56話です。
突然ですが友人に投稿バレしました。
挿絵を要求されたので用意しました。チカレタ……
褒 や
人 め 言 っ
は て さ っ て
動 や せ て み
か ら て 聞 せ
じ ね み か
ば せ せ
て
そんな名言がある。確か山本五十六って人の言葉だったような気がする。
どんな意味かは調べた訳でも無いからよく分からないけど、きっと言葉の通りだろう。
口だけであれこれと指示するだけして後は放置……なんてことはせず、手本を見せてから説明して、試しにやらせてみて良いところは褒める。そうすることでモチベーションを維持させることで人は
教わる人だけではなく、教える側の人間にもしっかりと教えようとする心構えと情熱が必要だと、俺はそう解釈する。
……いきなりこんなことを考えるなんて、遂に気が狂ったかと言われそうなものだけど、俺は今、椅子に座ってコーヒーを飲んでいた。
どうしてこうなったかと言うと、一度鹿島さんが俺を提督だと想定して秘書艦をするらしく、それを見て俺がいかにクソだったかを見ろって感じのことを、オブラートに包んで言ってきたからである。
因みに今飲んでいるコーヒーは鹿島さんが淹れた滅茶苦茶濃いヤツだ。味は悪くない……というか普通に美味い。……ちょっと苦すぎるような気もしないでもないけど、濃いめって言ってたしこんなものだろう。
「提……スチュワートさん、眠気覚ましの珈琲のお替りは要りませんか?」
「え……大丈夫です」
ここで要る~なんて言えるヤツおる? もし居たのならソイツは
「分かりました。飲みたくなったらいつでもお声がけくださいね♪ あ、時刻はヒトナナマルマルになりました!」
……どんだけコーヒー推してくるつもりなんだ……。自分寝ちゃったからって俺にまで特濃コーヒーが出て来るとか……眠気覚ましって絶対嘘だろ! ヒトナナマルマル……午後五時に眠くなる訳ねぇだろ仕返しのつもりか? だとしたらミルクや角砂糖よりも甘いぜ。
ガチで狙うならカフェイン中毒にすれば良いのに……。有無を言わさず前にドンドン置いていけば飲まなきゃって使命感に駆られてしまうのが日本人。あっという間にカフェインでハイになるか、トイレに籠って出てこれなくなるに違いない。
まぁ、身内で潰し合うなんて、
「どうかしましたか? 何か殺気のようなものを感じましたが……」
ヤベ。鹿島さんに気付かれたわ……。落ち着け~、落ち着け俺~。今は鹿島さんの秘書艦をしっかり見て置かないといけねぇんだぞ~……。
「フゥ……何でもありません。お気になさらず」
「そうですか……では、なにかお喋りしましょう。スチュワートさんのこともっと知りたいです♪」
ウェッ!? グイグイ来るなぁ……。話題話題……あ。
「そういえば、あきつ丸さんって何を教える人なんですか?」
「それが……私にも分からないんです。あきつ丸さんに話を伺おうとする度に横槍が入ったりするので……香取姉も教えてくれませんでしたし……」
「横槍って?」
「“何故か” 近くで職員さんが書類を落としちゃったり、クシャミの音で聴き取れなかったり、呼び出しの放送で遮られたりするので……」
「えぇ……」
何それ……タイミング悪いっていうレベル超えてね? ギャグ時空でも生成してんじゃねぇの?
「あきつ丸さん自身は特に何もしていないんですけど、不思議ですよね」
「えぇ……」
「あ、これで最後ですね♪ ……はいっ、終了です」
ありゃ、結構時間経つの早いじゃん。……これが、鹿島さんのいう「華」の力……?
「スチュワートさんも作業ばかりではダメです。提督との雑談などにも意識を割いても良いんです。気を張って集中することが悪い事だとは言いませんけど、ずっと集中し続けられる人なんて居ないんです。それに、大型作戦のや緊急事態ではない限り、そこまで書類は多くないので、急いで終わらせても時間を余らせるだけになりますよ?」
「……」
それもそうだ。前に秘書艦やらせて貰った時だって、結局午後は殆ど提督から色々と教えてもらうだけの余裕があったし、それほど忙しくは無いのかもしれない。
……いや、さっさと終わらせて自由時間を作った方が良いのでは? 提督だってプライベートな時間は欲しいだろう。……よし決めた。俺は鹿島さんの言うことは話半分くらいで聞いて、この場だけは合格を貰えるようにしよう。俺は提督のプライベートを気遣う優しい初期艦になってやるぜ!
