IS 今こそ対話する!   作:駄竜

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第20話 天羽飛鳥、計画する

『はい皆さんおはこんばんちは、いつもパタパタ空を飛ぶ、天羽飛鳥です。』

 

『はいはーい、天っ才博士、葉加瀬なのはだよ。』

 

『はい、7巻のタッグマッチがないとかんちゃんがとても面倒な状態になるのでそれを解決するためにタッグマッチ・トーナメントを開催します。』

『というかしないと楯無が9巻で死にかねない。このゲーム、キャラの死亡は敵味方問わずないのでIS乗りとしての再起不能――非戦力化で済むんですけど、後々を考えると再起不能になられても困るので助けます。』

 

『ウィキにも載ってるけど、タッグマッチが開催さえされればプレイヤーが何もしなくても一夏がいい感じにやってくれるよ。というか下手に手を出す方がダメらしい。』

 

『下手に手出しすると意固地になって失敗するとか他と比べて難易度高い……。』

 

 

 

 

「大会を開催したい?」

 

「はい。」

 

 キャノンボール・ファストの翌日、生徒会室。副会長である天羽飛鳥は生徒会長である更識楯無にそう持ち掛けた。

 

「キャノンボール・ファストが今年のイベントで初めて何事もなく終わったイベントですよね。クラスリーグマッチは無人機のせいで中止、学年別トーナメントはVTシステムのせいで結局データ取りのための1回戦のみ、臨海学校はみんな自室待機でしたし、学園祭は亡国機業(ファントム・タスク)に侵入されてますから。」

 

「そうね。4回ともトラブルがあったわね。」

 

 学園祭は表面上は穏やかだったが、裏では亡国機業(ファントム・タスク)との争いがあった。そのため何事もなく、とは言えない。他のイベントは言わずもがなだ。

 

「この何事もなく終わったと言う波に乗って、専用機持ち同士でバトル大会をしたいんです。キャノンボール・ファストはレースだったので撃墜するのもなぁって加減してたんですけど、セシリアが思ってた以上に本気にさせてくれたので今燻ってるんです。試合したい欲が。」

 

 ふむ、と楯無は考える。確かに今年のイベントで初めて何事もなく終わったのがキャノンボール・ファストだ。観客席に亡国機業(ファントム・タスク)のスコール・ミューゼルがいたが、襲撃もなく終わっている。話によるとその後に織斑一夏が襲撃されたそうだが、それはこの際考えないものとして、だ。

 

 確かにイベントの中止や内容変更で生徒たちはそのほとんどが残念がっている。学食の食券やデザートなどで賭け事があるぐらいには、IS学園でイベントは楽しみにされている。人工島であるIS学園に3年間寮生活するに当たって、イベントは気付かぬ内に溜まったフラストレーションを発散する息抜きの役目もあるのに、それが尽く中止になっている現状の流れは断ち切っておきたい。

 

 それに亡国機業(ファントム・タスク)の動きが活発になってきている今、専用機持ちたちのスキルアップにも大会を開催するのはちょうどいい。代表候補生としては大会で勝ち進むのは将来的にモンド・グロッソを見据えると熟しておきたい項目だ。3年のダリル・ケイシーは面白がって出てくれるだろうし、2年のフォルテ・サファイアも面倒とは言いながら参加するだろう。1年は焚き付ければやる気になる。

 

 ──専用機が未だに完成していない、簪ちゃん()を除いて。

 

「これを逃すと今年の内に専用機のイベントに妹が参加する機会無くなりますよ。」

 

「!ど、どうして簪ちゃんのことを?」

 

 話したことのない妹のことを、どうして知ってるの?

