榛名さん回。
サブタイトル思いつかない……
やると決めた。
まずは榛名さんのフォローとして艦載機を落とそうと思う。
赤城さん未満の飛行場姫ならそこまでの難易度では無いだろう。幸い、俺の腰には投擲物があって、その中には焼夷手榴弾もある。榛名さんの秘密兵器が遅れて効果を発揮したってことにしよう。
後は特に思いつかないから、怪しい上に使えないなら要らんわって言われないように活躍しようじゃないか。
その為には飛行場姫への攻撃での火力貢献がシンプルで良いんだけど……これは正直絶望的だ。
何せ砲なんて持ってない上にまともに火力が出る装備が魚雷だけときた。
そしてその魚雷は飛行場姫が陸上に居るから通用しない可能性が大きいから実質飾りで、残りの高角砲も飛んでる艦載機に当てるなら比較的簡単だけど、飛んでった弾の落下地点の把握なんて到底出来ないからやっぱり使えない。
「う~ん……まぁええか」
悩んでいても状況は変わらない。それどころか、変に発破をかけちゃったから殺る気が凄いことになって押せ押せムードになってしまった。飛行場姫の脅威なんて微塵も感じさせないみんなによって活躍の場の奪い合いが起きる始末。
一つ一つ片づけて行こうと思っていたんだけど……俺は活躍出来るのか不安になってきた……
貧弱な、それでもやはり飛行場の名を冠するだけあって密度の高い攻撃を凌ぎつつチャンスを窺う。
手の中には既に艦載機を爆散させる為の焼夷手榴弾。赤城さんの艦載機も誘爆してどんどん堕とせたから効果はあると思うんだけど、さっきから良い感じのチャンスが来ない。
舌打ちをしながら狙いどころを探していると、後ろの方から聞こえてくる喧噪……間違いなく最前線の金剛さんたちが後ろから迫ってきていることに気が付いた。
「ヤベッ」
せめて艦載機を火薬にした花火を作るまでは艦隊に合流したくない。
あっという間に俺の頭はそのことで埋め尽くされて、チャンスも糞も無いとすぐさま赤い缶を艦載機目掛けて投げる。艤装パワーで高く飛んで行ったソレは「早まったかな?」なんて予想を裏切って、それはもう凄い爆発を起こした。
「ハァ!?」
誘爆に次ぐ誘爆。夏の花火大会よろしく、身体の芯まで響くような衝撃波が何回か起こる。
……さっき金剛さんが秘密兵器を撃った時も、爆発の真下に居たならこんな感じだったんだろうか?
ちょっと
降ってくるのが弾ではなく、燃える艦載機の残骸という名の火の雨の中、異常な爆発をした投擲物を用意したであろう俺専属の偉そうな妖精さんに向かって心の中で語り掛ける。なんちゅうモン作ってんねん、と
いつも腰に下げてるけど、弾とか掠って爆発なんかしてみろ。艤装の耐久性で庇い切れずにそのまま俺が即死すると思うんだけどそこんとこどう思う?
勿論返事は返ってこないことは分かってるけど……
「ハァ~……」
溜息を吐いて、呆けたように空を見上げる。
これも『艦これ』演出の一環だろうか? 赤黒く染まった曇天という現実ではまずありえないような空が広がっていた。
▼――――――――――
金剛お姉様と共に最前線に立って、砲を熱くしながら前に進みます。
何処から出て来たのか不思議に思うくらいの深海棲艦と無数に飛び交う艦載機に対して私達……いいえ、多くの方々皆さんの海を侵すことに怒りが湧いてきます。でも今は
先程の砲撃での失敗が無ければ……
その考えが頭から離れません。
私の砲撃も当たっていたら、今飛んでいる敵性の艦載機の数はどれほど少なくなっていたのでしょうか。それによって私達が受ける被害も……
“たられば”の仮定。本来だったらあり得た話ですが、今はそのようなことを考えていても仕方ありません!
だからこそ、私は失敗認め、その分を取り返さなくてはいけません!
「グギャァアア!」
駆逐艦も
「オオオオォォ……」
軽巡も
「グワァッ!」
重巡も!
