沢山の誤字脱字報告、毎度毎度感謝です……ッ!
どうして誤字脱字は無くならないのか……。
「艦隊が大破で帰還しました! 深海棲艦も多数確認できます!」
「……え?」
突然開け放たれた扉から入って来た声に呆然とする。
突然こんな事言われたらビビるよなぁ? 窓の外を見る……が、海には何も見えない。むしろ艦娘以外が通りかかったらちょっと大問題だと思う。
「提督! 早くご指示を!」
「まぁまぁ大淀さん、焦る気持ちはあると思いますけど一回落ち着いてください」
こんなに切迫した雰囲気の大淀さんとかかなりレアだから珍しいな~なんて思ってたけど、状況が状況らしいから訊きたいことを訊く。
「まず訊きたいことが幾つかあるんですけど、大破帰還したメンバーはどうなっていますか? 深海棲艦の大まかな種類と、今どの辺に居るかは分かりますか? それと、今深海棲艦に対応している人は居ますか?」
取り敢えずこの辺は気になるかな。ただ敵が来たって言われても提督だって神様じゃないだろうし「じゃあどうすりゃええねん」ってなるだろう。
敵と味方の
俺の言葉を訊いた大淀さんが一拍おいて落ち着いた。こういった時にすぐ落ち着けるって割と凄いと思う。
これで後は話を聴いた提督がしっかり指揮を執ってくれるだろうと思った俺は、断りを入れてから執務室を出た。
提督に知らせたのは多分一番最初。だったら次は一般市民の避難だろう。
万が一俺たちの防衛線が破られた時に全く避難してませんでしたでは話にならない。それと、大本営にも連絡を入れておかないといけないだろう。
……やっぱりこういったときにすぐ連絡できるように
「でもそれなら何で艤装とか艦載機は大戦時代のヤツなんだ? 現代のヤツ使えば深海棲艦をパワープレイでボコボコに出来るだろうに……あっ、すみませ~ん!」
執務室から出て向かっていたのは警備所だ。
警備府内に一斉に放送出来るのは今のところ此処しかない。それに、民間に大規模に連絡を入れられる唯一の場所でもある。
「はい、何の御用でしょうか?」
畜生! 呑気な対応しやがって……。まぁ何も知らないなら仕方ないか……。
「深海棲艦が近海にやってきているとの報告がありました」
「ッ! 分かりました。民間に避難を呼びかけます」
俺の一言ですぐにこの一言が出てくるのは流石の一言だ。お願いしますとだけ言って、電話を掛ける警備員を見る。
……ん? 今深海棲艦警報なんて言ってたけど、沿岸部はそんな注意報なんてあるのか……しかも避難訓練通りの対応をしてくださいって……マジで災害扱いじゃんか……。
まぁ爆弾とか文字通り銃弾の雨なんて台風とかよりよっぽどヤバいからしょうがないね。そんな俺も戦時中、空襲の怖さを理解してない一般人なのに……流されるままに守る側に立たされるなんてあんまりだ。
「次はどちらへ連絡をしますか?」
「警備府内の艦娘全体への呼びかけをします」
民間への連絡が終わったのか、真剣な表情で次を訊いてくる警備員に俺は電話を要求する。すぐに分かりましたとだけ言ってマイクを渡してきた。有能。
「全体連絡です。深海棲艦が近海で多数見つかりました。対応の為に出撃の準備を行ってください」
俺の口から “多数” って単語が出て来た時にギョッとした顔を向けてくる警備員。言わなかった俺が悪いんだけど、深海棲艦が多数って市民に連絡して、変に不安を増幅されるよりは良いだろうっていう咄嗟の判断だ。
あえて真実を全て語らないとか俺にしては中々頭良さそうなロールプレイでは? なんて思ったけど、満足している暇は残念ながら無い。次は大本営に連絡しなきゃいけないけど……これは俺がやっても良いのか?
まぁ良いか……やっちゃえ
言うて緊急事態だし……別に問題ないでしょ。さて電話番号は~っと……
―――ツー……ツー……ツー……
なんてこった……タイミングが悪すぎない? 訴訟も辞さないんだが?
