『どうも皆さん、おはこんばんちは。いつもパタパタ空を飛ぶ、天羽飛鳥です。』
『はいはーい。天っ才博士、葉加瀬なのはだよ。』
『この挨拶が10
『アーキタイプ・ブレイカーは切りどころ難しいよねぇ。戦闘ごとだとテンポ悪いし、話の切れ目だと長いしで。』
『大体
第3アリーナに飛来した
「揃ったな。昨日のイマージュ・オリジスの迎撃、ご苦労だった。お前たちの尽力のお陰で、被害は最小限に留められた言っていいだろう。」
作戦本部に集まった専用機持ちたちを出迎えた千冬が
今までIS学園ではどこか1つのアリーナにのみ出現していた
普段は厳しい教師である千冬だが、こうして褒めることもあると最近転入して来た乱とヴィシュヌ・イサ・ギャラクシー以外の面々は知っている。意外そうにしている2人とは違い他の面々はその言葉を素直に受け取ったが、そんな中ラウラ・ボーデヴィッヒが手を挙げた。
「教官。お話しの途中ではありますが、質問よろしいでしょうか?」
「いいだろう、言ってみろ。」
「イマージュ・オリジスとは一体なんなのですか?我々は、何と戦っているのですか?」
「ラウラ……。」
普段千冬の話には口を挟まないラウラがそうまでして質問したことに、シャルロット・デュノアが心配そうな顔でラウラを見つめる。
「確かに、それはもっともな質問だな。しかし答えることは非常に難しい。今分かっていることはほぼないと言っていいだろう。」
ラウラの質問を受けて集まっている専用機持ちたちの顔をザッと見渡してから、千冬はそれに答えた。
「まず奴等は攻撃能力、防御能力共にISに非常に近い構造をしている。地上への飛来方法は隕石を模しているとあるが、実はここにも謎がある。」
「謎、ですか?それは?」
「その隕石がどこから来るのか、そもそもどこにあったのかが一切不明ということだ。」
千冬が言ったその不可解な言葉に乱が首を傾げながら聞き返した。
「どこにあったのかって……宇宙じゃないんですか?」
「隕石に含まれていた鉱物は、太陽系では観測されていないものらしい。」
千冬の言葉に専用機持ちたちに衝撃が走る。
少なくとも外宇宙、ともすれば別世界だろうか。そこから
だからこそ、既知であるが故に他よりも驚きの少ない者たちが居たことを千冬は見逃さなかった。その上で反応せずに話を続けた。
「他に判明しているのは、相手の狙いがISのコアということくらいだな。まあこれも奴等の行動からの推測に過ぎないが。」
「ISのコアを?」
「世界各国の襲撃された場所では、必ずと言っていいほどISのコアが保管、もしくは運用されていた。もはや偶然という言葉では片付けられない。
事実から推察された推論を口にした千冬は、そこで1度言葉を区切ってから専用機持ちたちに向き直った。
「ISのコア、そしてそれを狙うイマージュ・オリジス。ここには何かしらの関係がある。だがコアを作った張本人は相変わらず行方不明で確認のしようもない。」
ちらり、と篠ノ之箒に一瞬だけ視線を向けてすぐに外した千冬が続けて言った。
「教師としても正体不明の相手と戦い続けろなどと言う気はない。今、全世界の叡智を結集し解析作業を進めている。いずれその正体と目的は判明するだろう。その辺りのことは専門家に任せて置け。」
ラウラの質問にそう答えた千冬は「さて」と区切って話題を変えた。
「昨日の戦闘から、今後は複数個所により多くのイマージュ・オリジスが同時に出現する事態が考えられる。それを迎え撃つ我々は万全の態勢を整えていかねばならない。そこで、戦闘技術向上と連携上達を目的とした『強化訓練』を行うことになった。」
「「「強化訓練?」」」
千冬の言葉を繰り返すように口にした専用機持ちたちが首を傾げる。
「もし今が夏だったならお前たちの息抜きがてら海にでも合宿に行ったんだが、生憎と12月だからな。海がダメなら山という訳にもいかない以上、単純に訓練を行うことになった。」
「あ、乱ちゃんとヴィシュヌちゃんとの親睦を深めるイベントは別で用意してあるから安心してね♪」
