展開がダラダラし過ぎていることは気が付いているものの、
どうやって修正しようか分からない愚か者です……
「今は緊急事態だから長い話はしない。ただ一つ……揃って戻ってきてくれ」
以上。と、食堂で艦娘を前に短く話を終わらせた提督と、既にやる気十分な艦娘たち。
因みに俺は一月くらい海の上をお預けされてたからほぼ無条件でやる気 M A X だ。
海の上で気持ちいい風を感じるのは癖になって止められないし、海の上は落ち着く……。これは多分艦娘の本能的なナニカだと思うから、きっと俺は大分手遅れだな……。
だけど、今まで “待て” をされていた分思いっきり暴れるくらいはしてもいいだろう。そんな事出来るかどうかは置いといて、責任を考えなくていいなら本当に好き勝手にやらせてもらうからな?
だから……さ? 早く「行ってこい」って言えよ。今の俺はトラブルって火種に自由というナパーム剤、ノリと呼ばれるガソリンを詰め込んだ動くテンション爆弾だぜ? なぁ……早くしてくれや。
「皆! 大破になる前に引き返してきてね! 沈まなかったら修理できますから!」
「それじゃあ皆、武運を祈る!」
明石さんと提督の声を最後にみんなが食堂を出ていく。既に艤装を着けてる人達は既に纏まって出撃まで秒読みな辺り流石だ。
それに、普段はダルいダルい言ってる望月も普通に行動してる辺りやっぱり優先順位は間違えないとか、艦娘って軍人なんだなぁとつくづく思った。
……さて俺はどうしようかな? 出撃しても良いって言われたからするんだけど、大淀さんと提督が既に編成組んじゃってるみたいなんだよね。となると俺の役目は遊撃? それとも最終防衛ラインの死守?
「という訳で大淀さん、役割を教えてください」
「え? ……ええ。遊撃として深海棲艦を倒してもらえると助かります。提督から駆逐艦と伺ってますから、最後の砦の役にはちょっと……」
なるほど。大淀さんは提督に俺のことを聴いたんだな? だから俺が艦娘だってことに驚いてくれなかったと。つまらん……ってまぁいい。
……それにしても駆逐艦だから力不足だなんて何も分かってねぇな? あの盾の凄さを提督は一ミリも理解してないな? きっと驚くだろう。
ちょっとキレそうになったけど、大淀さんは遊撃をご所望だったから反論せずに大人しくガンガン攻めるスタイルで暴れることに決めた。そこで必要なのは何と言っても砲と砲と魚雷!
って訳でやってまいりました工廠です。出撃前の艦娘で大変混雑しております。現在も次々と艦娘が入っていき、艤装を着けて出てきている状態です……が、遠征に行ってる人もそれなりに居るから実はそこまで数が多い訳じゃないんだよなぁ……。
だから最後尾に並んでいた俺も工廠に直ぐに入ることが出来た。中には工廠の住人の妖精さんと、工廠二柱の片方である明石さん。夕張さんは来てないけど、おいでなすったら佐世保のアレコレを考えて絶対にお姉ちゃん呼びをしておちょくると決めてある。
「スチュワートさんさんじゃないですか。何の用です?」
「艤装を貸してください」
手が空いた明石さんと話をする。そこで俺は必要だと思うものを要求した。
残念ながら俺のメイン装備の火力はゴミだからね。いたって普通の装備品に攻撃的なオプションを付けていけば火力支援の遊撃として活躍出来るんじゃない? っていう小学生みたいな足し算理論で俺は行くぜ。
「えっと……」
「艤装を貸してください。そう、あんな感じの駆逐艦のヤツで……って」
おいィ!? ちょっと妖精さんン!? 「さみだれ」って書いてあるその砲はヤバいって! いつぞやクソ提督を撃った佐世保の五月雨からパクった悪名高き名誉ある殺人砲じゃん! え、返してなかったっけ!?
いや、貰うけど……。そうそう、あとはいつもの投擲物ね。助かるわ~……何故この妖精さんは偉そうなのに俺の心を読んだかのような行動を取れるんだろう? 世界は謎で満ちている……。
「どうぞ! あんな感じのって言われても詳しいのは分からないからこれで……何とかならない?」
明石さんから渡されたのは睦月型の艤装の予備らしい。手に持つ砲が一つしか無かったから、左手に五月雨の砲を持って腰には投擲物を着ける。
最近盾ばっかり持ってたからちょっと耐久面に問題を感じる。何時弾が当たって爆散するか全く分からないとか、スリルを感じてヤベェヤベェ。
「はい、ありがとうございます」
良いじゃ〜ん。盛り上がって来たねぇ〜!