「……」
戦艦、だろうと……
「やぁあああっ!」
「! グッ……」
ドガーン
「榛名! 無茶しちゃ駄目デース!」
私の砲撃でも戦艦ル級は倒せず、結局お姉様が助太刀に入ってきてしまいました……。
「戦艦を一人で相手するのはまだ早いデース」
「ですがお姉様……」
私は建造されたばかりだというのを言い訳にしたくありません。
聞いたところだとこの作戦は警備府の、提督の初めての作戦らしいので、敗北や失敗と言った言葉を残したくはありません。
それに戦艦としてこの身に寄られる期待、金剛型としての矜持、その為に不甲斐ない結果を残したくないのです!
そのことを伝えると、降参とばかりに両手を上げられました。
「……手のかかる妹も可愛いネー」
「!」
どこか呆れを含みながらも、その言葉に否定的な感情は乗っていません。
言葉にはしていませんでしたが、間違いなく「妹の尻拭いくらいならやってやる」って言ってます。
「頑張り屋な妹を持って私は鼻が高いデース!」
「……ありがとうございます!」
「それと、さっきから
「多分違います……」
何吹き込んでるんですかスチュワートさん……
私達が飛行場姫へ砲撃を開始した直後、スチュワートさんが凄いスピードで前方に進み……まだまだ湧いて出てくる深海棲艦の波に隠れて見えなくなってしまいました。
たった一人で敵陣に突っ込むなんて心配どころでは無いんですが、どうしてお姉様はそんな素振りを見せないんでしょう?
「直ぐに分かるヨ」
『この戦い……勝てる、勝てるぞ! 最後まで気を抜くなよ! 沈むのは論外! 大破したヤツは指差して笑ってやるからな!』
「え……」
通信が入って、威勢の良いスチュワートさんの声が聞こえてきた時には沈んで無かった! と安堵したんですけど……こんな喋り方をする子だったでしょうか? もう少し落ち着いた雰囲気だったような……。
ですが通信の効果は抜群だったみたいで、江風さんが八つ当たりするかのようにイ級に魚雷を叩きつけました。相当お怒りみたいです……。
「スチュワートは落ち着きが無いからネー。防戦一方でプッツンしたんだと思うヨー」
「……お姉様はスチュワートさんのことを良く解ってるんですね」
「人を見る目は―――
お姉様がそこまで言った時、前方で物凄い音がしました。
音のした場所を見ると、音に遅れてやってきた衝撃波が髪を揺らします。
お姉様と私が提督から渡された三式弾。それよりも大規模な爆発が起こっていました。
今も誘爆が続いていて、深海棲艦はまるで飛行場姫を守りに行くかのように引き返してしまいました。
お姉様と私以外にも三式弾を渡された人が居るということ? でも私たちより前に居るのはスチュワートさんだけで……?
「……一体何が」
ポツリと聞こえて来た言葉は全員の総意だったのかもしれません。
「ッ! 行きマスよ榛名!」
「! はいっ!」
お姉様に続いて大爆発のあった場所へと急行します。このままではスチュワートさんが大量の深海棲艦から押し潰されて、最悪の場合沈んでしまうかもしれません。
お姉様曰く「最近は落ち込んで自棄になってるかも」とのことだったのでとても心配です。
実際に警備府では猜疑的な雰囲気にはなったものの、怪しいからと言って見捨てるなんて選択は誰もしないようで……
有象無象を蹴散らして現場に向かうと、無防備にも空を眺めたまま動かないスチュワートさんが居ました。
「コノヤロー!」
「グッハァ!?」
「このすっとこどっこい! あんま心配させんなよ~!」
「Yes! 長波の言う通りデース! あんまり無茶ばかりすると私も提督もSo angryネー!」
……スチュワートさんは愛されてますね。
▲――――――――――
主人公「こんなに面倒なら……愛など要らぬ!」
………じゃあ沈めても良いよね?
主人公「ファッ!? 資材的に厳しいから待って?」
主人公の猜疑的な問題は偵察中に提督+αが何とかしました。
かなりご都合主義で「そうはならんやろ」って感じで滅茶苦茶ですが、幕間で書ければ良いなと思っております。だから許して?