UAが3万、お気に入りが300を越えました。
本当にありがとうございます。
あと文字数も20万……嘘でしょ? 100万字で完結するかなぁ〜なんて予想ガバガバじゃん!
……兎に角、これからもボチボチ続けていくので
自販機に入ってたお釣りくらいの感覚でお楽しみください。
演習開始の直前、場所は海の上。俺は教官たちと頭を突き合わせていた。内容は勿論「相手に勝つ方法」だ。
香取さんさえ予想できなかった
「まさか一航戦が直々にお出ましとは……」
「流石に予想外でした……ですが、負ける訳にはいきません」
「赤城さんだけではなく、武闘派で知られる神通さんと夕立さんまで居るのが本当に厳しいですね……」
「伊26さんはまるゆが抑えるよ。多分何とかなるから、それまで持ち堪えてもらえないかな?」
「それは相当厳しいのであります。……ですが一番確実に勝てるであろうまるゆから戦局を作っていくのが一番現実的と思われます」
「ふむ……では目標は各個撃破、最低でもまるゆが決着を付けるまで持ちこたえること。……これで良いか?」
「最初に赤城さんを落とすか、最後に皆さんで力を合わせて挑むかも問題になってきますね」
おぉ……流石は教官たち。なんかかっこいいぞ。
……っていうかまるゆ強くね? ほぼ確実に撃破可能って何者だよ……。誰も疑ってないってことはガチってことだろ? ……いやホントに何者だよ。
「どちらも厳しそうですね……ですが、各個撃破は賛成です。……ところで、スチュワートさんはその盾で何が出来ますか?」
俺はこのまま映画のワンシーンみたいな最高にイカす作戦会議見てるだけで十分なんだけど……。やっぱり混ざらなきゃ駄目? ……視線が痛い! 分かった! 話す。話すからぁ!
「えっと……各個撃破は賛成です。その時に私は赤城さんをマークさせてもらえないでしょうか?」
「……理由を訊かせてもらえますか?」
ヘッ。自慢話だぜ。
「佐世保鎮守府に居た時に一度、赤城さんと演習をしまして……その時は負けてしまいましたけど、赤城さん相手に相当時間を稼いだってちょっとした噂になりまして……。それに先程の赤城さんの言葉から考えて、今回赤城さんは私が相手することを望んでいると見ていいと思います。……それに、鎮守府に居た頃と比べて、皆さんに扱かれたので……今回は赤城さん相手に大破するつもりもありませんよ」
「それは頼もしいな。ならば私は……神通の相手をしよう。……それと、一航戦が相手ならば雀の涙だろうが……制空権確保の為、微力を尽くそう」
お、マジ!? すっげぇ助かるわ~。なんせ前は遠距離から只管ボコボコにされたもんな……こういう時に微力って言って謙遜するのはだいたい実はスゲー奴って相場が決まってるから、期待しても良いんだよね?
「それと、まるゆさんは開始直後は水面から顔を出していてください。これをお見舞いするので」
そう言いながら手に持つのは緑色の缶。確か中身は音響手榴弾。超音波染みたアホみたいにデカい音が出てくる危ない缶だ。開始直後、コイツをに水中にシュゥゥゥーッ!! するつもりだ。どんな音が鳴るかは分からないけど、普通に投げたら予備の鼓膜が必要になると錯覚するレベルの音量だ。きっと水中でも良い感じに仕事してくれるだろう。水中の音の伝わる速さは空気中の四~五倍だから、ニ十パーセントくらいの音量でも実質いつも通りだしな。
俺は言いたいことを言った。今は味方なんだし、手の内はどんどん明かしていくべきだろう。
「スチュワートさんはちょっと変わってますけど、凄いです! なんだか勝てそうな気がしてきました!」
「鹿島。決して油断して勝てる相手では無いのよ。もう少し気を引き締めなさい」
しゅんと大人しくなる鹿島さん。そして話し合いの最後だという雰囲気を出しながら話し始める香取さん。
「皆さん、最初は相手の艦の近くに居てください。そうすることで味方を巻き込んで爆撃すること懸念し、赤城さんの攻撃の手が緩くなる可能性があります。機動力は全体的に彼方が上ですが、頑張りましょう! 例え卑怯だと言われようとも、戦場にあるのは善悪ではなく、生か死だけです。生き延びた方が正義です。いいですか!?」
「「勝てば官軍負ければ賊軍です!」ね♪」
「……優勝劣敗」
「負け犬の遠吠えであります!」
「えっと……し、死人に口なし……?」
「勝てばよかろうなのだ……」
みんなバラバラじゃねーか! 締まらねぇなぁ……。
教官たちだし大丈夫でしょなんて思ってたんだけどいきなり不安になってきたぞオイ!
