バディファイトif〜臥炎キョウヤに弟がいたら〜 作:楠木東弥
そして今回で一章は終わり!閉廷!解散!
無理矢理1話に収めたせいで、文字数が5000近くになってしまったゾ……。
二章の案とかは考えてあるけど、ストック0だから次回投稿はいつになるか分かりません。
あっそうだ。
個人的にIuminizuと夏色Fighting!!、そしてクロノグラフが好きです。
アタックフェイズが開始する。
その前に、おたまじゃくしは《百鬼魔導 閻魔帳開封》で手札を全て捨て、新たに3枚ドロー。
そして、やはりというかなんというか、《イーター》は《ヴィー》に攻撃を仕掛けた。
防御魔法を持っていない僕はそれを見ることしか出来ない。
「クッ……!ヴィー、ソウルガードはしなくていいよな!」
『聞くまでもないだろう!したところで、奴の餌になるだけだ!』
「だよな……!」
というわけで、ソウルガードをせずにヴィーをドロップゾーンに送った。
2回攻撃を持った《イーター》は、ヴィーという獲物を見失った事で僕に標的を変える。
そして一本の腕が僕に直撃し、ライフを削る。
「ぐっ……!?」
「悠斗様!」
「大丈夫だ……!この結界の中で怪我を負う事はない!」
しかしそれでも、目の前に巨大な腕が迫ってきたというのは中々のホラーだ。
ふぅー、落ち着け僕、ここからが本番だぞ。
★イーター ライフ:2/手札:2/ゲージ:1/センター:《外道竜鬼 イーター》
「ドロー、チャージアンドドロー……!」
今のイーターのソウルは、1枚。
防御力は未だ5000、このターン中に倒す。
そうしなければ。僕に勝ち目はない……!
だが、今の手札はゲージコスト2以上のものが多く、ましてチャージカードは0。
クソッ、初っ端から飛ばしすぎたか?いや、あの時は《ガロウズ》を出すのが正解択だった。
それに、僕はまだ出せるカードがある。
だけど、思わず笑ってしまう。
「ハハ……まさかこの状況で出せるカードがこれだけなんて……感謝するよ、未門牙王。センターに《ドラムバンカー・ドラゴン》をコール!」
ゲージコスト1、攻撃力7000、さらに2回攻撃を持った、今僕が欲しい要素を全て満たしているモンスター、《ドラム》がセンターエリアに召喚される。
あぁ、心強いな、これは。
「ドラムバンカー・ドラゴン……入れていたのですね、悠斗様」
「いや、ただのミスだよ。ドラムをデッキから外すのを忘れていた、ただの凡ミス」
だけどそれが今、僕の窮地を救える可能性を持っている。
思わずニヤけてしまうのも、致し方ないことだ。
「いけ《ドラム》!《イーター》にアタックだ!」
《ドラム》がドリル状の武器、ドリル・ラム・バンカーを吹かす。
するとドリルの先端がわずかに尖り、白い煙が噴き出した。
その勢いに抗わず、《ドラム》は《イーター》に向かって突進する。
そしてドリルは《イーター》の中心を捉え、破壊させた。
「これで《イーター》のソウルはない。もう一度だ《ドラム》!」
またもドリル・ラム・バンカーを吹かし、《イーター》に突進する。
そして《イーター》の胸を貫く、その直前。
突如《イーター》の眼前に現れた闇で、ドリルが阻まれてしまった。
おたまじゃくしに視線を向けると、1枚のカードが光っている。
そのカードは《百鬼魔導 闇違え》。
攻撃を無効化し、ライフ+1するカードだ。
「クッ……ソォ……!!」
マジか、マジかマジかマジか……!
破壊できなかった。
これで、イーターは生き残ってしまった。
考えうる限り、最悪の状況だ。
「ターン、エンド」
★悠斗 ライフ:6/手札:3/ゲージ:0/センター:《ドラムバンカー・ドラゴン》
そして、イーターのターンが開始する。
何もモンスターを出さないで欲しかったが、そんな願いが通じるはずもなく。
ライトに《殲滅獣 グラシャラボラス》、レフトに《跳梁跋扈 血染蜘蛛》がコールされた。
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《殲滅獣 グラシャラボラス》
ワールド:マジックワールド
サイズ:0
属性:[72柱][百鬼]
打:1/攻:2000/防:2000
■君の場に《百鬼》があるならコールできる。
■”爆雷”:相手が爆雷でダメージを受けた時、相手にダメージ1!