 

「何で知らないと思ったんです?日本の第三世代を日本の代表候補生が知らない訳ないじゃないですか。その操縦者も調べるでしょう。ポンコツになるのやめてください。」

 

「そ、そうね。ごめんなさい。」

 

 他国のことならいざ知らず、まさか自国のことを代表候補生が知らない訳がない。

 

「妹のことをダシにするようで悪いですけど、この機会を逃すと本当に何もしないまま1年終わりますよ。タッグトーナメントにでもして織斑さんをくっつけてでも周りに協力して貰って専用機完成させないと。」

 

「そうね……え、タッグ?」

 

 

 

 

『ところでこれを見てほしい。』

 

 天羽飛鳥【ダブルオークアンタ】

 織斑一夏【白式・雪羅】

 篠ノ之箒【紅椿】

 セシリア・オルコット【ブルー・ティアーズ】

 凰鈴音【甲龍】

 シャルロット・デュノア【ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ】

 ラウラ・ボーデヴィッヒ【シュヴァルツェア・レーゲン】

 更識楯無【ミステリアス・レイディ】

 更識簪【打鉄弐式】

 フォルテ・サファイア【コールド・ブラッド】

 ダリル・ケイシー【ヘル・ハウンド】

 

『現在の専用機持ちたちである。』

 

素数(11人)とかどうやっても面倒なことになるんだが?』

 

『なので飛鳥をはぶります。やーいボッチー。』

 

『なのはが居るしボッチじゃないし。』(早口)

 

 

 

 

「あれ、タッグ?」

 

 織斑一夏は扉をぶった切ってやってきた楯無から、突如として「今度やるタッグトーナメントで妹と組んでほしい」と頼まれた。

 

「そう、タッグ。」

 

「でも専用機持ちって……。」

 

「今学園にいるのは11人ね。」

 

 数が合わない。11人でタッグは無理がある。

 

「誰かが1人になるんですか?それとも3人に?」

 

「飛鳥ちゃんが1人で出るわ。本人の希望でね。」

 

「天羽さんが?」

 

 昨日のキャノンボール・ファストで圧倒的な1位通過をした天羽飛鳥。6つのソードビットだけで5人抑えつけ、セシリアを相手に武器を破壊した生徒会副会長。

 

「元々飛鳥ちゃんの提案なのよ、このトーナメント。今年初めて何事もなく終わったキャノンボール・ファストの波に乗ってトーナメントしようって。自分1人VS他全員でもいいって言ってたけど、それはやめさせたわ。」

 

「凄い自信ですね。」

 

「――一夏くん、いいこと教えてあげる。」

 

「え、なんです?」

 

 今までの表情とは打って変わって、眼光の鋭いものへと変わった顔。学園祭の時に見たオータムを相手にした時の表情で楯無は、未だ一部の人間しか知らない()()を告げた。

 

「飛鳥ちゃんは私より強いわ。」

 

「っ!?」

 

 天羽飛鳥、駆る専用機は天才・葉加瀬なのはが作りしダブルオークアンタ。所持する武器はGNソードⅤ1振りとGNソードビット6機、さらにGNシールドとその上部に取り付けられたGNビームガン。

 

「武器も機体も、第三世代の枠に収まらない。つまりその上――」

 

「まさか……!?」

 

「ダブルオークアンタは、第四世代よ。」

 

 

 

 

『このゲーム、コラボ機体にも独自に世代当てはめるよね。』

 

『エクシアがこのゲームだと第二世代なのおかしいと思う。そりゃイメージ・インターフェースは無いけど、00じゃ第三世代ガンダムで──』

 

『それを言ったらダブルオーガンダム セブンソードが第二世代で、/G(スラッシュジー)がそうじゃないことの方がボクは混乱するんだけど。』

 

『フリーダムは第二世代でストフリが第三世代なのはドラグーンがあるか無いかだから分かるけど、ジャスティスが隠者含めどっちも第三世代なの納得いかない。』

 

『ファトゥムってイメージ・インターフェースで動いてたんだね……。』

 

 

 

 

「ブラスターをセシリアにあげる?」

 

「いいでしょ?」

 

 IS学園の1年生寮、天羽飛鳥と葉加瀬なのはの部屋。戯れに新型スラスターの設計図を書いていたなのはに向かって、飛鳥はそう言った。

 

「まだ在庫はあるし、新造するのも生産ラインがあるから楽だけど、いいの?」

 

