全く……あんな駆逐艦が170以上も居るならそりゃ戦争にも勝つ訳よ……
戦いは数だよ兄貴ィ!
「いや~……まさか謎に包まれていたスチュワートさんの素性はまさか艦娘だったなんて! これは大スクープですよ!」
「……はい?」
俺を提督のメイドと勘違いしていた大鳳さんと言い、俺の素性を勝手に謎に包まれていたことにする青葉さんと言い……何なんだよ。頭が追いつかねぇぞ。
俺は別に隠してたつもりは無いんだけどなぁ……誰も直接訊きに来なかっただけじゃん。
「それでですけど! 艦種とか、ついでに色々と教えてくれませんか? 好きな食べ物とか、提督との関係とか!」
「……」
これがマスコミの力……? めっちゃグイグイ来るじゃん。
別にそれくらいなら答えるけど、初期艦の前は何をしてたかって訊かれた時は提督の力で情報を制限してもらおう。普段から提督には極力楽をさせてるつもりだし、こういった時くらいは何かしら俺も見返りを求めて良いんじゃないか?
「ええと……じゃあ、何から訊きたいですか?」
青葉さんと大鳳さんから色々と訊かれた。
問答の声量自体はそこまで大きくなかったことと、「何だ、青葉さんの “
青葉さんの話では、俺の存在はマジで謎のベール過ぎて艦娘の間で様々な憶測が飛び交っていたらしい。
「メイド説」の他にも「妹説」「後輩説」「真の提督説」「実は居ない説」
……マジどういうことなの……? 特に「実は居ない説」を提唱した人は一体何が見えてるのか疑問に思うレベルなんだけど……流石に冗談だよね? でも面白いから許す。もっと突飛な説で楽しませてほしい。
出撃しないことについては、機密事項ってことで秘密にした。本当は隠し事なんて作りたくは無いからパーッと話しちゃいたいけど、士気がダダ下がりしそうだし……話すタイミングは提督と要相談って感じかな?
「あ、そうです。コレをバラされるのは本意じゃありません。出来るなら私の初出撃の時か、艦娘が揃ったときにお願いしますね?」
「え? 何でですか?」
「そっちの方が面白そうだからです」
「……この短い問答でも分かったけど、スチュワートさんって実は相当変わってるよね」
俺のお願いに対して大鳳さんがそう言ってくる。
……ああヤバい。前世に言われたことと全く同じだ。クッソ懐かしくて思わずニヤけちゃうね。
「隠してるつもりは無いんですよ? 全く……こんなに面白い事が大好きなのに、なんで真面目って勘違いされちゃうんでしょうね?」
お
「これは……スチュワートさんの謎に包まれた部分は触れてはいけない部分だったようです……青葉、一生の不覚っ!」
「残念でしたね。知られてしまったからには青葉さんには遠慮は……要りませんね?」
「勘弁してください……」
「大鳳さんも出来れば秘密でお願いしますね?」
「フフッ……私も共犯ってことですか。分かりました」
「実はこれよりもっと酷い部分がまだまだありますけど……楽しみにしておいてくださいね」
辺りはもう真っ暗だし、随分と話し込んでしまったことだけは間違いない。俺は楽しんだけど二人には退屈な思いをさせなかったかが気になるけど、それは訊いちゃいけないからもう何もないと席を立とうとする。
「ッ!? グフッ……!」
立てなかった。
「ちょっ!? スチュワートさん、、大丈夫ですか!?」
「フフフ……筋肉痛で立てません……」
その言葉を聞いてまた謝ってくる大鳳さん。出来れば次からはもっと軽いメニューでとお願いしておいた。訓練ガチ勢じゃあないからお手柔らかにお願いします。
そのままヒョコヒョコと工廠まで行って、明石さんから呆れられた。
翌日
朝……と言うか深夜に目が覚めた。今日は出撃に行ってた面子が帰ってくる予定だからだ。
連絡が無いのが本当に心臓に悪くて悪くて……。どれくらいかと言うと、まさか在りもしない母性が目覚めたのかとパニックになりかけるくらい。
でも便りが無いのは元気な証拠なんて言うし……ちゃんと揃って戻ってくることを祈るしかない。
執務室で何時ものように提督に朝食を渡す。
提督が飯を食べている間、提督をただ眺めるなんて趣味を持ってない俺は、書類の枚数を数えながら提督に昨日のことをちょっとだけ話す。
「あ~……言いたくなければ言わなくても良いんじゃ?」
「いいえ、隠し事をし続けるのって大変なんですよ。それに、案外隠し通せないってとある人にも言われたんですし、いつかは言わなきゃいけないんですって」
「そう……じゃあタイミングは任せるよ。言いたくなったら言えばいい」
何その「何食べたい?」「何でもいい」みたいな凄く反応に困るヤツ。そんな適当な具合だと俺以外にも悩んでる艦娘がいても碌に相談させられないじゃん。佐世保の提督を見習って?