―
―――
―――――
遠くから響いてきたスタートの合図で俺たちは散開する。
まるゆだけは俺の後ろで小さく隠れるよう神州丸さんからアドバイス? を貰っていた。なんでも潜水艦だから影が見えなくても違和感が無いからだそうだ。……あの人実はどっかの特殊部隊とかで強襲作戦のプロだったりしない? ダンボールに隠れててもなんらおかしくは無さそうなんだけど……
「まぁいいや。それじゃあまるゆさん! 目ェ瞑っててください……ねっ!」
海面に向かって緑の缶を叩きつけ―――ない。足元に落として、沈む前に叩き込むように脚で海の中に捻じ込んだ。
―――ズン……!
重く響くような音そして振動が体の芯まで届いてくる。その後にも一瞬だけ高い音が聞こえたかと思うと、大量の泡が海面まで上がってきて……超! エキサイティング!
「まるゆさん、もうオッケーです。頑張ってください」
「ありがとう! あなたも頑張ってね!」
そう言い残して水中に消えたまるゆ。俺は宣言通り赤城さんの相手をしないとな……。
「頑張ってください、ねぇ……」
遠くに見える点。その内一つの周りに薄く黒い靄が掛かっているように見える。間違いなく赤城さんだろう。香取さんの予想はどうやら間違っていたみたいだ。
「フヒッ……マジかよ……」
思わず苦笑いが出る。
“アレ” 相手に一対一しろって? 多少なりとも他の教官たちにも攻撃してくれたら楽だったんだけど……
「いや……」
神州丸さんが残していってくれた戦闘機がある。だから二対一だ。これで負けてしまったら必然的に教官たちの負担が激増する。
「それは宜しくないな……」
俺たちのチームは一人でも欠けたらそこで試合終了。
その為に分の良いまるゆの対面を速攻で落としてサポートに回らせることで、それぞれの負担を軽減して対面同士の勝率を上げることが重要だ。
俺の役目は赤城さんを抑えること。今は俺を挑発するかのように大量の艦載機を待機させているが、俺が赤城さんの相手をせずに誰かのところに行ったらフリーの赤城さんが好き放題に暴れ始めるのは目に見えている。
「まぁ言い出したのは俺だし、行きますかぁ……」
そういえば、鎮守府での演習のリベンジマッチじゃんコレ。
そう思うと負け続きは嫌だなぁ~なんて……。
ボルテージ上げて往こうじゃないか。
俺はメンドクサイのは嫌いだけど、負けが続くのはもっと嫌いなんだよね。
▼――――――――――
鎮守府のあの一件からスチュワートさんが姿を消しました。
聞いた話だと、提督を殺害したから大本営に連行されたんだとか。
その話を聴いた時、私はどう思ったんだっけ……
提督の殺害なんて信じられない―――違う
私達大人が対処すべきだったのに―――違う
そもそもあの無茶な命令を突っぱねておけば―――違う
お腹が空いて聞こえなかったことにしましょう―――違う
……ただ悔しかった。
私に敗北感を植え付けたまま居なくなるのかと思いました。勝ち逃げをする気なのかと思いました。あの演習での勝ち負けだけで判断するならば私の勝ちですけれど、あの時ほど勝って悔しい思いをした時はありませんでした。
勿論それは私が勝手にそう思っているのであって、スチュワートさんは勝負に負けて悔しいと思っているんでしょうけど……それでも私は悔しかった。
だからこそあの後、再び私たちの提督が戻ってきて、資材が無いからと言う理由で出撃の自粛をお願いされた時に、ここぞとばかりに訓練に励んだ。
もう一度戦う時に今度こそ、こんな思いをしなくても済むように。
そうして訓練を続けて、しかし
「久しぶりの大本営での演習、楽しみですね。教官たちは凄く強いので勉強になります」
「またそれ? 少しは力抜いたらどうなの?」
気が付いたら声の許に近付いていました。
「その話、詳しく聴かせてもらえないかしら?」
……今思うと、朝潮ちゃんに大迷惑を掛けてしまっていますね……。勤勉なあの子のことです。きっと私よりも多くのことを学ぶ機会だったでしょう。
それを私は、個人的な理由で奪ってしまいました。
「……負けられなくなっちゃいましたね」
演習はとっくに始まっています。私以外、そして相手方も一人以外はすぐに散っていきました。
私は分かります。あの残っている影はスチュワートさんだと。
そして今回も―――
―――ズン……
予想を超えて苦戦させられることを。
▲――――――――――
……というわけで、今回の対戦カードはコチラァ!
神州丸 ――― 神通
あきつ丸 ――― 夕立
主人公 ――― 赤城
香取 ――― 満潮
鹿島 ――― 時雨
まるゆ ――― 伊26
青葉の情報での人気のカードは……
スチュワート 対 赤城! スチュワートの神秘のベールが剥がされることに期待したいですね!
そして……神州丸 対 神通! 武闘派な彼女たちが……
え、賭けは禁止? ……固い事言わないでくださいよぉ! 司令官~