「……今日はもう中途半端な時間になったので、ちょっと早いですけど夕食にしましょうか♪」
「はい」
「……そういえばなんですけど、スチュワートさんって料理は作れますか? 苦手だと言うなら教えますけど……」
「あ、作れますのでお気遣いなく……」
ただし香辛料マシマシだけどね。
「む? 鹿島とスチュワートでありますか。些か早いようですが……」
食堂にはあきつ丸さんと、同じ制服を着た比較的若い男女が沢山居た。
……なんの集まりだコレ? 明らかに小中学生っぽいのも混ざってるように見えるんだけど……。
「ちょっと中途半端な時間に一区切りついちゃったので……」
そう言ってアハハと小さく笑う鹿島さんと、それを見てじゃあ仕方ないねって感じの顔をするあきつ丸さん。
「それじゃあ、私が夕食取ってきますね♪」
去っていった……。香取さんはゲテモノとか食べなかったし、きっと鹿島さんに任せておいても変なのは採用しないだろう。
「あの……」
食堂にいる大勢の人が気になるから訊いてしまおうか。いつも「何をしているか」を訊くとダメみたいだけど、「アレはなんだ」くらいなら全然セーフだろう。
「あきつ丸さん……あの人達って一体何なんでしょう?」
「あれは……s「おいっ! ふざけんなよ!」」
「「!?」」
なんだなんだ?
「お前が―――」「―――うるせぇ!」とか聞こえてなんか穏やかじゃないとは思うけど、今の俺と同じように何事かと立ち上がってる人が多すぎて喧噪の中心が見えない。聞こえる声の高さからして中学生以下なのは間違いないだろうが……。
そうこうしている内に周りから同じ制服を着た人たちが集まってくる。……どうやら俺たち、と言うよりはあきつ丸さんの座っていた場所が悪かったのか、前後左右を人で固められて身動きがし辛くなってしまった。
「スチュワートはちょっとここで待っているであります」
そう言い残して野次馬と化した人や人の間を縫うようにして消えていったあきつ丸さん。
……忍者かな? 都心の通勤ラッシュ並に人が集まってたと思うんだけど……。
しばらく待ってたら人が散っていくような足音と共に喧騒が止んだ。
俺は疲れたし、どうせ見えないからと椅子に座って机に突っ伏していた。
「戻ったので……寝てるのでありますか?」
「……起きてますよ~」
そう言いながら起き上がる。
「鹿島があちらの席に夕食を用意したみたいであります。移動しましょう」
指された場所には豪勢に見える夕食をテーブルに展開して俺たちの方を向いて手招きしている鹿島さんの姿がある。
「はい……そういえば、結局聞きそびれましたね。あきつ丸さんが何してるか」
「自分は―――」
あきつ丸さんがそこまで言ったとき、すれ違った人を死角にして出て来た人とぶつかってしまった。……って
「
「私は教官だが、貴様の師匠になった記憶は無い。……それにしても、油断していた訳ではないがまさかぶつかってしまうとは、こちらこそ済まない。……まさか貴様、あきつ丸に何をしているのか訊こうとしていた訳ではあるまいな?」
「ヒェッ……」
何故バレたし。
「……やはりそうか。……一つだけ言っておく。痛い目に遭いたくなかったらこれ以上あきつ丸に何をしているのか訊くのは止めた方が良いだろう」
相変わらず光を灯さない目が一段と冷たく突き刺さるような感覚がする。……怖いが過ぎる。
「……ハイ」
「私の意志は無視でありますか!?」
「今まで、下された指示書と関係者以外に、自分が何をするのか教えることが出来たと言えるなら考えてやる」
神州丸さんがこんなにも警戒するとか……。あきつ丸さんは俺もちょっとだけ知ってるSCPである可能性が微粒子レベルで存在している……?
その後、懲りずにもう一度だけ訊こうとした時には、誰かが財布をひっくり返したのか硬貨が散らばる音が聞こえて、食堂が静かになったから、結局訊くことは出来なかった。
【挿絵表示】
主人公……のつもりです。
これでも一生懸命頑張ったんだ……誰か褒めて……
あきつまる【動詞】
目的が想定外の出来事で達成できなくなること。
例 )あきつ丸との会話は頻繁にあきつまるので注意が必要だ。
SCP????-??「私の役割は―――」
class Safe
艦娘 あきつ丸 に酷似している人型実体の発する音声と同期して発現する異常現象。
これより先の文章は《編集済み》