金週ブースト!
やっぱり毎日投稿を続けられる人は凄いと思いました。
今日はこれから来るだろう他所の艦娘の受け入れ。やることは決まってても俺がリアクション側だから待つ以外に出来ることが無く、汚れる原因が無いから廊下も綺麗で掃除は要らないし、食べ物の買い出しで外出するのは論外だ。
「やることが……無いっ!」
そう叫びながら机に突っ伏していた顔を上げる。
因みに妖精さんの渾名の理由は簡単。俺の中身が男で、此処に来るときに無理矢理付いて来たから。まぁ、
「あ、そうだ」
工廠に妖精さん連れてけば良いじゃん。さっき見て回った時、工廠には妖精さんの姿あったし。持って来てた盾とかのメンテもついでにして貰えば暇も潰れて一石二鳥だ。
「じゃあ工廠に行こうか、妖精さん」
その言葉でゾンビが動き始めるように緩慢な動作で動き始める妖精さん。……もうちょっとシャキッとしてくれない? 俺だって今はやること無さ過ぎてやる気が出ないんだからさぁ……。
「たのもー!」
工廠に柔道破りみたいな宣言をして入る。
明らかに佐世保よりも少ない妖精さんの数。執務室も物が無くて広いな~とは感じたけど、工廠は輪をかけて広く感じる。一番は修理中の艤装や、予備の艤装が置かれていないこと。一つ一つが大きい上に数があったから……。正直工廠ってこんなに広かったのかと最初は驚いた。
そんなことを思っていたら足元に妖精さんが集まってくる。少しでも視線の高さを合わせようと俺も屈む。
「は~い。今日からここに来たスチュワートです~。あ、コレは佐世保鎮守府から付いてきた妖精さんですね。これからよろしくお願いします」
そう言って肩に居た
「一年間は出撃禁止って言われてるから、自分の艤装の修理の優先度は低めで大丈夫ですよ」
……確かどっかの国では妖精にはミルクとか甘味とかをお供え……お礼になんかするんだっけ? じゃあ俺は暇があったらブラウニーでも作っかな。混ぜるのとオーブンが面倒だけどそれ以外は割と簡単なんだよねアレ。
♪~「スチュワートさん、お客様がお見えです」
「ぬ……」
呼び出しとか学生生活以来だな~……クッソ懐かしくて笑うわ。
それにお客様……十中八九どっかの艦娘だろうな。待たせる訳にはいかないから迅速且つ素早くスピーディーに行こう。
「お待たせしました!」
ものの数分と経たずに警備所に到着した。警備所から見えないところでは全力疾走して時間短縮、見られそうなところでは歩いて少しでも良い印象を与えられるように頑張った。
警備所で待っていたのは鮮やかな赤い髪が特徴的な人と、大人しそうな人。間違いなく艦娘だろうけど、公共機関で移動してきたんだろう、目立つ服装ではなく私服だった。
「そこまで待ってないから気にしなくていいわ。私は横須賀鎮守府から応援に来た伊168。イムヤで良いわ。それでこっちが――」
「同じく、横須賀鎮守府から応援に来た伊良湖です。よろしくお願いいたします。」
イムヤと伊良湖は横須賀から来た、覚えたぞ。
それで……近くにあるデカい荷物は一体?
「ご丁寧にありがとうございます。それではご案内させて頂きますね?」
キャリーバッグなんて目じゃないくらいデカい荷物からは目を逸らす。気にしたら負けだ。俺だって艤装とか持ってくるのに馬鹿みたいにデカいバッグを借りたんだ。……でも、俺の艤装よりも更にデカいとかどうなってんだよコレ。手荷物ってレベルじゃねぇぞ……。
「あ、待ちなさいよ。どうせ他の鎮守府の人も来るんだし、全員集まってからの方が良くない? 何回も繰り返すのはメンドクサイでしょ?」
「え? 良いんですか?」
「大丈夫よ。伊良湖さんもそれで良い?」
「はい、大丈夫です」
警備所の前で待つこと十分。その間にイムヤと伊良湖から質問を受けていた。当たり触りの無い質問しかされなかったから、もしかしたら俺のやらかしはお偉いさんに握りつぶされた可能性があることが分かった。
「――そうなんですよ! ……あ、来たみたいですよ!」
他の人が来たことに伊良湖が気付いて声を出す。視線を前に向けると、そこには視界一杯に広がる紺色。
「ぴょおおおおおおおん!」
「え、ブッ!」
直後に全身に衝撃を受けて倒れこむ。体は痛くないけど尻餅ついてケツが痛い。地面がコンクリじゃなかったら服まで汚れていたと考えるとまだマシかもしれない。
「卯月、どけよ……どいてください」
何とも特徴的な言葉、タックルをかますアクティブさ、前者の時点でほぼ確定してるようなもんだけど、心当たりのあるのは卯月しかいない。
「スチュワート! 聴いて欲しいぴょん! 佐世保から誰が応援に行くかで夕張が――「そこまでよ。久しぶり! スチュワートさん」
ヒョイと、卯月が持ち上げられて体に自由が戻ってくる。摘ままれて一段と小さくなっているように見えるのは気のせいか?