二丁拳銃みたいで中二病してるから、せめてそれに見合った華々しい戦果を挙げに行って来ようじゃないか。
「それと、さっき大破して戻って来た人達もそうですけど、あんまり艤装を壊されると大変なんですから大事に扱ってくださいね!」
「仕事がないよりは良いでしょう? まぁ、あまり良い仕事では無いと思いますけど……」
明石さんに軽口を叩いて工廠を出る。
「……え? スチュワートさんも出撃するの? 言われるまま渡しちゃったけど大丈夫だよね……?」
海沿いには既に艦娘は殆ど残っていなかった。提督が見送り、艤装を着けた大淀さんが無線? のような物を弄っていた。なるほど現場に於ける全体の指揮か。頼りになるね。
俺も激励を兼ねて残ってる人に声をかける。
「さぁ、深海棲艦を叩き潰してやりましょう! 残ってる皆さんも行きますよ!」
俺も行くんだからさ。
「「「……」」」
多少驚かれるとかは想定してたけど、提督と大淀さん以外からあり得ないものを見るような目で見られた。
そんなに俺って艦娘っぽくないの? 仕草とかは結構意識してたつもりだったんだけどなぁ……そんなに下手クソだったなんて流石に凹むんだけど……。
「ここでゆっくりなんてしていられませんよ! 民間に被害が出るかどうかに直結するんですよ!?」
ほらぁ……準備が整った大淀さんに怒られちゃったじゃ〜ん。
残ってる人は行かないの? だったら置いて先に行くけど。
「っし、やるか……」
「スチュワート」
あ゛あ゛ん゛!?
シューズの紐を結ぶような感覚で砲をしっかり握って気を引き締めようとしたらこれだよ。
「……何でしょうか?」
「無事に戻って来てくれ」
……は? 何勝手に俺に死亡フラグ建ててくれちゃってんの? そんなに俺に死んで欲しいの? 艦娘全員コンプするまで死ぬつもりは無いんだが? ポ○モンマスターの
「やめてくれって言われても戻って来ますよ。それに、もっとドッシリ構えてた方が他の人も安心できると思うのですけれど?」
「……そうだな。じゃあ、みんなが戻ってきた時の為に夏季慰労の準備をしないとな……」
俺がちょっとだけ刺のある口調と言い方で返したら、提督がそんなことを言って戻っていった。若干声が震えてたから絶対にそんな準備なんてしないだろうな。俺なら緊張して出来ねぇもん。深海棲艦が実は少ないことを神にでも祈ってな提督。
久々の海の上。風を感じたくてスピードを出す。
編成に組まれてない故に完全に単独行動が許されているってのは、こういう風にアホみたいに飛ばしても良いから気楽でいいね。
班で纏まって移動している人たちをどんどん抜かしていくのが最高に気持ちいい。
「誰?」が「マジ!?」に変わるのをチラリと見るのが
そうして突き進むこと数分。随分陸地から離れたと思うんだけど……。
「ッ!」
黒い影 ――― 深海棲艦を発見!
数は三? で人型は無し! つまり駆逐艦ばっかりだな!
「……ッシャオラァ!」
思いっきり気合の叫びを上げながら急接近。三匹居た駆逐イ級の内一体のアホ面に魚雷をブン投げる。
「グオオォーーッ!!」
叫び声を上げたそのお口に魚雷をシュゥゥゥーッ! そして隣の個体にゼロ距離射撃だァ! 蜂の巣になれぇ!
「ハハッ!」
「ガァアアアーーー!」
うん! 睦月型のちょっと小さい魚雷が実に投げやすくてベリーグッド! 大きさと重さもバッチリとか、投げてくださいって言ってるようなモンだろ!?
それと流石は曰く付きの五月雨砲! 借りて来たレンタル装備と合わせて実質火力二倍でイ級もあっという間に蜂の巣だ。香取さんの訓練の成果もあって、艤装に入ってる妖精さんのリロードが間に合うから常に片方の砲では撃てる。これによって弾幕が途切れないのは素晴らしい。
「あれれ~? 出会って一分も経ってないのに君の仲間二人は重症だよぉ!?」
本当に始まったばかりなんだ。一月ぶりのリハビリにつき合ってくれよ。
主人公「最高に「ハイ!」ってやつだアアアアア」
これが……テンション爆弾ッ! 圧倒的情緒不安定ッ!
だんだん主人公が壊れてきたような気がする……。
佐世保の五月雨は砲を盗まれて可哀想……。誰だこんな酷いことをするのは!