この能力は1ターンに一度だけ発動する。
『不幸になりてぇ奴はかかってきな。望み通りにしてやるからよ』
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《跳梁跋扈 血染蜘蛛》
ワールド:カタナワールド
サイズ:0
属性:[髑髏武者][百鬼]
打:2/攻:6000/防:1000
■このカードのバトル終了時、このカードを破壊する。
『人間、俺に指図する気か?』
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そしてアタックフェイズが開始し、《イーター》の能力で《ドラム》が呆気なく破壊される。
直後、《イーター》の腕が二本、僕を捉えた。
「こふっ……!」
これでライフは4。
そして、《グラシャラボラス》の爪が僕の腹部を切り裂く。
「ぐっ……!」
これでライフは3。
最後に、《血染蜘蛛》の糸が僕に突き刺さった。
「がぁぁっ……!」
《血染蜘蛛》は自滅し、僕のライフは1になる。
「ぐ……ぅ。マズいな、結構どころじゃなくマズい」
『マスターのデッキが浪漫型なのが仇となったな。二連続でデッキトップに賭けねばならんとは』
「ハッ、うっせぇ……!」
元々、矛盾しているのだ。
ライフ20で始まるのは、長期戦となった場合明らかに有利。
しかし、手札は4枚しかなくリソース切れがしやすい、つまり短期決戦を強いられる。
恨むぞ、ツヴァイを創造した古代の竜どもよ。
「すぅー、ふぅー……」
飛翔型のダークコアデッキケースに手をかざしながら、深呼吸を繰り返す。
大丈夫、僕の勝ち筋は見えている。
このターンで、このドローで、チャージカードを引けばいいんだ。
そうすれば、確実に勝てる。
だというのに。
「なんでこんな震えるかねぇ……」
端的に言えば、怖い。
ここで引けなかった未来を想像すると、どうしようもなく体が震える。
だが、それでも。
「未来は変わってくれないからな。ドロー!」
が、そのカードは《超流星竜 ゼニスレイター》。
チャンスは、後一回……!
重い腕でコアデッキケースに触れた瞬間、ソフィアから声がかかった。
「悠斗様」
「ん?」
後ろに振り返ると、先ほどの青白い顔は何処へやら、いつもの無表情のソフィアがいる。
何を言われるのだろうと現実逃避気味に彼女の瞳を眺めていると、驚きの発言が飛び出した。
「頑張ってください」
と、一言。
たった一言、それもありふれた言葉だが、僕は知っている。
ソフィアが言った、その異常性に。
頑張ったところで、ドローするカードは変わらない。
頑張ったところで、僕のプレイングが成長する事はない。
頑張ったところで……イーターを倒せるとは、限らない。
それはソフィアも理解しているはずで、けれど、
「あぁ、せいぜい頑張って足掻くよ」
不思議と、僕を支配していた恐怖が霧散した。
今度は迷いも震えもなくデッキに手をかざし、
「ドロォー!」
来た……!
「ライトに《舎弟見習い ゴーゴー・剛》をコール!」
《ゴーゴー》は1メートルほどの赤竜が、一昔前の番長服を来たような見た目をしている。
当たりも当たり、大当たりだ。
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《舎弟見習い ゴーゴー・剛》
ワールド:エンシェントワールド
属性:[竜王番長]
サイズ:0
打:1/攻:3000/防:1000
■”理想の番長像”このカードが登場した時、君のデッキの上から3枚を見て、その中のモンスター1枚を手札に加え、残りのカードをドロップゾーンに置く。
能力:ライフランク1
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「《ゴーゴー》の能力発動!デッキから3枚オープン!」
1枚目、《超越竜王 エーヴィヒカイト》。
2枚目、《魔竜の眷属 デストラクタ》。
3枚目、《魔竜の眷属 ゴライオウ》。
「《ゴライオウ》を手札に!そのまま能力発動!手札を捨て、ゲージ+2だ!」
これで、布陣は完璧に整った。
手札のモンスターをコールしようとすると、今度は華子さんから声がかかる。
「何か良いカードでもおるのか?」
「援護は不要だ。僕は勝つ」
「クカカッ、何かは知らぬが、気負いすることもない。もし悠斗が負けたとしても、我がもう一度封印してやろう」
「そんな簡単には出来なさそうだが、まぁ気持ちだけで助かるよ。センターにドゥルジナスをコール」
《ドゥルジナス》は黒い外殻を纏った龍で、歪な二本のツノが特徴だ。
ダークネスドラゴンワールドに行った時、たまたま見つけたモンスターである。
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《不浄魔竜 ドゥルジナス》
ワールド:ダークネスドラゴンワールド
属性:[悪神竜]
サイズ:3
打:0/攻:8000/防:5000
■相手の場にモンスターがいないなら、このカードの打撃力を+4!