そして卯月を持ち上げているのは長良さん。襟をガッチリと掴んでいて離す様子はない。青い顔をして藻掻いてるように見えるけど……ギャグ補正か何かでしれっと戻ってきそうだし放っておこう。
「あの……私たちも挨拶させてもらっても良いでしょうか……?」
「あっどうぞぉ!」
聞こえて来た声に脊髄反射で応える。
「舞鶴鎮守府から応援に来ました。大鷹です」
「同じく舞鶴鎮守府から来ました五月雨です。よろしくお願いします!」
そう言って深々とお辞儀をする二人。
バサバサバサッ
大量のファイルが降って来た。
出所は……五月雨の背負っていたバッグと見て間違いないだろう。
「うわあああああっ! ごめんなさいっ!」
慌ててファイルを拾い集め始めた五月雨。ファイルは皆で集めたのですぐに集まったが、最後の最後に風で一枚飛ばされていった。
「だ、ダメです!」
五月雨が駆けだして……何かに躓いて転んだ。
「「「……」」」
大鷹さんが溜息を吐いて、他の人は優しい顔をしている。
俺も悟る。五月雨は……少しおっちょこちょいなところがあるらしい。見てて飽きないから退屈しないと言うか……心配で目が離せないと言うか……。
「私たちも挨拶させてもらえない?」
「巻雲ちゃんも、衣笠さんも待ちくたびれたよ~」
それぞれが違う想いをしながら、飛んでる紙を追いかける五月雨を眺めていると、声を掛けられた。
「私たちは呉鎮守府からの応援だよ!」
これはまた……濃い人たちが来たなぁ……あんまり興味ないけど呉鎮守府ってどこ? あとついでに舞鶴鎮守府もどこだよ。
「……ありがとうございます。……これで全員揃いましたか?」
でもそれはそれ、これはこれ。お礼を言ってから確認する。鹿島さんも四つの鎮守府以外の名前は出してなかったし、多分全員居るでしょ。
「全員居るみたいね」
「五月雨ちゃんが戻ってきたら、移動しましょうか」
一番大人な衣笠さんと長良さんが真っ先に何をするかを決定する。物凄く頼りになる。
「じゃあ取り敢えず食堂に移動しましょう」
お陰で後は乗っかかるだけで良い。……本当は俺が一からあれこれ指示しないといけないんだろうけど……艦娘の常識なんて相変わらず持ち合わせて無いんだ……許して欲しい。
「はぁ……はぁ……遅くなりました! ごめんなさい!」
五月雨が戻って来た。始まる前から既にボロボロだけど大丈夫なのコレは……。
兎に角、五月雨が物言わぬ紙と追い駆けっこをしている間に決めておいた移動先、食堂に向かう。
「スチュワートさん! 私、舞鶴鎮守府で初期艦だったんです! ……えへへ、初期艦の先輩ですね。何か訊きたいことがあったら頼ってくださいね!」
「分かりました」
移動中に五月雨が嬉しそうにそう言って来るが……不安だ。本当に頼ってしまって良いのか?
メンバー
・主人公
・伊168 伊良湖
・長良 卯月
・大鷹 五月雨
・衣笠 巻雲
・提督(未着任)
卯月のタックルで半ギレの主人公……
伊良湖さんが持ってきた異常にデカい荷物の中身とは……?