大変遅くなりました。チカレタ……
今回も二本立て。
・夜の風物詩(夏)
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「今日は夜戦やらないよ!」
「「「!?」」」
ハワイに向かう途中で、休む為に寄った島。
夜になってさあ休もうと思ったときに、川内さんが驚きの一言を放った。
バカな……あり得ん!
「なンでさ川内さん! 行きましょうよぉ!」
俺たちが川内さんの異常に戦慄してると江風が声を上げた。
……いや、一緒に行くも何も江風はそもそも夜戦担当じゃないよね?
「うん……私も行きたいんだけどね。流石にこんな時にはやりたくないかな~……なんて」
確かに今はクソって言葉が付くくらい暑い……というか風が無い。しかも日中は雨が降ってたから湿度もヤバい。
やる気と言うやる気を削がれるような環境だから、川内さんの言葉に共感できる。
だけど、“あの”川内さんが暑くてジメジメしてるというだけで夜戦をしないなんて到底考えられない! ニセモノの可能性もある。
小石を拾って背後から投げる。
「うわっ!? なにするのさ!」
避けられた……本物だ。
「ごめんなさい」
川内さん曰く「夜は長い」らしい。
そんな「長い夜」が川内さんですら夜戦を渋る
答えは簡単。暑くて寝るに寝れないのだ。
そんな俺たちは川内さんの「怖い話でもする?」という提案に乗っかって、全員が灯りを中心に円を描くように座り込んでいる。
怖い話 ──つまり怪談を始める為だが── 万が一深海棲艦が来ても対処できるように全員が艤装を着けたままだから微妙に怖くない。幽霊もビビって逃げ出すだろこれ……
実際にやったことは無いから初体験だけど、ホラー番組で突如現れた霊とかにビビりまくるチキンハートを持つ俺に耐えられるかどうか……。
始まる前から既に戦々恐々している俺をよそに、言い出しっぺの法則に則りって一番手の川内さんが口を開いた。
「なんか付き合わせちゃったみたいでゴメンね。でも、やるからにはうんと怖がって涼もう! じゃあ行くよ!」
そう明るく宣言した川内さんはスッ……と急に落ち着いてから灯りを消した。
「終わらない丑三つ時」
う~ん……正直微妙。
怖いっちゃ怖いけど……ベタだから展開が見えちゃうものだったり、なんか聞いたことあるようなモノだったり、戦時中特有の価値観の違いから怖がる要素が分からなかったり……背筋が冷えたり冷えなかったりした。別の言い方をするとピンキリ。
一番怖かったのが意外にも三日月で、放置された祠に憑く怨霊の話はしっかり練られててそれなりに恐かった。
それと江風と大鳳さんは正直向いてないと思った。怪談なのに語り手が溌剌としてちゃあ怖さ半減だ。特に大鳳さんはネタは良い感じの怖さだっただけに勿体ない……。
フッと灯りが付いて全員の顔が照らされる。
那智さんの怖い話の感想を言い合ったらいよいよトリである俺の番。
俺の話すヤツには元ネタがあるけど、艦娘は誰も分かるまい。
温泉旅館に移動する際中のバスで改造したし。
「皆さんは大戦中、敵国の軍艦の乗組員が何処からやってくるか知ってましたか?」
「
灯りを消した。
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・納期間近の修羅場
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「三式弾が必要かもしれない」
提督から放たれたその言葉が、私から休息という二文字を奪い取った。
「あぁ~~……もう寝たい……」
それなりの規模の作戦があるから忙しくなるかもっては思ってたけど……ここまでとは聞いてないよ!
糸の切れた操り人形みたいに椅子に座って、乾いてシパシパする目を押さえる。
「はぁ~……。やりがいはあるんだけどなぁ……」
そのままぐったりと机に伏せて独り言を漏らすけど……誰も居ないよね?
最近はず~っと工廠に居るかもしれない。こんな時に修理が終わった時、被験者役になってくれるらしい兵装実験軽巡の夕張が居たらどれだけ楽になれるかなぁ……?
「ふあぁ~……あふ」
とても人前では出来ないような大欠伸をして脱力。机の上に置いた腕に頭を預ける。疲れ切った目が程よい力加減で押さえられるから気持ちいい~……
……仮眠しても良いかな?