「……分かりました。ですが、それまでの間は黒川提督のことは提督元権限で秘密にしておいてくださいね」
「流石にそれくらいはね。……いつも助けてもらってるからね。ありがとう」
「!? ……いきなり何ですか気持ち悪い。仕事じゃなかったら御免ですよ」
「君は何時もそうだね……ハハハ……」
なんて言って苦笑いする提督。
残念だったな。これがいわゆる提督L O V E勢って言われる人達だったら俺のポジションは密かに奪い合いになる可能性も在ったんだろうが……ぶっちゃけ出撃できるならすぐにでも誰かに押し付けて出撃したい。面倒くさくてダメだ。やりたい人にやらせておけば問題ないでしょ。
でも俺の黒い秘密をしっかり秘密にしてくれることには感謝しないといけない。
つまりなんだ? 俺は提督相手にツンデレムーブをしていることになるのか?
「うわキモッ……そう言えば、昨日は大淀さんとのデート、楽しかったですか?」
「ブッ!? ゴホッ、ゴホッ!」
うわ汚っ! 噴きやがった。マジ止めてくれよ……ソレ片付けんの俺なんだけど……いや、床に散らばってねーし提督に片付けさせよう。うん、書類は俺が持ってたから無事だし一安心だ。
全く……今日の俺は随分紳士的だ。運が良かったな……。俺の方に飛ばしてたら蹴りの一発でも入れてたかもしれない。……って言うかどこに噴き出す要素があったんだ? 何してたかは全く分からんけど、大淀さんは一体提督にナニを……?
提督の食器を片付け、食堂から持ってきたタオルを投げるように渡す。
「今日は出撃した人たちが戻ってくるので、早めに書類を片付けてしまいましょう。先程食堂で祥鳳さんに帰還を確認したら連絡をと言ってあるので、窓は開けておいてください。艦載機が飛んでくるらしいので」
「分かった。じゃあ早速書類を片付けようか」
そう言って姿勢を正して書類に目を通し始める提督。
いや、早く書類を捌きたいってのは分かるけどね? ちょっとは疑問を持とうよ。連絡方法が余りにもアナログ過ぎない?
せめてさぁ……軍のお金で防水のスマホみたいなのを全員とまではいかなくても配ろうよ……。この時代に情報が時速何キロって表現できちゃうのはヤバいって。スマホ使おう? 地球の裏まで一瞬やぞ。
―――ブゥウウウウン
「えっ」
おいおいマジか。今から始めようと思ったら艦載機来ちゃったよ。
えぇ……早いなんてもんじゃない。まだ午前七時くらいだぞ?
提督と顔を見合わせる。
「……取り敢えず行きましょうか」
「ああ……」
何かしらのハプニングの可能性も在るし、まだ手放しに喜べそうに無いな……。
主人公は男女のアレコレに対して
ネタとしての知識は標準、リアルなら中学生以下のクソ雑魚です。
それにしても、艦娘にスマホを持たせようよ。持ってないのはあり得ないから。
→よし、持たせるか。
その内スマホを実装します。