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四月九日 七歳
今日から新しい生活、中国で過ごすことになった。
とりあえず一言。昨日の飛行機めっちゃ酔った。俺、飛行機ダメなんだ……と痛感した瞬間である。
新しく通う中国軽慶市の学校にも今日行って来た。事前知識として聞いてはいたが、中国の始業式は九月に行われる。だからというかなんというか、このタイミングでの転入、しかも他国から、と言うのもあってやっぱり皆不思議がっていた。そりゃそうだよな……お手数お掛けします。
四月十日
親父からある男の人を紹介された。名前は「周李炎(チョウ・リーイェン)」。親父の使う格闘術、『品内流死克戦術』の元となった拳法、『焱虎流八極拳』の師範。早い話が親父の師匠なんだそうだ。何でも親父の息子である俺を一目見に四川省から来たそうで、見込み次第では弟子として迎え入れようと思っていたそうだ。何が言いたいかって?……また地獄の死にまくり修行の日々のスタートってことだよ。
四月十一日
周老師はとにかく強かった。それも、親父が足下に及ばないであろうレベルで。何だよあの蹴り。まるで見えなかったぞ!?まさか中国でまで蹴り殺されるとは思わなかった。
四月十二日
授業が中国語、と言うのにかなりビビっていたが、案外聞き取れるものだ。事前の予習とかってやっぱ大事。でも現地特有の発音とかスラングみたいな現地でしか味わえない経験はもっと大事。特に中国は地方によって発音とか読みが違ったりするから混乱しそうだ。軽慶の子供達と周老師じゃ言ってることが同じでも分かんなくなったりするしね。中国語奥深いわー。でもフランス語よりはマシらしいんだよなあ…外国語って魔境。
四月十三日
今日も今日とて殺される。どうやら撲殺のカウンタは百を超えても別にそれ以上撲殺されない、と言うものではないらしい。まあ修得耐性が修得耐性だしそりゃ当然の理か。しっかし見えねぇ。
四月十四日
マジで周老師人類最強なんじゃなかろうか…?多分だけど、全盛期のオールマイトよりは強い。飛ぶ鳥を突きで落とすって何よ…。
四月十五日
クラスメイトの鱗飛竜(リン・フィーロン)が、日本のことについて色々教えてくれ、と言ってきた。何でも近々父親の仕事の都合で日本に引っ越ししていくらしく、日本語や日本の文化について教えて欲しいそうだ。
簡単な挨拶とかだけで良いか、ということと、今習いごとがあってその合間合間で良いか、と聞いたら構わない、と言った。やることが増えたが、日本語を話す機会ができたのは良いかもしれない。え?家があるだろって?二人とも中国来たことあるからなのか、家でも中国語で話してるんだよなぁあの二人。俺にも中国語で話してくるし。郷には入っては郷に従いすぎだろ。
四月十六日
今日は周老師に十回殺された。それを見た鱗がドン引きしていた。それでも真面目に日本語講座を受ける辺り、真面目な奴なのかも知れない。あと老師、貴方なんで鱗に混じって講座を受けてるんです?
四月十七日
鱗が周老師に弟子入りした。五ヶ月の間ではあるが、鍛えて貰うそうだ。流石に老師も殺すレベルでは稽古をつけていなかったが、目も当てられないほどにボコボコになっていた。哀れ……。
四月十八日
鱗は肉体面は兎も角、勉強面に関してはかなり優秀かもしれない。仮名文字が漢字を元にしてできたものとは言え、簡単な単語ならもうできるようになっていた。が、訓読みや敬語にはまだ手こずっているようだ。
それはそうと今日も二人揃ってしっかりボコボコにされてきた。やっぱ老師強いわ。この人から免許皆伝貰った親父って実は怪物なのでは……?
四月十九日
今日は鱗と組み手をした。結果は俺の十戦十勝。まぁ親父からも稽古をつけて貰ってたわけだし、数日の差ではあるが兄弟子なわけだから勝てないと面子に関わる。てか多分老師に殺される。
四月二十日
老師に本気で相手して貰った。何故か撲殺の他にも焼死のカウンタが一増えていた。え、俺焼き殺されたの……?
四月二十一日
母さんが近所のおばさん達から中華料理を教わってきたらしく、今日はいつもよりも豪勢だった。本場回鍋肉うめぇ。
四月二十二日
折角外国に来たんだからその国の文化の一つや二つ学ばなきゃ損だろうと思い、母さんの晩飯の支度の手伝いをすることにした。意外と中華って難しいぞ…!?
四月二十三日
撲殺のカウンタが二百を超えた。……あれ?日本にいたとき、こんなに早く溜まったっけ?あと、修得耐性は強化されなかった。クソがァ!老師の蹴りが段々速くなってくのなんなん?強くなってる気がしない……。
周老師の見た目のイメージはFGOの年取ってる方の李書文。あと、これから先の品内家なんですけど、日本に帰らず一年ごとに国から国へ移動していくのか、一旦日本に帰るー、はい次の国行くーの流れにするかどっちが良いですかね?
品内家の国間移動はどういった形にする?
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国から国へそのまま移動
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毎回一旦日本へ帰る