私頑張ったから! 提督に言われてから二日間、限りある時間と資材を使いながら三式弾の失敗作を作り続けて、その度に妖精さんが「見せられないよ!」と言わんばかりに失敗作をペンギンとか綿ゴミみたいな包みに入れては持ち去ってしまう様子を眺めて、回数を重ねるごとに次こそは成功しなくちゃいけないって意気込んで……ちょっと疲れちゃったんだよね。
……この時間帯なら工廠に誰かが来るなんてことは無いだろうし。
高窓から入ってくる日光が背中に当たって気持ちいいし、妖精さん達が修理とかで発する音が耳に馴染むから眠気がどんどん強くなっていく。
……ちょっとくらいなら良いよね。
ウトウトしながら作業するのは危険だから仕方ないよね。
そう自分に言い訳しながら完全に脱力した。
……香ばしい匂いを察知して、意識が覚醒する。
「う~~ん……よし!」
思いきり伸びをして間を開く。うん、瞼の重さも取れてる!
これなら一休みする前より三式弾の開発が捗るかも。
「お腹空いたな~」
そう呟いて工廠に併設されてる医務室を出ると、私が仮眠を取った机の上には様々な食べ物が並んでいて妖精さんが群がっているのが見えた。
「わぁ! 豪華~!」
妖精さんが群がってる場所には最中が並べられていて、私が座ってた椅子の前にはが豪華な定食が置かれていた。まさか間宮定食? ……夢じゃないよね?
頬を抓ってみてもしっかり痛いから……現実!?
ドッキリとかじゃないか不安になってくる。
「起きたみたいだね」
「えっ?」
工廠内に私以外の声が響いて、入口を見ると両手いっぱいにお菓子を持った提督が居た。
「ええっ!? 提督!?」
「うふふ……」
「間宮さんまで!」
「妖精さんから話は聞いてるよ。随分無茶……頑張ったんだね」
だから、今私の前に並べられてるのは差し入れと言うか、報酬と言うか、ご褒美と言うか……そんな感じらしい。三式弾の開発を急に命じられた時は何なんだと思ったけど、ご褒美に間宮定食が食べられるなら悪くはないかも……。
現金だなぁって自分でも思う。これで後はしっかりと休める環境なら文句は無いんだけどなぁ……。
あ、この小鉢美味しい。
「美味しいです間宮さん!」
「気に入ったみたいね。でもソレ提督が作った物なのよ~」
「えっ」
提督ってこんなに料理上手だったの!? 知らなかったな~。
「喜んでもらえて嬉しいよ。……それで、今頼んでる開発のことだけど」
「うっ」
忘れてた……。
それからは、舌鼓を打ちながら開発の話をしてたんだけど……
「……まぁ、今日はもう遅いから、明日一日だけ頑張ってくれないかな?」
この一言で急に現実を見せられた気が……現実を叩きつけられた。
「ほぇ? ……あーーーっ!」
言われて気が付いたけど外真っ暗じゃない!? どうしてちょっとだけのつもりがこんなに寝ちゃったのよ私~!
提督には今日は休めって言われたけど、そんなことしてる場合じゃなくない!?
……提督たちが居なくなったらコッソリ作業再開しちゃおうっと……。
「あっ! もしかして……こう?」
なんか冴えてる!
今までとは使う資材をちょっとだけ変えたら急に閃いた。
そうして出来上がったものは……やっぱりペンギンの包みに入れられて持ち去れらたけど、今までで一番三式弾っぽかったかも!
「今なら、なんだって作れるような気がする!」
「あんまり騒がしくはしないでね?」
「はい……」
見回りに来た伊勢さんに注意された。
結果として、
朝イチで結果報告に行ったら「休むように言ったよね?」って感じでお説教をされちゃった……。けどご褒美として間宮食券を貰えたて美味しい思いをしたからプラマイゼロ!
それからというもの、開発に行き詰った時は験担ぎとして提督にご飯を作って貰うようになったのは別の話。
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・会談 ~深きものども~
タイトルは「
・過労死した明石さんが
次で6章幕間は最後です。