ショッピングモールから外に出た織斑一夏たち専用機持ちは、そこで20mはあろうかという巨大な樹のような
今まで出現していたカマキリやタガメらしき虫に似た小型の個体とも、ゴリラに似た大型の個体とも違う植物的な姿もそうだが、何より20mという大きさに言葉を失った。
「ね、ねえ!イマージュ・オリジスって……一体、なんなの?」
「私達は……なにを相手にしてるの?」
不安からか一夏の服の袖を掴んだファニール・コメットとオニール・コメットが、この場で最も立場が上である更識楯無にそう質問した。
「考えるのは後よ!全員、IS展開!これよりロシア国家代表更識楯無の指揮の下、
「「「っはい!!」」」
楯無の指示を受けて即座に12機もの専用機が展開される。
「民間人の避難を最優先!ラウラちゃん、シャルロットちゃん、セシリアちゃん、ヴィシュヌちゃんの4人は避難誘導をしつつ、
「「「はい!」」」
「オーバーライトの初陣ですのに!仕方ありませんけれど!」
1人ボヤキながらも指令を受け即座に飛び上がり、各地の避難誘導を始める。
「他のみんなは私と一緒に
「「「了解っ!」」」
「いくぞみんな!」
一夏の掛け声と共に、7機のISが空を駆けた。
「私の勘が言ってるんだけど、もうそろそろ
「なんだそれ、イノベイターとしての勘か?」
「うん。」
IS学園の食堂でオムライスを食べる天羽飛鳥のふとした言葉にダリル・ケイシーが焼き肉定食を食べながら聞くと、肯定が返ってきた。
「オレには分からないんだが……。」
「ゼロシステム込みの勘ですし、10年以上イノベイターやってる慣れも加味すればダリル先輩たちが分からないのも無理ないですよ。」
「そんなもんかねぇ。」
「そんなもんです。」
ふわとろの半熟たまごに心をときめかせながらスプーンを進める飛鳥は、最後の一口を食べ終えると唇に着いたソースをチロリと舐めて手を合わせた。
「ごちそうさまでした。」
「で、具体的にどんな進展があると思ってんだ。」
「大型以上に大きい奴が来るんじゃないかなぁ、って。」
小型は歯牙にもかけられず、大型は通用しないことを
「ほら、大きいって単純に強いから。」
「ま、そうだな。質量があればトロい体当たりでも威力はかなりデカくなる。バリアーの強度も大きさに比例して増すだろうし、そういうのが来ればいよいよ零落白夜が必須だ。お前の防御破りは作戦に組み込むには具体性が欠けるからな。」
単なる馬鹿力とその他もろもろで無理矢理
「1撃で突破できないからって戦って倒せない訳じゃないんだけどなぁ。」
「確実性の話しだ。何もかもが分からん
そんな話をしていると、2人のISに通信が入った。
【天羽、ケイシー、サファイア、聞こえるな!市街地に
「「了解!」」
通信を受けた2人は外に出るために駆け出した。
「一夏、エネルギーは大丈夫か!」
「まだ大丈夫だ!」
篠ノ之箒の問いに小型の
「簪、避難状況は!」
【順調に進んでる、現在51%。】
「まだ半分か……!」
更識簪からの報告に箒が小型
「ちょこまか動くな!【玄武】!」
「ああもう!衝撃砲なしだとやりにくい!」
ボヤキながらも
「大型が来たよ、お兄ちゃん!」
「ちょっと!本当に大丈夫なんでしょうね!?」
大型
「大丈夫だ!箒!」
「ああ!【絢爛舞踏】、発動!」
その大型を絢爛舞踏による無限のエネルギーに物を言わせて全身の展開装甲からビームサーベルを発生させた箒が突っ込みダメージを蓄積し、一夏の零落白夜で両断する。
「くっ、流石にエネルギーがキツイな。箒が居なかったらヤバかった。」
「安心しろ一夏。私が居る限りエネルギー切れになどさせない。」
「ああ、頼りにしてる。」
絢爛舞踏でエネルギーを補給してもらった一夏が再び雪片弐型を構える。
「いくぞ!」
一息入れて飛び出した、その時。
6つの剣閃が瞬いて、
「これって!」
「遅くなりました。」
「天羽さん!」
空から薄緑色の粒子を僅かに背中のスラスターから放出しながら降りて来た飛鳥に一夏が声を上げた。
「1分で雑魚を片付けるので、あのデカイのを相手する準備しておいてください。」
「あ、ちょっと!?行っちまった……。」
近くに居た
「ねぇ、今ハイパーセンサーに飛鳥ちゃんが映ったんだけど、来たの?」
「は、はい。1分で片付けるって。」
先行していた楯無が戻り、一夏は飛鳥の言葉をそのまま続けた。
「飛鳥ちゃんがそう言うなら本当にそうするでしょうね。それじゃみんな、あの樹木を倒す作戦を考えましょ。」
「オレたちも混ぜろよ、生徒会長。」
「遅れた分は取り返すっスよ。」
空から降りて来たダリルとフォルテ・サファイアがそう言った。
「頼りにしてるわよ、イージス。それじゃ――――。」
飛鳥が
それを聞きながら、フォルテは件の大樹に目を向けた。
「……あれ?」
「あら、どうかした?」
「え、いや、何でもないっス。」
「そう?」
すぐに作戦会議に戻った楯無だったが、フォルテはちらりと再び大樹に視線を向けた。
「(今、人影が見えたような……それにあの樹、今までの
大樹にある巨大な球体の中から、何かを感じていた。