■相手の場のサイズ2以下のモンスター1枚を選び、ゲージ1を払って良い。
払ったら、選んだカードを破壊する。
『根源たる悪神の眷属は、魔竜……または悪神竜と称されている』
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中々使い所が難しいモンスターだが、ハマれば強いモンスターの筆頭だ。
コールするのにゲージがかからないところもなお良い。
「《ドゥルジナス》!《イーター》にアタックだ!」
瞬間、《ドゥルジナス》が《イーター》に向けて飛んだ。
邪気を吐き続けている口で《イーター》を破壊する瞬間、どこからともなく花弁が舞った。
それに阻まれ、《ドゥルジナス》の攻撃は失敗に終わる。
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《百鬼魔導 百花繚乱》
ワールド:カタナワールド
属性:[百鬼][鬼道]
■相手のターンの攻撃中に使える。
■その攻撃が連携攻撃でないなら、無効化する。
『さぁ、届くかしら?』
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なるほど。
《ドゥルジナス》の攻撃はこの魔法で防がれたのか。
『GYAAAAAAA!!』
瞬間、自らの勝利を確信したのか《イーター》が吠えた。
まぁ、確かにそう思われても仕方ないだろうな。
だって土壇場の土壇場で、2回攻撃も貫通も持たないモンスターをコールしたのだから。
「……悠斗、残念じゃがお主の負けじゃ」
と、華子さんが拳を構えてイーターに近付こうとするが、それをソフィアに阻まれた。
「何をするのじゃ?ソフィア」
「まだ悠斗様のターンは終わっていない。だから、貴方が手を出す必要はない」
「しかし、すでに悠斗のアタックフェイズは終わって」
「ファイナルフェイズ!」
華子さんの言葉を遮り、ファイナルフェイズを宣言する。
その行動に華子さんを目を丸くするが、驚くのはまだ早い。
良く見てろ、イーター。
これが僕の、切り札の一つだ。
「《ドゥルジナス》をソウルに入れて、センターにコール!」
召喚されるは、一体の武装騎竜。
赤く強靭な肉体。
黄色い防具に身を包み、その手に持つは一つの巨大な武器。
そのモンスターの名は、
「《ドラムバンカー・ドラゴン ドリル・ラム・バスターブレイク!》、《イーター》にアタックだぁぁ!!」
《ドラム》はその手に持つ巨大な武器、ドリル・ラム・バンカーを勢い良く吹かす。
辺りに心地の良い重低音を響かせ、赤い炎と白い煙が吹き出し始める。
その姿はまるで、一本の破城槌のようで。
凄まじい勢いで、《イーター》に迫っていく。
そして《ドラム》は《イーター》の胸を貫通し、
『キシャァァァ!?』
3ダメージを与え、ライフ0にした。
瞬間、バディファイト結界が解除される。
結果は僕の勝ちだが、あくまでファイトに勝っただけだ。
イーターは生きている。
まだ、本当の勝負は終わっていない。
「良くやった。後は我に任せておくのじゃ」
モンスターを召喚しようと構えると、すぐ隣からそんな声が聞こえる。
そして次の瞬間、イーターが後ろ向きに倒れ始めた。
「ふむ、おそらく悠斗とのファイトで力を使ったのじゃろうな。弱くなっておったぞ」
「は、華子さん……?何やったんだ?」
「ぬ?何って、ぶん殴ったのじゃよ。こうやっての」
華子さんが拳を突き出し、僕の眼前で止める。
たったそれだけの動作で、風が巻き起こった。
ハ、ハハ……苦笑いしか出ねぇよ……。
これでも多分、滅茶苦茶手加減しているのだろう。
「で、悠斗よ。お主カード化は良いのか?」
「あ、生きてるのか。ならするよ」
竜という属性があり、ドラゴンツヴァイでも使えるのは魅力的だ。
なけなしの精神力でバディスキルをオンにし、イーターに近づいていく。
そしてイーターの胴体あたりに着地し、心臓辺りに白紙のカードを押し付けた。
そのまま白紙のカードとイーター、2つにディザスターフォースを注いでいく。
辺りに黒い雷がバチバチと響き渡り、イーターがカード化に抵抗しているのがわかる。
「大人しく……カード化されろ……」
瞬間、イーターの全身が淡く光った。
そしてそのまま縮小していく。
よし、これでカード化成功……っと……。
「あれ……?」
無事カード化が成功した影響か、興奮が収まった事で押し寄せてた眠気のせいか、意識が朦朧とし始める。
あぁ、これはマズいな……早くなんとかしないと……。
と、思考するが、時すでに遅し。
僕の意識は、完全に呑まれた。
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《ドラムバンカー・ドラゴン ドリル・ラム・バスターブレイク!》
ワールド:ドラゴンワールド
属性:[武装騎竜][赤竜]
サイズ:2
打:3/攻:10000/防:6000
コールコスト:ゲージ3を払い君の場のモンスター1枚をこのカードのソウルに入れる。
■このカードが攻撃している時、相手は対抗を使えない!
能力:貫通/ソウルガード
『これが、ドラムバンカードラゴンⅫ世が辿り着いたドリル・ラム・バンカーの形態』
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今回の主役。
なぜドラムが必殺モンスターとなっているのか等、伏線はいずれ回収しますよ〜。
よし、じゃあ寝るか……(昼夜逆転)