IS 今こそ対話する!   作:駄竜

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第4話 天羽飛鳥、武力介入する

『はいどうも、おはこんばんちは。いつもパタパタ空を飛ぶ、天羽飛鳥です。』

 

『はいはーい、天っ才博士、葉加瀬なのはだよ。』

 

『投稿したの見返したら何かなのはの主張が激しいけど、これの主人公一応天羽飛鳥()だよね?』

 

『そろそろ代表候補生にならないと種死みたいに主人公交代だよ?』

 

『ストフリとかインジャは大好きだけど種死は終盤のシンが見てられなくて好きになれない……機体とキャラは好きなんだけどなぁ。』

 

『シンはスパロボでの主役だからね。』

 

 

 

 

「1組に2人転入生が入ったんだってさ。織斑先生も大変だね。」

 

「織斑先生の仕事って教師って言うより警備だよね。束さんの妹とイレギュラーな弟を守ってるみたいだし。」

 

 飛鳥となのはは自分達の教室で、女子特有の噂の異常な伝達速度によって共有された1組への転入生について話していた。

 

「ドイツ軍のIS部隊の隊長と、フランス企業の秘蔵っ子。転入してくるぐらいだからどっちもキャラ濃いね。」

 

「ドイツの方は銀髪眼帯ロリで、フランスの方はなのはと同じ僕っ娘。こうも個性的だとギャルゲ染みてるよね。」

 

「しかもどっちも専用機持ち。これゲームなら近々事件が起こるよ。」

 

「学年別トーナメントは中止にならないで欲しいなぁ。活躍の場がないと色々遅れるんだけど。」

 

 飛鳥の目先の目標は代表候補生になり専用機のためのコアを貰うこと。IS適正Sなので言えばすぐにでも代表候補生にはなれるが、専用機のための自由にできるコアを貰うのに苦労するだろうという予想からそれはしていない。あくまで国の方から声をかけてほしいので、見つけてもらうための活躍の場がほしい。

 

「なのは、織斑先生はちゃんと会議で言ってくれたかな?」

 

「織斑先生も飛鳥のことは気にかけてるみたいだし、言ってくれてると思うよ。」

 

「だと良いなぁ。当日まで相手が分からないのってもどかしいね。」

 

「そういうものじゃん、トーナメント表って。」

 

 当日までの怪我や当日の体調不良などで、トーナメントのギリギリまで微調整が行われている。しかも今年は初めてのツーマンセルトーナメントをやるため、コンビを組まなかった者のパートナー決めも行わなければならず、どうしても時間がかかるのだ。

 

 なお、この会話はまだツーマンセルトーナメントであることが発表される前の会話である。

 

 

 

 

『さぁて、そろそろ武力介入しようかな。』

 

『お、前回教えたあれだね?』

 

『そう、天羽飛鳥、ラファール・リヴァイヴ、武力介入を開始する!』

 

『手助けは……要らないか。頑張ってねー。』

 

 

 

 

 イギリスと中国の代表候補生2人との戦いの最中、何者かがその2人の後ろのピットから出てきたと思ったら、瞬時加速(イグニッション・ブースト)でこちらに突っ込んできた。

 

「ちっ!」

 

 どういう意図かは分からないが、邪魔をしたいのは分かった(ラウラ)は、AICでそいつとの間に停止結界を張り、その動きを止めようとして、

 

 瞬時加速(イグニッション・ブースト)中に()()()()停止結界を躱し、もう1度()()()()こちらに向かって来たそいつに、いつの間にか右手に展開(コール)されていたブレードで斬られた。

 

「な、に!?」

 

 驚く私を余所に、そいつはボロボロの代表候補生たちをチラリと見ると、また私に瞬時加速(イグニッション・ブースト)で突っ込んできた。

 

「ちぃっ!!」

 

 空間に張る停止結界は躱された。ならばと今度は機体そのものを止めようと意識を集中した瞬間、またしても瞬時加速(イグニッション・ブースト)中に()()()()そいつが、集中していた箇所から離れ拘束に失敗する。

 

「ならば!!」

 

 AICでの拘束は難しい。ならばとワイヤーブレードを射出して動きを止めようとして、その全てが空振った。僅かな姿勢調整で全てのワイヤーブレードが躱された。

 

 そのまま、またしてもブレードで斬られ、視界の端に表示されているシールドエネルギーのゲージがごっそりと減少する。

 

「ぐぅ!」

 

 攻撃の衝撃に声をあげてしまう。なんだこいつは、第三世代のシュバルツェア・レーゲン(専用機)を使っている私が、第二世代のラファール・リヴァイヴ(量産機)を使う誰とも知れない奴に反撃も出来ないなど。そんなこと、あり得るはずが

 

「ない、って言いたい?」

 

「!?(考えが読まれて)」

 

「動きを止めちゃ駄目だよ、軍人ちゃん。」

 

