バディファイトif〜臥炎キョウヤに弟がいたら〜 作:楠木東弥
文章力が変わらない……いや、1話1話に時間をかけていた分、昔の方が良いまであるんだよなぁ。
でもま、これは自己満&暇つぶしで書いてるものだから、多少はね?
それとキャラの口調が安定に難しい。
もっと上手くなりたいと思った今日この頃。
『では、ABCカップが終わるまではワールドに行く事はないのか』
「えぇ、何か急ぎの用が出来ない限り。それとも何か依頼でもあるんですか?」
『……いや、今のところは特にない。いつも通り、学園生活を謳歌してくれ』
はーい、と返事をしてから、通話を切る。
通話相手は、ドーン伯爵だ。
相棒学園に登校してる時にかけてくるから何用かと思ったけど、異世界に行くか?なんて要件だったとは。
いや、言葉に詰まってたし、何かはあるのだろう。
ただ、伯爵は僕に” クリミナルファイターは捕まえなくて良い”と言ったから、言い出せなかっただけか。
「どのような要件だったのですか、悠斗様」
「いや、大した用事じゃなかったよ」
しっかし、最近は頭を悩ませる事が多くなってきたな……。
兄さんの計画に、世界を喰らうヤミゲドウの存在、牙王をどのように仲間に引き入れるか、それに轟鬼ゲンマ……。
色々な事が、一気に起こりすぎだ……創作なら完全にイベント過多だぞ。
「ん?」
心の中でそんな愚痴を溢しながら相棒学園に続くエスカレーターを上り終えると、そこには意外な人物がいた。
青い制服に身を包んだ龍炎寺タスクと、同じく制服を着用したステラ・ワトソンさん。
僕と同い年のタスクはともかく、23歳のステラさんがどうしてここにいるんだ?
「おそらく、バディポリスの任務かと」
「……今、点と点が線で繋がった。はぁ、面倒くさいな……」
龍炎寺タスクは、バディポリスでも有数の実力者と聞く……リアルファイトの。
世界でも少ないフューチャーフォースの解放者なので当然と言えば当然で、そんな人物がわざわざこんな所にいるはずがない。
それはつまり、バディポリスの依頼絡みのはずで、それならバディポリス職員のステラさんと行動を共にしている理由も納得がいく。
「どうする?ソフィア。僕も一応少年バディポリスだし、声かけた方が良いと思うか?」
「悠斗様の判断にお任せします……ですが、私は接近した方が良いかと」
「その心は」
「龍炎寺タスクと交流を持つのは、悠斗様にとっても損ではないはずです」
損ではない……か。
確かに、龍炎寺タスクは兄さんに対抗し得る人物だ。
出来れば仲間に引き込んでおきたいし、正義感の強い彼なら了承するだろう。
というわけで、
「やぁ、龍炎寺タスク。初めまして、か」
「君は確か、臥炎悠斗……僕に何の用だ」
交流を持つために話しかけた。
が、どうにも機嫌が悪い……いや、焦っているのか?
「いや、手伝おうかと思ったんだ。何か依頼でも受けてるんだろ?」
「なっ……!?どうして君がそれを!いや、それ以前に君に手伝ってもらうことなんてない。これは、僕たちバディポリスの問題だ」
バディポリスの問題……か。
なら、僕も関係あるな。
「クックッ」
「何を笑っているんだ」
「聞かされてないのか?僕も最近、少年バディポリスに任命されたんだよ」
「なっ!?」
ふむ、少年バディポリスという立場は色々面倒と思ったが、意外とそうでもないらしい。
いや、まだ恩恵しかないからそう思えてるだけで、いずれこのツケを払う時が来るだろう。
だが今だけは、この立場を利用させてもらおうか。
「本当なんですか?ステラさん。彼が少年バディポリスになってるなんて……」
「えぇ、本当よ。だから、言っても問題ないと思うわ」
ステラさんは僕が任命される瞬間は見てないはずだけど、コマンダーIか滝原さんにでも聞いたのだろう。
しかしこの人、本当になんで中学生の服なんて着てるんだろうか……。
サイズ的な限界というものがあるのだが……。
と、そこでタスクの視線がソフィアに向いているのに気付いた。
……あぁ、ソフィアはバディポリス関係者じゃないから、離れて欲しいのか。
関係者以外の人を巻き込みたくないのだろう。
つくづく責任感というか……守護欲求が強いというか。