「私はもう使わないから、使ってくれるセシリアが持ってた方がいいよ。普段使ってる武器より高性能だし、大事に使ってくれる筈。」

 

「キャノンボール・ファストでブラスターをぶった切った張本人がそれ言う?」

 

 じ~、っと飛鳥を見つめてなのはが言った。

 

「撃墜させない様にするにはあれしかなかったんだって。」

 

「ソードビットの1つでも手元にあれば文字通り切り開けただろうに。」

 

「それは私のミスだけどさぁ。」

 

 ラウラ・ボーデヴィッヒの腕と第三世代技術のAICを警戒して、ソードビットを2機あてたのが原因のミス。結果論だが1機だけで十分だったし、そもそも最初のスタートダッシュで1位になった後、抜かれそうな時だけソードビットを使えばもっと楽に事は運んだのだが、才能はあってもレースの心得と経験がなかった飛鳥にはその最善手を取ることができなかった。

 

 因みに、撃墜させない様にしていたのはレースという意識が強かったからだ。本来キャノンボール・ファストはバトルレース、つまり相手を撃墜させたとしても良い競技なのだが、レースと言えば配管工や亀やゴリラたちがやる()()を思い浮かべる飛鳥は、蹴落としこそしても相手をリタイアさせるという手段を取りたくなかった。スポーツマンシップと言えば良いのか、素直と言えば良いのか。

 

「まぁ飛鳥のレースへの意識改善はこれからの課題として、だ。本当に良いの?」

 

「いいの。セシリアと訓練してて思ったんだけど、近接戦が苦手な訳じゃないのにBT兵器の習熟を優先してるせいで変な(むら)がある。」

 

 9月上旬から訓練をつけてきて、飛鳥はセシリアの(むら)を感じ取っていた。射撃は文句なしだ。偏向射撃(フレキシブル)にも慣れてきたのか腕をあげている。しかし近接は心得が無い訳ではないのに対応が遅れる。他が上手いだけにそこが際立って見える。

 

「ライフルからショートソードの持ち替え(チェンジ)どころか、展開(コール)にさえ手間取る何て普通じゃない。多分イギリスでテスト稼動中ずっとライフル持ってビット動かしてたからかな。」

 

 BT-01、つまりBT兵器を搭載した初めての機体であるブルー・ティアーズを受領してから、セシリアは使いこなそうと自国イギリスで訓練をしていた。しかしそのメニューは専らBT兵器の習熟。ビットを動かす練習、機体の飛行テストばかりで、近接戦闘の訓練は数えるほどしかやっていないというのが飛鳥の見解である。

 

「セシリアに取ってブルー・ティアーズはビット、っていうより銃か。それがもう染み付いてるから剣の展開が出来なくなってる。イメージできないから。」

 

 普通そんなことにはならない。どんな訓練をすればそうなるのか。セシリアがイギリスで何をしていたのかは聞いていないが、日がな1日ビットを動かし続けていたとしか思えない。BT兵器のデータ取りのために周りも止めずにずっとそうし続けた結果なのだろう。

 

「だからブラスターを使う。剣だけど銃だから、そこから段々剣に寄せていく訓練をするの。」

 

「刀身があるし名前にソードって入ってるけどアレ銃としてばっかり使うし、慣らしにはいいか。」

 

 

 

 

『良いの?』

 

『いいの。1発当たったら脱落だったキャノンボール・ファストと違って、普通にバトルする分にはあんまり関係ないし。』

 

『でも完全に覚醒したら威力と射程が際限なく拡張された曲がるレーザーが出てくるよ?』

 

『何があればそんな武器作れる様になるの?というかスーパーロボットのやることじゃないそれ?』




 ところで打鉄弐式がいまいち強いと思えない駄竜なのですが、打鉄弐式の強みって何ですか?

 山嵐による48発独立稼動型誘導ミサイルの発射?
 近中遠の全ての距離で攻撃ができること?
 ラファールを元にした機動性の高さ?
 打鉄由来のパッケージの豊富さ?

 打鉄弐式の何が強みなのか、誰か教えてください。
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