IS 今こそ対話する!   作:駄竜

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第95話 成長、それは鍛錬

『どうも皆さん、おはこんばんちは。いつもパタパタ空を飛ぶ、天羽飛鳥です。』

 

『はいはーい。天っ才博士、葉加瀬なのはだよ。』

 

『前回ギリシャ(ベルベット・ヘル)が来ましたが、亡国機業(ファントム・タスク)はISコアを横流ししたことで動かない上にイージスコンビが離反してないので、彼女のストーリーは一夏に堕とされて終わりです。』

 

『覚醒【復讐者】になってない*1ギリシャはすぐ一夏に堕ちるからねぇ。』

 

『覚醒ないのと防御結界使えないの合わせて戦力として期待できないんだよなぁ。という訳で放置します。』

 

『正直早く九尾ノ魂が参戦して欲しい。零落白夜なしで絶対天敵(イマージュ・オリジス)の群れを1人で倒せるアレが欲しい。』

 

『九尾ノ魂は謎に強すぎるんだよなぁ……。』

 

 

 

 

 ベルベット・ヘルが転入してから数日。

 

「ほらほら、頑張るっスよー。」

 

「……っ!」

 

 第3アリーナ上空。フォルテ・サファイアが連射する氷弾をイメージ・インターフェースで溶かすベルベットを横目に見ながら、ダリル・ケイシーはシャルロット・デュノアの操るリィン=カーネイションと戦っていた。

 

「はぁ、はぁ……っ。」

 

「武器の扱いは相変わらず巧いな。でもイメージ・インターフェースの扱いがなっちゃいねえ。」

 

 リィン=カーネイションが持つイメージ・インターフェース、【花びらの装い(ル・ブクリエ・デ・ペタラ)】。思考によって操作するエネルギーシールドは実弾兵器を受け流し、実弾兵器でなくとも一定の防御力を発揮する。

 

 シャルロットのかつての専用機であるラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡから機体スペックがかなり上がったリィン=カーネイションは、実戦と訓練で普通の機体としての習熟は既に終わっている。

 

 しかしイメージ・インターフェースだけは未だに十分に扱えないでいた。

 

「使えてるだけじゃ意味ないぞ。」

 

 【花びらの装い(ル・ブクリエ・デ・ペタラ)】習熟のためにわざわざ量子変換(インストール)したマシンガンをリロードしながら、ダリルは息を切らすシャルロットに語り掛ける。

 

「本当なら飛鳥かフォルテか、それこそリヴァイヴ名人の山田先生に聞くのが1番良いんだが、まあ手が空いてるのが今はオレだけだからな。面倒だが教えとく。」

 

「教えるって、一体何を……?」

 

「んなもんアレだよアレ。」

 

 ダリルはシャルロットに向かってニヤリと笑い、

 

「必殺技だよ。」

 

 そう言って、ヘル・ハウンドの肩部にある獣頭から炎を噴出させた。

 

 

 

 

 第6アリーナ。高速飛行実習という、普段はそうやらないことのために存在するそこは基本誰も使用しないのだが、今日はそこを翔る青い影があった。

 

 それは葉加瀬なのはから貰った専用換装装備(オートクチュール)【オーバーライト】の特殊システム【B.E.A.U.T.I.E.S.(ビューティーズ)】の使用にある程度慣れて来たセシリア・オルコットが、限界を実感するために始めた飛行だった。

 

 第四世代――それも紅椿のそれに匹敵する速度でコースを回ったセシリアは1度地上へと降り、ブルー・ティアーズのBTエネルギー残量を見て「はぁ」と息を吐いた。

 

「やはり、まだまだ【B.E.A.U.T.I.E.S.(ビューティーズ)】を扱い切れていませんわね。」

 

 専用換装装備(オートクチュール)【オーバーライト】をインストールしたブルー・ティアーズは飛躍した性能とは引き換えに燃費が悪化する。5分動けばいい方で、その燃費の悪さを【B.E.A.U.T.I.E.S.(ビューティーズ)】のBTエネルギー吸収で賄っている。

 

 逆に言えば、【B.E.A.U.T.I.E.S.(ビューティーズ)】を十全に使えなければやはり燃費が悪いのだ。

 

 現に今セシリアがちょっと高速飛行しただけで、BTエネルギーの吸収にロスが出てしまった。

 

「練習あるのみとはいえ、上達が実感しにくいのは何とも……。」

 

「あれ、セシリア?」

 

 僅かに暗い表情になったセシリアに、セシリアもよく知る声が掛かった。

 

「鈴さん?こんな場所に来てどうしましたの?」

 

 中国代表候補生、凰鈴音がISを展開してそこにいた。

 

「【青龍】の習熟。【白虎】と【朱雀】、あと【玄武】は絶対天敵(イマージュ・オリジス)相手によく使うけど、【青龍】だけはあんまり使わないから練習しに来たのよ。」

 

 セシリアの問いかけに鈴はそう言った。

 

 鈴がなのはから貰った専用換装装備(オートクチュール)黄帝(ファンディー)】の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)天之四霊(ティェンヂィースーリン)】。攻撃・防御・拘束・加速の4つの使い道があるおよそ万能の能力。

 

 その中で攻撃力を上げる【朱雀】、壁を形成する【白虎】、相手を拘束する【玄武】は絶対天敵(イマージュ・オリジス)との戦闘でよく使うことになるのだが、加速させる【青龍】だけはあまり使い時がない。

 

 自分自身どこまで加速できるのか未だに分かっていない鈴はその限界を知るために第6アリーナまでやって来たのだという。

 

「せっかくだしレースしてみる?」

 

「いいですわね。わたくしも変化が欲しかったところですわ。」

 

 鈴の提案に乗ったセシリアはアリーナのシステムにアクセスし、レース用の複数人タイム測定モードを起動する。

 

「準備は?」

 

「いつでも。」

 

「それでは。」

 

 アリーナのシステムとリンクした2人のISにカウントダウンが表示される。

 

 それが0となった瞬間、2つの機体は空を翔けた。

 

 

 

 

「むむむ~。」

 

 IS学園にいくつもあるIS用整備室。その中の1つで1人の少女が唸っていた。

 

「うーん、イメージ・インターフェースってこれでいいのかな~?」

 

 少女が頭を捻る。

 

「なんかもうちょっと綺麗に出来そうなんだけどな~。」

 

 無駄がある気がする、と言いながらシステムを見る少女だが、初めて触る部分故に勝手が分からない。

 

 どうしたものかと考えていると、ふと思いついたのか少女は顔を上げた。

 

「そうだ~!博士に聞きにいこ~!」

 

 そうと決まればしゅっぱーつ!と言って、少女はそのまま整備室を出ていった。

 

 整備室には、1機のISが残されていた。

*1
フォルテ・サファイアが離反していない場合、ベルベット・ヘルは覚醒を覚えない




九尾ノ魂とかいう、打鉄弐式と白式雪羅が援護する所を単機で絶対天敵(イマージュ・オリジス)の群れを倒す奴。雷で特効でもあるんですかね……。
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