 驚愕の隙をつかれ、また瞬時加速(イグニッション・ブースト)で接近される。咄嗟にプラズマ手刀で受け止めようと右手を構えたが、ぶつかる瞬間に相手のブレードが消えた。

 

「え──がっ!?」

 

 突然の攻撃の消失に一瞬の思考を行った瞬間、()()のブレードで斬られた。

 

「(一瞬で、武装の収納と展開を!?)」

 

 右手に持っていたブレードを、プラズマ手刀とぶつかる瞬間に収納し、瞬時に左手に再展開。そのまま左手で攻撃。高速切替(ラピッド・スイッチ)という技術の応用であった。

 

「くっ、この!!」

 

 レールガンの発射準備をしながら、ワーヤーブレードを射出する。先程の様に姿勢調整だけで躱されるが、

 

「(逃げ道は塞いだ!)」

 

 元々当てるために射出した訳ではない。どうやっているかは分からないが、瞬時加速(イグニッション・ブースト)中に曲がるあの機動をされてはとても当てられないレールガンを当てるための布石だ。

 

「これで!」

 

 既に準備の整っているレールガンを発射する。あの奇っ怪な動きさえされなければどうと言うことはない。

 

 だが、レールガンの弾丸は、()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なぁっ!?」

 

 逃げ道を塞いでいたワイヤーブレードの1本を掴み、それを振り回してレールガンにぶつけた。ふざけるな、なんだそれは。そう思った時には、目の前にブレードがあった。

 

「あ──」

 

 負け──

 

「はい、私の勝ち。」

 

──ポフッ

 

「ふぎゅっ。」

 

 あれ?

 

「駄目だよ、ヤンチャしちゃ。戦うのは良いけど、ダメージレベルC目前はやり過ぎ。」

 

 いつの間にかブレードは消えていた。今まで散々私を虚仮にしていたそいつは、なぜか私を撫でていた。

 

「あの2人に今怪我されると、私の活躍が減っちゃうからね。それだと困るから介入したんだけど、お陰で参考になったよ。」

 

「な、にを。」

 

「流石軍人だよね、立ち回りがきれい。山田先生のもスゴかったけど、君のもスゴかったよ。」

 

 なんだ、それは。お前の方がずっと──

 

「私はもう帰るけど、あんまりやり過ぎないでね。それじゃーねー。」

 

 呆ける私をひとしきり撫で回して、そいつは帰っていった。

 

 その後、さっきの私の様に呆けていた代表候補生2人に八つ当たりの攻撃をしようとしたところで織斑一夏がアリーナのバリアーを切り裂いて間に割って入り、丁度良いと思って戦おうとして教官に止められ、私は煮え切らない思いでその場を後にした。

 

 

 

 

『AICさえどうにかなればただの可愛いロリっ子でしかないラウラに負ける訳ないんだよなぁ!』

 

『うーわ、イキってる。最後の逃げ場ないレールガンに焦ってボタン押しミスしてた癖に。』

 

『ち、違うし!あれはワイヤーブレード掴んでレールガン防ぐための操作だし!』

 

『あのワイヤーブレードが射出中は自分にも当たり判定ある仕様で助かったね。他のゲームなら弾丸がすり抜けて当たってたよ。』

 

『……何で当たり判定あるんだろ?』

 

『別オブジェクト扱いだからだよ。だからフレンドリーファイア無しのゲームなのに当たるしダメージが入る。ついでに射出中だろうと掴みアクションが出来るから、やろうと思えば逆にラウラちゃんを振り回したり出来る。』

 

『はぇ~……。』

 

 

 

 

「いやー、スゴいね軍人ちゃん。立ち回りがスッゴい参考になったよ。」

 

「機体も良い出来だよね。良い感じに武装が揃ってるし、AICも強力だし。個人的には空いてる左側に気軽に撃てるガトリングとか着けてみた方が良いと思うけど、拡張領域(バススロット)の空きがあんまり無いっぽいから無理そうかな?換装装備(パッケージ)としてならやれるかな。」

 

「あー、ガトリング有ったら危なかったかも。最後のワイヤーブレードで逃げ道塞がれてる時にバババババッ、てされたら流石に避けれないや。全部切り払わなきゃいけない。」

 

 ラウラ・ボーデヴィッヒへの武力介入後、廊下を歩きながら飛鳥となのは(ピットで見てた)は思った以上の充実感に満足していた。

 

 ドイツの軍人と言うだけあって、高い操縦技術もそうだが立ち回りや戦い方も巧いラウラとの戦闘は、機体のせいで未だに全力を発揮できない飛鳥に取っては丁度良い練習になった。

 