「ソフィアも聞いて良いか?そこらのバディポリスより強いし、口が固いぞ」
「私は悠斗様の助手のようなもの。悠斗様が口外しないなら、私もしない」
「そういうことなら……」と、タスクは渋々任務の概要を話してくれた。
◆◇◆◇
さて、今日からABCカップの本戦が開始するとは言え、普通の授業をしないという訳ではない。
午前授業を終えてから、本戦が始まるのだ。
「で、タスクの言ってた事は本当なのか?」
『うむ、間違いはないだろう。確かにこの学園内にモンスター反応がある』
タスクに与えられた任務。
それは、相棒学園に存在するらしいイリーガルモンスターの調査だ。
それ如きでタスクが出張ることもないと思うが。
『クック、マスターよ。タスクは役不足ではないぞ。むしろ、力不足なまである』
「強いのか、イリーガルモンスター」
『あぁ、それも相当に』
ヴィーは未来のドラゴンワールド、スタードラゴンワールドが混じったドラゴンロードだ。
だから、強者の気配を感じ取る事が出来る……らしい。
そんなヴィーが強いと断言するのだから、相当に強いのだろう。
だけど、イーターより強いのなんて早々いないだろうしなぁ。
むしろ、いたら地球なんてとっくに滅びてる。
『探さなくて良いのか?』
「僕がわざわざ協力しなくても、タスクなら一人でやれる」
それに、保護したモンスターはバディポリスに預けられるので、そのモンスターが僕のデッキに合うかはその時に確かめれば良い。
にしても、理科の授業は暇だな……。
中学で習う化学反応式は既に暗記してあるので、せいぜいが復習にしかならない。
『ぬ、見てみよ。件の少年がいるぞ』
「あ、ほんとだ。頑張ってるなぁ」
窓から相棒学園の校庭を観察していると、タスクとステラさんがいた。
まだモンスターは見つけられていないらしい。
あれが僕と同い年、か……。
なんというか、生き急いでる感じがする。
『マスターによく似ているな』
「……はい?僕が、タスクと?」
『あぁ、我から見れば、マスターも十分生き急いでるように見える』
生き急いでる、ね……。
他人から見れば、僕もタスクと同じなのか。
『……マスター、反応が強まった』
「何?どこだ?」
『丁度、彼らのいる辺り――』
いつもより、ヴィーの念話が強張っている。
それに影響されて緊張を覚えた瞬間、背筋に言い難い悪寒が走った。
それも、どこか既視感のある悪寒が。
「ヴィー!ゲートを作れ!この距離なら外さないよな!」
『そんなヘマをするはずがないだろう!』
席を立ち、勢い良く窓を開けた。
その突然の行為にクラスメイトの視線が集まるが、気にせずバディスキルを起動してその窓から飛び降りる。
そして誰かの悲鳴が聞こえた直後には、僕はヴィーのゲートで転移を終えていた。
タスクとソフィアさんの真上に。
「食らえッ……!!」
そして2人の側にいたイリーガルモンスター、三つ首の中心目掛けて双砲を放つ。
それは確かに直撃したが、特に効いている様子はない。
あぁクソ、やっぱ硬いな……!
「悠人様っ……!」
ディザスターフォースを発動させ、髪を伸ばしたソフィアも転移してバリアを張った。
それのおかげで、三つ首が放った電撃が無効化される。
「どうして君たちがここに!?」
「話は後だ龍炎寺タスク!今はこいつをなんとかするぞ!」
「っ、わかった!行くよ!ジャック!」
なんとかする、とは言っても、僕たちがこいつ……アジ・ダハーカに出来ることなど限られている。
なるほど、タスクじゃ確かに力不足だな……!
かと言って、僕も力不足だけど!
「ブレイドターミナイトォォ!!」
タスクのバディモンスター、ジャックナイフ・ドラゴンが頭部の刃で斬りかかるが、呆気なく弾かれる。
「タスク!フューチャーフォースだ!使えるんだろ!?」
「ダメだ!あの力の解放は禁止されてる!」
「はぁ!?今そんなこと言ってる場合じゃ――」
次の瞬間、アジ・ダハーカからの電撃がジャックに直撃した。
電撃はそのままジャックの体に纏わり付き、いつの間にか開いていたゲートに引き摺り込んでいく。
「ジャック!」
そしてゲートに呑まれたジャックを追うように、タスクもゲートに入る。
あぁクソ、マジかよ……!
