりアンディ兄ちゃんが言う様に今の俺は器用貧乏なのかも知れない、三人に教わった技を一通りそれなりには使いこなせるけど、教えてくれた三人を超えることは現状出来ていない、いやこれは“なのかも知れない”では無く本当に器用貧乏な状態だと言わざるを得ないわ。
「ああ、まあ僕としても、ジョーにしてもおそらくはそう思っているだろうけど、やはり八幡に対してまだ色んな事を教えたいと思っいるしそうするつもりだよ。
だけど、それだと今以上に八幡が器用貧乏になるかも知れない、だからこれは一つの提案なんだが、八幡は僕等が教えた技を自身でその取捨選択をした方が言いのかも知れないと僕はそう思っているんだよ。
学んだ事の中から自身にとって何が重要か有効かを確りと見極めるべきだろうとね、まぁどうするか、それを決めるのは八幡自身が考えなければいけないんだけどね。」
取捨選択か、アンディ兄ちゃんの話を聞いてその提案は確かに一理も二理もあるんじゃねぇかと俺も思う、だけど俺は兄貴達が教えてくれる事を全部吸収したいと言う気持ちもある。
それは、その考えはもしかしたらただの我儘だろうか、それとも或いは傲慢だろうか、ゴーマンがましてよかですかってところか!?
いやいや、別段何かを宣言しようとか俺は思っちゃいないけどな……そんな物はどうでもいい。
「これまでに十五年以上僕達は色々な格闘大会に参戦して来たけど、その都度新たな技を修得してそれに臨んでいたし逆にそれまで使っていた技を封印した事もある、それは大会や対戦相手の傾向などを元にどの様な技を組み立てるか等の予想して戦術的な判断を下した結果でもあるし、同じ様な性質の技が重複する場合より繰り出しやすい方の技を選択し其れを更に磨きをかけて臨んだものだ。」
ベテラン格闘家の実戦経験により裏付けられたアドバイスか、こんなにも分厚い説得力のある言葉も無いな、俺は兄貴達が闘う姿を実際に自分の目で見た事は殆ど無い、見たのは過去の大会での映像が大半だからアンディ兄ちゃんが言う様ないつの時代、誰との闘いに臨んでどの技を編み出しどの技を封じたのかは解っていない処も多々ある。
「……アンディ兄ちゃんが言う事も尤もなのかもな、いくら沢山の技を修得したとしてもそれが完成度の低い物なら実戦の役には立たないしね、こいつは確かに一考の余地ありだな。」
俺は『う〜んマンダム』よろしく顎に右手を添えてしかつめらしく考える、そんな俺の周りには何だかホンワカとした空気が流れている様な気がする。
はたと気が付いたふうを装い俺は周囲を見回すと、いつの間にかそんな俺を皆が生温い眼差しで見ていたりする、オーマイガッ!?
「なっ…何なの皆してそんな目で、何かすっげえ恥ずいから止めてもらえませんかね、いやマジで。」
若干テンパリつつ細やかな抵抗運動を試みるが、俺にはレジスタンスとしてやって行けるだけの才能は無いらしい。
皆はニヤニヤを止めない、オノレぇそっちがその気なら俺だってな…。
「あはははっ、多分お兄ちゃんの次のセリフは『消してやるぜそのニヤついた顔を!』だねっ!」
「消してやるぜそのニヤついた顔を!はっ!?」
なっ、読まれだだと俺のセリフを小町に読まれただってぇ〜っ!?
なんてな、ちっくとパニったふりをしとったがぜよ(いかんこんなエセな方言を使ってたら地元の人に怒られるわな、八幡自重)まぁアレだ流石に十五年近くも兄妹やってるし、考えを読まれたとしても不思議は無い。
「へっへぇ〜、お兄ちゃんの言いそうなことなんて小町にはお見通しだよ!」
人差し指を立ててチッチッチッと指を振り得意気な調子で宣う小町、まぁこの世で唯一八幡検定段位を持つ小町だからなふしぎでは無い、これぞ美しき兄妹愛の為せる技だ。」
「はぁ?何言ってんのお兄ちゃん、バカじゃないの……。」
めっちゃメチャ冷め切った声音で小町からのバカ発言が飛び出した、兄妹愛はどうやら俺からの一方通行だったのだろう、俺は此処に
「カッカッカッカッ、小町ちゃんも皆も八坊をイジるのはその辺にしておくんじゃ、それにアンディよお主が八坊に伝えるべき事はまだあるじゃろうての。」
亀の甲より年の功とは言ったもので、十平衛先生が近年に無い程ってのは言い過ぎ感があるが珍しくも皆を嗜め、そして更には聞き捨てならない発言のスパイスを加えていた。
「フフッ流石ですね十平衛先生、理解っていましたか。」
アンディ兄ちゃんもそれを流石に解っていると評しているし、何だろう言い方からしてさっきの話の続きとかだろうけど。
そんな訳ならば俺としちゃ此処は神妙に拝聴すべきだろうな、アンディ兄ちゃんも俺に視線が向いているし話してくださいプリーズミー。
「んっ、んん……八幡、さっき僕が言った事はある意味マイナス=負の面について言った訳だけど、そうだねもしこのまま八幡が精進を続けて教えられた技の完成度が今以上に仕上げる事が出来たなら、これは対戦する相手からすると非常に厄介な相手となる事間違えなしだ、察しの良い八幡なら此処まで言えば僕が何を言いたいかある程度理解出来てるんじゃないかな。」
何故か咳払いをしてからアンディ兄ちゃんは解説を始めたが、そんなアンディ兄ちゃんの仕草に俺は何だか案外アンディ兄ちゃんってお約束的な事が実は好んでいたりするのかもと思わずにはいられないが、今は其処に言及はすまい。
考えるべきは今アンディ兄ちゃんが言った事についてだ、なる程俺が高い次元で三人の技を使えるようになればか。
「そうだな、えーと、多くの技を使えるって事は相手に取ってはさ、正にそれだけで多くの選択肢を突き付けられるって事だよね。
例えば代表的な突進系の必殺技だけでもバーンナックルや斬影拳にスラッシュキックと揃ってるし、ジョーあんちゃんのスライディングキックなんてのもあるから、相手としては此方が一体どの技でもって攻めてくるか中々読めない。
これは確かに俺からすると大きな利点となるわ、うん。」
俺の導いた回答はどうやらアンディ兄ちゃんや十平衛先生の用意した答えと然程遠く離れてはいなかったらしく、二人は力強く頷いてくれた。
「将来的に八幡の格闘スタイルが何方側を取るのかは八幡自身が決める事だけど、まだ十代だし十二分に伸びしろがあるんだから其処はじっくり考えて答えを出せば良いんじゃないかな、八幡も北斗丸もそしてロックも君達がどんな格闘家になるのか楽しみにしているよ。」
アンディ兄ちゃん僅かばかりの厳しさと多分含まれた優しさとが同居した様な眼差しでもってそう締めくくった。