 以前、反応の遅い訓練機では試合中に求められる咄嗟の回避には使えないと考えていた瞬時加速(イグニッション・ブースト)中の軌道変更だが、来るのが分かっている攻撃をあらかじめ避けるのには使えることが分かったし、何より最後にやられたワイヤーブレードによる逃げ道の封鎖とレールガン発射は、これから戦うだろう強者たちが、方法こそ違うが確実にやって来るだろう戦法の1つとして体験出来たことに満足している。

 

 なのははラウラの機体、シュヴァルツェア・レーゲンに搭載された武装のそれぞれの役割が、戦闘における何を目的としているのかの考察が楽しくて仕方ない。高威力だが連射の効かないレールガンを搭載している理由がAICで動きを止めた対象に大ダメージを与えるためと言う、装備ごとのシナジーを考え出すと脳汁が止まらない。それはそれとして連射性の高い装備も着けた方が良いんじゃないかとか改造案も考え出して、結構興奮していたりする。

 

「よぉし、ちゃっちゃとペアの申し込みして、この熱が冷めない内に武装仕上げちゃおうかな!」

 

「お、私にも見せて!武装見てイメトレしたい!」

 

「はいはい、それじゃまずは剣から仕上げようか。」

 

 

 

 

「…………。」

 

 夜。ラウラ・ボーデヴィッヒは自室で、今日戦った相手について考えていた。

 

 完敗だった。シュヴァルツェア・レーゲンに搭載された全ての武装が通じなかった。それも、第二世代の量産機に乗った奴に。

 

 左目を覆い隠す眼帯に触れる。

 

「(もしあの時この眼帯を外していたとして、私は勝てたか?)」

 

 あの時、AICは全て回避された。だが、それは左目を使っていない状態のAICだ。

 

 ラウラの左目には越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)という、模擬ハイパーセンサーとも呼ぶべき処置が施されている。視覚信号の伝達速度向上や動体反射の強化など、使用すれば視覚能力を数倍に引き上げることができるそれは、対象に意識を集中させなければならないAICと組み合わせれば、大抵の物は止められる様になる代物だ。

 

「(この眼を使えば、あの曲がる瞬時加速(イグニッション・ブースト)もAICで捕らえられる様になるはず。そうなれば、あとはいつも通り戦って──。)」

 

 ──戦って、どうしたのだろう?

 

 ふと、頭を撫でられた感触が蘇る。

 

「……えぇい!何を考えているんだ私は!」

 

 考えが纏まらないラウラは早々に思考を止め、制服を脱いで眠りについた。

 

 

 

 

 同じく夜。織斑一夏は自室のベッドに横になり考え事をしていた。

 

 今日起こった、ラウラ・ボーデヴィッヒとセシリア・オルコット、凰鈴音による戦闘。それを聞いて現場に着いた時、ボロボロのセシリアと鈴に攻撃をしようとしているラウラを見て瞬時に白式を纏って間に割って入ったは良いものの、最短ルートを通ろうとアリーナを覆うシールドバリアーを零落白夜で破壊したことで見ていた織斑千冬によって学年別トーナメントまで一切の私闘が禁止され、互いに身を引いたのだが。

 

「(誰なんだ、鈴とセシリアを助けたって人は?)」

 

 ボロボロの2人を医務室へと運び、治療を行っている間に聞いた話によれば、自分が到着するより前に2人は助けられたらしいのだ。

 

 学園が貸し出している訓練機のラファール・リヴァイヴを身に纏い、信じられないことにそれで専用機を使うラウラ・ボーデヴィッヒを圧倒した人物。気にならない訳がない。

 

 しかし、名前が分からない。少なくとも1組と2組の人ではないらしいが、それを抜いてもIS学園には大勢の人がいる。学年も分からない人間を探すのはとてもではないが現実的ではない。

 

「(2人を助けてくれたお礼を言いたいけど、誰か分からないんじゃなぁ。)」

 

 八方塞がりか、と思ったところで、「あっ」と一夏は閃いた。

 

 

「昨日オルコットと凰を助けた奴が誰か知りたい?」

 

「あぁ、教えてくれ千冬姉。」

 

 次の日、一夏は職員室にいる姉の千冬に聞きに来ていた。昨日現場にいた千冬なら知っていると考えたのだ。

 

「織斑先生、だ。教えるのは構わんが、どうするつもりだ?」

 

「いや、鈴とセシリアを助けてくれたお礼を言おうと思って。でも誰だか分からなかったから、ちふ──織斑先生に聞きに来たんだ。」

 

「そういうことか。礼を言いに行くのいいが、当事者ではないお前が1人行ったところで困惑させるだけだろう。会いに行くならオルコットたちも連れていけ。」

 

「それもそうだな。で、誰なんだ?」

 

「全くお前は……そいつの名前は天羽飛鳥。」

 

 

「お前がISを動かさなければ私直々に教えていた、私に並ぶ逸材だ。」




 ワンサマーがヒロインを補足したようです(なおフラグは立たない)
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