「何であの人日本代表になってないの?」
今日1日の訓練で掻いた汗を貸し切り状態に近いシャワー室で流しながら、天羽飛鳥はどこか空虚な目でそう呟いた。
1日目はグリップを展開して手持ち武器にしたGNライフルビットⅡを、2日目はGNビームサーベルを使った山田真耶は、3日目の今日は使い慣れたいつものサブマシンガンを持って強化訓練を行った。それは何ら不思議ではないのだが、問題は結果である。
何と飛鳥を含めた専用機持ち全員が、真耶の
【
空間に圧力を掛け防壁とする【白虎】を使い自分とペアになったセシリア・オルコット共々防御を固めた凰鈴音は、跳弾の様子から防御の薄い位置を割り出されそこをGNライフルビットⅡの集中砲火で撃ち抜かれ。
飛鳥に至ってはイノベイターの能力で思考を読んでいた筈なのに
他の専用機持ちたちも最終的に
更識楯無は自傷も
楯無のペアだった篠ノ之箒はサブマシンガンだけでなく10基のGNライフルビットⅡさえもGNホルスタービットによる檻の隙間から銃口を捻じ込まれビームと鉛玉の雨を浴びせられ、【絢爛舞踏】での回復が間に合わずに墜とされた。
ラウラ・ボーデヴィッヒは両手のプラズマ手刀で抜け出そうとしたが、その際に右肩のレールカノンを破壊され誘爆を避けるためにパージした隙に風穴を開けられた。
シャルロット・デュノアはペアであるラウラを助けようにもGNライフルビットⅡに包囲されそれが出来ず、ラウラを落とされた後に
更識簪と織斑一夏のペアは初手から
今日転入して来たファニール・コメットとオニール・コメットは実力の確認が終わるや否や
国から専用機を与えられたエリートである代表候補生たちどころかロシア国家代表である楯無にさえも勝利し、その楯無よりも強い飛鳥にさえ勝利した元日本代表候補生・山田真耶。何でこの人代表候補生止まりだったんだとそのことを知っている全員が思った。大体同時期に現役だった
「今の日本代表が空席なの、絶対あの人たちのせいでしょ……。」
最初に選んだ国家代表があの織斑千冬で、その次にと見込んでいたのが【
最近ではもうネームバリューだけで男性操縦者であり
ちなみに、飛鳥は実力だけなら2代目
「……実績作り、頑張るかなぁ。」
「取りあえず大会総なめにしよ」と今後の予定を立てて、飛鳥はコンディショナーへと手を伸ばした。
『
『ビットのせいで妨害しづらい
『必殺技*1の欠点消えてるのは流石にダメでしょ。何かライフルビットも攻撃に参加して強化されてるし。』
『もう全部あいつ1人で良いんじゃないかな。』
『政府は早く山田先生の行動制限解除して、どうぞ。』
「山田先生って強くないか?」
訓練の疲れを癒すためにすっかり入り浸っている学食のカフェエリアで、一夏が突然そんなことを口にした。
「そんなの今更でしょ。無改造のリヴァイヴであたしとセシリアを同時に相手して勝てるのよ?」
「えぇっ、そんなに強いの!?」
一夏の言葉に若干の呆れが混じった声で鈴が以前の実習での出来事を言うと、隣に座っていた乱が驚きの声を上げた。
「あの時はわたくしもまだ未熟で、鈴さんに至っては本気ではなかったのも負けた理由ですけれど、終始手玉に取られたのは事実ですわね。」
「無改造のラファール・リヴァイヴで専用機を相手にして手玉に……凄い方なんですね。」
セシリアの補足にヴィシュヌがその技量に感嘆する。
当然のことだが、ここにいるほとんどの代表候補生が専用機を手にする前に量産機の第二世代ISに乗っていた経験がある。男性操縦者として早々に白式が与えられた一夏でさえ2回だが量産機に乗った。その時のことを考えれば、とてもではないが専用機に勝てるとは思えない。
それを覆して2対1なのに勝利した元日本代表候補生の実力は、間違いなく国家代表に迫る――いや、ともすれば超えている。
「山田先生が一緒に戦ってくれればすっげー心強いんだけど。」
一夏のその言葉はこの場に居るほとんどが思っていたことだ。
何なら
国家代表クラスの実力者が居てくれれば心強い。しかしそれは未だに叶っていない。
「残念だけど、それはまだ無理よ。」
楯無が渋い顔で理由を話し始めた。
「知っての通り、山田先生は元日本代表候補生。専用機が与えられたこともあるほどの実力者よ。織斑先生の次に強かったって聞いてるわ。」
「教官の次に!?」
強い強いとは思っていたが、現役時代の評価がそれほどまでに高かった事実にラウラが驚きの声を上げる。
「でも今はIS学園の教員として働いているでしょ?代表候補生としては引退、専用機も返還しちゃってるから、それがまたISに乗って戦うってなると色々と面倒な書類とか審査とかが必要なのよ。時間が掛かるやつ。」
「少なくとも数ヶ月は戦えないわ」と言う楯無に、そんな理由があったのかと一夏は納得した。
「でも、数ヶ月経っても
そんなことを呟いて、一夏はテーブル上のクッキーを1枚頬張った。
その日の夜、シャルロットのプライベート・チャンネルに1つの連絡が入った。
【デュノア社に帰還せよ】
先延ばしにしていた未来が、そこまで迫っていた。
キャラ多すぎ問題。ここから更に増えるってマ?オランダの奴とか書ける気しないし……。てかあのISの第三世代技術って何なの……?