「鍵は一夏くんの零落白夜よ。」
宣言通り1分で小型と大型の
「戻りました、会長。」
「お帰りなさい、飛鳥ちゃん。」
PICでふわりと地面に降り立った飛鳥を出迎えた更識楯無は、そのまま作戦の概要を話し始めた。
「一般市民の避難が完了次第、避難誘導をしていた簪ちゃんたちと合流。全員の連携で注意を引き付けながら一夏くんの零落白夜によるエネルギー無効化攻撃で、あの植物型
「あの樹がクッソ強くて、オレたち全員を纏めて倒せるぐらい強かったらどうする?」
質問は、という問い掛けにダリル・ケイシーが『もしも』を問い掛ける。それに対して楯無は肩を竦めて言った。
「織斑先生でも喚びましょ。」
「そりゃいい、本家零落白夜で一発だ。」
後ろに控えている偉大な人間の存在にケラケラと笑うダリル。その笑い声によって緊張が解れたのか強張っていた身体から力が抜けたファニール・コメットとオニール・コメットにチラリと視線を向け、ターゲットである植物型
「(なあ飛鳥、アイツ中に何か居ねえか?)」
「(居るみたいですけど、私まだ対話出来ないですよ。)」
脳量子波でそう話し掛けられた飛鳥も植物型
どこかで
量子型演算処理システムがない今、飛鳥に出来るのは街をこれ以上傷付けられないように
【お姉ちゃん、避難が完了したよ。すぐにそっちに戻るね。】
「ありがとう、簪ちゃん。それじゃあ合流次第、植物型
そう言って楯無はいつもの様に笑った。
『
『VS束さんの方が絶望感あるからなぁ。』
『というか国家代表がいれば自国を守る分には十分みたいだし、天敵っていうほど困ってもいないよね。』
『人類絶滅とかまでは行かないからSFの敵ほど困らないだけで、街に被害が出るのは普通に困らない?』
「行って、【山嵐】!」
初撃は打鉄弐式の48発のGNミサイルだった。大多数が植物型
「行きますわよ、ブルー・ティアーズ・オーバーライト!」
そこに畳みかけるように8基のBTブラスタービットを展開したセシリア・オルコットが木の根のような触手を攻撃し動きを止める。
「【朱雀】!」
「凍るっス!」
「燃えてろ!」
凰鈴音の
「織斑さん、私が切り込むので続いて下さい。」
「ああ!」
右手にGNソードⅣフルセイバー、左手にGNソードⅤ・バスターソードモードを持って
「【零落白夜】!」
身動きさえ出来なくなった
『15機のISに勝てる訳ないだろ!』
『酷いいじめを見た。』
『コア型になってから出直すんだなぁ!』
『落ち着け。』
「どうだ!これで終わりだろ!」
零落白夜の攻撃を受け倒れていく植物型
「……敵の反応、消滅。終わった、みたい。」
ハイパーセンサーと同期した火器管制システムによる索敵から敵の反応が無くなったのを報告して、更識簪は身体から力を抜いた。
「はー、やっぱり堅かったわね、あのデカブツ。」
「えぇ。ダメージが全く通らないという訳ではありませんでしたけれど、ほとんど軽減されていましたわ。」
伸びをして体を解した鈴が言った今回の
大型よりも更に大きい今回の植物型は、その大きさに違わずシールドバリアーの強度も桁違いだった。もし零落白夜が無ければ少し時間が掛かっていたかもしれないと飛鳥をして思わせられたほどだ。
そんな話をハイパーセンサーの聴覚で拾いながら、飛鳥は倒れた植物型
「ごめんね、今はまだ話せない。」
樹木のような外見の
「私は貴方たちの言葉を受け止め切れない。だから、あと少し。少しだけ、待ってて。そうすれば話せるようになるから。」
【……話す、か。】
「?今なんて……。」
飛鳥の言葉に反応したかのように僅かに放たれた脳量子波。そこに込められた憤怒と敵意以外の想いをかろうじて感じ取れた飛鳥が聞き出そうとしたその時、球体が眩く光り中に居た存在は忽然と姿を消した。
「……。」
ISを解除し緊急展開したISスーツの姿で地面に降り立った飛鳥は、無言のまま
「飛鳥ちゃん、今の光は!?」
そこに光を見た楯無たちが駆け寄ってくる。
「中身が何処かに転移しました。」
「中身?」
首を傾げる楯無たち。今すぐにでも聞きたそうにしているのを躱して、飛鳥は避難所の方に歩き出した。
「話はあとで。今は事後処理を優先しましょう。」
「もう、後でちゃんと話してちょうだいね!」
国家代表の楯無の指揮の下、事後処理が始まった。
程なくしてやって来た自衛隊のIS部隊やIS学園の職員たちによって事後処理は順調に進み、2時間経つ頃には戦闘のあった区画以外は表面上日常へと戻っていった。
「敵のコアの中に何かが居た、か。」
「はい。」
IS学園に戻った飛鳥は、対
「飛鳥、お前から見て今回の
「怒りと敵意以外の感情を持ってました。ただ、それが何か言葉に出来なくて……。」
「そうか……今日はもういい。部屋に戻って休んでくれ。」
「はい。」
飛鳥が出て行った作戦本部でコーヒーの入ったカップに手を伸ばしながら、千冬は思案する。
「怒りと敵意以外の感情、か。
国連の決定にため息を吐いて、コーヒーを飲み干した。
書いてて何が困るって、アーキタイプ・ブレイカーでの戦闘は資料映像が角ついてる上にほとんどがヴィシュヌの蹴りか矢で敵が倒れていくから、敵も味方も攻撃方法が分からないこと。