6章「大型作戦」の
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司令官……演習に私を連れて来たのは間違いだと思うわ……
先頭には佐世保の司令官かしら? 柔らかい表情を崩さないで私たちを見て「緊張しないで」って言ってるみたい。対照的に私たちの司令官はぎこちない笑顔だから頼りなく見えちゃう……まぁ、それはそれで支え甲斐が有るって意味だけど。
そして司令官の後ろにはざっと見て百を超える艦娘。あ、佐世保の
「そうだな……一時間もあれば、緊張も良い感じに解れるだろう」
「何から何までありがとうございます……」
一時間も時間があるなら、佐世保のわたしに色々と話を聴きたいなぁ。
「神風、付いてきて」
「はい!」
そう思っていたけど……司令官に呼ばれたなら仕方ないわ。また後で聴くことにしましょう。
「ふむ……旗風、おいで」
「はい……」
あれ? 指名された途端にどこか浮ついていた空気が霧散した……まさか司令官との仲がそれほど良くないの!?
「……旗風? 何か
「そういう訳じゃなくて、もっと個人的なことで。……ふふっ。やっぱり神姉さんはどこでも神姉さんなんですね」
「?」
司令官の後ろを歩きながら旗風と小声で話し合う。
「神姉さん」かぁ……。ちょっと嬉しいような、恥ずかしいような、懐かしいような……自然と頬が緩んじゃう。
「着いたよ」
佐世保の司令官の声でハッと我に返って、緩んだ顔が見られていないかが心配になる。
私のその様子すらもおかしいのか、旗風にクスクスと笑われた。
「ああ旗風、大湊の神風を部屋まで連れて行ってあげなさい」
「分かりました」
「これから私たちは執務室で話をするから、そうだね……昼頃までは自由に過ごしてもいい。いつもと違う姉とお喋りしても良いだろう。……勝手に決めてしまったが、大湊の神風も構わないかね?」
嘘っ! 私に振るの!?
「あ、はい……」
反射的に返事しちゃったわ……提案自体に異論は無いんだけど、どこか釈然としないわね……。
「神姉さん! 行きましょう!」
「え? うわっ!?」
手首をしっかり掴まれて、かなりの早歩きで廊下をグイグイ引っ張られる。
「ちょ、ちょっと! 目的地は逃げないでしょ!」
「このままでは間に合わなくなってしまいます! ……着きました」
「ぶぇっ! ……ちょっと!」
急に止まったから今度は止まれずに旗風の背中にぶつかる。
一つくらい注意しても良いわよね?
「姉さん、大湊の神姉さんを連れてきました」
……ああもう! 初対面で怒ってるような怒りっぽい
扉の向こうから「入って入って~!」って聞こえて来たと思ったら、畳を踏むような足音が聞こえてきて……あれ? よく見たら
和風な引き戸になっててとってもお洒落! 帰ったら司令官とかスチュワートさんに相談してみようかな。
音を立てずにスーッと開いた戸から出て来たのは、やっぱり見知らぬ艦娘。初めて見る筈なのにそれが春風だと分かる。
「ご機嫌よう、そして初めまして神風お姉様。ふふっ……さぁ、上がってください」
「は、初めまして? 春風……」
足元には上がり
「あっはは! 僕こんなにしおらしい姉貴初めて見たよ!」
「松風! 否定はしないけど、言い方ってものがあるでしょ!」
……
「
「本人の居ないときに他所の当人を前に姉妹が愚痴を言うのは恒例行事のようなものよ」
「本人が居ないときに他所の本人に色々と喋るのが楽しいんじゃないか!」
……そんなものなのかなぁ?
それから「取り敢えず一杯どうぞ」ということで冷えた緑茶を飲んで、佐世保の妹たちが私の知らない神風のことを話し始めた。
最近“オカンみたい”って言われたことを結構気にして、休日に最近流行りの服を探しに行ったは良いものの、それが
むぅ。オカンだなんて……気にしてなんかないもん……。ず~っと頑張ってきたってことだもん……。でも、私は佐世保の神風とは違って「懐古主義」なんて印刷されたシャツに手を伸ばしたりなんて……し、しないわ!
