コ ミ ュ 章 タ イ ト ル
たいへんお待たせしました……。
島風然り、ニトクリス然り、普段布面積が少ない子が健全な服(当社比)を着た時の破壊力は大体ヤバいと思います。
注意!不快な表現が多い回です。年齢制限は無いけれど……
「スチュワートちゃん、貴女、何者?」
「「……」」
龍田さんからの質問は、最高に答えにくいものだった。
「だんまりじゃあ分かんないわ~」
えいえい♪ と襟を掴んだままの拳で、そのまま鳩尾辺りを圧迫してくる龍田さん。
反射的に咳き込み、直後になにもここまでしなくても良いんじゃないかと思って、龍田さんを睨む。
「私達が見たことのない深海棲艦の名前を呼び当てた。それだけならまだ分かるわ。
「……」
「でも、提督まで分からない深海棲艦の名前を言えるなんて流石に変だと思うのよね~? 出撃前には提督にご飯を作らせるように言ってたそうじゃない。その後も交渉なんて手段を取るしぃ……正直、とっても怪しいわよ?」
……言われてみればだ。
提督を含めて誰も知らない敵を知ってる時点で大分オカシイ。更に
しかも敵対的じゃないからといって疑いもせずに交渉を持ちかけるなんて、深海棲艦と繋がっているって思われても……しょうがないだろうな。
「ハァ……」
つまりまた俺のポカってことか……余計なことしちゃったかな?
いやいや、あそこで二人を倒そうとしても
そうなったらこっちも損だし、何より両手を上げてるような人を的にするなんて俺には出来ない。敵対したなら容赦なくぶっ放すだろうけど……って違う違う。俺が二人のことを知ってることはどうやって説明したらいい?
どう誤魔化せば正解だ?
なんて考えていたら、今まで固まってた提督が口を開いた。
「龍田、一回落ち着いてくれ」
「提督は黙っててね〜」
「いいや、黙らない」
「「!?」」
龍田さんの言うことに従わないとか……自殺志願者かよ。
墓には『
「龍田と……この際だからスチュワートに言っておく」
おっ、なんだなんだ?
今まで勿体ぶってたような言い方しやがって。俺が納得できるようなそれはそれは素晴らしい
「まずはスチュワートだが、もう少し素直になってくれ……」
「「……」はい?」
さっきまで龍田さんに突っかかるような雰囲気は何処へやら。どこか悲しそうに言う提督の予想してなかった一言に俺も龍田さんも固まった。
「君が沢山の秘密を抱えていることは知っている……つもりだったが、田代前提督との会話で君には
「……」
は? え!? ……何言ってくれちゃったの
「田代前提督も君の口から直接聞くように言っていたからそのうち聞けたら嬉しいが、それはそれ。今は置いておこう」
あっそう? ……去り行くであろう
「君に何が言いたいかと言うと、秘密を抱えすぎるのは良くないんじゃないかっていうことだ。 話したくないことは分かっているんだが、そうだなぁ……互いに相談し合える、世間一般が言う“親友”と壁を作って接するから浅い付き合いしか出来ない人、どちらを信用する?」
「……前者ですね」
「そうだろう? 現に君は今、龍田に怪しまれている」
チラリと視線を提督から龍田さんに移すと、ニッコリとした笑みを浮かべられた。……笑ってるんだったら解放して欲しい。すぐに視線を提督に戻す。「ちょっと!」押さえる力が一瞬強くなって咳き込んだ。
「他人は自分を映す鏡だなんて言われる程だ。周りが君を信じてないってことは、君が周りを信じてないってことになるんじゃないか? 隠し事をいきなり全部話せと言うつもりは無いけど、少しくらい話しても良いんじゃないか? 仲間だろう? それなりに相手を信頼して迷惑をかけるくらいいいじゃないか」
「……」
コイツ誰!? 俺の知ってる提督と違う! こんなことを言うような男じゃなかったぞ! もっとこう、ヘタレと言うか波風を立てないと言うか……さては偽物だな!?
―――コンコン
「そして龍田だが……
「……提督がそこまで言うなら、仕方な「提督? 失礼しま……龍田さん!?」」
龍田さんが少しも仕方ないって思って無さそうに立ち上がろうとした時に執務室の扉が開いた。
大きな声を上げたのは大淀さんだった。
……大淀さんが驚くのも無理はない。 客観的に見ると、倒れた俺を龍田さんが押さえつけてるんだもん。しかも提督がガン見してる。……提督が変態だってことが分かるな?
「気にしないで~」
龍田さんが立ち上がってほんわかと言うが……。
「無理ですよ……」
だろうね。
龍田さんに手を差し伸べられて立ち上がる。
「スチュワートちゃん、ごめんね~?」
「こちらこそ済みません……あっ、大淀さんは提督に何か用があるんでしょう? 私達のことは気にせずどうぞ~?」
「だから無理ですよ……」
「龍田さん、さっき提督が言った秘密、聞きた「Hey提督ぅー! 遊びに来たネー!」」チッ……」
なんだよ! 折角ここまでやった龍田さんに秘密を教えようと思ったのに!