千冬の説明に更識楯無がそう付け加える。いつもの様にニコリと笑っているが、今まで散々振り回されて来た専用機持ちたちはその笑顔に暖房が効いている筈の作戦本部でうすら寒いものを感じた。
「肝心の内容だが――。」
「「「……ごくり。」」」
一体どんな訓練なのだろうか。固唾をのんでその発表を待っている生徒たちに数秒溜めてから、千冬はニヤリと口角を上げて言った。
「――本気の山田先生とのバトルだ。」
その言葉を聞いた瞬間、今まで黙っていた天羽飛鳥が崩れ落ちた。
「飛鳥さん!?」
「ちょっ、どうしたのよ!?」
セシリア・オルコットと鈴が飛鳥に駆け寄り身を案じるが、当の飛鳥は顔を
「もうダメだ。」
「え、なんて?」
自身も膝をついて飛鳥の肩を抱いていた鈴はかろうじて聞こえた飛鳥の声に聞き返した。
「また移動先に置き射撃されるんだ今度はワープ先にも置き射撃とか置き斬撃されて当たり前の様にソードビットをあしらわれてGNソードⅤとフルセイバーの攻撃も対処されるんだ。」
息継ぎせずに一息で飛鳥の口から零れたあんまりな惨状にセシリアたちは引いた。
「ち、千冬姉。天羽さんって山田先生と何かあったのか?」
「織斑先生、だ。そう言えばお前たちは知らなかったか。」
今まで一度も見たことのない飛鳥の様子に一夏が千冬に質問する。その一夏の言葉遣いを注意してから、千冬は何でもない様に言った。
「IS学園の入試に、教員と戦う実技試験があっただろう?天羽はそれで山田先生と当たってな。1ポイントもダメージを与えられないまま終わったんだ。」
「「「ええ!!?」」」
飛鳥の実力をよく知る専用機持ちたちから驚きの声が上がった。
「それって、天羽さんが負けたってことか!?」
一夏たちが知る限り、飛鳥が戦いで負けた所は見たことがない。訓練機のラファール・リヴァイブに乗っていた時でさえブルー・ティアーズに乗るセシリアに勝っているし、専用機のダブルオークアンタを使うようになってからは全員で挑んでも勝てなかった。一部は瞬殺されたほどだ。
それが1ポイントのダメージも与えられなかったというのは衝撃と言う他ない。それを成したのがあの山田真耶というのがまた衝撃だった。
確かにIS学園の教員として、代表候補生を2人同時に相手して勝てる実力者というのは知っている。授業でも度々その技量を見せてくれるし、その実力は疑いようがない。ないが、あのアリーナの壁に激突してエネルギーを全損させたり、空からの降下で止まれずに地面と激突した人物とはどうしても結び付かない。
人は見た目によらないと言うし、その体現者が山田真耶と言われれば納得できるが、それでも武器の全てが溶断を行え、6つのビット兵器を操り、ワープも出来る飛鳥がここまで恐れる理由が分からない。
一夏たちのその思考を読んだのか、千冬は少しだけ困ったような顔で話した。
「あの時の山田先生は天羽の初撃──
「全く……」と自身の同僚がやってしまったことにやれやれと言った感じを出している千冬。語られた真実に再び全員が引いた。
「確かに、飛鳥さんなら撃破出来る筈ですのにそんな話を聞きませんでしたけれど……。」
「いくら何でも山田先生強すぎでしょ!」
「まぁ、安心しろ天羽。本気の山田先生と言えど、使う機体はラファール・リヴァイブだ。多少の
ポン、と飛鳥の肩に手を置いた千冬は、どこか優しい声音でそう言った。
『飛鳥、これ大丈夫?』
『大丈夫大丈夫いけるいける。フラグ折れてるからラファール・リヴァイブ・スペシャルじゃないし、トランザムとゼロシステム使えば勝てるから。』
『別の意味で大丈夫じゃないよ?』
「葉加瀬さん、ちょっと頼みがあるんですけど、いいですか?」
「山田先生?」
作中は12月なのでストーリー通り海に行って水着で過ごす訳にはいかないので改変。じゃぁ山だろ!と最初は考えたものの、ダリルのヘル・ハウンドが火を噴くので断念。山火事は怖い。
つくづく進級した方が話を作りやすかったと実感しております。でもそうすると3年生のダリルが卒業しちゃってイージスコンビが崩れる不具合。いや、アメリカからの派遣として残せば……?
次回、『