『どうも皆さん、おはこんばんちは。いつもパタパタ空を飛ぶ、天羽飛鳥です。』
『はいはーい、天っ才博士、葉加瀬なのはだよ。』
『謎の隕石から現れた機械生命体との対話失敗により医務室送りとなった私たち。そこへ現れた凰鈴音が
『なんで依頼来たんだろ。鈴ちゃんって大器晩成型だから着きっきりで訓練しないと覚醒もしない筈だよね?』
『ランダム。』
『え?』
『他の誰かが
『ソースどこ?』
『コメントにそう書いてあった。とりあえず書いた人、ウィキを更新してください。』
『いや面倒じゃなくてさ。』
『飛鳥、コメントを予想して話すのやめない?あとコメントした人、ウィキ更新はして?』
「さて、と。」
問診を終え、無事寮の自室へと帰された天羽飛鳥と葉加瀬なのは。自身のベッドに腰掛けたなのはは
――トゥルルルル……トゥルルルル……プツッ
【――話はレインから聞いてるわよ、
「話が早いね、
「ボクが今欲しいのは金だ。クアンタを作るのに貯金が全部吹っ飛んで、肝心の物が作れてない。それを作るための金が要るんだよねぇ。」
【こちらが欲しいのはコア。京都でかなりの数のISを失った今、1つでも多くコアが欲しいの。】
「今ボクが持ってる使い道のないコア1個。それを買うのに提示できる金額はお幾ら?」
【相場で悪いけれど、日本円で300億が限度よ。コアの数に限りがある以上、そもそもの取引価格に変動はないし、それを超過した金額は出せないの。】
500個とないISコア。開発者である篠ノ之束の国籍がある日本と高い軍事力を持つアメリカを中心に各国へと分配されたそれだが、そのすべてが管理されている訳ではない。もちろん『厳重な管理』はされている。だがそれは『管理状態にある』ことを意味しない。
分かりやすい所では
つまるところ、例え機体ごとISコアが無くなろうとそれが共有されることはないのだ。
今や軍事力と
「300億か……分かってはいたけど、足りないね。」
【技術提供をしてくれるならもっと出せるわよ。あの緑色の粒子の技術とかどう?】
「
スコールと軽いジャブを交わしたなのはは、片手で弄んでいたISコアをベッド脇のサイドテーブルに置いて思案する。
量子型演算処理システムといつも言っているが、要は高性能の量子コンピューターだ。それを作る資金として300億は当然だが足りていない。ソフトウェアはともかく、ハードウェアを形作る材料費は当然として、それを組み立てる機械の製造にも金が掛かるからだ。
組み立てる機械を少なくすればその分だけ金は浮くし、機械生命体の来訪が無ければなのはもそうしていただろうが、機械生命体との対話を一刻でも早く成功させたい現状でそこを削ることは出来ない。何なら増やす必要があるほどだ。
量子型演算処理システムとそれを組み立てる機械を作る費用。製作に掛かる時間も考慮し必要な資金を算出したなのはは、サイドテーブルの上で鈍い輝きを放つコアを
「9個のISコアを売る。2700億を一括で用意しておいて。」
【……なかなかぶっ飛んだことを言うのね、
「1ヶ月だったら急かしてたね。それじゃ1週間後の正午に飛鳥を向かわせるから、コア9個を受け取ったら振り込みよろしく。2時間以内に振り込みがされなかったら倍の金額を奪いに行くから、踏み倒さないでね。」
【あなたたちを相手にそんな命知らずな真似出来ないわよ。ついでで壊滅させられそうだもの。】
「壊滅はさせないよ。
【最近の
──プツッ、プー、プー、プー……
通話が切れた後、ログを素早く消したなのははベッドに背中を投げ出して部屋の天井を見上げた。
「なぁんでこんなにスケジュールカツカツなんだろ……。」
そんなことを口にして、なのはは目を閉じた。
『2700億で足りるの?』
『完成は出来るけど時間が掛かるね。セシリアちゃんからの援助も必要だよ。』
『まぁ数ヶ月掛かるストーリー中に完成するならいいけど。』
「危ない危ない、パージしたクアンタの装甲忘れてた。会長が回収してくれてて良かった良かった。作るのに何だかんだお金と時間が掛かるからなぁ、これ。」
なのはがスコールと交渉している頃。飛鳥はそう呟きながら廊下を歩いていた。
ダブルオークアンタの各部GNコンデンサーが蓄えた高純度GN粒子を散布するクアンタムシステム。それをフルパワーで使用する際、効率よくGNコンデンサーから高純度GN粒子を散布するため、機体フレームを覆う装甲はパージされ、フレームに埋め込まれたGNコンデンサーがポップアップする。
とても理にかなっている形態だが、パージされた装甲は量子変換され
「
ダブルオークアンタの装甲やGNシールドを構成する新素材【Eカーボン】。カーボンナノチューブの約20倍もの引っ張り強度を誇る堅牢な素材であるEカーボンは、なのはが持つ技術の中で最も価値の低いものと言って良い代物だ。
しかしEカーボンは並の武器では突破できず、ISのパワーを
なので別に調べられてもいい技術なのだ。流石に特許を勝手に申請されたりなどされれば怒るが、それにしても全身の装甲をEカーボンで作っているダブルオークアンタや詳しい製法を知っているなのはがいる以上、裁判を起こせば特許を取り返せるので問題ではない。
ちなみに何故資金が必要な今公表しないかと言えば、機械生命体によって混乱している状態で申請しても認可まで時間が掛かること、特許使用料での資金調達が出来る情勢ではないことが理由だ。
「明日は外した装甲の取り付けと直列配置したツインドライヴの分離作業で1日潰れるなぁ。初の直列配置で何か異常がないかの検査もしなきゃいけないし、もしもツインドライヴの同調が不安定になってたら……フルセイバーで安定、か。」
立ち止まって左手で右肩を掴んだ飛鳥は、顔を伏せながら、
「出来れば使いたくないんだけどなぁ、フルセイバーは……。」
そう溢した。
国連、早く機械生命体に名前付けてくれ。書くときに困るんだ。あとストーリーの最初にある1ヶ月の時間経過をどうにかしてくれ。ついでにその後のストーリーにもある数ヶ月単位の時間経過もどうにかしてくれ。
ISコアの取引価格は捏造です。割と良い性能の戦闘機程度の値段で買える訳ないですが、桁がデカすぎるのもどうかと思ってこうなりました。