「ソフィア!僕もゲートに入る!」
「お待ち下さい!私も――」
ソフィアの言葉を最後まで聞く前に、閉じかけていたゲートにギリギリで侵入した。
瞬間、視界が暗転する。
◆◇◆◇
「……ぅ……」
あ、起きた。
転移した先で気を失っていたタスクとジャックを揺すっていると、やっと目を覚ましたのだ。
「ジャック……ジャックは!?」
「私はここだ、タスク」
タスクがジャックの姿を視認すると、長年の再開を喜ぶように抱きついた。
……こんな状況で思うことじゃないと思うが、よくトゲだらけのジャックに抱き着けるな……。
ちなみに、エーヴィヒカイトは見るからに竜装機が痛そうなので抱きついた事がない。
「……それで、ここはどこなんだ?」
やっと落ち着いてきたタスクが、周囲を見てそう呟く。
僕に向けたものではない、明らかな独り言だが、その答えを知っているので応えた。
「闘技場。正式名称は決められてないけど、そう呼ばれている」
「闘技場……言われてみれば、確かにそんな構造だ。だけど、どうして君がそれを知っている?」
兄さんが見せてきたから、なんて馬鹿正直には言えない。
地球とドラゴンワールドの狭間にある空間、なんて言っても、さらに追求が激しくなるだけだから言いたくないなぁ。
「……黙秘権を行使する」
「っ、今はそんな事を言ってる場合じゃないんだぞ!わかっているのか!?」
「わかってるから落ち着け。僕たちの目的はこの闘技場から出る、だろ?」
僕もこんな場所にいたくないし、この事はアジ・ダハーカを通じて兄さんにも伝わっているはず。
ここから出たいという目的は、龍炎寺タスクと一致する。
『だがマスターよ、ここが如何なる場所か、覚えているだろう?』
「あぁ、もちろん。ここは闘技場。闘技場っていうのは――」
瞬間、僕の言葉を区切るように、闘技場に備え付けられた無数の扉が重苦しい重低音を響かせながら開いていく。
その中から現れるのは、様々なワールドのモンスター。
ぱっと見デンジャーワールドのモンスターが多いのは、彼らの本能が戦闘を望んでいる事に関係しているだろう。
《アーマナイト・ミノタウロス》や《甲殻竜 アルガラス》、《デスウィザード・ドラゴン》に《スカイドラゴン ジャベロット》。
ワールドなど関係ない、モンスターの展覧会。
その共通点はただ一つ、本能に刻まれた闘争心のみ。
あぁそうだ、闘技場というのは、
「命を賭けて、戦う場所」
彼らが望むのは、僕らの死。
自らの命をチップにかけ、僕たちを殺しにくる。
ならば、僕はそれに応えよう。
「ディザスターフォース、発動」
ダークコアデッキケースが起動し、闇のオーラが噴出した。
髪が伸び、五感が冴え、万能感が全身を支配する。
「ほら、タスクも早く解放しろ。じゃないと死ぬぞ……あぁ、一つ言っとくと、ここは地球じゃない。だから、お前がフューチャーフォースを解放しても、それがバディポリスに漏れる事はないぞ」
という助言を出すと、タスクは腰につけた黄色いコアデッキケースを握りしめ、ジャックを見つめた。
「……ジャック、僕はここで死にたくないし、君をこんな所で死なせたくない」
「あぁ、私も同じ気持ちだ。君は、私の家族なのだから」
「ジャック……ありがとう!フューチャーフォース!強制解放!」
タスクのコアデッキケースが変質し、円形の浮遊機械、スターパルサーに姿を変える。
さらにはディザスターフォースを発動した時のように髪が伸びた。
髪が伸びるのは、ディザスターもフューチャーも変わらないのか。
「……臥炎悠斗、君がどうしてフューチャーフォースを知っているのか、なぜ僕と同じ力を出せるのか、それはわからない」
フューチャーフォース。
この力は世界でも限りある人物しか使う事が出来ず、解放者はバディポリスによって情報が隠蔽されている。
タスクに漏らしたのは少し軽率だったかもしれないが、いずれ教える予定だったし。
「だけど、それでも君は中学生だ。僕とジャックの間に入ってくれ。君は僕が守る」
「守る……ねぇ」
タスクの言葉に従い、タスクのすぐ後ろに移動する。
それも、背中合わせで。
「タスク、お前が僕を守ろうとするのはバディポリスだからなんだろうけど……僕も、少年バディポリスだ」
「あぁ、知っている」
「なら、僕だってお前を守ってやる。僕がお前を守って、お前が僕を守る。それなら良いだろ?」
タスクは少し迷うように言葉が出なかったが、それでも頷いたのが後ろからでもわかった。
少しは信用してくれた、って事で良いのかね。
ひとまず、ヴィーとイーターをSD化を解いてコールする。
「行くよ、ジャック!」
「応!私たち家族は、絶対に負けない!」
「準備は良いよな、相棒」
『クック、誰に聞いている。我は時空をも
地球とドラゴンワールドの狭間の世界。
観戦客などいない闘技場で、命を賭けたリアルファイトがなんの合図もなく始まった。
途中は4000字以内に収めるかな、とか思ってたけど、それを超えたあたりからもういいやってなって地の文が増えました()
個人的にもっと熱い展開とか書きたかったけど、これが限界(悲しき文才)
あ、それとフューチャーフォース解放者は龍炎寺タスク以外にもいるように設定を変更しました。その方が作りやすいからねしょうがないね。
んじゃ、今日のカードは《包蔵禍心 闇狐》と《禍津の炎 闇狐》。
まず《包蔵禍心》のフレーバーは、『そうだ。欲望に流される事と、夢に立ち向かう事は違う』
そして《禍津の炎》は『静かに燃えよ。抱いた理想を現実にしたいのならな』
カッコいい(確信)
冷静に解説とかすると難しいけど、胸が熱くなるものがあるよなぁ。
個人的に《包蔵禍心》はトップクラスに好き。
つまりチーム禍津は最高。
小さい頃は何も思わなかったこういう小さなやつも、高校生になってみれば感動するものが散りばめられてるなぁ、って。
牙王がアクシアに言った、バディファイトには感動が散りばめられてるんだよ!ってやつですよ(コア過ぎる)