だけどこうしちゃ居られない、次だ次。
戦場は初速で決まるって学校の先輩も言ってたし、初期の対応として俺が出来ることは……思いつかねぇな。執務室に戻るか。
寮の中は遠征に行ってない艦娘達が早足で移動していた。
「食堂だ! 食堂に向かえ!」
摩耶様が部屋を開けて回り、声を掛けていた。
徹夜越しの連続出勤とかファンタジーもビックリなドブラック労働環境だ。頼むから疲れからヘマして居なくなるってことだけは止めて欲しい。
「済みません……先程出撃から戻って来たばかりなのに……」
「あん!? こんな緊急事態に大人しく寝てろって? 一日くらいの徹夜なんてどうってこたぁねぇよ。スチュワート、お前はさっさと執務室に行ってこい。他の連中は食堂に集めといてやるよ」
「ありがとうございます」
何だこのイケメン!? 頼りになり過ぎる!
という訳で艦娘への呼びかけは問題が無さそうだから執務室へ ―――
「それと、大鳳と川内はもう出撃させたぞ。朝霜と長波も付けておいた」
直行出来なかった。
え? それって摩耶様の独断? っぽいなぁ……。まぁ、提督の指令がまだ出てないみたいだし、深海棲艦をフリーにしておく理由なんて無いから、戦場に戦力を届けるのは急務だろう。コレを独断でやった摩耶様は間違いなく超優秀な現場指揮官だ。
「分かりました。ありがとうございます」
お礼を言って執務室へ急ぐ。
「只今戻りました」
「はい、はい……」
執務室では提督が誰かと電話をして、大淀さんが戻って来た俺に向かって “
「はい……りょ、了解しました!」
どうやらタイミングよく電話が終わったらしい。提督が敬語で話してたし多分相手は大本営だろう。今までずっと話していたんだとすると、俺が電話かけた時に繋がらなかった理由はコレか。
「ふぅ……スチュワート、連絡ありがとう。助かったよ」
「どういたしましてです。そんなことより、出撃はどうするんですか? あ、もう既に大鳳さんと川内さん、長波と朝霜が出撃しているそうです。それと、摩耶さんが食堂に艦娘を集めています」
「そうか……大淀」
「はい」
「食堂に行って、先程決めた編成で出撃させてくれ」
「分かりました!」
しっかり返事をして大淀さんは出ていった。班も決まってるなら後は誰も欠けることが無いように祈るだけか。俺は大淀さんから聞いてないけど、戦艦とかいっぱい居るなら相当分が悪いんじゃないかな……。
一番最初に深海棲艦を発見した……警備府に連絡をしたのは祥鳳さんで間違いないだろう。その時すでにドンパチが始まって無い事を祈ろう。摩耶様が出撃させた四人が祥鳳さんの生存率に直結すると考えても良いんだろうか?
やっぱりこういったときの為に戦艦の人は居て欲しかったなぁ……。精神的な安心感が桁違いなんだよね……って言うか提督はここで何してんのよ? さっさと食堂に行って皆に激励の言葉とか送りに行けよ。
「スチュワート」
「……はい」
いきなり呼ばれたから返事をしなくちゃいけない。ほら、俺に何の用事があるんだ?
「……今から好きにしなさい」
……?
「えっと……」
俺の頭がおかしくなったみたいだな? 提督が何を言ってるかさっぱり理解出来ねぇぞ……
「今は人手が足りないんだ。謹慎処分を受けてるのは知ってる。だから……自分は忙しさのあまりここでスチュワートに話掛けなかった。緊急事態だったから彼女は独断で行動した。監督不行き届きの責任は自分にある」
「……」
なんかソレ、どっかで見たり聞いたりしたことがある言葉回しだね? 理解したら口角が吊り上がっちゃうじゃないかよ。提督もそんな中二溢れること言うんだねぇ……。
「へぇ……面白いじゃないですか……」
久々の出撃 O K って事で良いんだよね? しかも責任は取ってくれるとか……やりたい放題しても良いんでしょ? 最高かよ……。
これは、夕立が言う “素敵なパーティー” になりそうだな?
提督「構わん、やれ」
主人公「WRYYYYYYYYYYYYYYーーーッ」
日中に出撃 “させられた” 夜戦忍者の戦闘力って実際どんなもんかな……なんだかんだ並の軽巡と同じくらい活躍しそう……。
情報戦って言葉を知らない主人公はスマホで動画&ゲーム以外しないアホ。それじゃダメだよ。