「丁度いい。大淀と金剛も聞いてくれ」
「? ……はい」
「What? ウン……」
「スチュワート、まずはこの三人だけにでも話してみたらどうだ? 勿論無理にとは言わないが……」
「いいえ、やります」
龍田さんにだけ教えるつもりが三人に増えたのは想定外だったけど……こうなりゃヤケだよ! 良いぜ! 教えてやんよぉ! 覚悟しな!
なんて思ってたけど……めっちゃウキウキしてる龍田さん見るとヤケクソの覚悟が挫けそうになるぅ……。
「ええと、あまり気分の良い話では無いんですが……」
そんな言葉から始まり、様々な予防線を張ってる間に椅子を準備して鍵をかけ、全員が座る。
「佐世保鎮守府はちょっと前までとんでもないことになってた時期があったんです」
「「「……」」」
提督は心配そうに三人を見る。俺のクソ雑魚コミュ力から放たれる怪文書めいた事件の顛末にアレコレ補足してくれたのは本当にありがたい。
金剛さんは俯いてるから表情が読めないし、龍田さんは俺と視線が合いそうになるとフイッと逸らすようになった。嫌われてる人、苛められてる人がされるような反応で傷付くなぁ……。
「……」
そんな中、なんで大淀さんは目を逸らさないんだろう?
ジッと俺と目を合わせていた大淀さんが口を開く。
「成る程……佐世保の
「えっ、
「何故か人一倍負い目を感じてるからフォローしてあげて、と」
「……」
「でも……私自身はなんて言ったら良いか分からないんです」
「いっ……いえいえ! いざ話してみたら案外スッキリしましたよ! ありがとうございます!」
暗くなった大淀さんを励ますようにお礼を言う。……言いたくないことを言うのに気を遣って、それが原因で落ち込んだから気を遣って……疲れるなぁ!? でも、スッキリしたのは本当。ちょっとだけど肩の荷が降りた感が凄い。
「私もこのことは知っていたが、内容が内容だけにスチュワート自身が話すことだと思っているから自分からは話せなかった」
そう言った提督の隣では、顔を俯かせていた金剛さんが震えて……
「その提督はとんでもないロクデナシデース! 解体を迫って言うこと聞かせるなんて、酷いことされても文句は言えまセーン!」
爆発した。
「お、落ち着いて……」
怒り狂う金剛さんを宥めるのに五分以上掛かった。
「……もう良いかしら〜」
そう俺を見る龍田さんの目には同情や怒りなどの感情が篭っていなかった。ゆったりとした動作で椅子から立ち上がる。
「スチュワートちゃんがそんな子とは思わなかったわ〜」
友好的な感情の消えた目で路傍の石を見るように見られて、季節外れの薄ら寒さを背中に感じた。
「提督と金剛さんは同情してるみたいだけど、こんな話聞いたらもうスチュワートちゃんのことはとてもじゃないけど信じられないわ〜」
「ッ!」
やっぱりか……そりゃあ警戒するよな……。
「龍田、何もそこまで言うこと無いでショウ!?」
金剛さんが反応して立ち上がるが……
「提督は今まで考えなかったの? 自分も気に触るようなことしたら殺されるかもって」
「ッ! それは……」
提督もコレだからなぁ……知ってたよ?
最初期の頃は結構ビクビクしてたじゃん。……だからチラチラ見てくるの止めろ。そういうことするから俺でも簡単に分かっちゃうんだよ。
「あるんでしょう? いくら他人が信じてたとしても、自分で判断しなきゃ信じられないところはあるものね~。私ぃ、実は深海棲艦かもって子の言うことなんて怖くて聞けないわ」
龍田さんの言葉は……ごもっともだよ……。
覚悟はしてたんだけどなぁ……やっぱり面と向かって言われるのは……クるな……。
脂汗をダラダラ掻いてる不快感で倒れてしまいそうだった。誰も居ない所に逃げてしまいたい。
「「「……」」」
「……そうです! 大本営から今回の作戦の
場の雰囲気を変えようとした大淀さんの言葉が、静かな執務室に響いた。
残念だけどこの雰囲気は変わらないだろう。
「……ほら、お仕事ですよ提督?」
「ああ……」
ダメだ。提督のやる気が死んどる。
う〜ん……これは偽物提督!
龍田さん好きには申し訳ないですが、主人公が怪し過ぎるのが悪いので……。
実際どうです? 殺人犯の言うことなんて聞けるわけないでしょう?(偏見)
提督は雰囲気の悪い警備府を纏めながら作戦を進めていかないといけないっていう高難易度なミッションが課せられましたねぇ……(ゲス顔)
それと、やっと章タイトル「大型作戦」が進みそうです。
変なことやりすぎましたね……。