「……」
お洒落な人に今度何処かに連れて行って貰おうかな……
「あ、旗風は演習に行きたいんでしょ? 憧れのスチュワートさんに練習の成果を見せに行ったらどうだい? そろそろ一時間経つけど」
「!……そうでした! 神姉さん、申し訳ありませんが私はここで抜けさせて貰います……」
暫くお喋りに花を咲かせてると、松風が演習の話題を。弾かれたように部屋から出ていった。
「はぁ……旗風も、気持ちは解るんだけど……」
「何があったの?」
秘書艦当番を遅刻しそうになった人みたいな焦り方してたけど。
「以前スチュワートさんからアドバイスを頂いたらしくて……その成果を見せに行ったんだと思います。大湊警備府との演習にも相当乗り気でしたし。……ですが、折角神風お姉様がいらしてるのだし、もう少しお喋りして欲しかったとも思います」
「まぁ、本人たちがそれで良いなら良いんじゃない?」
「ここからなら演習もよく見えるよ。双眼鏡は要るかい?」
朝風と春風が演習に行った旗風のことをいろいろ言ってるけど、私も演習に来たからずっとここでお茶をしてる訳にも行かないのよね……
何個も双眼鏡を用意してる松風は元からここで演習を観戦する気だったのね。
現地で見るのも勉強だけど、私よりも経験を積んだ艦娘に解説してもらうものまた違った勉強になるかもしれない。
「ええ。借りるわ」
そこで私は、常識から外れた光景を目にすることになった。
「長いなぁ……いつまで続くんだろ」
隣から松風の感想が聞こえてくる。
一緒に来てた瑞鶴さんや高雄さんはとっくに演習を二度行い、終わったって言うのに旗風とスチュワートさんの決着はまだついてなくて、飽きてくるのはしょうがないんでしょうけど……
「そんな事言ってないで……応援しないの? 妹でしょ?」
「じゃあ姉貴はどっちを応援するんだい?
「そんなの……どっちも応援するに決まってるわ」
スチュワートさんには勝って欲しいけど、同じくらい旗風には負けないで欲しい。だったら片方を贔屓なんてしないつもり。
「ふーん……」
「それよりも、旗風はどうやって相手にダメージを負わせるつもりなの?」
最初に旗風の盾みたいな艤装には凄く驚いたけど、それの切っ掛けがスチュワートさんだと聞いてもっと驚いた。
移動速度が下がって、駆逐艦の良さを潰しちゃってるところはダメっていう判定を朝風はしてたけど……旗風に勝てるイメージが出来ないのよね……。
今では「そういう戦い方もアリ」って考えて、参考に出来そうなところを見つけようとしっかり観察してるし、色々と気になったことは訊いてるんだけど……
「機雷のこと勉強してたからやっぱり機雷じゃないかしら? 詳しい事は知らないけど」
「本人に尋ねるのが一番ですよ」
「姉貴もああいう戦い方するつもり? 強い事は分かるんだけど、何が楽しくてあんな戦い方をするのか、僕にはさっぱり理解できないよ」
具体的な意見があんまり出てこないのよね。……やっぱり見てるだけじゃ駄目かもしれないわ。
「私も演習に行ってくるわ!」
そう言うと、三人から激励の言葉を貰った。
今の私は、誰が相手でも簡単には負けない!
そう思ってたのに……
「ねぇねぇ神風!
島風さんに声を掛けられたのが運の尽きだったみたい。
「お手本のような引き撃ちだったね。艤装もちゃんと調整してたみたいだし、あれじゃあ分が悪いなんて話じゃないよ」
お昼に、観戦してた松風にそう評価された。
……納得いかない!
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・黄金の
・
・戦闘力2の主人公
・ダサTの素質が垣間見える神風